イタリアで過ごす Feed

2025年3月 4日 (火)

2025年3月2日(日)イブレアのカーニバルにやってきました!

イブレアはトリノの北側にあり、トリノのポルタヌオーヴァ駅から電車で1時間と便利な場所です。

このオレンジが敷き詰められた写真は戦いの後です。街中を挙げてのイベントには深い歴史と逸話がありますのでご紹介します。

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今回はスクオーラ・レオナルド・ダヴィンチ・トリノ校のアクティヴィに参加させて頂いたので、

ガイドがついて詳しく案内してくれました。

引率のアンドレア先生も熱心で責任感があり、常に迷子にならないよう確認しながら、安全にトリノ駅まで付き添って下さり、初めての生徒も安心して参加されてました。

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では戦いの様子はこちらのミニビデをでご覧ください。ネット外離れて撮影したのですが、オレンジが足に当たり、結構痛くて、ビデオの最後は足元を映してしまいました。


YouTube: イブレアのカーニバル2025 Il carnevale d'IVREA (トリノ、ピエモンテ)オレンジの投げ合戦!


YouTube: イブレアのカーニバル2025  Il carnevale d'IVREA (トリノ、ピエモンテ)オレンジの投げ合戦!パートⅡ

かなりオレンジは痛いそうで、目と鼻に当たると大惨事になるので、ネットの近くに行ったら腕で顔を隠すように!と注意されました。

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オレンジは食べてみるととても甘くておいしかったです。このカーニバル用に栽培しているそうです。

さて、いくつのオレンジが届くでしょうか?

9,000トンだそうです!

足元はオレンジと馬糞でドロドロですが、オレンジの香りが広がっていました。これらの廃棄処理は

バイオマスエネルギーに使用されたり、皮部分は製紙材料にしたりするそうです。

オレンジの籠は木製で、祭り後燃やすそうです。

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今回のガイドのパオラさんの息子さん、フランチェスコ君は今年初めてARANCERI(アランチェーリ)、つまり戦士に登録されたそうです。お母さんのガイドに負けを取らず説明してくれました。

9チームあり、10000人のAranceriが登録されているそうです。

彼がつけているスカーフは今年のデザインで、彼らのチーム【 I Diavoli】が勝った 13回分の年の紋章(stemma)がデザインされています。

写真の赤い帽子(Beretto frigio rosso)は伝統的なスタイルで本来は銀星のピッケル(祭りのシンボル)で留めます。この赤い帽子の意味は、イヴレアの庶民の自由を訴えるシンボルであり、ジョヴェディ・グラッソ(Giovedi’ Grasso)つまりカーニバルの始まりの日にイブレア庶民側の将軍が、赤い帽子を着けるよう指示し、着けないものは敵とみなしてオレンジを投げられると。

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カーニバルはイヴレアの庶民の祭りです。ですからオレンジの投げ合いがあっても決して喧嘩はしません。

チームリーダーがピアッツァ(広場、戦場)入ると刀をかざして『マスクを着けよ』と指示し、

戦いが終わるとマスクを外す指示があり、握手するそうです。

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このカーニバルの主人公は『ムニャイア Mugnaia 』と言えます。

ヴィオレッタの伝説があります:貴族のマルケーゼ(侯爵)がイブレアを占拠していた時に、花嫁となる娘を差し出すよう要求しました。そこでこのドーラ川にある粉ひきを営む家がありその娘ヴィオレッタが差し出されることになります。その夜、ヴィオレッタは白い花嫁のドレスを着て現れ、不意をついてマルケーゼの首を討ったのです。

その日を境にイブレアの庶民は自由を獲得し、これを忘れないためにカーニバルは行われてきたそうです。

『ムニャイア 』は実は美しいだけではなく、出資が必要です。つまりカーニバルにかかる費用すべて、約600万円ほどと言われます。9

今年のムニャイアの発表がカーニバル当日の特別な新聞で発表されます。

 
https://youtube.com/shorts/OhNdQcAGKEo
 
 
イブレアの郷土食といえば、この『ミアッセ Miasse』です。
トウモロコシ粉(MAIS)を鍋でお湯に混ぜたものを、鉄板の上にのせて薄ーく、パリパリに焼きます。Salignùnと呼ばれるフレッシュチーズまたはリコッタにスパイスを加えたものを挟むのが定番で、サラミなどを加えるなどバリエーションがいろいろあります。
生地が香ばしく、チーズのフレッシュさとよく合います!
 
