2025年3月20日 (木)

トリノのカーニバル Carnevale Torinese

トリノのカーニバルの主人公は ジャンドゥーヤGiandujaとその妻ジャコメッタGiacometta です。

Gianduja

ジャンドゥーヤの名前の由来は“Gioann dla doja” ⇒“Giovanni del boccale”、つまりグリニョリーノのワインが大好きだったことからだそうです。

カーニバルのキャラクターでは、ベルガモのアルレッキーノ、ナポリのプルチネッラがよく知られていますが、みなコメディ(16世紀に生まれたCommedia dell'Arte)のキャラクターです。

トリノでは19世紀にブラッティーノ(操り人形のひとつで中に手を入れて動かします)の製作者Giovanni Battista Sales と Gioachino Belloneによって作られたキャラクターです。

ジャンドゥーヤのイメージは紳士で良い父親、庶民の味方です。

服装は18世紀の旧体制を重んじていることを裏付けます。赤い縁の茶色のジャケット、黄色いベスト、緑の膝丈ズボンに、赤いタイツ、三角帽子を身に着けています。

実はジャンドゥーヤの制作の裏側には政治的な理由があります。元々はGiròni ( Gerolamo)の名前でしたが、トリノはナポレオン親派(filonapoleonici)で、ジョヴァンニ達製作者は反対派であったため、アスティの城へ逃げます。そこで、ジャンドーヤへ名前を変え、帽子の青色を緑に変えたそうです。

その後、多くのマリオネットやブラティーノ製作者たちの力で、有識者や庶民の人気を得てイタリア王国統一のシンボル的存在になっていった。そしてトリノのカーニバルの主役へ。

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カーニバルではそれまでは平たいキャンディ(カラメッラ)を投げ配っていましたが、その包装紙にもジャンドーヤの顔が描かれてました。

チョコレート『ジャンドゥイオット』Giandujot

1865年のカーニバルで初めてジャンドーヤはカーニバルのキャラクターとして登場します。

その時にジャンドーヤはチョコレート『ジャンドゥイオット』を投げ配りました。

このジャンドゥイオットの出来た背景も興味深いのですが、当時ドリンクだったチョコレートをプラリネ(固形チョコ)にしたのが『カッファレル』です。

またヘーゼルナッツ入りのレシピの由来は、ナポレオンが輸入制限をした時代にカカオも入ってこなくなり高騰しました。そこでトリノの菓子職人が考えだしたのが、ヘーゼルナッツ(ピエモンテの名産、今では高くなりました)を加えることでした。

余談とし、バローロ・ファッレッティ侯爵夫人(バローロの母と呼ばれている)の屋敷がトリノにありますが、当時チョコレートは高級品でしたから、貴族の間で贈答品して使用されていました。

このジャンドゥイオットをお気に召したようで、ナポリなどグランツアー(旅行)の際に持参されたそうです。


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2025.3 Kyoko M