2025年9月24日 (水)

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11月15日頃入荷予定!  

今年もサルデーニャ島より、初搾り(ノヴェッロ)のエキストラ・ヴァージン・オリーブオイルをノンフィルター(無濾過)でお届けいたします!

フィルターを通さず自然に沈殿 させて取り除く「ナチュラルデカンタ製法」を施し、
オリーブの味わいや栄養分を十分に残します。
収穫後すぐに搾油機にかけられた新鮮な美味しさがそのままボトルに詰まっています。
搾りたてのノヴェッロはアーティチョークや青い草を思わせる香りと、力強くフルーティーな味わい。

ノンフィルターEXVオリーブオイル ノヴェッロ 500ml  4,300円(税込)

2本セット送料無料!でお届けします! 限定価格 8,600円(税込、送料込み)

ご注文は info@lci-italia.com へ   10/15〆切

ご氏名、ご住所、お電話番号をメールでお知らせ頂きましたらお支払いのご案内をさせて頂きます。

Novello


サルデーニャ北部のオリーブ品種 100%使用。
品種:ボザーナ、ビアンコリッラ、レッチーノ


主な使用品種は『ボザーナ』です。

『ボザーナ』品種の香りはよくアーティチョークやカルドンの野菜で表現されますが、味わいにおいてもこの野菜のきりっとした苦味を感じることができます。更にのど元を通る時に感じる辛味ー(ピッカンテといいます)ーがピリッとするのですが、このバランスが良いので心地良い味わいです。

この苦み・辛みを表現する成分がオレイン酸、リノール酸、リノレン酸でありオメガ3,オメガ6という体内を健康に守るために必須な脂肪酸なのです。 

 

サルデーニャ島で、オリーブオイル造りを手掛けるフォイス一家、アカデミア・オレアリア。

フレッシュな香りとオリーブの栄養素ポリフェノールが豊富

その秘密は、
収穫の時期: 熟成半ばのタイミングに行います! 収穫は10月から始まり、1月末まで続きます。
収量(搾られる油量)は完熟を待つよりも少ないので、大変貴重なオリーブオイルが得られます。 

健康なオリーブで 欠陥のない、オリーブオイル 

その秘密は、
1.畑で収穫してから、12時間以内に搾油!
2.連続方式の近代搾油機を使用!
  雑菌の入らない、酸化しない完全な環境で作ります
3.27℃未満の低温で圧搾!(コールドプレス)

オリーブの青々しい香りとアーティチョークのような苦味
これは品種『ボザーナ』の特性です。一般的に分類すると 中〜上程度の強さです。

後味に苦味や辛味をバランスよく感じる!

こんな使い方がお勧めです。
 ◇茄子やズッキーニ、パプリカの焼き野菜
 ◇白身魚のグリルはお醤油でなくて、塩レモンとこのオリーブオイルで!
 ◇お豆(白いんげんやグリーンピース、ひよこ豆)のスープをお皿に盛り付け後、上から掛けて!
 ◇マグロのお刺身の炙り焼き
 ◇エビやいかの塩焼き
 ※火に掛けずにそのままで味わってください。 

お料理の味わいに深みが増します!

地元のお料理では、
◇郷土料理の子豚の丸焼き
◇海沿いではアラゴスタ(伊勢海老)、カラスミ、ウニが豊富に採れますので、こういった郷土料理には欠かせません。   

 
 ◆ 生産者 アカデミア・オレアリア について ◆

サルデーニャ島のアルゲーロにある「アカデミア・オレアリア」
ボザーナ品種を主にサルデーニャの土着品種を栽培しております。

ジュゼッペ・フォイスは今や230ヘクタールの畑に約25,000本のオリーブの木を所有しておりますが、自ら栽培したオリーブを収穫して、自社の搾油場で、品質管理を完備した中でエキストラヴァージン・オリーブオイルを作っています。

太陽光を活かしたエネルギーの有効活用など、サステナビリティの考えをもつ生産者です。

アルゲーロの街はその昔スペインのカタルーニャに占領されたことがあり、今でも道の標識がカタルーニャ語とイタリア語の2つ言語で併記されています。海沿いの港町ですが、ヨットハーバーがとても素敵で、要塞から望む夕日は本当に美しいです。街の中心は旧市街です。そこには外れのないサルデーニャ料理を満喫できるレストランが沢山あります。
多くのレストランのテーブルには、このアカデミアオレアリアのオリーブオイルが置かれているのに気づきます。地元に愛される昔から続くオリーブ農家であり、オリーブオイルの生産者なのです。
 
地元の人からも愛されるアカデミアオレアリアのオリーブオイルを是非味わってみてください。

 

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!! 数々の受賞歴 !! 

第20回コンクール『ELCORE ORIVARIO』 第1位

第4回コンクール 『ORCIOLO D'ORO』 第1位

第11回コンクール『TRICOLLE』 単一品種フルッタートMEDIO 部門

BIBENDA (イタリアオリーブオイルクオリティ2020)にて最高点 5 Gocce獲得!

