イタリアワイン Feed

2024年11月22日 (金)


ローマにあるBIBENDAの本部で盛大に開かれたパーティに招待され参加して参りました。
振り返れば2016年に第1回目のソムリエコースをこのBibenda(FIS/WSA)とコラボし、8回目のコースを来年2月に控えております。受講者は計147名になります。
  
そんな功績を称えて頂き、イタリアの国歌の演奏と共に開会後、直ぐに檀上に呼ばれ、日本でのIVS Japan日本イタリアワインソムリエの活動を紹介することが出来ました。

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BIBENDAも、ガンベロロッソのようにワインの評価をしており、ブドウの房(Grappoli)5つが最高点です。
5点(チンクエ・グラッポリ)を取った生産者を招き、700種類のラベルが並んでおりました。
会場には生産者、ビベンダ関係者など1200人が出席しておりました。

ビベンダは早くからデジタル化を取り入れており、分厚い辞書のような紙の本はもう作っておりません。

よって、5Grappoliのワインリストは、アプリで ダウンロードできます。

無料ですから、ぜひご覧なってみてください。

https://www.bibenda.it/bibenda-app.php

 
 
ビンテージは現行のものだけですので、例えばバローロは2020。今飲むより数年後により美味しく発展するだろうワインという事になります。
見覚えのあるラベルがたくさんあって、見ているだけでも楽しめます。

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パーティの受付は18-19時から徐々に始まり、イタリアですから、受付から席に着くまでに会う人、会う人に挨拶をして、20時ぐらいから始まったでしょうか。

参加者はBibenda関係者と生産者たちで 100テーブル以上あり、1テーブル10人以上なので、1200人はいらしたようです。
テーブルごとにグループABC。とアサインされ、ワインリストもグループABCに分かれており、アサインされたグループから選んで 注文できます。
各ビベンダのソムリエに頂きたいワインを注文するシステムです。
 

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ソムリエコースの講師、アントネッラ先生とエドアルド先生です。

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彼がBIBENDAのプレジデンテ、フランコ.M.リッチ氏です。招待ありがとうございます!

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別枠で『今年の素晴らしいワイン10点』が表彰されました。

見覚えのあるワインが。IVS Japanの会でも紹介させて頂きました。

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この方は、アルバーノ・カリージ、『フェリシタ』という歌で有名になった歌手です。
私を見て日本語で『愛あなたと二人、・・・・・世界はあるの・・・」と昔の歌謡曲を日本語で歌い始めました。
アルバーノさんもプーリアでワインを造っていらっしゃいます。

Tenute Al Bano

とにかく会う人皆、日本の文化や習慣のすばらしさを褒めてくださって、有難い事です。
 
  
バルべーラ・アスティで有名な『Giacomo Braida』のラファエラさんも参加されており、
お会いできました。 

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このホテルに入っているHeinz Beck の3つ星の店『ペルゴラ』のエグゼクティブ・シェフNicholas Cuomoのお料理を頂きました。 

・Vitello arrosto con fuhghi al rosmarino

・Insalata tiepida di seppie e ceci soffiati

・Gnocchetti al ragu' con granella di Lampone e olio

・Stinco brasato, patate e salsa al tartufo

・Sfera di torroncino , agrumi speziati

・Pan dolce e castagne

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テーブルの写真、向かって右から2人目はトスカーナにある、歌手スティングの畑の方。
左端の方は会場である、ホテルカバリエリ・ヒルトンのオーナーで、幼少期に田園調布に住んでいて、川奈ゴルフクラブで父親とゴルフをなさっていたと日本の思い出を語ってくれました。

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YouTube: BIBENDA 5 GRAPPOLI 2024.11

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(写真左)FONGARO  (ヴェネト州) 生産者タニータさんは今年6月に来日し、ソアーヴェのイベントに参加されたそうです。 品種DURELLOのメトドクラシコを造る(ソアーヴェ地区)

(写真右) cantina Oasi degli Angeli (マルケ州)『KURNI』モンテプルチャーノのワインで有名!彼も独特の衣装ですが、奥様は真っ赤なドレスでワインと同じく個性的です。

レポート:Kyoko Matsuyama ( 2024.11.15)
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IVS Japan 日本イタリアワインソムリエ http://www.ivsjapan.com/


LCI - Lingua x Cultura Italiana
エルシーアイ イタリアxカルチャースタジオ www.lci-italia.com

WSA-FIS イタリアワインソムリエ http://www.italia-vino.com/
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2024年11月 7日 (木)

(続)カルティッツェの畑が見える場所まで行こうと、フランコ氏(ADAMI生産者でプロセッコ協会会長を兼務する)と丘を登っていくと、突然見晴らしの良い五角形の形をしたすり鉢状の土地が現れます。

CARTIZZE:最初に出来たRIVE(区画、クリュの概念に近いもの)です。全体で107ヘクタールの広い区画です。132のブドウ栽培の生産者で所有しています。カンティーナは150社にも上るそうです。各生産者は小さな畑をを持っているのですね。

COMUNE(村)はValdobbiadeneに位置し、Frazione(comuneの中の地区)は S. Pietro di Barbozza, Santo Stefano , Saccolに広がっています。 

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1933年のシエナで開催された初めての郷土ワインの展示会に、フランコさんのお祖父様がGiardinoとこのCartizzeの2本のワインを提示しましたが、Cartizzeは中でも素晴らしかったそうです。

当時から評価され、ポテンシャルがあったことが伺えます。

プロセッコのブームは80年代です。70年代フランコさんは既にプロセッコを造ってましたが、価格は以前と変わらずでした。80年代に入り、価格は倍になり、今では5倍です。

カルティッツェのブドウは約6€、ヴァルドッッビアーデネのブドウは2€。

Prosecco「ここの環境はスペシャルなんです、1937年から景色はほとんど変わっていません。少し家など建物が増え、木々が減ったけれど、畑は沢山あって昔と変わらないです。」

『カルティッツェ・アルト(上部)』おそらく1800年代からブドウ樹はあったでしょう。傾斜が急なので他の作物は不可能なんです。独特のクオリティーがあります。

『カルティッツェ・バッソ(下部)』土壌はより深く、粘土質が多い。収穫時期は一番遅いエリアです。

収穫時期も畑毎に行います。①Scandonela  10日早く、②Colbertaldo,そして ③Valdobbiadene- ④Combai(冷涼で閉じたエリアの溪谷で、熟すのが遅い)は10③遅く、順に収穫していきいます。

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世界中に知られたプロセッコは、造るのも簡単で飲みやすいワインとして有名ですが、この景色を一見すれば分かるように、場所によって違うのです。このミクロクリマ(メゾクリマ)から高品質なワインが生まれるのです。

Colbertaldoではシャルドネを栽培しているそうです。「PROSECCO Valdobbiadeneは15%までシャルドネを使用可。ヴィンテージによって2,3%はブレンドするのは良いと思う、好まない生産者もいるが、殆どみんな入れている。(^^)」

