イタリアワイン Feed

2024年12月22日 (日)

まだ日本に入っていない「VICARA」を訪問。

ASTI駅から車で30分ほど行くとMONFERRATOのアレッサンドリア県に入る。

ムッソリーニの時代にモンフェッラートは、アスティ側とアレッサンドリア側の2つに分けられたことで、アスティ側はアスティの名称を、アレッサンドリア側はモンフェッラートの名称を原産地呼称に使用しているが、元が一緒だったのでわかり難いところもある。

さて、当主Giuseppe Viscontiさんは名前からも分かる通り、あのヴィスコンティ侯爵とも遠い親戚にあたる方ですが、先祖の土地で、彼の祖父が始めたワイン造りを引き継ぐことに、10年前に決意してミラノから移ってきた。

この辺りの土地を15世紀から守ってきたビスコンティ家の頭文字VI, そこでコミュニケーションを担当していたCassinisのCA, ブドウ栽培をしていたRavizzaのRAを合わせて、「VICARA」として1992年に創業開始する。

31_2

彼らの畑は点在している。時代を経て各ファミリーが所有する畑があり(Vadmon, Crosia e Bricco Uccelletta)、更にこの辺りの土地を研究したところ、3000万年前まで遡ると地質学的に12種類の土地に分けられるそうです。そこでポテンシャルのある土地を少しづつ買い戻しており、畑点在の理由のひとつです。14

向こうの山々が見渡せるように、モンテローザ(モンブランの次に高い山)も見えていたが、斜面は急で下方は溪谷であるため、このあたりは風がよく抜ける。また標高もバリエーションがあり、高いところでは昨年のような旱魃時にも耐えられる可能性が高い。

とはいえ、すべてに時間がかかります。ビオロジック認証に関しても3年はかかる訳で、畑を少しづつ増やしているので、年毎にビオ認証畑も増えるといった具合です。

只今年のような雨が多い場合は、病気が発生しやすいのでビオの畑では全滅だったそうです。個人的にはこの気象変化において、ビオロジック認証が本当に有効なのか見直しが必要な気が致します。

15

ブドウ造りを始めた先祖は1860年頃ですぐにフィロキセラ到来で、その土地を売り払ってしまったそうです。ここも買い戻したそうで、バルベーラを栽培しています。一つのラベルにはここの番地を起用しています。「CASCINA ROCCA 33」

16

彼は未来を見て仕事をしている。この時期、ちょうど緑肥を行っているところでしたが、従業員は昔から働く2-3人を除いて、あとは皆若い。収穫時期だけ手伝いを組合に依頼する企業も多いが、VICARAでは全員社員雇用しており、Giuseppeさんが教育し、この土地を知ってもらえるよう努めている。

万が一他の生産者のところへ移っても、実力が身についているはずだから、そこでも素晴らしいワイン作りをして、この土地のクオリティを上げてくれるだろうと話していました。

なんと、写真の向こうに見えるお城は、彼のご家族の所有するプライベートキャッスルです。

17

醸造所は山の上にあるので、ボトリングの車を呼ぶのも一苦労、そこで自社購入したがこんな小さなカンティーナで自前はまずないと話していた。隣のテイスティングルーム、ショップ兼事務所はシンプルだが、手作り感のある心地よい内装でした。

エノロゴは若い、かわいらしい女性Virginiaさん。Giuseppeさんも信頼を寄せているのがよく分かった。この日も何か問題があり、思うように進まない中、苦労がうかがえた。しかし、素晴らしいワインを造っているのです! 

18

カンティーナ:オーストリア製の縦長型の樽を採用、高かったそうです...

お客様のリクエストでグリニョリーノのドッピオ(W)・マグナムサイズ!さぞ美味しいでしょうね。

19

元々高い天井だったところを2層に分けて作った地下室。ここには祖父の時代からのヴィンテージを保管している。販売用ではなく、彼らのテイスト、方向性を確認するためだそう。20

左の白っぽい壁は石灰質を含む粘土質土壁で、触るとぽろぽろと崩れる。今は使用していないセメントタンクである。中は相当広い、大容量だったようで、いつか上手に改装して中に入れるようにしたいそうです。

右の全体に見えるレンガは後から貼りつけたもの。ここもセメントタンクだったことが分かるサインが残っている。このレンガの補装により天井を支え直しているそうです。

21

Giuseppeさんはお茶目な人。 余りにも古いボトルが並んでいて、ネビオロでなく、フレイザだけど大丈夫なのかと尋ねると一本開けてDivertiamoci!(楽しみましょう)と言って取り出してくれたのは

1997年ヴィンテージ。これはランチと一緒にテイスティングすることに。

23

さて、ランチに行こうと連れて来て下さったのは、あのお城!Giuseppeさんのご両親は住まいに使用しているようで、手入れがなされていました。

24

まずはお庭にあるサンルームで、グリニョリーノの泡!

DOMINO Spumante Brut Rosè  (シャルマ法=マルティノッティ法)

グリニョリーノ主体にシャルドネをブレンド。色がオレンジに近いロゼで、とてもドライだがイチゴのようなベリーの余韻はあるので、生ハムなどサルミに合わせたい。

【マルティノッティ法】にこだわった理由:彼は個々のワインだけでなく、テリトリーとして売っていきたいと考えている。いわゆるタンクで行う二次発酵の方法はマルティノッティ氏が発案したもの。あのモスカート・ディ・アスティは生産者GANCIAが瓶内2次発酵ではないこの製法を取り入れ大ブームを引き起こした。そのマルティノッティ氏はこの辺りの出身者である。

ところが、DOC制定時に何も考えず大手企業のいうままに、瓶内2次発酵(メトド・クラシコ)を取り入れたといって、残念がっていました。

ラベルもこだわっており、スプマンテを開ける工程が書いてあるのだが、要するにポンと開けるまでの過程がどれほど複雑か、どれほどの工程を踏んで出来上がるのかを印象付けたもの。

これは日本の市場にあったら嬉しい一本です。

25

お部屋に入ると、執事がサービスしてくれ、一気に中世にタイムスリップした感じでした。

壁には大きく、ヴィスコンティ家の紋章が!更にカトラリーにもすべて紋章があり、格のせいか重く感じました(^^) 

自家栽培の野菜サラダに、ツナとトマトソースのパスタ、鶏肉のコトレッタ、マンダリン(みかん)がとても甘かったです・・・

26

お部屋には暖炉に火が入り、どうやらこの部屋はキッチンとして使われたそうで、暖炉のあたりが窯でその跡が伺えます。

27

お伽の世界から出て来てカンティーナへ戻り、更にテイスティング。

Foto_6

 
本質を引き出したVicaraのフレイザ
FLEISA Monferrato DOC Freisa  ヴィンテージ 2018

フレイザはネッビオロの母であり、古代品種のひとつとされる。良年にのみ造られるVICARAの貴重な希少なワインです。700本ほど、手書きで番号が打ってある。

伝統的にフレイザは微発泡で軽やかなワインであるが、これは2018年ヴィンテージで既に熟成を経ており、香りは複雑で赤果実だけでなく、たばこや森の湿った感じとスパイス、リコリスなどとてもバラエティに富んでいる。味わいはミネラルをしっかり感じ、アルコール度も高く、口の中を包むように滑らかなタンニンがあり、まだまだ熟成が期待できる。よってグラスに入れてから、時間を追うごとに香りが特に変化し、メディテーションワインとしても楽しめます。