2025年9月20日 (土)

9月1日よりイタリアトリノのScuola Ledonardo Da VinciのDolce Vitaコースへ行ってきました。

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2週間のコースは朝はイタリア語レッスン、午後は観光などのアクティヴィティーです。

Scuolaの先生は皆さん親しみやすい方で緊張せずにレッスンを受けることができました。

15名ほどが3クラスに分かれました。日本人は私だけで、他の皆さんはラテン語を起源

とする母国語を話す方々だったので、私と違いイタリア語の単語がわかるようでした。

でも皆片言なので、すぐにお友達になれました。3

学校があるトリノの中心、サンカルロ広場

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サンカルロ広場から徒歩10分ほどのアパート滞在

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トリノは古い町で1800年の頃からの建物がたくさん残っています。

200年続いているチョコレートのお店やCaffeなど伝統を大切にするイタリア人を

あらためて素敵だなぁと思いました。

週末はAstiまでバスツアー。 ちょうど収穫時期だったのでワイナリーでブドウの処理など

を見せてもらい、Tasitingをさせていただきました。

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ポー川の反対側、小高い位置から臨むトリノの街の風景

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イタリア語学校『スクオーラ・レオナルド・ダヴィンチ』は5都市にあります。

トリノ・ミラノ・フィレンツェ・ローマ・ヴィアレッジョ

各都市でドルチェヴィータコースが開催されています。春と秋のいい時期のみです!

1週間または2週間からお選び頂けます。

ご質問・お問い合わせはお気軽にどうぞ。

Email: infojp@scuolaleonardo.com

2025年9月10日 (水)

Sacra San Micheleの特徴 ⇒

モンサンミッシェル、モンテサンタンジェロ(プーリア)を直線に結ぶ、2000kmに及ぶ大天使ミカエルの巡礼地。

◎Pirchirianoピルキリアーノ山の頂上に983年頃建立、約960mとそびえ立っています。

ウンベルト・エーコのベストセラー『薔薇の名前』に着想を与えた場所といわれます。

ロマネスク・ゴシック様式の教会

 ピエモンテの首都トリノとスーザ渓谷が眼下に広がるパノラマを眺めることができます。


今回は1時間ほどの観光で観られるポイントを案内していきます。

写真の出典:URL:https://sacradisanmichele.com/la-sacra/#tourvirtuale

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チェックポイント:

①修道士の墓(Sepolcro dei Monaci)ロマネスク様式の廃墟

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11世紀後半~12世  正方形と半円形を交互に並べたような形の建物は、キリストの遺体が安置され復活した場所にある建物に由来します。



④死者の階段(Scalone dei Morti)

右側には岩の露頭が現れ、反対側の壁に隠れて見えなくなる。中央のニッチには、1936年まで多くの修道士の骸骨が保管されていたため、「死者の階段」と呼ばれている。

黄道十二宮門(Portale dello Zodiaco)

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死者の階段の面に16個の星座の印が彫刻されています。

ピアチェンツァ出身の有名な親方、Nicolaoによって彫刻されたロマネスク様式の作品(1128年〜1130年)

柱頭は聖書の話が描かれています。

  • Caino e Abele カインとアベル 旧約聖書『創世記』4章
  • Tre persone furibonde che si strappano i capelli a vicenda 3人の激怒した人が互いに髪を引っ張り合っています。
  • Le avventure di Sansone サムソンの冒険 旧約聖書『士師記』16章
  • Due donne che allattano quattro serpenti 4匹の蛇に授乳する2人の女性
  • Quattro falconi in cerchio 4羽の鷹が輪になって
  • Il leone furente  猛烈なライオン
  • Tre tritoni (busti umani cui si innestano code di pesce)3匹のトリトン(上半身人間で下半身魚)

⑥絵画作品のある教会 la Chiesa con le sue opere pittoriche

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後陣は聖ミカエルの祝日9月29日に太陽が昇る方向を正確に向くように建てています。

⑦息をのむパノラマと新修道院の廃墟  la terrazza panoramica e le Rovine del Monastero Nuovo

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山の北西側には、約50メートルにわたって、柱、壁、アーチ、柵などの遺跡が見られます。12世紀から14世紀にかけて修道院共同体が拡大していた時代に建てられた新修道院の跡。この堂々たる5階建ての建物は北側に増築をし、「美しきアルダの塔」であったのですが、その後地震や戦争によって荒廃してしまいました。

≪ CURIOSITA// 豆知識≫

◎「美しきアルダの塔」(Torre della Bell’Alda)の伝説;

村の少女 Alda は、戦争の災いを防ぐために Sacra に祈りにやってきた。不運にも少女は敵兵の奇襲を受け、その攻撃から逃れようとするが、他に逃げ道がなく、聖ミカエルと聖母マリアの助けを求めて渓谷に身を投げる。彼女は断崖絶壁の下に無傷で着地し、生き延びた。ところが、この天からの恩恵を彼女は虚栄心と金銭欲から、信じられない村人たちにもう一度跳躍するとを申し出たのです。そして、今度は亡くなってしまったのです。

◎全部で階段は何段あるでしょうか?

