イタリアワイン Feed

2025年7月10日 (木)

ワイン評価本でGamberorossoと並んでイタリアで有名なのがBibendaです。

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ビベンダはガンベロロッソのようにBicchieri(ワイングラス)ではなく、Grappoloグラッポロ(ブドウの房)1~5点までに分けて評価します。

よって5つのグラッポリ(ブドウの房)が素晴らしいワインの評価となります。

5 grappoli ーチンクエ・グラッポリ!

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テイスティング表現を見てみましょう。

まずは視覚検査:Analisi Visiva  

白ワイン Vino Bianco について4段階の色の表現があります。

Giallo Verdolino ジャッロ・ヴェルドリーノ(緑がかった黄色)

Giallo Paglierino ジャッロ・パリエリーノ( 麦わら色)

Giallo Dorato   ジャッロ・ドラート(金色)

Giallo Ambrato/Aranciato ジャッロ・アンブラート/アランチャート(琥珀色、オレンジがかった黄色)

イタリアの面白いところは、表現力が豊かなところです。

例えば、若いワインによくみられる、麦わら色が主体で淵の方は薄くなっている場合は、

Il colore : Giallo Paglierino con riflessi verdolini 、このRiflessiは時にSfumature(ぼかす)やUnghie(爪)といった表現を使ったりします。

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次に赤ワイン Vino Rossoを見てみましょう。

Rosso Porpora/Violaceo ロッソ・ポルポラ/ヴィオラーチェオ(紫がかった赤色)

Rosso Rubino ロッソ・ルビーノ(ルビー色)

Rosso Granato  ロッソ・グラナート(ガーネット色)

Rosso Aranciato ロッソ・アランチャート(オレンジがかった赤色)

 

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嗅覚検査 Analisi Olfattiva  について、つまり香りについて幾つかの観点をチェックします。

香りの質 Qualita' はいかに心地よい香りかという事を評価します。

ここで基本は4段階に分かれます。

①平凡な香りの場合、 Poco Fine( ポコ・フィーネ)

②中程度、まあまあ良い場合は Sufficientemente Fine (スッフィチェンテメンテ・フィーネ)

③いい品質の場合は Fine(フィーネ)

④とても良い、上質の場合は Eccellente(エッチェレンテ)

そして香りの表現はもちろんあらゆる表現があり自由です。

ですが、このコースは基礎を固める目的がありますので、グルーピングをして主体的な香りのグループとして捉える練習をしていきます。

香りの表現を学ぶにはとても有効的です。

この辺りについては次のブログでご紹介していきます。

 WSAイタリアワインソムリエ http://www.italia-vino.com/

開催コースレポート、受講生の感想などの記事はこちらからご覧ください。http://www.italia-vino.com/blog_index.html

Wsa

2025年7月 5日 (土)

このコースで学べる事①として、イタリアワインソムリエに欠かせない、『アッビナメント(食事との合わせ方)』の授業があり、実践もございます。 

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世界のワインを学ぶソムリエコースでは、イタリアワインについて学べる内容は当然ながら限られます。

実際、イタリアは全20州で紀元前からワイン造りを行っているため、土着品種が500以上、クローン、バイオタイプなども含めれば1000以上もの種類があります。

さらに個々にまつわる歴史、ストーリーがあり、もちろん現在も発展し続けているイタリアワインの世界は複雑に感じることと思います。

このWSAイタリアワインに特化したソムリエコースでは、各州ごとに整理をしながら、とりわけ重要な部分、特色を分かり易く紹介して参ります。

『アッビナメント(食事との合わせ方)』

イタリアの場合、ワインは食事の際に欠かせない存在であり、食事をより美味しく頂くために必須と考えています。よって、イタリアワイン全般の特徴として、他国のものより比較的酸度が高いのも納得の理由のひとつです。

各カテゴリー、穀類(パン、米、トウモロコシ)、肉類(サラミやハム類、各種肉)、野菜(キノコやトリュフ含め)、チーズ(フレッシュ、カビ、セミハードなど各タイプ)ごとに

味覚特性を分析し、合わせるワインに必要な要素を導きだします。

難しいように思われますが、実際、各感覚をデータ化してグラフにすることで視覚的に分かり易くとらえることができます。一度行ってみると楽しい作業です。

ワインに対してはアッビナメント用の感覚分析なので、5-7つの観点だけチェックします。例えば酸度、アルコール、タンニンなど・・・

こちらもグラフ化して視てアッビナメント完成度を測ります。

更に、実践です。実際にこのお食事とワインを口にして、このグラフ結果を確認していきます。よって、データだけでなく、感覚でも納得することで、理解が深まります。

イタリアでもよく間違ったアッビナメントの例として、クリスマスシーズンに頂くパネットーネとシャンパン(仏)が挙げられます。  セオリーからしても、実際にテイスティングしてもパネットーネにはパッシートワインがよく合います。お試しください。