VICARAの唯一無二のグリニョリーノ
UCCELLETTA | MONFERACE Grignolino del Monferrato Casalese DOC

彼らの約1.3haのクリュ'’ブリッコ デッルッチェッラータ’’で栽培されるグリニョリーノを使用。

この畑は先祖から受け継いで80年以上経ちます。Uccellettaは鳥を意味し、いろんな種の鳥たちが巣を作り、畑でそのさえずりを聞きながら働いたという話から名づけられました。

オーストリア製オーク大樽で24カ月熟成させます。これは一般的なグリニョリーノの作り方とは大きく異なります。更に瓶熟成期間を長く取ります。そうしてエレガントで複雑みのあるワインに仕上がります。色は少し薄茶けた赤色で淵にオレンジ色が見られます。

香りはスパイスなど豊かで、口に含むとストレートでエレガント、タンニンは柔らかくシルキー、余韻がとても長い。とにかくキレイな印象が強く、すき焼きや神戸牛のお寿司など質の良いサシが入ったお肉に合わせたい。というのは、余談ですが、ピエモンテではバットゥータなど生肉を食べる習慣があるのと、日本食がブームでお肉のお寿司も出回っているそうです。

28

その他、VICARAのデイリーワインとして
VOLPUVA | Barbera del Monferrato DOC  (バルベーラ) ステンレスタンク使用

G Grignolino del Monferrato Casalese DOC (グリニョリーノリーノ)ステンレスタンク使用

●バルベーラの希少生産ワイン:
CASCINA ROCCA 33 Barbera del Monferrato DOC
バルベーラ。先祖から引き継いだ畑で2200本という少量生産、それも良年のみ。
8-10カ月のトノー木樽で熟成。


29

Foto_5

VICARAワイナリー URL: https://www.vicara.it/it/la-campagna/

1997年ヴィンテージワインのテイスティングは次回レポートします。

現当主の息子さんGiacomo Bolognaさんがガイドしてくれました。22歳の若さで紳士的で人柄の良さは親譲りなのでしょう。今年はシャンパーニュで修行、来年は南アフリカで修行されるそうです。

彼の祖父にあたるGiacomo Bologna氏の名前を引き継ぎ、将来が楽しみです。

『BRAIDA ブライダ』の名前の由来は?

彼の曾祖父が当時「Pallone elastico, Pallapugno」という手をラケット代わりにボールを打つスポーツをなさっていたそうで、とても強く、ブライダ・チャンピオンシップでいつも勝っていたそうです。そこで皆から、ブライダと呼ばれるようになったそうです。

祖父はその息子という事で「Figlio di Braida」。 4つの同じ苗字BOLOGNAのファミリーがこの町にいたそうで、区別するために、例えばレストランを経営する叔父さんのファミリーは「ボローニャ ディ・ラザーニア」と。

そうして、1961年に祖父Giuseppe氏がワイナリーをオフィシャルに開業する際に「ブライダ」と命名した訳です。

1

彼の曾祖父が当時「Pallone elastico, Pallapugno」という手をラケット代わりにボールを打つスポーツをなさっていたそうで、とても強く、ブライダ・チャンピオンシップでいつも勝っていたそうです。そこで皆から、ブライダと呼ばれるようになったそうです。

祖父はその息子という事で「Figlio di Braida」。 4つの同じ苗字BOLOGNAのファミリーがこの町にいたそうで、区別するために、例えばレストランを経営する叔父さんのファミリーは「ボローニャ ディ・ラザーニア」と。

そうして、1961年に祖父Giuseppe氏がワイナリーをオフィシャルに開業する際に「ブライダ」と命名した訳です。2

1961年 「MONELLA」バルベーラのフリッツァンテをボトリングする。

この辺りではバルベーラ、モスカート、グリニョリーノを栽培しているが、彼はバルベーラの地位を上げたかった、というのも、60年代はバルベーラは微発泡の軽いテーブルワインとして親しまれていたものであった。

1969年、ASTIのコンクール( Douja d’Or di Asti )で金メダルを獲得したので、ジェノヴァ、ミラノ、トリノのフェアに無償で参加でき、これをきっかけにバルベーラを世に送り出すことになる。

5

1982年 「Bricco dell'UCCELLONE」(ウッチェッローネ)初めてバリックで熟成させたバルベーラが登場。

実は当時イタリア人が移住する際に持ち込んだのがバルベーラ。実を多く付け、育て易い品種だった為、食料として有効であったのです。カリフォルニアにも持ち込まれており、沢山栽培されていて、樽を使用してワイン造りが行われていました。Giacomo氏が訪れた際に、この技法を持ち帰り実践したのである。

バルベーラのブドウは酸が高い、糖度も高くアルコール度が上がりやすい。しかしタンニンが少ないので、バリックを使用することで木からタンニンを補うことができ、完全なワインに仕上がるのです。

80年代は樽使用のバルベーラのワインが、1989年「Ai Suma」まで次々に登場したバルベーラ黄金時代である。

4

NOVITA! 真ん中のセメントタンクは「ティモラッソ」。最近人気の復活品種で、ブライダ発の白スティルワインになると話していた。

セメントタンクによってミクロオッシジェナツィオーネ(時間をかけて微量の酸化を促す)を施し、ブドウの持つアロマを引き出します。更にボトリングしてからもより長く瓶熟が必要で、初めての試みなので市場に出る時期は未定だそうです。 

ラベルはGiacomoさんが担当されるそうです。

右の樽には「グリニョリーノリーノ」。地場品種で伝統的にステンレスタンクで短期熟成で飲むワインだが、やはり最近このポテンシャルも興味深いということで、特徴であるタンニンを木樽で熟成させることで柔らかくし、新しいグリニョリーノを試験しているそうです。

歴史的な貢献だけでなく、常に新しいことへのチャレンジを忘れない精神が伺えます。

6

このバリックが並ぶ部屋は建物の3階に当たります。数年前にタナロ川が氾濫し、ワインをダメにしたことがあったそうで、今後も気象変化により洪水などによる被害を回避するために考案されたそうです。

7

8

9

左のボトルは 「 La Monella」の歴代ラベル、1974年、1980年。左側のチェレステ・アズッロ色のデザインは80年代のものだそうですが、とても現代的で驚きました。私の好きな色です!