 全部で239段です。

詳細はウェブサイトをご覧ください。

https://sacradisanmichele.com/la-sacra/#tourvirtuale

Kyoko M/ 2025

今年100年目を迎えるワイナリー『MARENCOマレンコ』はピエモンテ州の東側、ストレヴィにカンティーナがあります。

現在は女所帯(3姉妹)で賄っているそうで、今日の案内はDrettaさん。とっても温かみを感じました。

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畑は徐々に広がって今では100ヘクタール、(写真右の通り)南東のストレヴィやアックイ辺りのモスカートとブラケットの品種、その北側に近年DOCGに昇格したNIZZA DOCG、ここはバルベーラが栽培されます。

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写真左のように、Terra Rossa赤土のエリアと Terra Bianca白土のエリアに分かれます。

白土壌ではモスカートやブラケットなどのアロマティック品種、更にドルチェット、赤土壌ではバルベーラの他、コルテーゼが栽培されます。

グイヨ仕立て栽培を採用しており、今でも傍にバラの花を植えているそうです。

昔はバラの花がブドウに病気をもたらす虫に繊細なため、バラの花に虫が付いたことが分かるとブドウにも危険が及ぶと予想され、先に硫酸銅などで対応していた訳です。

ここでは収量を抑えてクオリティー重視の栽培を行っています、1本の樹あたり2~2.5kgだそうです。収量の多いところではその倍収穫するそうです。

1月Potatura 剪定をし、実が多く付いた場合特にカリカアジノなどは6月にDiradamento 間引きを行って収量をコントロールしています。

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'' BIG BENCH'' がここにも! デザイナーCris Bangleが、ツーリズモを促進させるために発案されたものです。


今日は曇りでしたが、天気の良い日には山々が見渡せるそうです。

南東にはColli Tortonesi トルトーナの丘陵地帯、最近注目されているティモラッソのブドウ栽培の発祥地が広がります。その先にはアペニン山脈、そして海へと続きます。低い山々のため、海風はここまでやってきます。

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左写真のように、ストレヴィの畑で、この辺りはパッシート・ヴァレーと呼ばれ、モスカートのパッシートがとても有名です。 またこの装置は大学との連携で、自然状態の記録が送られており、観察しているそうです。

ドレッタさん、旦那さんは医師で別業なんです。祖父母が購入した土地から始めたブドウ栽培、父親が充実させた後を3姉妹で引き継いだそうです。

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✦✦✦テイスティングワイン  

VITIGNO RARO// 珍しい品種!

左写真) この2種類はとても珍しいブドウで造られています。

ブドウ品種:Caricasino カリカアジノ、別名 Barbera bianca 白バルベーラ

 文字通りの意味はロバは沢山荷物を背負っている.という童話に出てきそうな名前です。

 彼らのワイン名はCARIALOSO カリアローゾと方言にしたそうです。

 バルベーラに形状が似ていたことで白のバルベーラとも呼ばれるそうです。

 バリック、シュールリーを掛けていますが、ほんのりアロマティックな甘い香りと繊細な味わいが特徴的です。

ブドウ品種: Albarossa アルバロッサ、実はネビオロ(Nebbiolo di Dronero)とバルベーラの交配だそうです。  熟成は樽を使用、フルーティ、スパイスの香り、そしてネビオロの余韻の長さを感じます。

(写真右)

Scrapona Moscato d’Asti DOCG モスカート ダスティ

 1996年に植樹したモスカートの畑の土壌はマール(泥灰土)が主体です。マールは海水が引いて出来た泥灰土、同様にTUFOは火山性土壌で出来たものです。

 この土壌と気候により、酸がしっかりとあるため、甘いワインであるが心地よいバランスが良いのです。

Cirea  Barbera d'Asti DOCG Superiore バルベーラ ダスティ DOCG スーペリオーレ

良いブドウが出来た年にのみ造られるラベルで、Cireaはストレヴィの中でも古い畑だそうです。

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先に書いた通りストレヴィはパッシート・ヴァレーと呼ばれるほどモスカートなどのパッシートが有名です。

マレンコのパッシートも素晴らしく幸せな気分にしてくれます。

◎Passri’ Scrapona ストレヴィ DOC パッシート Strevi DOC passito

◎Passri’ Pineto  ブラケット ダックイ DOCG パッシート Brachetto d’Acqui DOCG passito


テイスティングの後、ランチのお勧めを伺ったら、畑を通り抜けてどんどん上がっていくと、

1軒ポツンと畑の真ん中にある宿もやっているレストランがありました。

家族経営で、若夫婦がキッチンで作っていて、お母様がサービスをするという、珍しい?パターンでした。

お勧めです。https://cascinamarcantonio.it/en/restaurant/

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ピエモンテ郷土料理 IL TONNO DI CONIGLIO ウサギのツナ風料理と狩猟肉ジビエ料理を頂きました!

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Traghetto(船)でオリーブ農園へ

ラパッロから1日に数本しかないトラゲット(小型フェリー)でサンタ・マルゲリータSanta Margheritaへ到着し、そこから急な坂道を上ります。登り切ったところにオリーブ農園が広がっています。

オリーブ農園のオーナー、ベネデットさん(Benedetto costa broccardi氏)は、私の場合、上り20分,下りは10分で降りていくよ。と仰ったのですが、実際暑かったのと傾斜があったので、途中の-Chiesa di San Giacomo di Corte-サンジャコモ教会まで10分ほど歩いてそこからは車で連れていってくれました。

実は余談ですが、この日のアポイントを忘れてジェノヴァで買い物をしていて、慌てて帰って来てくれたのでした(^^)

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『Agricola Santa Barbara ss.』という農園に到着! 