次回、WSAイタリアワイン専科ソムリエコースで学べること②は、イタリアのテイスティング用語です。

 WSAイタリアワインソムリエ http://www.italia-vino.com/

開催コースレポート、受講生の感想などの記事はこちらからご覧ください。http://www.italia-vino.com/blog_index.html

 

2025年6月26日 (木)

イタリアにはスプマンテ(瓶内2次発酵、メトドクラシコ)に特化した地域がいくつかあり、中でも有名なのは、ロンバルディア州フランチャコルタ、トレンティーノ・アルトアディジェ州トレントDOC,そして、ここピエモンテ州アルタランガDOCGです。

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Sboccatura

  『コントラット』で長年、デゴルジュマン(Sboccatura)(澱引き)の作業を担ってきたシャンパニスタ(と呼ばれていたそう)。

とてもお話し好きで語りながら、実際に昔のやり方を再現してくれました。

 https://www.youtube.com/shorts/CxejJrl9GXc



更にルミアージュ(動瓶)も実演してくれました。ここ『コントラット』では今でもこの工程を手作業で行っているそうです。 (下の真ん中の写真)

廻す角度は手が覚えているんですね。

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この『コントラット』が有名な理由のひとつには、この地下大聖堂セラーが、2014年ユネスコの世界遺産に登録されております。

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今の当主はGiorgio Rivetti氏です。 いかに土地、畑、郷土性が重要かを語ってくれました。

エプロン姿はGiogioさんのお姉さんです。お姉さんも畑が大事で、ずっと土、自然と向き合って働いてきたと話してくれました。

そして、今日は彼女の手料理を頂きました。

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ピエモンテ州アスティ県カネッリの町に『コントラット』はあります。

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2025.06.06  LCI-Kyoko

2025年5月26日 (月)

5月10日(土)日本時間18:00~ ブライダのカンティーナと繋いで開催

インポーター:(株)フードライナーとのコラボにて実現しました。

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朝のトリノは雨模様でしたが、現地9時に着いた時はすっかり上がっていました。2
Braidaはピエモンテにいると、レストランでもエノテカでもよく見かけますし、またバルベーラ生産者のリーダー的存在だということを実感します。

このセミナーでブライダの歴史、なぜ有名なのか、つまり創設者Giacomo Bolognaの功績から、現代の環境変化がおびただしい中、発展し続ける現在の当主までご紹介いたします。

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 プレゼンの写真とビデオはこちらのリンクからご覧ください。https://docs.google.com/presentation/d/1Ug-tn5Rfs-Z40g5un4d-NV_zDMhmXDkYRWVYzqppvFE/edit?usp=drive_link

または下記リンクからダウンロード

braida_fotovideo_1.pptxをダウンロード

6ワインリゾートのお部屋から朝焼けの景色

1-歴史、ジャコモ・ボローニャ氏の功績、名前の由来、現当主について

『BRAIDA』の場所はモンフェッラート‐アスティのRochetta Tanaroの町にあります。ラファエラさんのおじいさまに当たるGiuseppe Bologna氏がこのいくつか畑を持っていらして、息子つまりBRAIDA創業者のGiacomo Bologna氏に受け継がれました。

苗字がBOLOGNAなのに、BRADAという名前はどこから来たのでしょうか。

おじい様は当時「Pallone elastico, Pallapugno」という手をラケット代わりにしてボールを打つスポーツをなさっていて、とても強かったところから、当時のチャンピオン、ブライダさんに似ていると、みんなにブライダと呼ばれていたそうです。よって息子はブライダの息子と呼ばれました。

というのも、この地域に4つの同じ苗字BOLOGNAのファミリーがいたので、区別するために、例えば、レストランを経営する家族は「ボローニャ ディ・ラザーニア」と愛称、あだ名をつける習慣があったんです。

そうして、1961年にGiuseppe氏がワイナリーをオフィシャルに開業する際に「ブライダ」と命名した訳です。

1961年 今日のテイスティングワインに選んだ「MONELLA」バルベーラのフリッツァンテが最初のワインです。この辺りではバルベーラ、モスカート、グリニョリーノが土着品種で当時から栽培されていますが、バルベーラは微発泡の軽いテーブルワインとして親しまれていました。