右のテーブルは「Ai Suma」(方言で Ci siamo、時が来た、今だ)のラベルのデザインだが、これはGiacomo Braidaの笑みを浮かべたときの唇を二つ並べて、蝶々に見立てている。 良年のセレクトされた畑で遅摘みしたブドウで造る、まさに彼の代表作だそうです。2020年以降造れていないそうです。

孫にあたるGiacomoさんは同じ名前を頂いたこともあり、祖父の歴史を自分の事のように感じているそうです。

10

BRAIDAはランゲにも畑があり、シャルドネ、ナシェッタ、リースリングなど栽培している。

実はこの畑のオークションで候補になったのが彼らと Fratelli Giacosaだったので、価格が釣り合がる前に話し合い、共同で購入することになりました。そこで醸造はFratellli Giacosaで市場販売はBRAIDAが担当しているそうです。

右は「Bricco dell'Uccellone」の搾りかすで造られたGRAPPAです!素晴らしい香りでした。(^^)

11

ASTIの街のBOLOGNAファミリー御用達のトラットリアへ。

Battutaのお肉はピンク色でとても新鮮でした。 アスティ伝統のアニョロッティはソースがないのですが、中に詰めたものの味が濃厚で、素晴らしかったです。

12

13

2024.12.09   Kyoko Matsuyama

2024年11月22日 (金)


ローマにあるBIBENDAの本部で盛大に開かれたパーティに招待され参加して参りました。
振り返れば2016年に第1回目のソムリエコースをこのBibenda(FIS/WSA)とコラボし、8回目のコースを来年2月に控えております。受講者は計147名になります。
  
そんな功績を称えて頂き、イタリアの国歌の演奏と共に開会後、直ぐに檀上に呼ばれ、日本でのIVS Japan日本イタリアワインソムリエの活動を紹介することが出来ました。

1

 
BIBENDAも、ガンベロロッソのようにワインの評価をしており、ブドウの房(Grappoli)5つが最高点です。
5点(チンクエ・グラッポリ)を取った生産者を招き、700種類のラベルが並んでおりました。
会場には生産者、ビベンダ関係者など1200人が出席しておりました。

ビベンダは早くからデジタル化を取り入れており、分厚い辞書のような紙の本はもう作っておりません。

よって、5Grappoliのワインリストは、アプリで ダウンロードできます。

無料ですから、ぜひご覧なってみてください。

https://www.bibenda.it/bibenda-app.php

 
 
ビンテージは現行のものだけですので、例えばバローロは2020。今飲むより数年後により美味しく発展するだろうワインという事になります。
見覚えのあるラベルがたくさんあって、見ているだけでも楽しめます。

2

パーティの受付は18-19時から徐々に始まり、イタリアですから、受付から席に着くまでに会う人、会う人に挨拶をして、20時ぐらいから始まったでしょうか。

参加者はBibenda関係者と生産者たちで 100テーブル以上あり、1テーブル10人以上なので、1200人はいらしたようです。
テーブルごとにグループABC。とアサインされ、ワインリストもグループABCに分かれており、アサインされたグループから選んで 注文できます。
各ビベンダのソムリエに頂きたいワインを注文するシステムです。
 

3

4

5

ソムリエコースの講師、アントネッラ先生とエドアルド先生です。

6

彼がBIBENDAのプレジデンテ、フランコ.M.リッチ氏です。招待ありがとうございます!

7

別枠で『今年の素晴らしいワイン10点』が表彰されました。

見覚えのあるワインが。IVS Japanの会でも紹介させて頂きました。

8

この方は、アルバーノ・カリージ、『フェリシタ』という歌で有名になった歌手です。
私を見て日本語で『愛あなたと二人、・・・・・世界はあるの・・・」と昔の歌謡曲を日本語で歌い始めました。
アルバーノさんもプーリアでワインを造っていらっしゃいます。

Tenute Al Bano

とにかく会う人皆、日本の文化や習慣のすばらしさを褒めてくださって、有難い事です。
 
  
バルべーラ・アスティで有名な『Giacomo Braida』のラファエラさんも参加されており、
お会いできました。 

9

このホテルに入っているHeinz Beck の3つ星の店『ペルゴラ』のエグゼクティブ・シェフNicholas Cuomoのお料理を頂きました。 

・Vitello arrosto con fuhghi al rosmarino

・Insalata tiepida di seppie e ceci soffiati

・Gnocchetti al ragu' con granella di Lampone e olio

・Stinco brasato, patate e salsa al tartufo

・Sfera di torroncino , agrumi speziati

・Pan dolce e castagne

10

テーブルの写真、向かって右から2人目はトスカーナにある、歌手スティングの畑の方。
左端の方は会場である、ホテルカバリエリ・ヒルトンのオーナーで、幼少期に田園調布に住んでいて、川奈ゴルフクラブで父親とゴルフをなさっていたと日本の思い出を語ってくれました。

Img_4081_3


YouTube: BIBENDA 5 GRAPPOLI 2024.11

11

(写真左)FONGARO  (ヴェネト州) 生産者タニータさんは今年6月に来日し、ソアーヴェのイベントに参加されたそうです。 品種DURELLOのメトドクラシコを造る(ソアーヴェ地区)

(写真右) cantina Oasi degli Angeli (マルケ州)『KURNI』モンテプルチャーノのワインで有名!彼も独特の衣装ですが、奥様は真っ赤なドレスでワインと同じく個性的です。

レポート:Kyoko Matsuyama ( 2024.11.15)
=================================

IVS Japan 日本イタリアワインソムリエ http://www.ivsjapan.com/


LCI - Lingua x Cultura Italiana
エルシーアイ イタリアxカルチャースタジオ www.lci-italia.com

WSA-FIS イタリアワインソムリエ http://www.italia-vino.com/
================================

2024年11月 7日 (木)

(続)カルティッツェの畑が見える場所まで行こうと、フランコ氏(ADAMI生産者でプロセッコ協会会長を兼務する)と丘を登っていくと、突然見晴らしの良い五角形の形をしたすり鉢状の土地が現れます。

CARTIZZE:最初に出来たRIVE(区画、クリュの概念に近いもの)です。全体で107ヘクタールの広い区画です。132のブドウ栽培の生産者で所有しています。カンティーナは150社にも上るそうです。各生産者は小さな畑をを持っているのですね。

COMUNE(村)はValdobbiadeneに位置し、Frazione(comuneの中の地区)は S. Pietro di Barbozza, Santo Stefano , Saccolに広がっています。 

5

1933年のシエナで開催された初めての郷土ワインの展示会に、フランコさんのお祖父様がGiardinoとこのCartizzeの2本のワインを提示しましたが、Cartizzeは中でも素晴らしかったそうです。

当時から評価され、ポテンシャルがあったことが伺えます。

プロセッコのブームは80年代です。70年代フランコさんは既にプロセッコを造ってましたが、価格は以前と変わらずでした。80年代に入り、価格は倍になり、今では5倍です。

カルティッツェのブドウは約6€、ヴァルドッッビアーデネのブドウは2€。

Prosecco「ここの環境はスペシャルなんです、1937年から景色はほとんど変わっていません。少し家など建物が増え、木々が減ったけれど、畑は沢山あって昔と変わらないです。」

『カルティッツェ・アルト(上部)』おそらく1800年代からブドウ樹はあったでしょう。傾斜が急なので他の作物は不可能なんです。独特のクオリティーがあります。

『カルティッツェ・バッソ(下部)』土壌はより深く、粘土質が多い。収穫時期は一番遅いエリアです。

収穫時期も畑毎に行います。①Scandonela  10日早く、②Colbertaldo,そして ③Valdobbiadene- ④Combai(冷涼で閉じたエリアの溪谷で、熟すのが遅い)は10③遅く、順に収穫していきいます。

6

世界中に知られたプロセッコは、造るのも簡単で飲みやすいワインとして有名ですが、この景色を一見すれば分かるように、場所によって違うのです。このミクロクリマ(メゾクリマ)から高品質なワインが生まれるのです。

Colbertaldoではシャルドネを栽培しているそうです。「PROSECCO Valdobbiadeneは15%までシャルドネを使用可。ヴィンテージによって2,3%はブレンドするのは良いと思う、好まない生産者もいるが、殆どみんな入れている。(^^)」

『ADAMI家のストーリー』を少しここで語ってくれました。

1920年 祖父がGiardinoの畑を買った。13人の息子がいて、上の5人がブドウの樹を手で(機械はなくマニュアルで)植えました。この辺りは伯爵がいた頃からブドウ栽培していたからです。