苦労して上がってもこの絶景を観るとやっぱり来てよかったと思わせてくれます。

 

ベネデットさんは海運業を営んできたそうで、日本にも出張でよく行ったよ、と話してくれました。リタイアされてご実家の土地を引き継いだそうです。

海と山に挟まれたリグーリアならではの地形です。

オリーブの品種は、この辺りで有名なのは『タジャスカ』です。

この農園では『ラヴァニーナLAVAGNINA』や、『ピニョーラPIGNOLA』を栽培しております。

『OLIO DOP di RIVIERA LIGURE』というリグーリアのDOPを取得したオリーブオイルを造っています。

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白い大きな犬と一緒にベネデットさんが案内してくれました。

5月のオリーブはまだ赤ちゃんでした。(FOTO右)

日射は強いのですが、海風が常にあってオリーブが病気になり難い環境だと分かります。

品種について✦✦✦

『ラヴァニーナLAVAGNINA』これはレヴァンテ(東)のタジャスカのこと。

LAVAGNAという町がリグーリア東側にあります、800-900年前にジェノヴァのオリーブ消費が増加しLAVAGNA辺りのオリーブ栽培が盛んになった、ところが1709年の霜被害で西側からタジャスカの接ぎ木が運ばれた可能性もあるそうです。

『ピニョーラPIGNOLA』 

名前の語源がPINOLO(松の実)このリグーリアで有名なペースト(ジェノヴェーゼ)の原料に欠かせない松の実。この香りがするのが特徴です。

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写真右に見える岩壁は傾斜を駆使して造るテラス式(段々畑)栽培のためで、この辺りの伝統、『Muretti a secco』と呼ばれます。 

  

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道の途中にある-Chiesa di San Giacomo di Corte-サンジャコモ教会には美しい庭園があり、そこから見渡す眺めがまた素晴らしい!

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MOSAICO ACCIOTTOLATO 石畳のモザイク 


この教会裏の地面にも、そして、少し降りて行った先にある-Oratorio di Sant'Erasmo-サンテラズモ教会の前にも見られるこの文様は『RISSEU』と呼ばれます。

リグーリアの聖なる場所教会などにみられる伝統で、17-18世紀にジェノヴァに入ってきたと言われます。

起源は不明でメソポタミアのものという説と、地中海を経てギリシャーローマのモザイクをジェノヴァ商人が持ち込んだ説があります。

ベネデットさんによると教会に入る前に靴裏の泥汚れをきれいにしてくれる役割があったそうです…

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2025年8月27日 (水)

 

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【カレマ協同組合 Cantina Produttori Nebbiolo di Carema】
14時まで待ってようやく開いたので入ってみると、まずショップがあり、1人大柄なおじさんが、男性客に試飲をさせながら、説明していました。
車で来ていたようで、6本入りの箱で買っていかれました。
変なアジア人が入ってきたと思っていたのだろうか、「カンティーナの見学をさせてほしい」とイタリア語で尋ねるとようやく関心を持ってくれたようで、電気を付けて案内してくれました。
 

1960年に10農家さんほどで発足し、 現在は13ヘクタールの畑、約75の農家さんからブドウを仕入れているそうです。

このカンティーナはカレマ特有の栽培方法を保護し、またその価値を高める役割があるのだと言います。その特有の栽培方法はテラッツァメント(段々畑)に石と石灰で出来た石柱(ピルンとこの辺りで呼ばれる)を使ってペルゴラ仕立て(この地方ではトピアといいます)で栽培しています。

カレマ村に制限して認定された『CAREMA DOC』を1967年に取得しています。現在、ヴァッレダオスタ州との州境から広がる24ヘクタールの畑だそうで、とても小さな『ネッビオロのDOC』と言えます。

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  【テイスティング】
 
 ≪TOURNET トゥルネ≫ ネッビオロ100%,  ロゼ、2024年ヴィンテージ
「 ワイン名は『一番涼しい場所』というファンタジー名前だけど、その名の通りとても酸が高くフレッシュで、フルーティなんですよ」とおじさんが説明してくれました。
この冷涼な地域のネッビオロはタンニンはとても柔らかく、ランゲ地域のネッビオロとの違いが見られます。アルコール度11.5%
 
≪SPUMANTE METODO CLASSICO スプマンテ メトドクラシコ≫ネッビオロ100%,  ロゼ、2021年ヴィンテージ、2025年11月にSboccatura(澱引き)、つまり約30カ月かけて2次発酵させた訳ですね。泡がとてもきめ細やでペルラージュ気泡も長く続きます。
 パドセ(加糖なし)、0.6-7%の残糖度でとてもドライですが、ラズベリーのようなフルーティさがあり、一般的な酵母やパン屋の香りは殆どしません。
 
おじさんは「Bitterを思わせます、後味のほんのり苦みがあるでしょ」
 
このワインに使うブドウは勿論手摘みで完全な元気なものだけを厳選して造られ、年間3,500本ほどだそうです。スプマンテなので10日ほど早めに収穫します。

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狭いカンティーナですが、ステンレス、木樽、セメントの容器がありました。CAREMA DOCは大樽を使用しますが、ラベルによってはバリックも使用しており、同じカレマのネッビオロですが、