1969年、ASTIの国内コンクール( Douja d’Or di Asti )で金メダルを獲得したので、ジェノヴァ、ミラノ、トリノのフェアに無償で参加する権利を獲得し、これはGiacomoのバルベーラを世に知らせるきっかけとなりました。

Giacomo氏のワインの評価について、分かり易い例として、ルイジ・ヴェロネッリによるGiacomo氏のエピソードをお話ししたいと思います。

ルイジ・ヴェロネッリは1950年代~活躍した美食家でありワインや食の業界に大きな影響を与えたジャーナリストです。Giacomo氏が若くして亡くなったとき、彼のワインの素晴らしさだけでなく、人柄の素晴らしさにとても残念だと語っています。

初めて未だ無名のGiacomo氏に出会ったのは1950年頃のジェノヴァでのコンクールでした。Giacomo氏がVeronelliに自分のワインをテイスティングするよう勧めたところ、Veronelliは2日前にBOLOGNAのワインは飲んだのだけれど好みではなかったのだと話します。ところが、あとでBologna違いだったことが分かり、改めてGiacomo氏のワインを飲んだとき、一目ぼれしたそうです。

その後、ジャコモ氏との交流は深まり、1970年代ヴェロネッリはジャコモ氏の他、フランチャコルタで今では有名なMaurizio・Zanellaと共にカリフォルニアのレストランに招かれ、カリフォルニアのカンティーナを巡ります。そしてカリフォルニアワインの成功のカギのひとつに、有能なエノロゴ(醸造家)(プリンチペ・アンドレ・チェリスチェフ californiano André Tchelistcheff)の働きがあったことを知ります。彼はバリックを使ってカベルネやメルローなど決まった品種のワインを造っていました。そこでジャコモ・ボローニャ氏はヴェロネッリに言ったそうです。「確かに美味しい、けれど繰り返しである。飽きて仕舞うだろう」

その後、1982年にバルベーラとバリックを合わせるという改革をして造られたのが「Bricco Uccellone」です。今日のテイスティングワインですが、当時、先程話したカリフォルニアのエノロゴ、アンドレも成功を認めたそうで、バルベーラの地位を上げることに成功したのです。バルベーラのブドウは酸が高いことが特徴ですが、糖度も高くアルコール度が上がりやすい。それに対しタンニンが少ないので、バリックを使用することで木からタンニンを補うことができ、完全なワインに仕上がっているのです。

Giacomo Bologna氏を語るには足りませんが、彼の思いを引き継いで、BRIADAを発展させ続けているのは2代目、ラファエラさんとジュゼッペさんの兄弟です。そして更にその子供たちがいらっしゃいます。

写真は当日朝撮ったブリッコウッチェッローネの畑とバルベーラ(右写真)とモンテブルーナの畑とバルベーラ(左写真)です。

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BRAIDAは 5つのエリアに畑を持って、それぞれに適したブドウを育てています。

◎Rocchetta Tanaro 標高160m-

 砂質と粘土質が同等の割合に含まれた土壌; アロマ、濃厚な風味が生まれます。

 ◎Castelnuovo Calcea 230m- (il bacialeのワインのブドウ)

砂質、石灰岩:軽く、熱を地中まで通しやすいため、根っこが早期に働き始めます。

 ◎Costigliole d'Asti-240m- (主にLa Monellaのブドウ)

粘土質、石灰質、最良の日照;ボディと濃厚な香りが生まれます。

◎Mango d'Alba(LANGHE)500m-(ナシェッタ、シャルドネ)

石灰質、砂質、水はけ良し、植物の生命力が強い。過度の生産量にはならない。

◎Trezzo Tinella (LANGHE)450m-(ナシェッタ、シャルドネ)

砂質と石灰質の泥灰土(マール)、南向き、すり鉢状で標高が高いので昼夜の気温差がしっかり、ブドウの成熟はゆっくり。 

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 【 ワインテイスティング】

①白 イルフィオーレ(2023) Chardonnay 70% Nascetta 30%  セミアロマティック品種

②白LA  REGINA (2023)  ナシェッタ(ナ・チェッタ)“Nas-cëtta” セミアロマティック品種

Langhe DOC Nascetta

③赤 ラモネッラ  バルベーラの微発泡ワイン(シャルマ法)
Barbera del Monferrato frizzante DOC.