このチリオーネ(ciglione)、一種のテラス式畑が将来、世界遺産に指定されるとは知らず。

父は学校に行きたがらなかったので、祖父がCarpeneに送ったところ、父は気に入ってワインの世界に入っていった。その後この地域のワインを買ってカルペネに売っていた(ブローカー)。叔父さんも従妹も続いて行った。そんな訳で『カルペネ』とは深い繋がりがあります。 

親の代まではスティルワインや量り売りワインなどいろいろ作っていましたが、私たち兄弟は国際化に力を入れて、スプマンテープロセッコだけを造っています。

6種類のプロセッコ・ヴァルドッビアーデネと1種類のトレヴィーゾDOC(平地の一番生産量が多い場所)

『CASEL(CASEI)』 畑(Rive)にある山小屋を指すが、昔はみんな親戚兄弟、点在するCASEIに住んでワイン造りをしてきたんだ。僕のワインが一番だけどね(笑)

CASEI(カゼイ)はADAMI家を代表する愛称だそうです。

7

Img_3213

本当に見晴らしがよく、空気が澄み渡る日は50㎞先のヴェネツィアのサンマルコ広場の鐘楼が見えるそうです。

溪谷の地形は3層になっており30kmほど平行にVittorio Venetoまで続く。この溪谷沿いにSan Martinoから車で走ると 片側に丘陵斜面が広がり、片側に平地が広がる、なかなか素晴らしい景色です。 



【ADAMI  プロセッコ- ヴァルドッッビアーデネのテイスティング】

①BOSCO DI GIGA Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore  Brut

DEI CASEL  Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore 

  Extra Dry , FINE PRESA DI SPUMA(澱とのコンタクト終了)2024年3月 

 最初のアタックは軽やかな甘さ、次に柔らかい酸ー後味はすっきりドライ 

10

③ VIGNETO GIARDINO Valdobbiadene DOCG  Prosecco 

   RIVE DI COLBELRTALDO   ASCIUTTO (NON  DOSATO) Alc.11%

COL CREDAS Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore  

    RIVE DI FARA  DI SOLIGO  Extra Brut Alc.11.5%

③糖添加無し(パドセ)と④エキストラドライとの飲み比べを行った。 ④は口当たりがよくまろやかさが感じられ、③はすっきりドライだが、柔らかいタンニンで骨格があり③が好みでした。

Foto_1

⑤CARTIZZE Valdobbiadene DOCG  Superiore di CARTIZZE  DRY

  チョコレート、フルーツタルト、パンドーロ、パネットーネなどに合わせたい。残糖度25g/l。

COL FONDO Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore Sui Lieviti 

 Brut Nature、FINE PRESA DI SPUMA 28 APR 2024 (澱とのコンタクト終了日)

 澱を残したまま。お好みで、澱が沈静した状態で頂く、またはボトルをひっくり返して澱を混ぜて頂いてもよい。

Foto

11

LCIイタリアカルチャースタジオ、Kyoko Matsuyama 2024.10

2024年11月 3日 (日)

プロセッコ・ヴァルドッビアーデネの生産者ADAMIの当主フランコ氏は、プロセッコ協会会長も担っております

畑を共に歩き、彼の熱い想いを伺うことが出来ました。

1


フランコ氏が最初に「40秒で Prosecco プロセッコとは何か語ります。」と言って始まった。

「プロセッコとは一つの地域で、2つの州(ヴェネトとフリウリ)にまたがった9つの県にあります。そこで栽培されるブドウ「グレーラ」を使用して規定に沿って造られるワインがプロセッコDOCです。トレヴィーゾ県は一番生産量が多く、北側に2つの丘陵地「Asolo アゾロ」と「Conegliano Valdobbiadene コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ」があります。後者が世界中に知られる近代のトップレベルのプロセッコが生まれた地です。」

さて、ブドウは「グレーラ」(以前プロセッコと呼ばれていた)の栽培は、1920-30-40年代の話ですが、ヴァルドッッビアーデネで始まり、コネリアーノへ発展していきます。

1937年 Farra di Soligo他小さな3つの村に1,000haの畑があり、ここでプロセッコが生まれる。

Adami1


プロセッコ・スプマンテのメトド(製法)の誕生

Carpene氏に感謝したい、というのも彼が1800年終り~1900年初頭にMartinotti氏と知り合う。

マルティノッティ氏はを瓶内ではなく、大容器で2次発酵させる方法を考えた人です。「モスカート・ディ・アスティ」アロマティックな香りやフルーティな風味を残すために 早く酵母と分離させたのです。(後に仏のシャルマ氏が特許を取ったのでシャルマ法というが、イタリアではマルティノッティ法とも呼ばれています)

カルペネ氏はマルティノッティからこの方法を学び取り入れプロセッコを作ったのです。第2次世界大戦後の1945年からここヴァルドッッビアーデネで生産者たちがこの方法でスプマンテを造り始めました。

昔スプマンテのことをイタリアのシャンパンと呼んでいたように、瓶内発酵していたのですが、カルペネ氏はその方法ではプロセッコの価値を最大限に活かせないと考え、費用削減のために選んだわけではなく、素晴らしいワインを造るための一大プロジェクトだったのです。

なぜこの地に発展したかというと、このあたりの丘陵地はトウモロコシなど穀類や他の作物を栽培できない急斜面だったので、この傾斜ある丘陵地を最大限に利用したという功績でもあります。

2_2

Valdobbiadeneの土壌について

東のコネリアーノのモレーン(堆積)と異なり西側のヴァルドッッビアーデネは古代海底であった土地が隆起した場所で、湖が出来、砂が沈んで固まって砂岩(arenaria)になった。この辺りはこのオレンジ交じりの白い岩やこの塊の上に砂、土が50-60cmまたは30cmほどの深さがあります。

ブドウの樹はこの岩の隙間に根を伸ばし水分、養分を求めます。土壌は豊かではないため、クオリティの高いブドウが出来ます。

気候は湿度が低く、日照が適度にあり、冷涼な風があり乾燥し、病気対策も不要です。こうして出来たブドウはとても軽やかな仕上がりで、スプマンテにピッタリなのです。春のフルーティさ、フローラルさ、リンゴ、洋ナシ、バナナ、アプリコットなど造り手の個性が表現されます。

斜面の向きはバラバラです。よってADAMIではミクロクリマ(メゾクリマ)毎に区画を分けて、収穫醸造しキュヴェを造り、酸度が高い、低い、骨格がある、ない、香りがリンゴ、洋ナシなどのそれぞれの個性あるキュヴェをブレンドします。

しかし、大きな畑ではそれは人手も費用も掛かりキュヴェ造りはできないため、Cru’(クリュ)としてヴィンテージ事の違い、個性を表現します。

Adamiでは30種類に分けて醸造しています。12月から1月にかけて何度もテイスティングを重ね、ブレンドの仕方を考え、Extra dry, Brutなどに分けます。

2つのCru’を所有しております。1つはVigneto Giardino-Rive di Colbertaldo di Vidor:カンティーナより西側にありすり鉢状(アンフィテアトロ)、4ha,地域で初のCru。遅めの収穫で糖度を上げ、補糖も行います。

もう1つはRive di Farra Di Solgo 'Col Credas' :カンティーナから8kmほどにある。 標高300m。補糖なし(non dosato)にぴったりなブドウが生まれます。 