古典的なものだけだとお客のニーズに合わない場合もあるので、同じブドウで造り方を変え、ラベルをいくつか作っており、年間3万~5万本生産しているそうです。

おじさんに「日本人なの?イタリアに住んでるの?」と聞かれ、日本市場の話になった、彼らは日本に20年来輸出しているそうです。ところが、「日本は最近落ちてるんですよね。注文が滞っているんで残念だ。」 「初期はイタリア商事の若い元気な男子が一生懸命やってくれてたんだけど、その後モノポリオでテラヴェールさんに変わり数は増えたんだけど、最近はどうも・・・」という感じで残念がってらっしゃいました。 

カレマ DOCは 特徴的な栽培という背景と冷涼気候で造るエレガントなネッビオロという魅力があり、日本でも増えるといいな、と思った次第です。

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【テイスティング CAREMA DOC 3種類】(写真一番上の右側)

≪Carema Doc カレマ≫ アルコール度12.5%  2021年ヴィンテージ

「2021年は今年のように極端に暑い年ではなかったので、軽やかな仕上がりになっています。

このワインはガストロノミーなワインとしてお勧めです。酸がしっかり、タンニン柔らか。口の中でお食事の脂分を流してくれるので、ワインを一口飲むとまた食したくなり、食するとまた飲みたくなるというどんどん飲めて生産者も嬉しいワインなのです。」と笑って話してました。

≪Carema Doc RISERVA カレマ≫アルコール度13%  2020年ヴィンテージ

2020年はカレマでとても良い年、確かに暑かった年でおじさんも大好きだそうです。

)ワインは味わいに発展がみられ、スペツィアート(スパイス)なニュアンスがあり、コルポーゾ(ボディ、肉厚)があります。

本当に香りが素晴らしく、持続性もあります。

≪Carema Doc カレマ≫ アルコール度13%  2020年ヴィンテージ

蝋キャップ(Gommalacca)を使用したこちらのボトルは、伝統から離れてバリック、トノーを使用。

年間2000本しか造られない、新しい試みです。新樽ではないため、ネビオロの個性を残しながら、バニラなどの香りがあり、先と同じ2020年でもよりまろやかさが強調され、バランスが良かったです。

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【CARAEMA DOC 規定】では3年熟成が必要ですが、こちらのカンティーナではプラスで行っています。本来2022年が出回るところ、2021年が出ていました。

「1967年DOCが出来たときは5年の熟成だったが、それは非現実的でした。3年に変わったが、常に少し長めに寝かせて市場に出してます。」

「カレマは小さな世界で、良い年で400-450ヘクトリットルの生産量、よくない年は350ヘクトリットル。昨年2024は雨も多くイタリア全体に厳しい年でしたが、ここは180ヘクトリットルと半分以下だっだのです。」

「ALBAはよくドルチェットがBarolizzato(バローロ化)していると言われるが、CAREMAはネッビオロが Pinotteggiato(ピノノワール化)しているという」

その大きな理由は栽培仕立てにあります。

ペルゴラ仕立ては決して直射を受けることがないため、香り成分を成熟させることができます。

それに対してFIRALE(垣根式)の栽培ですと、色が濃くなり、構造のしっかりとしたブドウに仕上がります。

CAREMAの畑にも少しFIRALE(垣根式)も見られるようになりましたが、私はいつもペルゴラ仕立てとフイラーレ(垣根式)栽培との違いが明確だと説明します。

香りの豊かさは、この2つを比べると断然ペルゴラ仕立ての方が素晴らしいのです。

【Canavese DOC】

数年前まではトリノ県(Provincia)の赤ワインDOCはCAREMAだけで、白はERBALUCEだけでした。

今ではカレマを含む更に広がった範囲にCANAVESE DOCがありその中にNebbiolo ROSSO DOCも出来ました。またFLEISAフレイザもあります。

しかしトリノでは、なかなかCAREMAのワインは見られず、やはりランゲ、バローロ、バルバレスコが出回っています。

【スクリューキャップ TAPPO A VITE】

最近話題のスクリューキャップについて聞いてみると、「やはりカレマは伝統主義なので、コルク(Sughero)を使用してますよ。」

 

【Presidio Carema Slow Food スローフード】

カレマの伝統的な栽培方法や村の景色、独特の土壌、そして郷土ワインといった多様性Biodiversita'を保護する観点より2014年からスローフードに指定されました。
昨年より、スローフードのプロジェクトで、一部の畑、カンティーナでBIOLOGICO(ビオ)製法を取り入れ始めたそうです。各畑はとても小さいのでビオの認定は取れないので、販売に貢献するというよりは、カレマでワイン造りをする人たちの機運を盛り上げるためだそうです。
 
つまり生産者にサステイナブルなワイン造りを目指してもらい、また市場へのエシックなアプローチを進めているそうです。 
『カレマのワインを買って、この唯一無二の村とそのEROICAなワイン造りを守ろう!』
 
カレマの畑周遊記録はこちら:
http://lci-italia.com/2025/08/carema.html
 
Kyoko M 2025.07
http://lci-italia.com/
http://www.italia-vino.com/
2025年8月23日 (土)

カレマ(Carema) 急斜面のペルゴラ仕立てを観にいく!

ピエモンテ州の北西部、つまりヴァッレダオスタ州との州境にある人口800人ほどのとても小さい村、カレマCAREMA!