10日マセラシオン、4か月以上密閉ステンレスタンク

④赤 モンテブルーナ  温度管理したステンレスタンク2週間アルコール発酵 大樽1年熟成。

⑤赤 ブリッコウッチェッローネ
畑のある丘にL’Uccellone というあだ名の女性が住んでいた。女性の鼻は鳥のくちばしのようだった、いつも黒い服を着ていたことから名前が付いた。

20日間マセラシオン、バリック12か月、瓶内で1年熟成

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近くの親戚が経営するレストラン 『I BOLOGNA』

2025年3月29日 (土)

5月10日(土)日本時間18:00~19:00 

当主Raffaella Bolognaさん自ら登場されます!

私(Kyoko.M)が現地に行って、畑、カンティーナの様子をお伝えします。
更にブライダと一緒にテイスティング解説いたします。

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近年バルベーラはネッビオーロに匹敵するほど重要視され、クオリティも上がっています。そのきっかけを作ったブライダについて学んでみましょう。

BRAIDA ブライダについて】バルベーラの地位を確立したブライダは歴史的に重要ですが、ピエモンテに居りますと現在もバルベーラ生産者のリーダー的存在だと強く認識します。
ピエモンテ州ロッケッタ ターナロ村は人口1400人余りの小さな村。豊かな自然に恵まれ、夏は熱く冬は寒いという大陸性気候で、砂質と粘土質が同程度の土壌。
創業者のジャコモ ボローニャ氏は天才的な感性を持った醸造家でもあり、酸が強く安売りされがちだったバルベーラを、畑の改良とバリックによる熟成で、味わい深いワインへと昇華させました。そのブライダを受け継ぎ発展させているのが、ラッファエッラとジュゼッペ。近年の地球温暖化への対応として東や北向きの畑を新たに購入するなど、彼らの挑戦は続いています。


◇◇◇ワインセット特別販売+イタリアの生産者とライブセミナー

皆さまには【特別ワインテイスティングセット】を4種類作って頂きました!
※複数ご注文可。※価格は消費税、送料込み(本州四国九州)(北海道はプラス440円)
 ※複数ご注文の場合
送料再計算され、よりお得です!

1⃣ (赤) 1本セット  11,800円
 バルベーラ ダスティ ブリッコ デル ウッチェッローネ
 Barbera D’Asti DOCG Bricco dell’ Uccellone
  バリックを使用し『伝説のバルベーラ』として世界的に知名度と評価が高い。

2⃣(赤+赤微発泡)2本セット  7,600円
 ①バルベーラ ダスティ モンテブルーナ Barbera d’Asti DOCG Montebruna
  大樽で熟成したバルベーラ100%

 ②ラ モネッラ  La Monella Barbera del Monferrato Frizzante DOC
ブライダで最初に造られた、バルベーラ100%の微発泡。

3⃣(赤+白)2本セット  7,900円
 ①バルベーラ ダスティ モンテブルーナ Barbera d’Asti DOCG Montebruna
  大樽で熟成したバルベーラ100%

 ②ラ レジーナ ナシェッタ La Regina Langhe Nascetta DOC
 ミネラルとフルーティのバランスが特徴的な土着品種ナシェッタ100%

4⃣(白+白)2本セット  6,950円
 ①ラ レジーナ ナシェッタ La Regina Langhe Nascetta DOC
 ミネラルとフルーティさが特徴的な土着品種ナシェッタ

 ②イル フィオーレ Il Fiore Langhe Bianco DOC
  シャルドネとナシェッタのバランス良いブレンド、2,3年寝かせると満足度上昇。

◇◇◇【日時】5月10日(土)18:00~19:00 @ZOOM利用

  今回はビデオ撮影し、参加できない場合も見逃し配信を行います。



【お申込み方法】Emailまたはフォームにて下記内容をお送りください。
 ◇氏名
 ◇配送先ご住所
 ◇電話番号
 ◇ご希望セットの番号と数量、
 ◇受取希望日・時間帯 (任意)
 ◇5/10Webセミナー参加/不参加
 ◇生産者へのご質問内容(任意)

 Email: ivsjapan.reg@gmail.com
 フォーム:http://www.ivsjapan.com/application.htm

 皆様のご参加をお待ちしております!ライブでお会いしましょう!

