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2023年7月
7月Piatti Italiani ヴェネト州郷土料理とワイン講座レポート
猛暑が続く毎日ですが、元気に美味しく栄養を取りたい、そんな時にお勧めメニューを作りました。
Dolce: i biscotti pevarini ビスコッティ・ペヴァリーニ
ペヴァリーニのビスコッティは黒コショウなどのスパイスが効いた風味が特徴的です。
これらは1400年代に遡り、リアルトの港でヴェネツィア人が中東との交易で入ってきた時に購入していたスパスです。起源が古代ギリシャと言われております。あの哲学者ピタゴラスの好物だったとか。
ペヴァリーニという名前はヴェネトの方言でぺヴァーレとはコショウを意味します。このドルチェに欠かせないスパイスであったことから、名づけられたそうです。
ヴェネツィアといえば≪オンブラOmbra≫、グラスワインのこと。ワインに浸して頂いたそうです。 他にはグラッパやリキュールなどのお供に。
ヴェネツィアのバーカロやオステリアでは、お酒とおつまみを気軽に楽しむ文化が昔から根付いています。 今では数少ない、≪Pan Spessia≫と呼ばれる村祭りでは、このペヴァリーニでスタートしたそうです。 当時はハチミツではなく、糖蜜(melassa)を使用していたそうです。
Insalata di calamari e legumi イカとひよこ豆、インゲンのサラダ仕立て
Baccala' alla vicentina ヴィチェンツァのバッカラ(干鱈)料理
バッカラは水に漬けて柔らかくし、更に水気を切っておく必要がありますので、2-3日前に準備が必要です。
講座では写真を見せて説明することに。実際作っておいたものをポレンタと一緒に試食しました。
少し手間ですが、冷蔵庫保存で、白ワインのお供に少しづつ召し上がって頂けます。
Risotto al radicchio ラディッキオのリゾット
☆ラディッキオは栄養価が高く、カリウム豊富で血圧を下げる効果大だそうです!
抗酸化作用数値もトップクラスで、 アンチエイジングパワーがあるそうです。
因みに日本では トレビスとして販売されているものが主流です。
ラディッキオはチコリと訳されますが、一般的に日本ではチコリというと、エンダイヴを指すことが多いので、分かり難いですね。
エンダイヴのイタリア語はindivia belga
トマトのガスパチョも冷やして頂きます!
ガスパチョはトマトが未だヨーロッパに入って来てない頃のローマ時代の話ですが、スペインへ遠征に行った際にローマ軍が持っていったポスカという水とお酢とハーブ類のドリンクが起源だとも言われております。
今日は夏にぴったり白ワイン2種類をご用意しました。
北はトレンティーノ・アルトアディジェ州ドロミーティIGT【Steinhaus】
ケルナー、シャルドネが主体のほんのり苦みが後味にあり、リゾットにとてもよく合いました。
南はシチリア州のインツォリアのブドウ100%で作るオーガニックワイン。【ASSULI】
果実味がしっかり感じられますが、ミネラル、塩味とのバランスが良く、最初の一杯にお勧めのワインです。
LCI看板犬のアモーレ・・・
7月 ヴェネト州郷土料理とワイン講座
Menu :
Risotto al radicchio ラディッキオのリゾット
Baccala' alla vicentina ヴィチェンツァのバッカラ(干鱈)料理
Dolce: i biscotti pevarini ビスコッティ・ペヴァリーニ
7月23日(日)11:00〜14:00
7月24日(月)11:30〜14:30
LCI Notizia!8月のお知らせ
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WSAイタリアワインソムリエ基礎コース第7期開催のご案内
WSAイタリアワインソムリエは、Fondazione Italiana Sommelierがイタリアで実施しているコースを、世界に向けたWSA(Worldwide Sommelier Association)の資格コースとして、イタリアワインだけに特化させて構成したものです。