『ADAMI家のストーリー』を少しここで語ってくれました。

1920年 祖父がGiardinoの畑を買った。13人の息子がいて、上の5人がブドウの樹を手で(機械はなくマニュアルで)植えました。この辺りは伯爵がいた頃からブドウ栽培していたからです。

このチリオーネ(ciglione)、一種のテラス式畑が将来、世界遺産に指定されるとは知らず。

父は学校に行きたがらなかったので、祖父がCarpeneに送ったところ、父は気に入ってワインの世界に入っていった。その後この地域のワインを買ってカルペネに売っていた(ブローカー)。叔父さんも従妹も続いて行った。そんな訳で『カルペネ』とは深い繋がりがあります。 

親の代まではスティルワインや量り売りワインなどいろいろ作っていましたが、私たち兄弟は国際化に力を入れて、スプマンテープロセッコだけを造っています。

6種類のプロセッコ・ヴァルドッビアーデネと1種類のトレヴィーゾDOC(平地の一番生産量が多い場所)

『CASEL(CASEI)』 畑(Rive)にある山小屋を指すが、昔はみんな親戚兄弟、点在するCASEIに住んでワイン造りをしてきたんだ。僕のワインが一番だけどね(笑)

CASEI(カゼイ)はADAMI家を代表する愛称だそうです。

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本当に見晴らしがよく、空気が澄み渡る日は50㎞先のヴェネツィアのサンマルコ広場の鐘楼が見えるそうです。

溪谷の地形は3層になっており30kmほど平行にVittorio Venetoまで続く。この溪谷沿いにSan Martinoから車で走ると 片側に丘陵斜面が広がり、片側に平地が広がる、なかなか素晴らしい景色です。 



【ADAMI  プロセッコ- ヴァルドッッビアーデネのテイスティング】

①BOSCO DI GIGA Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore  Brut

DEI CASEL  Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore 

  Extra Dry , FINE PRESA DI SPUMA(澱とのコンタクト終了)2024年3月 

 最初のアタックは軽やかな甘さ、次に柔らかい酸ー後味はすっきりドライ 

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③ VIGNETO GIARDINO Valdobbiadene DOCG  Prosecco 

   RIVE DI COLBELRTALDO   ASCIUTTO (NON  DOSATO) Alc.11%

COL CREDAS Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore  

    RIVE DI FARA  DI SOLIGO  Extra Brut Alc.11.5%

③糖添加無し(パドセ)と④エキストラドライとの飲み比べを行った。 ④は口当たりがよくまろやかさが感じられ、③はすっきりドライだが、柔らかいタンニンで骨格があり③が好みでした。

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⑤CARTIZZE Valdobbiadene DOCG  Superiore di CARTIZZE  DRY

  チョコレート、フルーツタルト、パンドーロ、パネットーネなどに合わせたい。残糖度25g/l。

COL FONDO Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore Sui Lieviti 

 Brut Nature、FINE PRESA DI SPUMA 28 APR 2024 (澱とのコンタクト終了日)

 澱を残したまま。お好みで、澱が沈静した状態で頂く、またはボトルをひっくり返して澱を混ぜて頂いてもよい。

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LCIイタリアカルチャースタジオ、Kyoko Matsuyama 2024.10

2024年11月 3日 (日)

プロセッコ・ヴァルドッビアーデネの生産者ADAMIの当主フランコ氏は、プロセッコ協会会長も担っております

畑を共に歩き、彼の熱い想いを伺うことが出来ました。

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フランコ氏が最初に「40秒で Prosecco プロセッコとは何か語ります。」と言って始まった。

「プロセッコとは一つの地域で、2つの州(ヴェネトとフリウリ)にまたがった9つの県にあります。そこで栽培されるブドウ「グレーラ」を使用して規定に沿って造られるワインがプロセッコDOCです。トレヴィーゾ県は一番生産量が多く、北側に2つの丘陵地「Asolo アゾロ」と「Conegliano Valdobbiadene コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ」があります。後者が世界中に知られる近代のトップレベルのプロセッコが生まれた地です。」

さて、ブドウは「グレーラ」(以前プロセッコと呼ばれていた)の栽培は、1920-30-40年代の話ですが、ヴァルドッッビアーデネで始まり、コネリアーノへ発展していきます。

1937年 Farra di Soligo他小さな3つの村に1,000haの畑があり、ここでプロセッコが生まれる。

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プロセッコ・スプマンテのメトド(製法)の誕生

Carpene氏に感謝したい、というのも彼が1800年終り~1900年初頭にMartinotti氏と知り合う。

マルティノッティ氏はを瓶内ではなく、大容器で2次発酵させる方法を考えた人です。「モスカート・ディ・アスティ」アロマティックな香りやフルーティな風味を残すために 早く酵母と分離させたのです。(後に仏のシャルマ氏が特許を取ったのでシャルマ法というが、イタリアではマルティノッティ法とも呼ばれています)

カルペネ氏はマルティノッティからこの方法を学び取り入れプロセッコを作ったのです。第2次世界大戦後の1945年からここヴァルドッッビアーデネで生産者たちがこの方法でスプマンテを造り始めました。

昔スプマンテのことをイタリアのシャンパンと呼んでいたように、瓶内発酵していたのですが、カルペネ氏はその方法ではプロセッコの価値を最大限に活かせないと考え、費用削減のために選んだわけではなく、素晴らしいワインを造るための一大プロジェクトだったのです。

なぜこの地に発展したかというと、このあたりの丘陵地はトウモロコシなど穀類や他の作物を栽培できない急斜面だったので、この傾斜ある丘陵地を最大限に利用したという功績でもあります。

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Valdobbiadeneの土壌について

東のコネリアーノのモレーン(堆積)と異なり西側のヴァルドッッビアーデネは古代海底であった土地が隆起した場所で、湖が出来、砂が沈んで固まって砂岩(arenaria)になった。この辺りはこのオレンジ交じりの白い岩やこの塊の上に砂、土が50-60cmまたは30cmほどの深さがあります。

ブドウの樹はこの岩の隙間に根を伸ばし水分、養分を求めます。土壌は豊かではないため、クオリティの高いブドウが出来ます。

気候は湿度が低く、日照が適度にあり、冷涼な風があり乾燥し、病気対策も不要です。こうして出来たブドウはとても軽やかな仕上がりで、スプマンテにピッタリなのです。春のフルーティさ、フローラルさ、リンゴ、洋ナシ、バナナ、アプリコットなど造り手の個性が表現されます。

斜面の向きはバラバラです。よってADAMIではミクロクリマ(メゾクリマ)毎に区画を分けて、収穫醸造しキュヴェを造り、酸度が高い、低い、骨格がある、ない、香りがリンゴ、洋ナシなどのそれぞれの個性あるキュヴェをブレンドします。

しかし、大きな畑ではそれは人手も費用も掛かりキュヴェ造りはできないため、Cru’(クリュ)としてヴィンテージ事の違い、個性を表現します。

Adamiでは30種類に分けて醸造しています。12月から1月にかけて何度もテイスティングを重ね、ブレンドの仕方を考え、Extra dry, Brutなどに分けます。