【ご協力:株式会社フードライナー】

IVS Japan

2025年3月 1日 (土)

トリノでSALONE DEL VINOが開催されました。

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今回の目的のひとつは、Bassa Val Susa(トリノ中心から西側)を起源とする、土着品種Baratuciatバラトゥチャのテイスティングです。

生産者BOSIOのバラトゥチャ100%のGesia Veja 2023:香りは白い花(エルダーフラワー)や、青リンゴ、だんだんとパイナップル。

アルコールを感じ、まろやかさも中程度、やはりミネラルがしっかりとしていて、やや硬さによったボディを感じます。余韻の苦味が特徴的でした。

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1877年にピエモンテのブドウ品種として登録されているそうで、1909年には大学であるProfによって研究発表がなされたそうです。

【栽培地】トリノ中心より西側のValle di Susaスーザ溪谷辺りとモンフェッラートで栽培されています。

スーザ溪谷を作った氷河によって推され戻されて出来上がった氷堆積モレーン土壌の丘陵地。

酸度5.25g/L  pH=3.17

アルコール度数:13.5%   残糖 23g/L

合わせるお食事:貝類(生ガキにレモン、ボンゴレのパスタなど)

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2016-2017年に何度か訪問したLe Piane!

2018年のBOCAをテイスティング。まだ若さを感じるがタンニンは滑らかでエレガントな香りと風味の余韻が続く、素晴らしいワインです。

当時お会いしたCHIARAさんはもう務めてらっしゃらないと伺って時の流れを感じました。

隣にいたソムリエが何年熟成できるか尋ねたところ、控えめに言うと50年。でも実際は100年。

生産者の話では、Christoph KünzliがAntonio Cerri氏から引き継いだが、BOCAの土地の可能性を感じた理由のひとつには、この土地に保管されていあワインをテイスティングして、100年の樹齢がある畑のポテンシャルを実感したからだと話していました。


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その他、シチリアはエトナロッソも出ており、3日間続くワインフェアは賑わっておりました。

2025.3.1 OGR -TORINO

2025年2月27日 (木)

トリノでドルチェットの会に参加してみました。

Dolcetto di Diano d’Alba の生産者67社が集まる協会『I Sörì di Diano d’Alba』が主催。

ホームページ:https://www.soridiano.it/

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ドルチェットは1970年代ピエモンテで主要なブドウでした。その証拠に当時はドルチェットを1箱買ってくれた人にバローロ、バルバレスコをプレゼントしていたというのです。

確かにネビオロのタンニンは当時、飲み難いものという認識でした。そしてネビオロの人気が出ると、ブドウは植え替えられていきました。

海外からニーズが無かったのは、『ドルチェット』の名前から『甘いワイン』と想像される人が多いことも要因のひとつだそうです。

ドルチェットのDOCGはDIANO d'ALBA(ディアーノ ディ アルバ)の他にDOGLIANI DOCG(ドリアーニ)とOVADA DOCG(オヴァーダ)があります。

ドリアーニはランゲの南方、オヴァーダはアレッサンドロに位置します。Img_5729

協会名『I Sörì di Diano d’Alba』の「ソリ」はピエモンテの方言で「陽の当たる場所」

よって北向きの畑は認められないそうです。

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5種類のIL DOLCTTO DI DINANO d'ALBAをテイスティング;

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DIANO D'ALBA DOCG はドルチェット100%

1)VEGLIO  Luigi e Massimo MONTA GRILLO 2022 

ヴェリオ ルイジ・マッシモ https://www.vinoveglio.it/

位置は西側(バローロ側)、ステンレスタンク使用、外観は紫がかった赤、Rosso Porpora, Trasparente,Limpido, Poco consistente

赤ベリー系のフルーティで軽やかな飲みやすい一般的に知られているドルチェット。
ABBINAMENTI:タレッジョなどチーズ

2)GIANO DIANA I Sori di DIANO 2023

位置は南側、古い畑の樹を使用。ステンレスタンク使用。

外観の色は濃く、Rosso granato,Poco trasparente, Suff.limpido, Consistente

タンニンがしっかり、若さを感じます。
Abbinamento: ブレザオラのサラミ(馬肉) 