3

「ブドウは混ぜてはいけない、必要ならばワインを混ぜなさい」

フランコさんの祖父様が初めて行ったのが1933年。シエナで初のイタリア土着ワインのイベントが開催された際に、このGiardinoとCartizzeドライの2本を紹介したそうです。

そして哲学として祖父から父へ、父から私フランコ氏と兄弟に、さらに子供たちに伝え守られています。

2009年 DOCGに昇格。そこでRIVE(畑の区画)としてGiardino, Ferra di Solioが指定される。

RIVEを表記するのは、畑はどこも同じではないことを明示するためである。生産者はその土地の個性をボトルの中のワインに表現しなければいけない。

Vignento Giardinoと同様の土壌層ははヴィットーリオ・ヴェネトまでずっと続くが、この辺りは砂岩が多い、Farra di Soliaは石灰質が多い、Coneliarnoは鉄分が多いと違いがあるのです。

3_2

収穫について、「どんなワインを造りたいか」「どんな年であるか」によって決まります。化学分析だけでは決められません、私は30㎏のブドウを食べます。8月末から9月10日まで50の畑を2回周って、150粒を取って健康状態を見て、さらに味見します。

●Buccia果皮-タンニンがあること、Verde(熟していない、固い)ではないこと、

●Vinacciolo 種- 3/4:Maron(熟した) 1/4:Verde(若い)

スプマンテを造るのであってスティルのワインではないから。

●Gusto味:美味しいこと。

それから何日後に収穫するかを決めます。

Pressatura(プレス)

健康なブドウならば、タンニンも熟しており、しっかりプレスしてボディのあるワインに仕上げます。

まずは軽やかなワインを造る必要があります。その後ボディを調節します。風味は舌の先で感じる甘味部分が重要であり、奥の苦味ではありません。

最近の温暖化で酷暑もありますが、基本的には適度な雨量が常にあります。只、集中豪雨は問題になります。

4

世界遺産ユネスコに登録 2019年

Ciglione チリオーネ

プロセッコの世界遺産といえば、急斜面にブドウの樹が列をなして風光明媚な映像を浮かべると思います。この樹の畝を「チリオーネ」と呼びます。

テラス式(terrazzamento)の石の代わりに草のない土を用いた手法で、斜面の硬化と崩れを防ぎます。チリオーネの歴史は16~17世紀に遡り、今でも傾斜15°~60°のエリアの約64%で使用されています。

私たちの使命は、これを維持することです。

続く・・・

2024.10 訪問 Kyoko Matsuyama  

2024年10月15日 (火)

1
こちらのカンティーナで、アマローネが生まれたそうです。当時エノロゴが、伝統のワイン『レチョート 』甘口を造っておりましたが、ある日、開け忘れていた樽を味見したところ、’’アマローネ’’ (とっても苦い→渋い→辛口だ!)と言ったことが始まりです。つまり、すべての糖を酵母が食べつくしたため、辛口ワイン、それも重厚なワインへと変化していたのです。

2

カンティーナは1500年代にこのValpolicellaに造られます、その後1700年代にこのフランス・シャトーの影響を受けたネオクラシック建築の館を直ぐそばに建てました。いわゆるパッラーディオ建築と言われ、16世紀に活躍した パドヴァ生まれの建築家アンドレーア・パッラーディオの設計から派生しヒントを得たヨーロッパの建築様式です。

3

エントランスは木製の上にコーティングをし、いかにも大理石で造られたかのように見えます。

天井から壁にかけてフレスコ画があり、MUSE(ミューズ)が描かれています。ミューズはギリシア神話で、知的活動をつかさどる九人の女神です。4

1735年Abbazia di Negrar Valpolicellaに畑とこの館が建てられます。 1850年には Teuta di Piave di Colognola (Soave DOC)もGaetano Beratni当主の時代に所有することになります。1883年にはCorvinaの品種をグイヨ仕立てで栽培します。

ベルター二は現在、2つのワイナリーに分かれておりますが、引き継いだ兄弟の息子たち、つまり従妹同士が引き継いだ際に、それぞれの道を選択したようです。

一方はAngeliniホールディングスの傘下となり、こちら『テヌータ・サンタ・マリア』は、Gaetano Bertaniによって継承され、現当主は 兄弟の Giovanni Bertaniさんと Guglielmo Bertaniさんです。

5

今回はGiovanniさんに招待を受けて、ワイナリーツアーに参加して参りました。残念ながらちょうどアジアにご出張中ということで、お会いできませんでした。

10名ほどのグループで見学ツアーが組まれており、最後に6種類のワインをテイスティングする90分ほどの内容です。

6

エントランスの建物を抜けると『Giardino Inglese』イングリッシュガーデンが広がり、その奥にブドウ畑(グイヨ仕立て)が広がります。

英国風の庭はいろんな種類の木々、植物が自然に育ったように見えるのが特徴ですが、実際はそのように設計されたものです。小さな池のほとりにはお茶をする小屋が立っています。

7

秋の庭には栗が沢山転がっていました。

8

その脇からカンティーナへ、入口には昔使用していた、穴が残っています。ここから重力を使ってモストを地下の容器に流し込んでいたそうです。

9

2階へ上がると、目に飛び込んでくるのが『Fruttaio di Appassimento』陰干し部屋です。

近年は湿度の高い日も増え、写真のように扇風機が備えてありました。

10

11

11_2

12

通路には昔使用していたワイン醸造の器具が飾ってあります。

13

14

1階に降りてくると、おおきな樽が並びます。今は使用していないもので、バリックとトノーを使用しているそうです。

15

紋章の木彫りがある方がフレンチオーク、 大きく湾曲した方がスラボニア産オークです。

16

更にセメントタンクが少し並んでいます。 昔はここで発酵させていましたが、今ではステンレスタンクに取って代わり、セメントでは最後のブレンドに使用しているそうです。

17

最後はテイスティングの部屋へ。

18

ここでスライドを見ながら、説明を受け、6種類テイスティングします。

19

1本目は白、ソアヴェです。

LEPIGA SOAVE Doc: ネグラールの畑で3回に分けて収穫したものをブレンドします。シュールリーを施し、黄金色のエキゾチックなフルーツの香りとボディを生みます。

20

Valopolicella Classico Superiore Doc 2022: アルコール度14.5%

Negrarの畑。2022年はとても暑かった年。

Corvina,Corvinone,Rondinella,Oseletaのブドウ。14か月以上、大樽で寝かせます。

酸がしっかり、若いチェリーやリコリスなどの香りを楽しめます。

 

21

Valpolicella Ripasso Classico Superiore Doc 2020:  アルコール度15%

リパッソという手法で、Valopolicellaのワインを更にアマローネの搾りかす(Vinacce)に浸すことで生まれるアロマや柔らかいビロードのようなタンニンに仕上がります。フルーツだけでなく、シナモンや胡椒などのスパイスも感じられます。

Amarone Classico Riserva della Valpolicella DOCG 2018:  アルコール度16%

コルヴィーナ 65-75% コルヴィノーネ 10-15%

ロンディネッラ(スパイシーな香り)、オゼレータ(小粒で色が濃い)