バローロのブドウ品種と同じネッビオロを造っています。中でもいち早くDOCとなったのはCarema カレマです。(1967年)

急斜面にテラス式(段々畑状)に畑を作ってペルゴラ仕立てで栽培するのが特徴的です。

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そして、急斜面の中、殆ど手作業のためヒーロー的栽培、EROICA(エロイカ)と呼ばれています。

一度目の前で観たかったのですが、やっと実現しました。実はトリノから車で1時間ほどでヴァッレダオスタ州に入る手前にあります。


Cantina Produttori di Carema いわゆるカレマの協同組合醸造所に伺ったところ、直ぐに返信があり、看板がしっかり出ているから自分たちで勝手に散策できますよ、との事でした。ウェブサイトを確認すると地図も出ており(上図)、1周4km、1時間15分で歩けるとあります。

それなら、ワンコも連れて行ってみようと思い立ったのですが、ビデオに撮ったように前半は崖を上るようにかなり急斜面で大変でした!


YouTube: ピエモンテ州カレマ(CAREMA)急斜面のペルゴラ仕立てを観に行く! (ブドウはネッビオロ)

【トピア建築 TOPIARIA】

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カレマの山の岩をカットして段々にし、岩を積み上げることで『テラッツァメント』(テラス式、段々畑)の形状を支えています。

渓谷から運んできたモレーン土を使用しています。石と石灰から出来ている石柱の上にブドウの蔓を支える棚が設置されています。

地元ではこの栽培方式を『トピア』または『トゥピウン』、石柱を『Pilun ピルン』と呼び、『バッカス寺院 tempi bacchici』と別名が付いたそうです。

 この石柱の役割は日中、太陽の熱を吸収し貯めます、昼夜の気温差が激しいことから、夜になると放熱します。
 
【Carema カレマの土壌】

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モレーン(氷堆積)の扇状形をしています。

標高300~600メートル、岩質で大半が急斜面です。コンカといってドーラ・バルテア川から山に向かって広がる扇状地は日照をしっかり受けます。北風の吹く冷涼気候を緩めてくれます。
 カレマ地区の西側にドーラ・バルテア川が走っています。天気に恵まれたこともあり、素晴らしい山、川、谷の景色を臨むことができ、7月というのに涼しい風が常に吹いていました。これがブドウ造りにも良い条件ですね。

旧市街のサンマルティーノ教区に建てられた鐘楼は60mの高さがありよく目立ちます。1700年代に建てられたそうです。集落はドーラ・バルテア川に近い谷部から標高600mの丘にまで点在します。

【最終地点はやっぱり地元のオステリア】
 
 ちょうどカンティーナ(カレマの協同組合)の上方にあるこのオステリアは地元の人たちで賑わっていました。
冷房設備もなく、冷たい風が心地よく吹いていました。
 
着いたときはランチ終り頃だったのであっという間に人は少なくなったので、カフェを飲みながらカンティーナが開くのを待ちました。
カンティーナ見学、テイスティングは次の記事でご紹介します。
http://lci-italia.com/2025/08/vino-carema.html
 
Kyoko M 
LCIイタリアカルチャースタジオ
 
 
2025年8月 6日 (水)

イタリアの中でもチーズの種類が豊富なピエモンテ! ミルクは牛、山羊、羊とあり、主にDOP認定チーズをご紹介し、ワインとのアッビナメントを実践いたしました。

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【Formaggio piemontese DOP】

◎Toma Piemonese DOP

◎Bra DOP

Raschera DOP ラスケーラ

◎Castelmagno DOP

◎Robiola di Roccaverano DOP

◎Murazzano DOP

◎Ossolano DOP

その他にも他の州でも造られるDOPはこちら;

◎Grana Padano DOP グラーナパダーノ

◎Gorgonzola  DOP  ゴルゴンゾーラ

◎Taleggio DOP  タレッジョ


Assaggiamo i formaggi! 今日のテイスティングチーズ

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ピエモンテチーズの王様 Castelmagno DOP  カステルマーニョ

 バローロなどのフルボディ赤ワイン、はちみつはもちろん、お勧めはトリュフ入りはちみつがとてもよく合いました!

Robiola di Roccaverano DOP  ロビオラ ディ ロッカヴェラーノ

2023~DOPはCAPRA ヤギ100%のみ!

RASCHERA DOP  ラスケーラ

「ラバ」の背に積みやすいように平たく四角い形になったそうです。

 地元では韻を踏むことからも、バルベーラによく合うと言われます。

◎Bra DOP ブラ

la Doc nel 1982 (原産地呼称保護)

BRAの町はスローフード協会の本部があり、2年に1回 9月にチーズフェアが開催されます。

◎Toma piemontese DOP 牛のトーマ

フルボディ赤ワイン、はちみつ、フルーツ、ライ麦パン、ポレンタなどを合わせます。

チーズ屋さんのお勧めは、

★スペチャリタSpecialita★ 昔馴染みのエッセンスとして教えてくれました。

オリーブオイル、塩、胡椒、ビネガー、グラッパ➡しっかり混ぜます。グラッパの風味が効いてチーズによく合います。

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◎Toma di Capra   ヤギのトーマ

ヤギのミルクは栄養価が高くビタミン豊富、牛乳よりも消化が良いそうです。

フレッシュな方が酸味が強い。ナッツやハーブの香りが特徴的です。

アッビナメント: はちみつ、ジャム、ナッツ入りパン、ワイン、果実味のある白ワイン

◎Fontina DOP (Valle d’aosta )フォンティーナ

フォンティーナはピエモンテではよく見かけます。CUSINI(従妹)だと言っていた。

◎Blu di Lanzo ブルーチーズ

ランツォ溪谷のアオカビチーズ 

3-4か月の熟成でしっかりとしたクリーミーな風味、青カビの部分がピカンテ(ピリッと刺激) 