2つのCru’を所有しております。1つはVigneto Giardino-Rive di Colbertaldo di Vidor:カンティーナより西側にありすり鉢状(アンフィテアトロ)、4ha,地域で初のCru。遅めの収穫で糖度を上げ、補糖も行います。

もう1つはRive di Farra Di Solgo 'Col Credas' :カンティーナから8kmほどにある。 標高300m。補糖なし(non dosato)にぴったりなブドウが生まれます。 

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「ブドウは混ぜてはいけない、必要ならばワインを混ぜなさい」

フランコさんの祖父様が初めて行ったのが1933年。シエナで初のイタリア土着ワインのイベントが開催された際に、このGiardinoとCartizzeドライの2本を紹介したそうです。

そして哲学として祖父から父へ、父から私フランコ氏と兄弟に、さらに子供たちに伝え守られています。

2009年 DOCGに昇格。そこでRIVE(畑の区画)としてGiardino, Ferra di Solioが指定される。

RIVEを表記するのは、畑はどこも同じではないことを明示するためである。生産者はその土地の個性をボトルの中のワインに表現しなければいけない。

Vignento Giardinoと同様の土壌層ははヴィットーリオ・ヴェネトまでずっと続くが、この辺りは砂岩が多い、Farra di Soliaは石灰質が多い、Coneliarnoは鉄分が多いと違いがあるのです。

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収穫について、「どんなワインを造りたいか」「どんな年であるか」によって決まります。化学分析だけでは決められません、私は30㎏のブドウを食べます。8月末から9月10日まで50の畑を2回周って、150粒を取って健康状態を見て、さらに味見します。

●Buccia果皮-タンニンがあること、Verde(熟していない、固い)ではないこと、

●Vinacciolo 種- 3/4:Maron(熟した) 1/4:Verde(若い)

スプマンテを造るのであってスティルのワインではないから。

●Gusto味:美味しいこと。

それから何日後に収穫するかを決めます。

Pressatura(プレス)

健康なブドウならば、タンニンも熟しており、しっかりプレスしてボディのあるワインに仕上げます。

まずは軽やかなワインを造る必要があります。その後ボディを調節します。風味は舌の先で感じる甘味部分が重要であり、奥の苦味ではありません。

最近の温暖化で酷暑もありますが、基本的には適度な雨量が常にあります。只、集中豪雨は問題になります。

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世界遺産ユネスコに登録 2019年

Ciglione チリオーネ

プロセッコの世界遺産といえば、急斜面にブドウの樹が列をなして風光明媚な映像を浮かべると思います。この樹の畝を「チリオーネ」と呼びます。

テラス式(terrazzamento)の石の代わりに草のない土を用いた手法で、斜面の硬化と崩れを防ぎます。チリオーネの歴史は16~17世紀に遡り、今でも傾斜15°~60°のエリアの約64%で使用されています。

私たちの使命は、これを維持することです。

続く・・・

2024.10 訪問 Kyoko Matsuyama  

2024年10月15日 (火)

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こちらのカンティーナで、アマローネが生まれたそうです。当時エノロゴが、伝統のワイン『レチョート 』甘口を造っておりましたが、ある日、開け忘れていた樽を味見したところ、’’アマローネ’’ (とっても苦い→渋い→辛口だ!)と言ったことが始まりです。つまり、すべての糖を酵母が食べつくしたため、辛口ワイン、それも重厚なワインへと変化していたのです。

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カンティーナは1500年代にこのValpolicellaに造られます、その後1700年代にこのフランス・シャトーの影響を受けたネオクラシック建築の館を直ぐそばに建てました。いわゆるパッラーディオ建築と言われ、16世紀に活躍した パドヴァ生まれの建築家アンドレーア・パッラーディオの設計から派生しヒントを得たヨーロッパの建築様式です。

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エントランスは木製の上にコーティングをし、いかにも大理石で造られたかのように見えます。

天井から壁にかけてフレスコ画があり、MUSE(ミューズ)が描かれています。ミューズはギリシア神話で、知的活動をつかさどる九人の女神です。4

1735年Abbazia di Negrar Valpolicellaに畑とこの館が建てられます。 1850年には Teuta di Piave di Colognola (Soave DOC)もGaetano Beratni当主の時代に所有することになります。1883年にはCorvinaの品種をグイヨ仕立てで栽培します。

ベルター二は現在、2つのワイナリーに分かれておりますが、引き継いだ兄弟の息子たち、つまり従妹同士が引き継いだ際に、それぞれの道を選択したようです。

一方はAngeliniホールディングスの傘下となり、こちら『テヌータ・サンタ・マリア』は、Gaetano Bertaniによって継承され、現当主は 兄弟の Giovanni Bertaniさんと Guglielmo Bertaniさんです。

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今回はGiovanniさんに招待を受けて、ワイナリーツアーに参加して参りました。残念ながらちょうどアジアにご出張中ということで、お会いできませんでした。

10名ほどのグループで見学ツアーが組まれており、最後に6種類のワインをテイスティングする90分ほどの内容です。

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エントランスの建物を抜けると『Giardino Inglese』イングリッシュガーデンが広がり、その奥にブドウ畑(グイヨ仕立て)が広がります。

英国風の庭はいろんな種類の木々、植物が自然に育ったように見えるのが特徴ですが、実際はそのように設計されたものです。小さな池のほとりにはお茶をする小屋が立っています。

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秋の庭には栗が沢山転がっていました。

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その脇からカンティーナへ、入口には昔使用していた、穴が残っています。ここから重力を使ってモストを地下の容器に流し込んでいたそうです。

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2階へ上がると、目に飛び込んでくるのが『Fruttaio di Appassimento』陰干し部屋です。

近年は湿度の高い日も増え、写真のように扇風機が備えてありました。

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通路には昔使用していたワイン醸造の器具が飾ってあります。

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1階に降りてくると、おおきな樽が並びます。今は使用していないもので、バリックとトノーを使用しているそうです。

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紋章の木彫りがある方がフレンチオーク、 大きく湾曲した方がスラボニア産オークです。

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更にセメントタンクが少し並んでいます。 昔はここで発酵させていましたが、今ではステンレスタンクに取って代わり、セメントでは最後のブレンドに使用しているそうです。

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最後はテイスティングの部屋へ。

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ここでスライドを見ながら、説明を受け、6種類テイスティングします。

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1本目は白、ソアヴェです。

LEPIGA SOAVE Doc: ネグラールの畑で3回に分けて収穫したものをブレンドします。シュールリーを施し、黄金色のエキゾチックなフルーツの香りとボディを生みます。

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Valopolicella Classico Superiore Doc 2022: アルコール度14.5%

Negrarの畑。2022年はとても暑かった年。

Corvina,Corvinone,Rondinella,Oseletaのブドウ。14か月以上、大樽で寝かせます。

酸がしっかり、若いチェリーやリコリスなどの香りを楽しめます。

 

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Valpolicella Ripasso Classico Superiore Doc 2020:  アルコール度15%