9月から約3か月間、陰干しすることで、40%以下の重さになります。

スラボニア産樽で5年寝かせます。

マラスキーノチェリーのリキュール漬け、カカオ、たばこ、ナツメグといった風味が強くなります。


22

その他2種類はメルローの陰干しをしたもので、2019年はバラの花びらのような華やかさが際立つのに比べ、2013年はルバーブやバニラのスパイス感が感じられ、全く異なるものでした。

23

お帰りの際、ショップがあり購入頂けます。

24

お天気にも恵まれ、気持ちのよいテイスティングツアーでした。

2024年10月12日 Kyoko Matsuyama LCIイタリアカルチャースタジオ、IVS Japann

2024年10月10日 (木)

プロセッコの生産はイタリアでも一番多い7億本を超えるそうです。

生産地はヴェネトとフリウリに跨り広大である中、ヴァルドッビアーデネの約100haの畑『カルティッツェCartizze』はトップ Cruと格付けされています。続いてコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネの『RIVE(リーヴェ)』と呼ばれる43の指定された畑がありますが、これらは一角です。

その希少なカルティッツェの畑も所有する、美しい友人クラウディアさん家族のワイナリー『Riva dei Frati リーヴァ・デイ・フラーティ』を紹介します。

10月知らずに訪問したのですが、翌々日ローマで挙式と人生重要な日の前々日にもかかわらず、歓迎してくれました。勉強熱心で禅の心を持つ誠実な方です。

1

『RIVA dei FRATI』名前の由来(修道士の畑)という意味で、1256年に遡り、
FRATI(ドメニコ会修道士)が与えられた畑でブドウ、ワイン造りを始めたそうです。
 1876年 アダミ家はヴァルドッビアーデネでブドウ栽培、白ワインのスティルと微発泡(Frizzanti)のワイン造りを始める。

1960年 イタリアの他州も含め、自分たちのワインを販売し始める。この頃コンクールで知った醸造家たちと製法に磨きをかける。

1988年 大家族であるアダミ・メロット家の、チェーザレとマリーザがここで起業する。

2015年 彼らのカルティッツェのワインはロンドンで開催された国際ワイン&スピリッツコンクールで世界で優良なプロセッコ・スーペリオーレとして表彰される。

2

『第九 Nona Sinfonia ノーナ・シンフォニア』 
 Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG Surlie 

COL FONDO(Sul lievto) 澱が残った状態なので残糖がない。マルティノッティ方式(シャルマ法式)でステンレスタンクで二次発酵を行った後、フィルターにかけずにボトリング。

この辺りの昔からの製法でいわゆるメトドクラシコで瓶内2次を行うこともあるが、澱引き(Sboccatura,デゴルジュマン)を行わない。

澱が沈んだ状態で上澄みを頂くのと、ボトルを揺らして澱を混ぜて濃厚な風味で味わうのと2種類楽しめます。

(ブルーのラインが入ったラベル)
『ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレDOCG エキストラ・ブリュット』 
 Valdobbiadene Superiore DOCG Extra Brut 
 残糖度3g/Lと非常に低く、ラベルのイメージ通り爽快感があります。


(ゴールドのラインが入ったラベル)
『ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレDOCG ブリュット』 
 Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG Brut
 残糖度10-12g/L、バランスがよく舌平目のムニエルなど加熱したお魚料理に合わせたい。

(ブラックのラインが入ったラベル)
『ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレDOCG エキストラ・ドライ』 

 Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG Extra Dry
 残糖度15-16g/L、トロピカルフルーツの香りを楽しみながら、フレッシュや少し熟成したチーズを合わせたい。

3

ここはワインショップとテイスティング用にヴァルドッビアーデネに開いた場所です。

彼らのヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレ(プロセッコ)は、残糖度のバリエーション(パドセ、エキストラ・ブリュット、ブリュット、エキストラ:ドライ)とあり、好みやアッビナメントで楽しめます。

どのタイプも泡のきめ細かさ、エレガントな仕上がりで余韻が長く、生産者の性格が表れているのか安定した味わいで安心感を与えてくれます。

日本で2回お目にかかりましたが、未だインポーターがいないので日本で頂けないのが残念です。

4

⑤『ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレDOCG カルティッツェ』 
 Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG CARTIZZE
 アプリコットやパイナップルの香り、糖度もあるのでフルーツタルトなどのドルチェに合わせたい。


 カンティーナ Cantina

カンティーナはヴァルドッビアーデネから車で10分ほど下ったコルヌーダにあります。

父親チェーザレの話では、アダミ・メロット家には4人の息子がおり、畑が3つしかなかったので、

いわゆるくじ引きで、テーブル上で木の枝の倒れた先にいる者が土地を出るという事になったそうです。昔はそんなもんだったと楽しそうに話していました。 

そこで、奥様の方に所縁がある場所コルヌーダにカンティーナを開いたそうです。

7

 MARCOさん(お兄さん)醸造について語る

la Vinificazione 醸造
ソフトプレス(空気圧式膜圧搾機)で果皮と果汁を分け、タンクで一晩寝かせた後、全体の6-7%の
果皮と残存する枝や種を取り除き、果汁 “mosto fiore”を別のタンクに移します。
SO2の添加により清澄を促し酸化を防ぎます。

la Fermentazione  アルコール発酵

培養酵母を使用しますが、酵母についてはチェーザレ氏が語ってくれましたが自然酵母からセレクトしたものを注入するそうです。

酵母がグルコースを食べてCO2とアルコールを生成します。CO2は消えて度数9-10%のアルコールができます。フィルターにかけ澱を取り除き、別のタンクへ移します。
 
プロセッコ組合では翌年2025年1月までDOCGは販売できませんが、ワインの品質を上げるためにも
酵母が働きやすい春の暖かい頃まで待ってから、2次発酵を行います。 

la Spumantizzazione スプマティザツィオーネ 2次発酵

プレーザ・ディ・スプーマとも言って、ここでは伝統的にマルティノッティ方式(シャルマ法式)を
使用して泡を造ります。温度管理可能な密閉状態の大きなステンレスタンクで酵母と糖(サッカロース)
を加え、30日かけて(1日0.2バール)13度に設定してフレッシュなフルーティ、フローラルな
香りを引き出します。最終6バール、糖度は仕上げるワインによって止めます。
 
フィルターを掛けて澱を除いてからボトリングします。その後、プロセッコ委員会に提出し、
郷土的ワインかどうか審査され、合格したらDOCGのシール帯がもらえます。
なんとも厳しい工程ですね。
余談ですが、イタリアは総じて他国より検査が厳しいそうです。昔メタノール事件があってから
健康を阻害することのないよう、体制が組まれたようです。

8

VENDEMMIA(収穫)

ヴァルドッビアーデネ・スーペリオーレのブドウは全て手摘みです。
通常9月ですが年に依ります。2024年は曇りで涼しくとても良かったそうです。2022年はとても
暑くて雨が6か月も降らず、収穫に6時間以上かかった大変な年だったそうです。

5
Barbatella(苗木)10月に4月~ハウスで育てた苗木が届き、これから植樹するところです。
通常畑に植樹するのは4月だがブドウが実をつけ生産し始めるまでに5年を要します。
この苗木を使用することで1年短縮でき、4年後の2028年にはワイン用のブドウが出来るわけです。
しかし古い苗木から植替えするのに苗木代もすべて含めて1本あたり40~50€かかるそうです。

昔は樹齢40年以上であったが、最近は量を求める余りストレスで20-25年程度だそうです。

9

LIEVITI (酵母)