2024年もイタリアより講師が来日しての開催が決定しました。
・イタリアワインの特徴を州ごとに系統立てて学ぶ。
・豊富な土着品種のワインテイスティング。
・料理との合わせ方についても実践的に身につける。
イタリアだけを重点的に学べる初心者~上級者の幅広いレベルの方にとって有効な内容です。
基礎コース終了後の試験合格後はWSAイタリアワインソムリエ資格を得ることができます。
【基礎コースの内容】
≪イタリア各州のワイン≫
イタリア全州で造られているイタリアワインの特徴を系統立てて学びます。
ワイン感覚分析テクニックはイタリア人講師が徹底的にレクチャー。専門の通訳が日本人にもわかりやすいように説明を行います。また、イタリア北から南まで、土着品種約28種類のテイスティングを行います。
≪食事との合わせ方(Abbinamento)≫
イタリアを代表する各食材の製法・特徴・調理方法・イタリアのDOP指定を学びます。また、実際に様々な食材を使った料理とワインを試飲・試食し、特徴を分析しワインと合わせる手法を学ぶことができます。
試験とディプロマ
基礎コースの全てを受講し、最終試験に合格された方には WSAイタリアワインソムリエの資格とタストヴァンTastevinとソムリエバッジSpilettaが授与されます。
【日程】全 5日間
2月3日(土)~ 2月7日(水)
【会場】
・日伊学院 (東京都渋谷区桜丘町15-17 NKG東京ビル)
・Ristorante ACQUAPAZZA(東京都港区南青山2-27-18 パサージュ青山2F )
※ 各会場への問い合わせはご遠慮願います。
【お申込み締切】 2023年10月20日(金)
定員20名(定員に達し次第募集終了)
【受講費用】 217,800円(税込)
インポーターやイタリアFISの協力によりリーズナブルな費用設定が実現しております。
受講費用に含まれるもの:
◇コース授業料
◇テキストなどの教材
◇テイスティング分析シート
◇受験料
◇FIS会員の初年度年会費(100?)
◇教本『イタリア式ワインのABC』
(合格者へ)
◇FISソムリエバッジ
◇タストヴァン
◇ディプロマ
【お申込み方法】
下記URLから、WEB上の申込フォームをご利用ください。(スマートフォンからも可)
http://www.italia-vino.com/application.html
お申込みフォームを送信後 受講費用のお支払いが確認された時点で、お申込み完了となります。
お申込みフォーム内の規約に、キャンセルポリシーや全レッスンの受講が受験に必須であることなどが記載されております。
お申込前に必ず規約をお読みいただき、ご承諾の上でお申込みください。
【オンライン説明会(要ご予約)】
お申込み前にコース内容やその他について直接詳しく知りたい方は、メールで説明会(いずれか1日)へご予約ください。なお、コース申込みに説明会参加は必須ではありません。
・7月26日(水)11:30-
・7月30日(日)10:00-
・8月2日(水) 10:00-
メールアドレス: info@lci-italia.com
コースの詳細、団体、よくあるご質問はホームページもご覧ください。
http://www.italia-vino.com/
【コース主催】 一般社団法人 日本イタリアワインソムリエ
【企画運営】 LCIイタリアカルチャースタジオ
Eメール:info@lci-italia.com
大自然なマレンマ地方(トスカーナ)の自然ワインLa Maliosa
La Maliosa(ラ・マリオーザ)はトスカーナ地方南部、マレンマ内陸の丘陵地帯にある有機農園です。
近くにはサトゥルニアの天然温泉や、エトルリア人の街ピティリアーノなど、歴史が止まったような場所がいくつもあります。
広さ160ヘクタールという広大な土地の中に、穀物やオリーブ、ブドウ、ハチミツなどの農園を造り、更にロバを放牧しています。 こうすることで、近隣で巻かれた農薬や、トラクターの排気ガスから影響を受けない環境を作っています。
2010年にはビオとビオディナミの認証を取得したそうですが、基本的には本来あるべき姿の自然環境を実現し、持続可能な農法でオリーブオイルやワインを生産しているのです。