リパッソという手法で、Valopolicellaのワインを更にアマローネの搾りかす(Vinacce)に浸すことで生まれるアロマや柔らかいビロードのようなタンニンに仕上がります。フルーツだけでなく、シナモンや胡椒などのスパイスも感じられます。

Amarone Classico Riserva della Valpolicella DOCG 2018:  アルコール度16%

コルヴィーナ 65-75% コルヴィノーネ 10-15%

ロンディネッラ(スパイシーな香り)、オゼレータ(小粒で色が濃い)

9月から約3か月間、陰干しすることで、40%以下の重さになります。

スラボニア産樽で5年寝かせます。

マラスキーノチェリーのリキュール漬け、カカオ、たばこ、ナツメグといった風味が強くなります。


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その他2種類はメルローの陰干しをしたもので、2019年はバラの花びらのような華やかさが際立つのに比べ、2013年はルバーブやバニラのスパイス感が感じられ、全く異なるものでした。

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お帰りの際、ショップがあり購入頂けます。

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お天気にも恵まれ、気持ちのよいテイスティングツアーでした。

2024年10月12日 Kyoko Matsuyama LCIイタリアカルチャースタジオ、IVS Japann

2024年9月 7日 (土)

BIBENDA-WSA

イタリアワインソムリエ
8期生募集のご案内

イタリアワインの歴史を知るBIBENDAのソムリエ資格が取得できます

東京会場 2025年 2月5日(水) 〜 2月9日(日)

 

BIBENDAの講師が来日して開催します。WSAイタリアワインソムリエは、FIS(Fondazione Italiana Sommelier)のコースを、世界に向けて発展させるために立ち上げたもので、WSA(Worldwide Sommelier Association)の資格コースとして、イタリアワインに特化した内容で構成されます。

 ・イタリア20州の土着ブドウやワイン、その特徴、製法などを系統立てて学べます。
 ・豊富な土着品種、格付けのワインをテイスティングする機会となります。
 ・アッビナメントというイタリア特有の知識『料理との合わせ方』を試食しながら、分析します。
イタリアだけを重点的に学べて、且つBIBENDAの資格を取得できるのは、日本ではこちらだけです。
初心者~上級者の幅広いレベルの方にとって有効な内容です。
資格取得後には、毎年マスターコースとして、各テーマ毎に掘り下げて、特にテイスティング力を養う機会がございます。

日程・料金・申込方法・オンライン説明会の情報など、最後までぜひご覧ください。

 


≪イタリア各州のワイン Vini Regionali ≫

20州系統立てて学べるからイタリアに強くなる!
 
感覚分析テクニックはイタリア人講師が丁寧に分かり易くレクチャー。専門の通訳が付きますので安心です。
イタリア北から南まで、土着品種約28種類の豊富なテイスティングが経験でき、テイスティング力を養うことができます。

 
≪料理との合わせ方 Abbinamento≫
感覚分析の仕方をマスターすれば、ワインの選び方や調理法に実践できる!



各食材の製法・特徴・調理方法・イタリアのDOP指定食品をカテゴリー別に知ることができます。
感覚分析方法を学んだあと、試食!料理とワインそれぞれの特徴を分析し、相乗効果を生むマリアージュを見つけ出します。

試験とディプロマ

Esame e Diploma

基礎コース全てを受講し、最終試験に合格された方には WSAイタリアワインソムリエの証書とタストヴァンTastevinとソムリエバッジSpilettaが授与されます。
講師はBIBENDA本部があるローマから2名。
弁護士でもあるアントネッラ氏とエノロゴ(醸造家)でもあるエドアルド氏。
二人とも熱心で丁寧に説明してくれます。もちろんイタリアのユーモアにあふれて楽しい授業です!

▶︎ コースの詳細・お申込みはこちら


【日程】全 5日間
  2月5日(水)10:00-18:30 
  2月6日(木)10:00-18:00 
    2月7日(金)10:00-18:00 
  2月8日(土)10:00-18:30
  2月9日(日)  9:30-17:30 
 
途中休憩あり。詳細スケジュールは近くなってからご案内します。

【会場】

・Ristorante ACQUAPAZZA(東京都港区南青山2-27-18 パサージュ青山2F )
・日伊学院 (東京都渋谷区桜丘町15-17 NKG東京ビル)
※ 各会場への問い合わせはご遠慮願います。

【お申込み締切】 2024年11月10日(日)
定員22名(定員に達し次第募集終了)


【受講費用】 217,800円(税込)

インポーターやBIBENDAの協力によりリーズナブルな費用設定が実現しております。

受講費用に含まれるもの:
 ◇コース授業料
 ◇テキストなどの教材
 ◇テイスティング分析シート
 ◇受験料
 ◇FIS会員の初年度年会費(100€)
 ◇教本『イタリア式ワインのABC』

(合格者へ)
 ◇FISソムリエバッジ
 ◇タストヴァン
 ◇ディプロマ

【お申込み方法】(スマートフォンからも可)

     http://www.italia-vino.com/application.html

お申込みフォームを送信後 受講費用のお支払いが確認された時点で、お申込み完了となります。
お申込みフォーム内の規約に、キャンセルポリシーや全レッスンの受講が受験に必須であることなどが記載されております。お申込前に必ず規約をお読みいただき、ご承諾の上でお申込みください。

オンライン説明会(要ご予約)
申込み前にコース内容やその他について直接詳しく知りたい方は、メールでご予約ください。なお、コース申込みに説明会参加は必須ではありません。
・9月15日(日)10:30-
・9月16日(月祝)10:00-
・9月17日(火) 19:00-
お問い合わせフォームはこちら

コースの詳細、団体、よくあるご質問はホームページもご覧ください。
http://www.italia-vino.com/



マスタークラス  Corso di Approfondimento 2025


テーマ:品種『サンジョヴェーゼ』で造るワインのテイスティング比較

~ Degustazione per approfondire il vitigno Sangiovese

サンジョヴェーゼで造る6種類のワインを比較しながら、それぞれのテロワールの違いを理解する。

Brunello di Montalcino, Chianti Classico, Morellino di scansano, Nobile di Montepulciano, Sangiovese di Romagnaほか 先生のセレクトワインを入手予定です。乞うご期待!

   

【開催日時】 2025年 2月 8日(土)10:30-14:30  (休憩含む)

【場所】アカデミー・デュ・ヴァン青山校(教室)
東京都渋谷区神宮前5丁目53−67 コスモス青山ガーデンフロア B2F
※会場へのお問い合わせはご遠慮願います。

【定員】20名 


イタリアワインがお好きな方へ
イタリアワインを学び、楽しむ会『IVS Japan』

IVS Japan 日本イタリアワインソムリエ

http://www.ivsjapan.com/
LCI イタリアカルチャースタジオ
info@lci-italia.com
http://lci-italia.com/
2024年6月29日 (土)

日、シチリアのワイン生産者『ASSULI』のロベルトさんを連れて伺った素敵なシチリア専門店『Trattoria Gatto Nero』で、偶然な再会を果たしました。

昨年2023年秋にオープンした店のオーナーシェフは2020年に当WSAイタリアワインソムリエコースを受講され、見事合格された稲田シェフだったのです!