培養酵母はBayanusなどの2種類を使用しているが、ここに住み着いている自然酵母が多種あり
適したものを1種選び注入するそうです。

Claudiaさんの父親Cesale氏は元々エンジニアで、機械をいくつも造っているそうです。
例えばこちらは、酵母を適温20℃にして発動させるもので、この温度でワインの香りが左右します。
失敗もあったそうで、最初低温の方がフレッシュなフルーツの香りが出来ると思い、14℃で試した
ところ失敗。26℃ではフルーツジャムの香りとなり失敗。20℃で発動させ、16-17℃で発酵させ
るのが最良と
わかった。
因みに気圧は24時間で0.2バールのスピードが望ましい。
彼の研究家魂がひしひしと伝わってきました・・・どうやら2年前に脳の動脈瘤で1年以上生死を
さまよったという。長い間お休みをしたので今は元気だと仰ってました(笑)

6

 酒石酸: たまにグラスの底にクリスタル状の物質が見られますが、これは酒石酸acido tartaricoです。
ブドウにもワインにも存在するミネラル成分で、温度ショックで固形として現れます。
チェーザレ氏はマイナス4度でワインの状態を安定させて、現れないように注意しているそうです。
只レストランなどで急冷、例えば塩を使用してマイナス10℃などショックを与えると酒石酸の固形が
現れますがこれはワインのクオリティを損ねるので間違った方法と話していました。

10

真ん中の彼女は入ったばかりのスタッフと、クラウディアさんご両親です。

ワイナリーホームページ:https://www.rivadeifrati.it/

ヴァルドッビアーデネはその周りのアゾーロやバッサノ・デッラ・グラッパも含め、ヴェネト州へ行くなら、必見の素敵な場所です。

2024年10月訪問 Kyoko M

2024年9月 7日 (土)

BIBENDA-WSA

イタリアワインソムリエ
8期生募集のご案内

イタリアワインの歴史を知るBIBENDAのソムリエ資格が取得できます

東京会場 2025年 2月5日(水) 〜 2月9日(日)

 

BIBENDAの講師が来日して開催します。WSAイタリアワインソムリエは、FIS(Fondazione Italiana Sommelier)のコースを、世界に向けて発展させるために立ち上げたもので、WSA(Worldwide Sommelier Association)の資格コースとして、イタリアワインに特化した内容で構成されます。

 ・イタリア20州の土着ブドウやワイン、その特徴、製法などを系統立てて学べます。
 ・豊富な土着品種、格付けのワインをテイスティングする機会となります。
 ・アッビナメントというイタリア特有の知識『料理との合わせ方』を試食しながら、分析します。
イタリアだけを重点的に学べて、且つBIBENDAの資格を取得できるのは、日本ではこちらだけです。
初心者~上級者の幅広いレベルの方にとって有効な内容です。
資格取得後には、毎年マスターコースとして、各テーマ毎に掘り下げて、特にテイスティング力を養う機会がございます。

日程・料金・申込方法・オンライン説明会の情報など、最後までぜひご覧ください。

 


≪イタリア各州のワイン Vini Regionali ≫

20州系統立てて学べるからイタリアに強くなる!
 
感覚分析テクニックはイタリア人講師が丁寧に分かり易くレクチャー。専門の通訳が付きますので安心です。
イタリア北から南まで、土着品種約28種類の豊富なテイスティングが経験でき、テイスティング力を養うことができます。

 
≪料理との合わせ方 Abbinamento≫
感覚分析の仕方をマスターすれば、ワインの選び方や調理法に実践できる!



各食材の製法・特徴・調理方法・イタリアのDOP指定食品をカテゴリー別に知ることができます。
感覚分析方法を学んだあと、試食!料理とワインそれぞれの特徴を分析し、相乗効果を生むマリアージュを見つけ出します。

試験とディプロマ

Esame e Diploma

基礎コース全てを受講し、最終試験に合格された方には WSAイタリアワインソムリエの証書とタストヴァンTastevinとソムリエバッジSpilettaが授与されます。
講師はBIBENDA本部があるローマから2名。
弁護士でもあるアントネッラ氏とエノロゴ(醸造家)でもあるエドアルド氏。
二人とも熱心で丁寧に説明してくれます。もちろんイタリアのユーモアにあふれて楽しい授業です!

▶︎ コースの詳細・お申込みはこちら


【日程】全 5日間
  2月5日(水)10:00-18:30 
  2月6日(木)10:00-18:00 
    2月7日(金)10:00-18:00 
  2月8日(土)10:00-18:30
  2月9日(日)  9:30-17:30 
 
途中休憩あり。詳細スケジュールは近くなってからご案内します。

【会場】

・Ristorante ACQUAPAZZA(東京都港区南青山2-27-18 パサージュ青山2F )
・日伊学院 (東京都渋谷区桜丘町15-17 NKG東京ビル)
※ 各会場への問い合わせはご遠慮願います。

【お申込み締切】 2024年11月10日(日)
定員22名(定員に達し次第募集終了)


【受講費用】 217,800円(税込)

インポーターやBIBENDAの協力によりリーズナブルな費用設定が実現しております。

受講費用に含まれるもの:
 ◇コース授業料
 ◇テキストなどの教材
 ◇テイスティング分析シート
 ◇受験料
 ◇FIS会員の初年度年会費(100€)
 ◇教本『イタリア式ワインのABC』

(合格者へ)
 ◇FISソムリエバッジ
 ◇タストヴァン
 ◇ディプロマ

【お申込み方法】(スマートフォンからも可)

     http://www.italia-vino.com/application.html

お申込みフォームを送信後 受講費用のお支払いが確認された時点で、お申込み完了となります。
お申込みフォーム内の規約に、キャンセルポリシーや全レッスンの受講が受験に必須であることなどが記載されております。お申込前に必ず規約をお読みいただき、ご承諾の上でお申込みください。

オンライン説明会(要ご予約)
申込み前にコース内容やその他について直接詳しく知りたい方は、メールでご予約ください。なお、コース申込みに説明会参加は必須ではありません。
・9月15日(日)10:30-
・9月16日(月祝)10:00-
・9月17日(火) 19:00-
お問い合わせフォームはこちら

コースの詳細、団体、よくあるご質問はホームページもご覧ください。
http://www.italia-vino.com/



マスタークラス  Corso di Approfondimento 2025


テーマ:品種『サンジョヴェーゼ』で造るワインのテイスティング比較

~ Degustazione per approfondire il vitigno Sangiovese

サンジョヴェーゼで造る6種類のワインを比較しながら、それぞれのテロワールの違いを理解する。

Brunello di Montalcino, Chianti Classico, Morellino di scansano, Nobile di Montepulciano, Sangiovese di Romagnaほか 先生のセレクトワインを入手予定です。乞うご期待!

   

【開催日時】 2025年 2月 8日(土)10:30-14:30  (休憩含む)

【場所】アカデミー・デュ・ヴァン青山校(教室)
東京都渋谷区神宮前5丁目53−67 コスモス青山ガーデンフロア B2F
※会場へのお問い合わせはご遠慮願います。

【定員】20名 


イタリアワインがお好きな方へ
イタリアワインを学び、楽しむ会『IVS Japan』

IVS Japan 日本イタリアワインソムリエ

http://www.ivsjapan.com/
LCI イタリアカルチャースタジオ
info@lci-italia.com
http://lci-italia.com/
2024年6月29日 (土)

日、シチリアのワイン生産者『ASSULI』のロベルトさんを連れて伺った素敵なシチリア専門店『Trattoria Gatto Nero』で、偶然な再会を果たしました。

昨年2023年秋にオープンした店のオーナーシェフは2020年に当WSAイタリアワインソムリエコースを受講され、見事合格された稲田シェフだったのです!