アッビナメントにはパッシート! Strevi DOC passito Moscatoを合わせました。上品な甘さが刺激によく合います。

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【日程】 
 8月3日(日) 15:00-17:00  
 8月4日(月) 15:00-17:00     
 

Formaggio_seminario

2025年7月15日 (火)

Isabellaさんに案内され、シックなテイスティングルームへ。まず白ワイン、2023ヴィンテージのこちらをテイスティング。

テスタマッタ・ビアンコ TESTAMATTA BIANCO 2023   ISOLA DEL GIGLIO TOSCANA

コローレ・ビアンコ COLORE BIANCO 2023  ISOLA DEL GIGLIO TOSCANA

ブドウは アンソニカ100%

熟成(Affinamento)は約6か月間、約70%フレンチオークバリック、約30%はステンレスを使用。

『テスタマッタ』と『コローレ』はまるで異なるワインの感覚ですが、ブドウ品種や醸造方法は同じです。つまり違いは畑にあります。

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ジリオ島の急斜面にある畑で海に向かうように育つブドウ樹は、常に海風にさらされています。風から守るためジリオ式アルベレッロの栽培仕立て。

『コローレ』は 単一畑『ピエトラボーナ Pietrabona』のブドウだけを使用します。良質な岩という意味の畑はまさに花崗岩質の岩が広がる土壌です。どちらも高樹齢の樹ですが、特にpietrabonaの樹は平均100年、島の中で最年長だそうです。

更に他のブドウより4日待ってから収穫するため、色やアロマ(フェノール)がより熟成し、濃厚です。収穫を遅らせるのは偶然の発見から始めたそうです。

『テスタマッタ』はレモンやハーブのような爽やかな香りに酸、ミネラルがしっかりありますが、アルコール(13%)とのバランスが取れており、超が付くほどエレガントです。

『コローレ』はそれに対してトロピカルフルーツ、マンゴーやパイナップルの香り、骨格がありますが、酸とのバランスが取れているため、アルコールを感じさせずに余韻を楽しめます。こちらは合わせるお食事のバリエーションが広がります。

Isabellaさんはラーメンのような複雑な出汁にも合うのではと仰ってましたが、まさにホタテのオーブン焼きなど出汁の効いた料理や昨夜頂いたアンチョビとバターのクロスティーニが合いそうな気がします。

若いヴィンテージだけでなく、忍耐強く待って熟成させるのもこのワインの醍醐味です。Foto_25

Isabellaさんはフランス(サンテミリオン)のカンティーナでも働いた経験があり、また重要なワイン産地はフランス、イタリア、カリフォルニアと周ったそうです。

フィレンツェに居るとトスカーナの素晴らしいワインは沢山頂けるけれど、他の地方のワインはなかなか頂く機会が少ないので、休みを利用して出かけるようにしているそうです。

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次に赤ワイン、2022ヴィンテージと2023ヴィンテージのこちらをテイスティング。

樹齢の高いサンジョヴェーゼ100%使用のスーパータスカン!

テスタマッタ TESTAMATTA  2023 /2022   TOSCANA IGT

幾つかの畑からセレクトしたブドウだけを使用。

コローレ COLORE BIANCO 2023 /2022   TOSCANA IGT

キアンティクラシコの地区Lamoleの樹齢80~90年のブドウを主に使用。標高650mと高地にあります。Olmoの畑も使用する場合があり、どの畑も区画ごとの成熟状態を確認しながら、収穫を行い、更にカンティーナで選果します。つまり、完全なブドウだけを使用します。

それから区画毎のブドウをソフト圧搾、オープン状態の容器でリモンタージュや櫂入れ(Follatura)を行って果汁、色、アロマを抽出します。自然酵母を使用。

全てマニュアルなので小まめに状態を確認することが出来るのだと思います。

どちらもサンジョヴェーゼ、約18カ月のバリック熟成ですが、異なる感覚の2つのワイン:

『テスタマッタ』はフルーティな香りと酸がより特徴的で、『コローレ』はタンニン、ボディはありますが、超越してエレガントな仕上がりに驚きます。

2022年は特に暑かったため、使用ブドウを標高の高い畑のものだけに限定し、生産量を約半減させたそうです。 

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更に BALOCCHI バロッキシリーズをテイスティング。

バロッキ Balocchi di Colore n°8 2022  品種:カナイオーロ 100%

バロッキ Balocchi di Colore n°0 2022  品種:カナイオーロ 70% コロリーノ 30%

バロッキシリーズはオマージュでカナイオーロ、コロリーノ、サンジョヴェーゼのブレンドを造った際に、これらの品種は単一で造る価値があると気付き、始まりました。

ブドウは主にオルモの畑で標高250mの風が常にある場所だそうです。

3種各単一ワインの3本セットで販売したところ、大人気となったそうです。

ラベルは息子さんのLudvicoくんが主にデザインしたそうで、これも成功の理由のひとつかもしれません。これから、2020年ヴィンテージのN゜0, N゜1,N゜4の3本セットを木箱に詰めて販売するそうです。その木箱にはひとつひとつビービーグラーツ氏がデザインし、唯一無二の商品となります。コレクターは大喜びでしょうね。