そこには熱意以外のなにものでもない、Antonella Manuli女史の信念を感じます。
そのプロジェクトの発端はLorenzo Corino博士であり、彼の説く『生物の多様性(Diversita')、長期的視点、持続可能(Sostenibilita')、環境、土壌、人々の健康(Salubrita')』といった考えを【Metodo Corino】として確立し、世界に広める活動を行っています。
畑は6ヘクタールと小規模です。表土の硬化を抑え、有機物や微生物を利用することで土を守っています。
古くから栽培されてきた品種、チリエジョーロ、サンジョベーゼ、アリカンテ、白はプロカニコやアンソニカ、グレケットを栽培しています。
農園内にはツルを伸ばす野生ブドウも存在するそうで、いかに自然体な場所か分かります。
ビオディナミ農法を取り入れているといっても、プレパラートの動物性の物、角などは使用しないという徹底ぶりで、カテリーナさん他若い人たちのチームで力を合わせて運営しており、私達など訪問者へのサービスも素晴らしく、彼らの想いが伝わってきました。
ASINO(ろば)は、とても人懐っこく、愛らしかったですが、運搬など畑仕事を手伝っているそうです。
StarBox:広大な土地にいくつかの丘があり、そこにスターボックスと呼ばれる小屋があります。
中にはベッドがあり、屋根がオープンしますので、静寂の中で夜空の星を眺めながら過ごせます。
カンティーナはとても小さいもので、ラベルを1枚づつ手で貼っているところを披露頂きました。
VINI NATURALI(自然ワイン)といっても美味しくなくてはダメです。
畑からカンティーナまで訪問すると、他の植物や生物との共存で豊かに育ったブドウから造られたワインであるかを実感し、
アルコールとはいえ、体に良い気分になってしまうエシカルなワインを体験しました。
実はラ・マリオーザのオリーブオイルは、既に定評があり、品質の高さは有名ですが、
自家製パンとテイスティングで実感です。
午後は気持ちのよい天気に恵まれ、外でピクニック。
夜はLa Maliosaが運営するワインバーがサトゥルニアのチェントロ、ピアッツァにあります。
Piazza Vittorio Veneto, 29, 58014 Saturnia GR
インテリアだけでなく、食材にもこだわっていて、郷土料理のパスタPICIやイノシシのラグーソースにも大満足。La Maliosaのワインと合わせます。
Antonellaさんを囲んで、故人Lorenzo博士を偲びながら、私個人的にも有意義な時間に感謝です。
Cameriere君はとても爽やかイケメン。サービスも手際も素晴らしかったです。
近くには、La Maliosaが所有する5人位泊まれる素敵なアパートもあります。
モスグリーンと白をベースにした優しい、お洒落なデザインは、旦那様がなさったそうです。
サトゥルニアのテルメ Cascate del mulino di saturnia
今年は雨が多く、到着する2-3日前まで大雨で、実は、ブドウやオリーブにも雹の被害があったそうで、今年の収穫は心配です。
人工的な介入はしないラ・マリオーザは本当に厳しい状況と思いますが、信念の強さに励まされる思いです。
IL COLLE プロセッコ生産者のプレゼン-和食とアッビナメント
この暑い時期にプロセッコは欠かせませんが、今やプロセッコのレッテルも払拭しなくてはなりません。
和食の前菜からデザートまでのフルコースに最初から最後まで合わせることが出来ます。
また、残糖度(ブリュットとエキストラ・ドライ)を変えてみたり、製法(シャルマ、メトド・クラシコ)、色(ロゼ)の違いを楽しむなど、ヴァリエーションが広がっています。
そして何よりも、繊細さ、味わいの深みなどクオリティもとても高くなっていますから、アペリティ―ボだけに終わらず、あらゆるお食事に合わせてみたいと実感しました。
今日のプロセッコ生産者は イル・コッレ IL COLLE(複数の丘を意味する)はコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネの中の、San Pietro di Feletto サンピエトロ・ディ・フェレットに位置します。