3)FRATELLI AIMASSO Diano d'Alba Docg  SUPERIORE Pietro 2021

フラテッリ アイマッソ https://www.aimasso.com/

今日の2番目のお気に入り!
スーペリオーレは良い年にしか造られない。アルコール度数15%

外観は濃いルビー色、Rosso rubino, Poco trasparente limpido, consistente

アルコールとタンニンがしっかりでバランスとポテンシャルあり。Bricco Ciabottoの標高の高い畑で日照をしっかり受ける。

セメントタンク使用。

4)STEFANO FARINA-TENTA SAN QUIRICO 2020

ステファノ ファリーナ https://stefanofarinawines.com/it/san-quirico/

ドルチェットで珍しいバリック熟成12か月

畑は標高400m、南側(アルバ側)砂質を含む土壌、柔らかい仕上がりで特に口に含んだ後、木の香りを感じる、余韻が長い。

5)LUIGI DROCCO- Sori' dei PIANI  2018

ルイジ ドロッコ https://vinidrocco.it/

今日の一押し! ワイナリー価格11€なので日本だと40€くらいですね・・・

土壌はマール、白い凝灰岩をベースに砂質の石灰土壌と粘土質土壌。畑は南東向き。生産量約700本。

ステンレスタンク使用、30日かけてアルコール発酵、ワインを移してほぼ自然酵母でマロラクティック発酵へ。8月にボトリングし18ヶ月の瓶熟成。

外観はルビー色、Rosso rubino 香りがブラックベリーやラズベリーなどのジャム、優しい花の香りがあり、6年の熟成でタンニンもまろやか、飲み頃ですが、あと2年は楽しめそう。

アルコール14.5%

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2025.2.25 DOLCETTO di DIANO D’ALBA マスタークラスは SALONE DEL VINO TORINOの一つのイベント

Kyoko M

2025年2月21日 (金)
2025年1月24日 (金)

東京ではIVS Japanというイタリアワイン専門のワイン愛好会の集まりがあり、毎月ランチ会と

時にディナーやセミナーなど多様なスタイルで開催しています。

トリノにも50代~70代の方々が集まるワイン愛好会があると知り参加してきました。

テーマは『リグーリア州のロッセーゼ・ディ・ドルチェアクア』

リグーリアと言えば地中海に面して夏のリゾート地で賑わうポルトフィーノやチンクエテッレが有名ですね。

この辺りは東側で白ワイン、ピガートやヴェルメンティーノがとても美味しいエリアです。

今回は西側ポネンテ地域の黒ブドウ『ロッセーゼ』のRossese di Dolceacqua DOC を

6種類をテイスティングしました。1

毎回生産者が登壇してセミナーしてくれます。ロッセーゼのワイナリー3社

テッレ・ビアンケ(日本にも輸入あり)、KA'MANCINE(カ・マンチーネ)、Tenuta Anfosso(テヌータ・アンフォッソ)は

 3人一緒に車で5時間ほどかけて来たそうです。

テッレ・ビアンケの生産者がロッセーゼの歴史や土壌などについて語ってくれました。

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急斜面 ACCLIVITA'

ロッセーゼを造る畑は丘陵の上部で、基本的に北の山側から南の海へ向かって、溪谷がいくつもあります。

イタリア語で『EROICA』という英雄的栽培方法のひとつとして知られる地域です。

つまり急斜面での栽培を強いられるからです。傾斜は21-50%だそうです。

『Muretti a secco』という石垣を作り段々畑状にします。機械化は殆どできないので作業は困難です。

土壌 :ブルーがかったマール(泥灰土)、ガレストロ(Flyshフリッシュ)の礫状石など、少しの距離で異なる。

この辺りもランゲなどのように区画別け(Menzioni/Unita’ geografiche)があり、NOMERANZE(ノメランツェ)と呼ばれます。

このUGAは2011年から取り入れられ、現在33のNOMERANZEがあります。

基本的に歴史的な条件、ミクロクリマ、土壌などを考慮して分けられています。

根が深く伸びているのが分かります。平均樹齢は45年だそうです。

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ブドウ『ロッセーゼ』は紀元前5-6世紀に遡り、ギリシャ‐マルセイユ人がポネンテにヴィティスヴィニフェラをもたらした時の一つと言われる。

その証拠としてこの辺りの方言にギリシャ語が残っている。例えば鍬のことをMa’chella’というそうです。

1885年にドルチェアクアにもフィロキセラが入ってきました。

1972年 DOC『il Rossese di Dolceacqua』がリグーリア初のDOCとして誕生します。

ロッセーゼのブドウは果皮が薄く、病気にも弱いので栽培が困難です。

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テイスティングは2種類づつ比較しながら進めます。合わせる食事は リグーリアのフォカッチャ・レッコは基本チーズが入ったもの。 