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稲田シェフはシチリアの有名店で修業なさった経歴を持ち、純粋にシチリアの郷土料理を再現されており、シチリアからいらしたロベルトさんも絶賛でした。

シチリア・パレルモで唯一、10年間1つ星を獲り続けた女性シェフのリストランテ『bye bye blues』やアグリジェントのやはりミシュラン2つ星『La Madia』やシラク―サの『Oinos』など凄いお店ばかりですが、稲田さんはとても笑顔の素敵なSimpatico!(親しみやすい方)です。

Img_1999前菜盛り合わせは、カジキマグロやカポナータ、タコとジャガイモのマリネ、そしてひよこ豆のパネッレ!

冷えたASSULIのZIBIBBO・Seccoによく合います!

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Sfincione! (スフィンチョーネ)

贅沢なウニがたっぷり、グリッロやカタラットと一緒に病みつきになりそうな一品です。

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ワインは100種類以上のシチリアワインを常備されているそうです!

文京区の閑静な住宅街で、2-4人くらいの少人数でゆっくりシチリアを嗜むのにぴったりな空間とお料理です。 

リピーターが多いというのは良いお店の証拠ですね。

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彼のようにイタリア郷土愛が強い方には必見の、WSAイタリアワインソムリエ資格を取ってみませんか。

ローマに本部を構える歴史あるBIBENDAが主催しております。

現地からイタリア人講師が来日し、年に1回だけの5日間集中コースだから、日本全国からいらしてます。もちろんワイン愛好家、イタリア好きという趣味として楽しまれている方も多いです。

現在オンライン説明会実施中です。一度HPをご覧ください。

http://www.italia-vino.com/

代表のFranco Maria Ricciと2024年6月に再会!実はかなり有名な方です。面会も分刻み。

宇宙へ3つの苗木(Biondi Santiのブルネロ, Gajaのネビオロ 、Feudi di San Gregorioのアリアニコ)を送るプロジェクトでも話題になりました。

右側はワインガイド本出版社BIBENDAの副代表と認定講師Antonellaさん。

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Bibenda2024



2024.6月  本部があるROMA-  Cavalieri, A Waldorf Astoria Hotelにて

2024年6月25日 (火)

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 Dove si trova? ≪場所≫】 

  レッチェから車で30分ほど内陸に行くと、サリーチェ・サレンティーノDOC地域にこのカステッロ・モナチの広大な畑が広がっています。

門をくぐると両脇にヤシの木が並んでいる道が結構長く続きます。そしてようやく入口に到着。

沢山の鮮やかな色の花やフルーツの樹がお出迎えしてくれます。少し歩くと、このお城の館が登場。

実は、年に300回以上の結婚式、披露宴が行われているそうで、緑の芝がキレイに整えられ、そこでウエルカムドリンクのフリースペースを設けるそうです。

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【Castello MonaciのStoria 歴史・変遷】

カステッロ・モナチの歴史は14世紀に遡ります。Monaci Basilianiという修道士団体がここで宗教的儀式を取り行っていたそうです。

1865年にフランス貴族Perry Granigerが購入し、10haのブドウ畑と醸造所を創建した。19世紀にフィロキセラによってブドウ畑が壊滅状態に陥った際、イタリア人Antonio Provenzanoが再建する事になったため、再びイタリア人の所有となる。

モナチ(修道院)だった過去を偲んで、カステッロ・モナチと名付け、1900年代には婿入りしたMemmo氏によって、ホテル、レストランを備えたワインリゾートとして確立させます。当時、ワインツーリズムの先駆けであった。

今では210ヘクタールにも及ぶ広大な畑へと発展した。

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醸造所がある建物(マッセリア)の屋上からは、見渡す限り、さえぎる建物もなく、ブドウ畑とオリーブなど他の木々が広がっています。

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結婚式の披露宴会場に使用される、豪華なバンケット会場。 

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醸造のステンレスタンクが並ぶ部屋を通過しますと、バリックが並ぶ貯蔵庫には、モダンなスタイルのセメントタンクが卵型になって登場。

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昔醸造所として使用していた場所を、Museo del vino ワイン博物館と称し、あらゆる道具やセメントタンクなどそのまま展示してあります。

当時は黒ブドウは醸造した後、北部のワイン生産者が買い取っていた。やはり色が濃く、アルコール度数が高い、糖度の高いワインだった為、北部ではこっそり混ぜていたという有名な話があります。

ボトリングをして、クオリティの高いプーリアのワインが出来てきたのは10-20年程度の話だそうです。

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Ginaさんと対面。実は2020年に訪問した際に案内してくれたMarcoさんはとても若く優秀でしたが、昨年、白血病で亡くなられたそうです。若かった為、発覚して3週間ほどという、小さなお子さんと奥さんを残して無念だったと思います。Ginaさんと惜念の思いを共有した次第です。

カステッロ・モナチのスタッフは長年、続けて働く方がほとんどだそうです。Ginaさんも30年以上、ずっと見守ってきた一人だそうです。居心地が良いのでしょうね。


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午前10:30頃ですが、テイスティング開始!(^^)

"Chara" Terra d’Otranto  “チャラ”テッラ・ドートラント

日本ではカモンテショップで購入できます。

モストの30%をコンクリートエッグという卵型のタンクで発酵熟成、70%はバリックで発酵熟成させています。コンクリートエッグが品種本来の果実味を損なうことなく、フレッシュさや酸味、ミネラル感を際立たせ、バリックがワインに複雑さやしっかりとしたボディを生み出しています。(カモンテのHPより)

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PETRALUCE ーVerdeca “ペトラルーチェ”ヴェルデーカ・サレント 

ヴェルデカ100%の果実味と酸のバランスが爽やかで、アペリティ―ボ~前菜まで合わせて頂きたい1本。夏場は冷蔵庫に常備しておきたい。大人気の1本でした!

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Aiace Salice Salentino Riserva アイアチェ・サリーチェ・サレンティーノ・リゼルヴァ

ブドウ:ネグロアマーロ80%、マルヴァジーア・ネーラ20%

ネグロアマーロのスパイス感とタンニンによって、アルコール度数を感じさせない、お料理と合わせたくなるバランスの取れた一本でした。人気でした!