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偶然この日は白ワインのブレンドを始めたところでした。BiBiは独学のエノロゴでもありますが、

ご友人のエノロゴEmiliano Falsini氏も協力してらっしゃるようです。Viniitalyでお会いし、ここで再会でき、嬉しくなって思わず写真をお願いしましたら、恥ずかしそうにOKしてくれました。

エミリアーノ氏も素晴らしいワインを造ってらっしゃるエノロゴであり生産者で、ボルゲリ、エトナ、マンモイアーダを選んでらっしゃるところがまた凄く、ストイックな方なのだと思います。

奥の部屋には数十本のボトルが並んでおり、試験管で微量を変えながらブレンドを試してらっしゃる様子が伺えました。朝から晩まで、また何日も何週間も続くこともあるそうです。

これだけ研ぎ澄まされた感性をつぎ込んで造られるワインなのだと実感した次第です。

次はジリオ島の畑も観てみたいです...

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イタリアワインの好運の星、BiBi Graetzを尋ねる

カンティーナについての記事:高得点のワインを造るBiBi Graetzを尋ねる

『COLORE 2022』はジェームス・サックリング100点、他のワインも同様に常に高得点を出しています。そのようなワインが出来上がるBiBiのカンティーナをIsabellaさんに案内して頂きました。

ビービー・グラーツ氏はフィレンツェの美大 Accademia delle belle artiを卒業し画家を目指していましたが、約25年前からワイン造りを始めて、あっという間に世界に注目されるようになったという稀有な存在です。

アーティスト魂はボトルのラベルのデザインやカンティーナの壁色などにも見られます。

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カンティーナへ案内されるとそこは手作り感一杯で、親しみを感じます。やはり元ホテルとして建てられた構造なので、ほぼマニュアル作業で、樽の移動や導線にかなり工夫をされています。

真ん中の写真の天井にミラーボールが見えます。この部屋は当時ディスコ(Discoteca)の部屋だったそうで、あえて残すところが面白いですね。天井にはエレガントなストッゥキ(Stucco)も残されていました。

樽はバリックだけでなく大樽も幾種類かあり、すべてフレンチオークの使用済みの樽です。彼はエレガントでブドウ本来のアロマを感じられるワインを目指すため、新樽は使用しません。

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彼が育った場所ヴィンチリアータとオルモの畑は、フィエーゾレの更に標高の高い場所に広がっています。 日照は勿論、常に風が吹いているミクロクリマに注目し、80haの土地を所有、そのうち10haをブドウ栽培に使用しているとのことで、彼の未知なるワイン造りが続きます。

オルモは昔からブドウ栽培されていて、列ごとに品種が異なるそうです。昔は品種へのこだわりや単一品種でワインを造る感覚はなかったので、混栽が通常でした。樹齢の高いブドウの樹を選ぶこともBiBiのこだわりのひとつです。

そんな多様性(Biodiversita’)を温存するオルモの畑から出来るワイン、BALOCCHI DI CUORE(バロッキ ディ コローレ)は最近のシリーズで、1種類を除いて、各品種ごとに収穫、醸造して造られるそうです。

例えば、Balocchi di Colore N゜8は Canaiolo(カナイオーロ)100%

なんだか香水の銘柄のようなネーミングです...

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上の写真に見られるようにバリックに手書きで品種名や畑名が書いてあり、それぞれ個別に醸造していることが分かります。バロッキシリーズの各品種ごとに1000本といった希少な生産量です。

もうひとつの畑はキアンティクラシコで知られるLamoreにあり、中でも標高650mと高く、ブドウ樹は80-90年とより高樹齢です。斜面は急で、一部テラス式栽培方法を使用しているそうです。

この畑からCOLOREのワインが造られます。

カンティーナ(醸造の部屋)の上階が地上階と繋がり、収穫されたブドウが運ばれてきます。

場所がフィエーゾレのメイン広場に面しているため、その時はみんな観に来て大賑わいだそうです。

畑から運ばれてきたブドウはテーブル上に並べて、選果を人の眼、手で行い、完全なブドウだけが醸造に送られます。特にBiBiは緻密にチェックするそうです。

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Isabellaさんが惚れ込んだ彼の白ワインについては、トスカーナ州南部、地中海に浮かぶ島、ジリオ島で造られます。 初期はフィエーゾレで醸造していたそうですが、島なのでフェリー(トラゲット)を使って片道約4時間かけて運搬する苦労とブドウの品質を危惧して、ジリオ島で白ワイン造りは行っています。

ジリオ島は人口1000人ほどの自然豊かな小さな島です。マグマを起源とし、その後花崗岩となった岩質が多い土壌です。

急な斜面にテラス式といっても、細い通路に人がやっと通れる程度の畑の栽培は全て手作業です。TatianaさんにこのYoutubeのビデオを見せて頂き、改めて実感したのは、ボトルの中のワインにはこんな絶景の場所で育てられてきた歴史背景と、人の手の温かみです。


YouTube: BIBI GRAETZ - ISOLA DEL GIGLIO - HARVEST TESTAMATTA BIANCO & COLORE BIANCO

2025.07.11 次はテイスティングへ

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