DOCGのエリアにあり、プロセッコDOCGとDOCを作っています。
この地域は 2019年に【Patrimonio UNESCO 世界遺産】に登録されました。
特徴としては写真のように、ブドウ畑が美しく並んでいるだけではなく、個々に森林で囲まれている事だと思います。こうして、自然との共生、多様性が守られ、ブドウにもよりいい環境になっています。
SOLOITALIA-林茂先生の主催で、ワインインポーターは大倉フーズ。
今回は和食とのアッビナメント。
お店は神田明神下にある『みやび』にて、季節の食材を目でも楽しめるコダワリ満載のお料理が並びました。
合わせたワインはこちらの4種類です。順番に見てみましょう。
【プロセッコDOC トレヴィーゾ スプマンテ・エクストラ・ドライ】PROSECCO DOC TREVISO SPUMANTE EXTRA DRY
最初の喉の渇きを癒しつつ、前菜に合わせたいこの一本。
ブリュット【残糖度12g未満】もありますが、エクストラ・ドライ【残糖度15-16g】のこちらのプロセッコの方が暑さによる疲労感を回復してくれそうです。また和食の前菜にはほんのり糖度がある方が合わせやすいです。 洋ナシや黄色いリンゴの香り、風味。
ブドウ:グレーラ 85%,シャルドネ 15%
収穫は手摘みで、仕立てもシルヴォという伝統的な高さのあるコルドン式を用いるなどコダワリを感じます。
更に、発酵に15日、シャルマ法で二次発酵し30-40日熟成、チルドで8日間と時間をかけて造っています。
厳選酵母を使用しシャルマ―法で二次発酵を行っています。
【前菜】ジュンサイの酢のもの仕立て、スイカに見立てた小メロンは明太子、豚肉を巻いた谷中ショウガ、佐島のタコ、ちりめんじゃこ入りおこわを万願寺唐辛子で巻いたものなど 目で楽しい、味わって美味しい、プロセッコ・エキストラドライとぴったりでした。
【コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スーペリオーレDOCG スプマンテ・ブリュット・ミッレジマート】CONEGLIANO VALDOBBIADENE PROSECCO SUPERIORE DOCG SPUMANTE BRUT MILLESIMATO 2021
≪Metodo Il Colle≫ イル・コッレ独自のスプマンテ製法
畑指定のブドウを手摘みした後、モストを直接スプマンテにする方法で、40日間ほどかけて行います。よって発生する亜硫酸塩は微量になり、香りも収穫したてのブドウ果実そのままを感じられ、青りんご、洋ナシなど。
ブドウ:グレーラ 100% 単一畑(区画のことをRIVEという):San Pietro di Faletto
お食事は巻海老や玉蜀黍トウモロコシの天ぷら、太刀魚と新蓮根の天ぷら。すべて岩塩で頂くことで、プロセッコの塩味、ミネラルと天ぷら食材の旨味と塩味に完璧な合わせでした。
【コッレ・バイオ コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スーペリオーレDOCG スプマンテ・ブリュット・ビオ&ヴィーガン】COLLE BAIO CONEGLIANO VALDOBBIADENE PROSECCO SUPERIORE DOCG SPUMANTE BRUT Biologico e VeganMILLESIMATO 2021
≪COLLE BAIO≫ 5hのBIO認定の畑を持っており、そこにフォッリーナという畑で造る限定ワイン。
バイオというのは、栗色ベースに鬣と足元が黒色をしている馬の種類のことで、1500年頃ヴェネツィアから伯爵がバカンスにこの馬を連れて、この辺りで過ごされていました。その間、バイオ馬が駆け回っていた場所として、COLLE BAIOと名付け、特別区として引き継がれています。
BIO指定ということで、周りは森林で囲まれ、ビオ環境を保っています。
ブドウ:グレーラ85%、その他は土着品種(ヴェルディーゾ、ビアンケッタ、ペレーラ)
2次発酵はソフト圧搾した後、低温14℃でシャルマ―法によって個別に25日間行います。更に40日間澱と共に40日間熟成。