手摘みされたブドウを発酵後ブレンドし、バリック(小樽)と大樽で約24ヶ月熟成させた、複雑で力強く、芳醇な赤ワインです。

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”Artas” Primitivo Salento  アルタス・プリミティーヴォ・サレント

ブドウ:プリミティーヴォ100%

早朝丁寧に手摘みされたブドウを速やかに醸造所に運び、長めのマセラシオン(15日間)と約12ヶ月の樽熟成を経て造られた赤ワインです。

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私たちを代表して彼女が選んだプレゼントは、モナチ(修道士)に因んで お坊さんが描かれたラベルに禅の日本酒。ソムリエも喜んでらっしゃいました。

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2024.5.26

LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より

2024年6月23日 (日)

見渡す限り緑が続く、外からの汚染の影響を受けない、完全BIOの畑で造られるプリミティーボ。

マンドゥリアとジョイア・デル・コッレの2つの銘醸地の丁度真ん中に位置します。

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【AMASTUOLAの歴史】

マッセリアが登場する最初の文書は、1400 年代前半のターラント王子ジョヴァンニ・ アントニオ・ オルシーニの資産目録だそうです。この農場はイタリア系ギリシャ人の修道院の資産の一つに挙げられています。

その後、所有者は移り変わり、1652年ターラントの聖職者アンドレア・ダフリットが購入した。18世紀には土地を拡大し、最盛期を迎えた。ところが、ディエゴ・ダフリットの代にギャンブルで多額を浪費し、事実上マッセリアの衰退期を迎えた。 後継者Andrea D’Afflitto Juniorによって持ち直し、1773年ターラントのSaverio D’Ajala に譲ることとするが、利権を取り戻すべく訴訟をおこします。幸い、判決はSaverio D’Ajalaの所有のままとされ、1900年代半ばまで続く。

2003年からマッサフラのモンタナーロ家のKIKAUグループが所有しています。

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【AMASTUOLAの場所】

プーリア州南部イオニア湾が遠くに見渡せるターラント県にあたります。
海抜 210mの高台に位置するマッセリア アマストゥオーラは、周囲に樹齢数百年のオリーブの木と中世から続く石壁に囲まれたブドウ畑が約 170 ヘクタール広がっています。

マッセリアの中には遺跡が各所に見られます。オリーブの粉砕・搾油機(フラントイオ)はロバの力を借りて廻していた石臼や、遺跡物にはガラスの床で覆ってあったりします。

「テッラ デッレ グラヴィーネ」地域公園内にも位置しており、「ターラントの黄金」が発見された場所の南に位置し、旧石器時代のネクロポリ(巨大な地下にある墓地)からも近い。

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【 美しく、機能的なブドウ畑 】

アマストゥオーラのブドウ畑には、機能性と美しさという 2 つのコンセプトがあります。

ブドウの列は、偉大な景観建築家フェルナンド・カルンチョが考案した設計に基づいて植えられています。ブドウの木の垣根式仕立ては調和のとれた平行な波を描き、約 3 km にわたって各々続きます。

景観デザイナーフェルナンド・カルンチョは「太古の昔から現在に続く時間の波」と定義しています。

【Olivo secolare 何世紀も生き続けるオリーブの樹 】

さらに、何世紀もの高樹齢のオリーブの木が1500本、ブドウ畑の全面とマッセリアの重要な通りに、24個 の島に分けて配置されています。ペルージャの CNR はすべてのオリーブの樹齢を特定し、登録しています。樹齢 800 年のものや、直径 2.5 メートルを超えるものもあります。

この畑の庭園は、オリーブの木の銀緑色とブドウの木の濃い緑を組み合わせた、調和のとれた視覚的なコントラストが生まれています。

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マッセリアの中はモダンに改修され、地元の食材を使ったクオリティの高いレストランや、バリックを使ったワインだけ貯蔵されています。

自然公園の中なので、醸造所は別の場所に建てられたそうです。

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本日は5種類のテイスティング。

①白:BIALENTO - FIANO,MALVASIA

無用な発酵が起こらないように夜間に収穫。
緑がかった明るい黄色。キンモクセイの花のようなさわやかな甘い香り。

フレッシュな酸味はなめらかであざやか。シトラスとフローラルとミネラルの心地よい余韻が楽しめる。

②ロザート:ONDAROSA (ピンクの波)- AGLIANICO

 5時間の果皮との浸漬で軽やかな色合いに留めている。濃いチェリーピンク、ラズベリーとチェリー、オレアンダーとバラのようなフローラルな香り、スリムでバランスのとれた、酸味と丸みが感じられる味わい。

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③PRIMITIVO

オーク樽とステンレスタンクで18ヶ月熟成。
深く明るいルビー色。チェリージャムとほのかなシナモンの香り。渋味はおだやかにスパイシー。

小梅のような酸と塩味の美しい余韻。2011年のデビュー以後、ミレジムビオ2015年の銀賞など数々の賞を獲得している、バランス良い逸品。

④LAMAROSSA ラマロッサ プリミティーヴォ

夜間に手摘み。アリエのフレンチオーク大樽で醗酵。熟成はオーク樽で6ヵ月、コンクリートタンクで6ヵ月。
濃いルビー色。熟した赤い果実、スパイス、バルサミコ、わずかにタバコやケッパーなどの複雑な香り。フルボディで濃縮した風味、絹のようななめらかな渋味、ミネラルと酸味のバランスが楽しめる。

⑤CENTOSASSI チェントサッシ プリミティーヴォ

アルコール度 15.5%
ぶどうは夜間に丁寧に手摘み。アリエ産フレンチオークで醗酵し12ヶ月熟成。良い年にしか作らないワイン。
深くて明るいルビー色。アマストオーラのテロワール特有の、スミレやサワーチェリーと海塩の混ざった香り。やわらかく細やかなタンニンとミネラル感。余韻が長く続く。


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研修生のFILOMENAちゃん。レッチェ大学で日本語を学んだそうで、日本が大好きという事で参加してくれました。大学の日本語の先生の他に初めて日本人に会ったそうで、とても緊張されてました。

私たちにとっては娘? 孫?といった世代間ですが、折り鶴やらアニメのグッズなどちょっとしたものを差し上げただけで、涙ぐんでしまいました。なんとピュアな!

FILOMENAちゃん、日本にぜひいらして下さいね!

2024.5.28

LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より

2024年6月20日 (木)

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 Dove si trova? ≪場所≫ 

イタリアの踵と呼ばれるプーリア州の南部、BariとTarantoの街の丁度あいだに位置し、有名なアルベロベッロもほど近いところに、【ジョイア・デル・コッレ】という地域がある。今回、そこのワイナリーのひとつ、『カンティーネ・ポルヴァネーラ』を訪れる。

 Primitivoが最初にイタリアに入ってきたのはここ 

プリミティーボはマンドゥリアの方が『Il Primitivo di Manduria Dolce Naturale DOCG』『Primitivo di Manduria DOC』が存在することもあり、良く知られている。今回、マンドゥリアは『Gianfranco Fino』、ジョイア・デル・コッレはここ『Polvanera』, それら2つの間ターラントに近い場所にある『Amastuola』を尋ね、3つのプリミティーボを探求する。

プリミティーボの起源はクロアチアとモンテネグロの辺り、バルカン半島である。ギリシャ正教やキリスト教徒がオスマントルコの支配から逃れる為、1400-1500年スラブ人やアルバニア人がジョイアデルコッレにやってきた際に、苗木を持ち込んだという説があります。

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案内して下さったのはDONATOさん、若くてチャーミングな方、Gioia del colle、Polvaneraへの情熱的な思いが伝わってきました。

 BIBENDAお勧めのクオリティ 畑、醸造所ともに完全Bio!Cantine Polvanera 

Filippo Cassanoはロコロトンドで醸造学を学び、この土地のポテンシャルを信じ、土着品種の特徴を表現するために、単一醸造に着目する。

畑は約200ha、300-450mの標高に位置するため、昼夜の温度差が激しい。このため、ワインは繊細と表現されます。写真のように仕立てはコルドーネ・スペロナート、また高樹齢の畑にはアルベレッロを行っています。