会場は彼らの所有する部屋でレストランではないので、基本的にケータリングや買ってきたものを温める程度。

①KA’MANCINE 『BERAGNA』2023

     カ・マンチーネは1988年創業。4ヘクタールの畑にロッセーゼのブドウだけ栽培する。

  このワインは酸がありフレッシュですが、樹齢は古いものだそうで、バランスがよい。

 ②TERRE BIANCHE 『DOLCEACQUA』2023

 こちらは日本にも入っており、受賞もたくさんしているワイン。

 2023年で若いですが、香りも複雑で構造のしっかりした余韻を楽しめる仕上がりです。

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③KA’MANCINE 『GALEAE』2023 

  ①の彼のワインよりもアルコール度14%に上がり、ボディがあります。

④TENUTA ANFOSSO『POGGIO PINI』 2021

  ラベルの2本の樹はよく見ると男女が抱き合っている、作り手もアーティスティックな方でした。

  昔からこの辺りでは枝を一緒に圧搾してきたそうで、彼の代から半分に減らしたそうです。

  おそらくそれに起因するヴェジタブルな香りが特徴的でした。

 野菜のキッシュを合わせて頂きました。

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⑤TENUTA ANFOSSO『LUVAIRA』 2021

⑥TERRE BIANCHE 『TERRABIANCA』2023

写真を忘れたのですが、豚肉の煮込みを合わせました。

本来はリグーリアの郷土料理『Capra con i fagioli』ヤギ肉とインゲン豆の煮込み料理がよく合います。

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会は20:00~22:30 頃まで続き、テーブルで一緒になった人たちと友達になったり、生産者と交流したり、また注文もできます。

この主催者『コンパニア・デル・カリチェ』が受取り、購入者は引き取りに来るそうです。

殆どの人が車でいらしてましたが、ここ最近は飲酒運転の取り締まりが厳しくなったようで、

運転手は注意が必要がそうです。

IVS Japanの話をすると、いつか日本と繋いで開催したいですね、と喜んでおられました。

la compania del calice 『ラ・コンパニア・デル・カリチェ』

ホームページ:https://www.lacompagniadelcalice.it/

 オルトレポパヴェーゼの標高380mの丘陵地モンタルト・パヴェーゼに約40haの畑を所有する。この辺りは白ブドウとバルベーラを栽培し、7㎞ほど離れたチゴニョーラでは黒ブドウ、コラティーナとウーヴァラーラを栽培している。モンタルト・パヴェーゼの城を背景に畑が広がっている。

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年間15万本の生産量。現在の当主は3代目にあたる家族経営。SaraさんとStefaniaさんの姉妹がカンティーナを管理し、弟が畑を管理している。母親は現役のスーパーバイザーだそうです。

ですから祖父の代に始まったワイナリーで、70年代にようやくあらゆるタイプのワイン造りを取り入れて発展してきました。この辺りは Valle di Rieslingリースリング溪谷と呼ばれるほど、リースリング栽培に適している。粘土質と石灰石が広がる土壌で、ミネラルをブドウに与えてくれる。別の黒ブドウが多い畑では砂質が多く含まれる。

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写真右)SARAさんが持っている石がこの辺りに見られる石灰質石。

【収穫について】

近年の気候変化によって収穫時期は約2週間前倒しとなり、ブドウは健康だが小さく、糖度が高い状況で
摘むことになる。よって最近は白ワインでも14-15℃、赤では16℃と高めである。

やはり温暖化で注意するのはブドウが完全な状態で収穫されること。既に潰れていると酸化やカビが
発生し易くなります。また収穫から圧搾までの時間を出来るだけ短くしています。

機械摘みの場合、ブドウの樹を強く叩いて果実だけを取り込み、枝は残します。それだけ、果実を潰し
易い状況になるのです。よってメトドクラシコのスプマンテ用のピノネロは手摘みで1かごに18kgまで
取り込んだら次のかごへという風に潰さないよう注意を払っています。
2024年はその前、一昨年前も干ばつに悩まされたのに対し、春、秋と大量の雨が長く続いたことで、
畑の管理に苦労を要した。収穫量は40%の減少、とりわけクロアティーナは遅い収穫時期のものなので、
更に減少した。

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ここも人手不足もあり機械化を進めている。畑は縦に栽培し(Ritocchino)機械が入りやすい仕様に
変えた場所も多い。栽培仕立てはグイヨ仕立て、特に機械化を進めているところは、高めのカザルサ
Casarsaを採り入れている。

2020-2021年は雪が沢山降ったそうで、真っ白な畑の写真があった。雪や氷の重みでブドウの樹の枝が
折れる音が聞こえたそうです。しかし、ブドウの樹は休眠期なので全く悪影響はなく、むしろ雪が
じわじわ溶けて土深く水がしみ込んでいくことが、土壌にはとても有効である。

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ピノネロ・メトドクラシコ・スプマンテの醸造

写真左のジャイロパレット(動瓶・ルミアージュ作業)は木製で珍しい! 
彼らも少量しか持ってなかった為追加注文したが、もう作ってないそうです。
写真右の手動ルミアージュはもう使用していない。

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右上の写真をよく見ると、ひとつ穴が開いているのが分かりますか?