Img_1996_3 Img_1997_1_2



稲田シェフはシチリアの有名店で修業なさった経歴を持ち、純粋にシチリアの郷土料理を再現されており、シチリアからいらしたロベルトさんも絶賛でした。

シチリア・パレルモで唯一、10年間1つ星を獲り続けた女性シェフのリストランテ『bye bye blues』やアグリジェントのやはりミシュラン2つ星『La Madia』やシラク―サの『Oinos』など凄いお店ばかりですが、稲田さんはとても笑顔の素敵なSimpatico!(親しみやすい方)です。

Img_1999前菜盛り合わせは、カジキマグロやカポナータ、タコとジャガイモのマリネ、そしてひよこ豆のパネッレ!

冷えたASSULIのZIBIBBO・Seccoによく合います!

Img_2001 Img_2003



Sfincione! (スフィンチョーネ)

贅沢なウニがたっぷり、グリッロやカタラットと一緒に病みつきになりそうな一品です。

Img_2002Img_2004_2



ワインは100種類以上のシチリアワインを常備されているそうです!

文京区の閑静な住宅街で、2-4人くらいの少人数でゆっくりシチリアを嗜むのにぴったりな空間とお料理です。 

リピーターが多いというのは良いお店の証拠ですね。

------------------------------------------------------------

彼のようにイタリア郷土愛が強い方には必見の、WSAイタリアワインソムリエ資格を取ってみませんか。

ローマに本部を構える歴史あるBIBENDAが主催しております。

現地からイタリア人講師が来日し、年に1回だけの5日間集中コースだから、日本全国からいらしてます。もちろんワイン愛好家、イタリア好きという趣味として楽しまれている方も多いです。

現在オンライン説明会実施中です。一度HPをご覧ください。

http://www.italia-vino.com/

代表のFranco Maria Ricciと2024年6月に再会!実はかなり有名な方です。面会も分刻み。

宇宙へ3つの苗木(Biondi Santiのブルネロ, Gajaのネビオロ 、Feudi di San Gregorioのアリアニコ)を送るプロジェクトでも話題になりました。

右側はワインガイド本出版社BIBENDAの副代表と認定講師Antonellaさん。

Img_1890

Bibenda2024



2024.6月  本部があるROMA-  Cavalieri, A Waldorf Astoria Hotelにて

2024年6月25日 (火)

2

 Dove si trova? ≪場所≫】 

  レッチェから車で30分ほど内陸に行くと、サリーチェ・サレンティーノDOC地域にこのカステッロ・モナチの広大な畑が広がっています。

門をくぐると両脇にヤシの木が並んでいる道が結構長く続きます。そしてようやく入口に到着。

沢山の鮮やかな色の花やフルーツの樹がお出迎えしてくれます。少し歩くと、このお城の館が登場。

実は、年に300回以上の結婚式、披露宴が行われているそうで、緑の芝がキレイに整えられ、そこでウエルカムドリンクのフリースペースを設けるそうです。

1

【Castello MonaciのStoria 歴史・変遷】

カステッロ・モナチの歴史は14世紀に遡ります。Monaci Basilianiという修道士団体がここで宗教的儀式を取り行っていたそうです。

1865年にフランス貴族Perry Granigerが購入し、10haのブドウ畑と醸造所を創建した。19世紀にフィロキセラによってブドウ畑が壊滅状態に陥った際、イタリア人Antonio Provenzanoが再建する事になったため、再びイタリア人の所有となる。

モナチ(修道院)だった過去を偲んで、カステッロ・モナチと名付け、1900年代には婿入りしたMemmo氏によって、ホテル、レストランを備えたワインリゾートとして確立させます。当時、ワインツーリズムの先駆けであった。

今では210ヘクタールにも及ぶ広大な畑へと発展した。

2_2

醸造所がある建物(マッセリア)の屋上からは、見渡す限り、さえぎる建物もなく、ブドウ畑とオリーブなど他の木々が広がっています。

3

結婚式の披露宴会場に使用される、豪華なバンケット会場。 

4

醸造のステンレスタンクが並ぶ部屋を通過しますと、バリックが並ぶ貯蔵庫には、モダンなスタイルのセメントタンクが卵型になって登場。

5

昔醸造所として使用していた場所を、Museo del vino ワイン博物館と称し、あらゆる道具やセメントタンクなどそのまま展示してあります。

当時は黒ブドウは醸造した後、北部のワイン生産者が買い取っていた。やはり色が濃く、アルコール度数が高い、糖度の高いワインだった為、北部ではこっそり混ぜていたという有名な話があります。

ボトリングをして、クオリティの高いプーリアのワインが出来てきたのは10-20年程度の話だそうです。

6

Ginaさんと対面。実は2020年に訪問した際に案内してくれたMarcoさんはとても若く優秀でしたが、昨年、白血病で亡くなられたそうです。若かった為、発覚して3週間ほどという、小さなお子さんと奥さんを残して無念だったと思います。Ginaさんと惜念の思いを共有した次第です。

カステッロ・モナチのスタッフは長年、続けて働く方がほとんどだそうです。Ginaさんも30年以上、ずっと見守ってきた一人だそうです。居心地が良いのでしょうね。


7

午前10:30頃ですが、テイスティング開始!(^^)

"Chara" Terra d’Otranto  “チャラ”テッラ・ドートラント

日本ではカモンテショップで購入できます。

モストの30%をコンクリートエッグという卵型のタンクで発酵熟成、70%はバリックで発酵熟成させています。コンクリートエッグが品種本来の果実味を損なうことなく、フレッシュさや酸味、ミネラル感を際立たせ、バリックがワインに複雑さやしっかりとしたボディを生み出しています。(カモンテのHPより)

8

PETRALUCE ーVerdeca “ペトラルーチェ”ヴェルデーカ・サレント 

ヴェルデカ100%の果実味と酸のバランスが爽やかで、アペリティ―ボ~前菜まで合わせて頂きたい1本。夏場は冷蔵庫に常備しておきたい。大人気の1本でした!

9

10

Aiace Salice Salentino Riserva アイアチェ・サリーチェ・サレンティーノ・リゼルヴァ

ブドウ:ネグロアマーロ80%、マルヴァジーア・ネーラ20%

ネグロアマーロのスパイス感とタンニンによって、アルコール度数を感じさせない、お料理と合わせたくなるバランスの取れた一本でした。人気でした!

手摘みされたブドウを発酵後ブレンドし、バリック(小樽)と大樽で約24ヶ月熟成させた、複雑で力強く、芳醇な赤ワインです。

11

”Artas” Primitivo Salento  アルタス・プリミティーヴォ・サレント

ブドウ:プリミティーヴォ100%

早朝丁寧に手摘みされたブドウを速やかに醸造所に運び、長めのマセラシオン(15日間)と約12ヶ月の樽熟成を経て造られた赤ワインです。

12

私たちを代表して彼女が選んだプレゼントは、モナチ(修道士)に因んで お坊さんが描かれたラベルに禅の日本酒。ソムリエも喜んでらっしゃいました。

13

14

2024.5.26

LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より