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完全BIOの為、病気対策に硫黄と銅のみ使用できますが、昨年2023は Peronoporaべと病の大量発生により間に合わず、80%もの生産量を落としたそうです。

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Polvaneraのカンティーナは8mもの石灰質の土壌を掘って作られたもので、ワイン貯蔵庫に最適な温度を常に保っています。壁面には根っこが見られ、ブドウの樹が何メートルも根を伸ばして水分などを吸収していることが明確です。

鉄分の豊富なことが分かります。

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未来のプロジェクト

ばしてこのカンティーナの上部壁面には、ワイン・ライブラリーと呼ばれるように全てのビンテージが貯蔵されております。 テイスティング・テーブルも備わっています。

ここから地下8mを見下ろすことが出来、自然の力で気温も涼しく保たれているので、ワインを楽しみながら、コンサートなどを催すプロジェクトがあるそうです。

実はこの洞窟?を他に2つ掘っている最中だそうです。確か2-3年がかりという大規模プロジェクトですが、出来上がったらさぞ素敵なことと想像します。

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 Polvaneraの語源は? 

 併設されたマッセリアは1820年のもので当時炭造りを行っていた小さな家族が住んでおり、みんなから『Polvagnor』、つまり炭の粉(Polvere della carbone)が肌に摺りこまれ、黒っぽかったことからそう呼ばれていたそうです。 この名前をリスペクトと共に継承し、カンティーナの名前にしたそうです。

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醸造は、ステンレスタンクだけを用いるのもPolvaneraの特徴のひとつ。品種の個性をより強く表現したいという思いからの選択だそうです。

このアンフォラは次回試してみることになっているそうです。楽しみですね。

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さて、こちらモダンなエノテカに場所を移して、今回はLight・Lunchコースを選びました。

5種類のワインを選んでテイスティングできます。

まず、『Spumante Brut ’A’』 Rosato IGT Puglia- Bio Metodo Charmat

プリミティーボ100%

イチゴのようなチャーミングな香りが広がりますが、後味はほんのり苦みも感じられバランスが良い。フリゼッレのブルスケッタによく合います。8

白はMINUTOLO IGT Valle d’Itria- BIO 

ミヌートロのブドウ100%

青りんご、ネクタリン、バナナ、カモミールなどの香り。味わいにも同様の風味が感じられると共に酸とミネラル感がありバランスを取っている。フレッシュでこのまま、またはハーブのフリッタータにもよく合います。

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VERDECA IGT PUGLIA -BIO  (オレンジワイン)

ヴェルデカ100% のオレンジワインは初めて!南部の白ワインといえばVerdecaで、酸やフレッシュ感を楽しむイメージでしたが、少し厚みのあるヴェルデカもまた良かったです。

こちらの土壌は少し粘土質の泥土が主体である。アルコール発酵に続いて、マセラシオンを約6日間行います。 さらに6ヵ月寝かせてからボトリング。

古代の黄金色、アカシアやカモミール、カーネーション、エルダーフラワー、モモのシロップ漬け、紅茶、ほんのりスパイス香が広がります。

味わいは、まろやかさ、アルコール度の高さ、偽熱をしっかり感じつつ、酸とミネラル、ほんのりタンニンが感じられバランスが取れている。余韻にはモモ、アーモンド。

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最後に赤ワインを2種類。

POLVANERA 16とPOLVANERA 17

なんと、プリミティーボ100%でアルコール度数が16℃と17℃。

写真右の通り、16の方は土壌が石灰質主体、17は粘土質主体。どちらも樹齢70年ほどの古木で造られたブドウです。

収量は1haあたり40qlと半分以下です。全て手摘みで、24か月ステンレスタンクで熟成、12か月瓶熟成したものです。

不思議なくらい、アルコール度数を感じさせないエレガントさに驚きです。

日本には入っていないそうです。

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2024.5.31

LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より

2024年6月17日 (月)

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 Dove si trova? ≪場所≫ 

イタリアの踵と呼ばれるプーリア州の南部、イオニア湾を臨む、ターラント県、ワイン『プリミティーボ・ディ・マンドゥリア』で有名なマンドゥリアにGianfranco・Finoのカンティーナはある。

2004年ワイナリーを始めたのはSavaという村、1.3haの畑から始めて、約3年で14haまで拡張した。

2021年ワイン・リゾートとしてマンドゥリアに新しくカンティーナを創り、醸造所、テイスティングルーム、レストラン、ホテルも備えた。また、この建物の周りに9haの畑が広がっており、テラスに上がって眺めると風の影響を北から、また南からの海風も常に受けていることが実感できる。

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 Gianfranco Finoとは? 

 Gianfranco氏はオリーブオイルの世界で著名だった方でしたが、アグロノモ(農学者)として、エノロゴ(醸造家)として、Territorio(郷土性)にこだわり、最高品質のものを造るという信念に基づき、今日の成功を導いた。

ジャンフランコ・フィーノはプリミティーボとネグロアマーロの2品種だけ栽培。Savaのオリジナルの畑は樹齢60~90才の樹がアルベレッロ仕立てで育てられている。

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 マンドゥリアのミクロクリマ 

マンドゥリアの方(写真の畑)はグイヨ―仕立てで密植ですが、間引きをする為、収量は低く、おおよそ6,000本ほどに過ぎない。灌漑は行わないため、根が6mにも及び、自ら地下水を吸収している。

通常雨量は少なく、日照の多いエリアですが、昨年2023年は3月~6月に雨が多かったため、べと病やうどん粉病が発生した。海まで15kmと近いので、アフリカからはシロッコの風を常に受け、湿気とサハラ砂漠の砂(ミネラル分)が運ばれてきます。 カンティーナの周囲には約8h プリミティーボ、約2.5h ネグロアマーロが栽培されている。

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   マッセリア・カンティーナの建築 

カンティーナの建物はこの地域から掘り起こした凝灰岩で建てられ、地下7mほど深くに貯蔵庫があります。土壌は鉄分を多く含んだ粘土質の赤土でその下に砂地、昔海だった事から貝殻が見られます。更にその下が凝灰石の岩といった構造です。

マッセリア(プーリア州農園の建物)を再現するべく、天井はステッラという星形のヴォールト建築技法が用いられています。太陽のように光る照明カバーはグロッターリエの陶器で、隣町のグロッターリエは昔から陶器作りが盛んで工房が立ち並びます。Francesco Fasano氏の作品です。

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【プリミティーボへのこだわり】

14haの高樹齢の畑を土壌やミクロクリマにより14区画に分け、それぞれに適した時期(8月末頃)に収穫します。

プリミティーボの語源『precoce(早熟)』より収穫は早めのブドウです。

収穫は毎年決まった方々20-25名ほどが手伝ってくれます。

朝5時~12時の気温が14-15℃の時を狙って、20㎏のかごに手摘みします。傍に停めた約13℃の冷蔵トラックに積みます。カンティーナ横で選果されたブドウを除梗し、重力を活かして地下のステンレスタンクの中へ送ります。タンクの周りに冷水を流す仕組みみよって、温度管理しています。