香りはトロピカルなフルーツを感じるが、口に含むとフレッシュなリンゴやレモングラスなど、余韻にほんのり苦みを感じさせます。やや濃いめのお食事に合わせたくなります。
お食事は鮎の春巻き揚げ、豆腐干をパスタに見立てた桜エビのペペロンチーノ、木の芽のソースが一層ワインに合います。
【プロセッコDOC ロゼ ミッレジマート・スプマンテ・エクストラドライ】PROSECCO DOC ROSE' MILLESIMATO SPUMANTE EXTRA DRY 2021
ロゼのプロセッコは、見た目にも華やかで、ドライ感とコクを共に楽しめる、お食事にも合わせられる注目のワインです。
3haのピノネロの畑を持っており、やはり手摘みで収穫し、グレーラとは別に1次発酵させます。
2次発酵の際に合わせて、60日間かけていきます。
ブドウ:グレーラ90% ,ピノネロ10%
プロセッコ・ロゼは殆どの生産者がBRUTで造るそうですが、ここILCOLLEは酸度を高くして、糖度バランスを取っているそうです。その為、合わせるお食事の幅が広がります。
香りは初め、ラズベリーの甘ずっぱさが広がります。それからリンゴや洋梨といったグレーラの香りがします。
ポン酢で頂く、豚肉のしゃぶしゃぶは、生産者きってのリクエストだったそうで、店長みずからしゃぶしゃぶして下さったという贅沢な一品でした。
ホワイトコーン、香川の味来もろこし御飯にはグアンチャーレや日本一こだわり卵が入っており、絶品の〆でした。
生産者のSARAさんはとても元気で愛らしい方で、IL COLLEへの情熱が伝わってきました。
お母様もご一緒に来日されておりましたが、今は兄弟3人がワイナリーを引っ張っているそうです。
IVS Japan 日本イタリアワインソムリエ
http://www.ivsjapan.com/
Kyoko Matsuyama
Soave ウォークアラウンド・テイスティング・イン・ジャパン2023 レポート
SOLOITALIAによるテイスティング会では 9社の生産者が参加し、ソアーヴェだけをテイスティングし、発展し続けるソアーヴェの多様性と現状を知るとても良い機会となりました。
LE UVE:ソアーヴェの主なブドウは Garganega (ガルガネーガ)(写真左側)
30%ブレンド可能なブドウのひとつ Trebbiano di Soave(トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ)(写真右側)
写真:HP:https://www.ilsoave.com/le-uve/
テイスティングワインについて(頂いた資料より)
まず Cantina di Soaveより【POESIE Soave Classico DOC 2022】
ポエジーエ(折々の詩)と名付けたように、リンゴやパイナップルの果実味と爽やかなミネラル感が多くの人の気分を高めてくれる、ウェルカムドリンクにぴったりです。
次に生産者 Cantina Valpolicella Negrar(ネグラ―ル), ソアーヴェ・クラッシコ地区にあり、ラベル別にインポーターも3社が取り扱うほど日本に馴染みのある生産者です。
Domini Veneti Soave Classico DOC 2021 のシャルドネ、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェをブレンドしたステンレスタンク熟成タイプと Tremenaltoは10%オーク樽3か月熟成をブレンドしたガルガネーガ100%タイプとの明確な違い、前者の白桃のような繊細さ、後者はコクや厚みを楽しむことができます。
生産者 Corte Adami コルテ・アダミ
【Soave DOC 2022】広いソアーヴェ地区とはいえ、収穫後のコールドマセラシオンなどの温度管理と澱引きなし2か月置くなどの作業、さらに品種にトレッビアーノを10%加えたことから、果実の熟度を感じさせ、2022の若いヴィンテージにおいても、凝縮感を楽しめます。
一方、【Vigne della Corte Soave Superiore DOCG 2019】は 標高350mにある畑限定で、樹齢約40年のブドウを遅摘み、シュールリーなどを施しています。樹齢を感じない爽やかな酸と少し熟したリンゴの果実味があります。深みを増す熟成を期待したいワインです。