全てマニュアルで並べているそうで、たまに起きてしまうそうです。

ピノネロの長期熟成に向いている性質から4-5年は酵母Lievitoとのコンタクト(2次発酵)を行います。試験的に15年ものもあります。

年間約50,000本の生産をしているが、澱引き(デゴルジュマンSboccatura)は同時には行わない。
出来るだけ酵母とのコンタクト期間を長くするために、年に数回に分けて澱引きを行います。
デゴルジュマンの機械は専門の車両サービスに依頼している。車両内に最新の設備を整えて
必要な時にやってきてくれるので、ボトルを運ばなくてよく、また費用的にもコストダウンできる。

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【BUTTAFUOCO Fajro DOC 2021】 ブッタフオコDOC

 火を放つという意味の名前で面白いこのDOCは限定的に生産されている。

 7つのCOMUNE(村)に制限されている。
 クロアティーナ50% バルベーラ 40% ウーヴァラーラとヴェスポリーナ 10% 
 規定では義務ではないが、基本的にタンニンしっかりなため、樽を使用して熟成させます。

 クロアティーナはフェノール熟成が遅く、皮が厚い。ボディを与える。
 バルベーラは皮が薄く、繊細。ちょっとした雨などの刺激で破れやすい。酸を与える。
 ウーヴァラーラは色を与える。ヴェスポリーナはタンニンとスパイス香を与える。
 ブレンドなので各品種の特徴によってバランスのよいワインが生まれる。

 収穫は同時に行うので、各4種のブドウがいい状態である時を見分ける必要がある。

[ワインテイスティング]

【RIESLING O.P. DOC BRINA】リースリング DOC ブリーナ

※アルトアディジェで開催されるリースリング・コンクールで上位に入り、注目されている。
ブドウ:リースリング・イタリコ
手摘み収穫後、出来るだけ早めにソフト圧搾を行い、フレッシュさを保っている。その後
温度管理されたステンレスタンクで醸造し、ボトリングまで寝かせる。

色は薄い麦わら色で緑がかっている。香は強くフローラル、フレッシュなトロピカルフルーツ
やリンゴなど味覚でも酸がしっかりあり、ほんのり苦味を感じる余韻が長い。
アルコール度数
13% vol


【PINOT NERO METODO CLASSICO BRUT MILLESIMATO DOCG 2018】

 ピノネロ・メトドクラシコ ブルット ミッレジマート2018 DOCG

受賞したワイン! 標高の高い畑で栽培、36カ月以上酵母とのコンタクト(Presa di Spuma)
栽培仕立ては カザルサ casarsa (高めの仕様)
残糖度 5g/L  Brutと表示しているが、Extra Brutのカテゴリーでもある。
イタリアは残糖度低めが流行っているようです。

澱引き(Sboccatura)は一斉に行わないので記載するようにしている。2024年11月と記載。
アルコール度数 13%
手摘みでソフト圧搾。ステンレスタンク17-18℃でアルコール発酵。ワインベース、
糖、培養酵母(ティラージュ)を加えてボトリングー12~14℃で2次発酵へ。

36か月以上酵母とのコンタクトを行う。

澱が固まらないようにルミアージュ(動瓶)を行い、販売前に澱引きをして栓をします。

色は輝きのある麦わら色。気泡は細やかで持続性がある。パンの外側の硬い部分の香りなど。
酸がしっかり、エレガントな仕上がり。

【BUTTAFUOCO DELL'O.P. DOC FAJRO】
 ブッタフオコ デッロルトレポパヴェーゼDOC ファイロ 2021

4種類のブレンド
木樽(使用済み)で2年の熟成を施す
アルコール度数 16.5%
色は濃いルビー色。香りはベリー系のジャム、スパイス香が強く感じられる。口に含むと
ボディのしっかりとした余韻が続く。

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HP:https://www.cadelge.com/it/
2025年1月訪問 Kyoko M