20日間かけて、ゆっくりとした自然酵母のアルコール発酵を行います。マセラシオン中にデレスタージュを1日2回施します。デレスタージュは、タンク内の果汁をポンプで一旦引き出した後に、その果汁をタンク上のから、脇から優しく流し込みます。この工程を行うことで、 果皮からの色素、タンニンの抽出を促進させ、柔らかく果実味が豊かになります。その後ソフトプレス、バリックで9か月寝かせます。ESのワインはここでボトリングされます。

【ES RED】 渾身のリゼルヴァ 

リゼルヴァは、Gianfranco氏が全ての樽をテイスティングし、選ばれたものだけ更に1年バリックで熟成させます。瓶内3-4年寝かせます。このラベルはシルク製で、全てTommasoさんが、1枚づつ手で貼り付けます。更にカプスルはGommalacca(シェラック)の樹脂を使用した手製です。

【ES】特にドイツ人からのリクエストで、マグナムや15Lなどのサイズも用意なさるそうです。

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 プリミティーボはいつ、どこから?

今では土着品種となるプリミティーボですが、元はクロアチア(モンテネグロ)のブドウです。バルカン半島民族イリュリア人がプーリアにもたらしたとされ、それがGioia del Colleだそうです。

そこからマンドゥリアに辿り着いたのは1800年代のある結婚式で、アルタムーラのサビーニ伯爵夫人がマンドゥリアの伯爵に嫁いだ際、持参品にはプリミティーボの苗木もあったそうです。

ベネディクト会の修道士たちが布教活動と共にもたらしたという説もあります。

また、別ルートでカリフォルニアにももたらされ、ジンファンデルとして国際的に親しまれています。

 ワクワク、ドキドキのテイスティング 

 プリミティーボのワインでは高価であり、希少性もさることながら、今回、FIS/WSA(BIBENDA)のソムリエコース卒業生が7名いるグループで臨んだ訪問に対して、Gianfranco・Finoさんは何と招待してくださったのです。 カンティーナで働くGianlucaさんも同じ講師に習ったそうで、FIS/WSA同僚として、一緒にメンバー写真を撮りました!

Foto_41BIBENDAが運営するFIS/WSAソムリエメンバー!!!Gianfranco Finoにて

 プリミティーボとネグロアマーロの違い? 

プリミティーボは一昔前まではボトリングされず、色素が濃く、糖度が高いブドウの為、北部のワインを強化する為に販売されていました。

果皮は薄く、タンニンが非常に少ない、一方、ネグロアマーロの果皮は厚く、タンニンがしっかりあり、糖度がやや低め。そのタンニンの分子は単一形で、収斂性がより感じられるため、木樽を使って酸素との結合を促すことにより、分子が分離し細かくなり、滑らかなタンニンへと変わっていきます。

プリミティーボにはタンニンが少ない為、バリックを使用する事で木に含まれるタンニンをワインへ吸収させ補ってやる効果をもたらします。

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【Sn】Simona Natale Gianfranco氏が奥様Simona Nataleさんに捧げた愛のメトドクラシコのスプマンテ。

ブドウはネグロアマーロ。

12時間マセラシオンで色素などを引き出し、使用済みバリックで7カ月、バトナージュを施して瓶内二次発酵。ジロパレットを使用。澱との浸漬48か月後、澱引き。ノン・ドサージュ。

色はRosato pugliese【赤玉ねぎの皮の色】と表現する。

Vino rosatoはプーリア発祥。それもLeone di castrisというLecceの南にある街で初めて造られ、その時は殆ど赤ワインの濃い色だったそうです。

第1の香り(Aroma Primale) ブドウ由来:の赤い果実だがフレッシュな酸があるタイプ、タンニンは殆どない

第2の香り(Aroma Secondale) 発酵由来: トースト香、酵母の香、柑橘系、オレンジなど、トロピカルフルーツ

第3の香り(Aroma Terziale) 熟成由来: 木樽は古いものなので、木の香りはない。

【スペシャルグラス】

細工によって、7つの泡が立ち上がります。最近はフルートグラスを使わず、口の広いグラスで香りを楽しむ傾向が強いため、この細工によって気泡の状態、余韻の長さが見てとれます。

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【Jo】 da mar Jonio イオニア海のイオ

ネグロアマーロ・イオニコと昔は呼んでいたように、イオニア海沿岸で栽培されてきたブドウ。

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【Sé】SALENTO PRIMITIVO IGT  2022 セ 自我 (フロイト哲学より、自我とは創造性が活性化され、未来の可能性が生まれます。つまり自己実現は困難な道を乗り越える為の目標を構成します)

プリミティーボ100%   Alc.15%

赤い花(バラ、スミレ)、赤果実(チェリー、プルーン)いずれもフレッシュな香り。

樽は3分の1づつ、新樽、1年目、2年目の3種類に分けて熟成させます。よって、タンニンが程よく感じられ、土壌から来るミネラル感によってアルコール度をそこまで感じないでバランスがよく、キレイな後味です。

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【Es】Salento Primitivo IGT 2022 

フロイトの哲学より本能、Gianfranco氏による真の情熱、喜び(PASSIONE PURA)を表現した2004年がファーストヴィンテージとなる彼の代表的なワイン

プリミティーボ100% オリジナルの畑SAVAの樹齢60-90年のブドウ樹から選ばれたブドウだけで造られます。アルコール度 16%

イノシシのパッパルデッレやジビエ、牛肉(和牛)の煮込みなど、構造のしっかりとしたお料理が望ましい。

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【Es piu' Sole】Vino Dolce Salento Primitivo IGT

プリミティーボ100%  食後に、デザートに、青かびチーズなどに合わせたい、品のよい甘さが忘れられない。アルコール度 13.5%

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SIMONA NATALEさん登場! 彼女のワインSnのボトル用に着物をプレゼント!

プーリアの太陽のような笑顔が印象的な、Gianfrancoのワインのように情熱的な方でした!

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【RISTORANTE】遠方だが1度は召し上がって頂きたい!

テイスティングに大満足の我々一行は、予定を変更しても2階にあるレストランでランチを楽しむことに。それはそれはサプライズの連続のPRANZOでした!

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ピスタチオのリゾットとSimona Nataleのスプマンテを注文しましたが、お料理が出て来る前に

サプライズなアミューズが次から次へと運ばれてきて、目でも楽しませてくれる素晴らしいアイデアの数々。

因みに、テーブルの脚に使用されているのは使用済みのバリックだそうで、この加工を施したのは、

ロマーニャ州にあるSAN PATRIGNANOの若者たちに依るものです。ここは、 薬物依存に立ち向かう若者たちの自立を目指して、1978年にヴィンチェンツォ・ムッチョーリ氏によって設立。リミニの狭小な土地で始まり、ワインも造っています。

2024.5.28

LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より