Corte Canella【La Vero Soave DOC 2022】 生産者コルテ・カネッラはソアーヴェ地区ですが、全て手摘みで収穫し、ブドウの選別を行っています。
また、8月初旬には間引きを行って、色み、アロマ、ストラクチャーのクオリティを高める結果をもたらしています。
10%トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェを使用しており、収穫後に一部のブドウは20日間乾燥させます。こうしてできるワインは、ガルガネーガ特有の苦みはなく、白い果実とフローラルな香りと味わいが充実します。
単にソアーヴェと言っても、ここまでコダワリを持って作るとクオリティの高さと個性を表現でき、味わう側の満足度が充足されます。
生産者による説明では、日曜日に友人とのブランチ前に頂きたいワインだそうです。
【Corte Mainente】コルテ・マイネンテ ㈱ノルレェイク・インターナショナルが輸入するこちらは4つのラベルがあり、夏のお食事では前菜からドルチェまで これらのグラスで合わせて楽しみたいです。
ひとつめは Soave DOC 2019のチェンジェッレ。白い花を思わせる、軽やかさと柔らかさが特徴で、前菜に合わせたい。
Soave Classico DOC 2021のピーニョはステンレスとセメント槽で熟成。アーモンドの風味とコク、ボディーがあります。
Soave DOC 2019のネットロワールは 黄金色で、半分ブドウを陰干しして使用しているため、力強さと上品さのバランスがよく、まろやかな余韻が特徴的。
Recioto di Soave DOCG 2017 のLUNA Nova (新月の意味)レチョートは陰干しさせ、貴腐菌が育ち、特有のシロップ漬けのフルーツの香りが生まれます。上品な甘さはこのまま頂いても良いですし、デザートに合わせて頂きたい。
【Gianni Tessari】
ジャンニ・テッサーリも日本に馴染みのある人気の生産者といえるでしょう。
SOAVE DOC 2021はステンレスタンクを使用。ソアーヴェの白い花やセージ、酸とミネラルを忠実に表現しています。
それに対して Soave Classico DOC 2020の Perinato は単一畑で 大樽で発酵、8-10か月熟成と樽によって金色の深みのある色あい、そして、アンズのような濃いめの柑橘系フルーツ、ハーブやアーモンドなどの複雑な香り、そしてミネラル感しっかり。
合わせるお食事は一変して、お肉やお魚の燻製調理などの味わい深いお料理にもあわせたい。
【INAMA】 ソアヴェ・クラシコのトップ生産者のひとつ、イナマ社も初代オーナー、ジュゼッペ氏はフォスカリーノの地に畑を購入しましたが、今では3人の息子たちがカルボナーレの地に畑を持ち、独自のエレガントなスタイルのソアーヴェを作っています。
また黒ブドウのカルメネーレのクオリティ向上に最近は力を入れており、フランスからエノロゴも呼んだほどです。
自然派ワインスタイルのソアーヴェ【ZAMBON】ザンボン
ビオやビオディナミ製法を用いて、いわゆる自然派のワイン造りを行っています。
Soave Vulcano DOC 2020 はガルガネーガ100%で、ろ過せず、シュールリー10か月熟成。
仕上がりは柑橘の優しい香りとスッキリな味わいがあり、見直された高品質な自然派ワインを目指している事が分かります。
Soave Duello Vulcano DOC 2019
樹齢100年以上というのは特記すべき点です。
クリオマセレーション、天然酵母で30-40日間の発酵とゆっくりブドウが自力で変化していくのを待っているのです。一部セメントタンク使用。
仕上がったワインは柑橘系の香りと黄色い果実のニュアンスがあり、塩味すら感じるミネラル感が充実しています。
SOAVEの産地の概要について 次回のブログで詳細アップします。
IVS Japan (一社)日本イタリアワインソムリエ
Kyoko Matsuyama
http://www.ivsjapan.com/