ドルチェは TORTA 900(トルタ・ノヴェチェント)と呼ばれるチョコレート生地のケーキが有名です。

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イブレアで有名なのはタイプライターのOLIVETTI (オリヴェッティ)社です。(写真左側)

1960年2月28日のカーニバルのその日、エンジニアのアドリアーノ・オリヴェッティ氏はスイスに向かう電車に乗っていて事故で亡くなります。そのニュースが入った瞬間、カーニバルは中止され、皆家に帰ったそうです。

オリヴェッティ社とイブレアとのつながりはとても深く、この町に経済をもたらしただけでなく、従業員たちの生活を豊かにしたことで庶民から尊敬されていたそうです。例えば労働時間の削減を図ったり、休憩中に使用できるスポーツ施設を作ったり、図書館、森林公園にピクニックできるようなテーブルやベンチも備え、従業員の家族の生活も考慮したのです。

2025.3.2   Kyoko M  Il Carnevale d'Ivrea

2025年2月27日 (木)

イタリアのアールヌーヴォー建築『Liberty リベルティ』様式はトリノが最も多いそうです。
アパートから近いところを散策してきました。トリノのポルタ・スーザ駅から直ぐのCorso Franciaの通りに3つあります。
トリノで最も有名でトリノのリベルティ(リバティ)建築を豊かにした館はカーザ・フェノリオ‐ラ・フルールです。
① Casa Fenoglio - La Fleur  『カーザ・フェノリオ‐ラ・フルール』

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場所:Via Principi d'Acaja, 11 Torino 
建築家:Pietro Fenoglio ピエトロ・フェノリオ
1902年にエンジニアであったフェノリオ氏は自宅として設計し、
後にラフルールというフランス人実業家に売り渡します。
1990年代に個人資産家が購入し修復され、現在は事務所は住宅として使用されています。


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1902年は近代装飾アートの国際博があった年で、アールヌーヴォーが最も注目された時でした。
フェノリオは当時フランスで流行の『casa-studio』(家とスタジオ)をコンセプトに伝統的に構造を残しつつ、装飾は華やかな設計。
BOVINDO= Bow-Window(弓窓、湾曲した出窓)は大きな色付きの窓に曲線のカットがエレガントなラインを強調しています。
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②Palazzo della Vittoria – Casa dei Draghi

 『パラッツォ・デッラ・ヴィットリア (ドラゴンの家)』Image_67530753_2

場所:Corso Francia, 23 – 10138 Torino
エンジニア:Gottardo Gussoni


1800年代から1900年代に流行ったフランスのネオゴシックとリベルティ様式が見られます。

1922年、騎士ラヴォーロ・ジョヴァンバッティスタ・カレラが第一次世界大戦の勝利を祝うために建てたそうです。
よって、勝利の家(Casa di Vittoria)と名付けたのですね。

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玄関のドア、ギザギザカットの塔、バルコニーの欄干は、フランスのネオゴシック様式が強いですが、
窓や建物の曲がりくねったラインなどの細部は、当時のアールヌーボーを思わせます。

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大きな玄関ドアの側面に2頭のドラゴンは、世界大戦後のイタリアの権力と重要性を寓意していると
言われています。ドラゴンはあちらこちらに見られます。
ドアの上にはカレラ家の紋章があり、建物全体と同様に他の動物の形や寓意的なディテールが満載です。

 


③Villino Raby ヴィッリーノ・ラヴィ(小さな館ラヴィ)

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場所:Corso Francia, 6, 10143 Torino

Architetto Gottardo Gussoni
Ingegnere Pietro Fenoglio

1901年、 Michele Raby の自宅としてフェノリオが設計する。
1980 年代には私立学校となり、2004 年に外科医・歯科医騎士団 (OMCeO) によって
購入され、改修が行われました。


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門の鉄製の装飾、Bovindo(弓窓、湾曲した出窓)など、ベルギーとフランスのリベルティ様式の見本となるよう造られたそうです。しかし建築家グッソーニの影響を受け、ネオバロックが見られます、これはカーザ・ラフルールと大きく異なります。




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KYOKO M 

 


 

2024年11月 4日 (月)
2023年12月 5日 (火)

日程は2024年5月24日(金)~6月1日(土)の間で現地8泊9日

≪10名様限定≫    参加費用 350,000円(税込) 

テーマは 『未だ知られていないプーリアの魅力を探ろう』

★旅のポイント

◎食の宝庫:港で頂く魚貝料理とワイン!ブッラータチーズ、パスティチョット、アルタムーラのパーネ、樹齢100年以上のオリーブの木、プーリアの搾油場の歴史。

◎建築:トゥルッリ、マッセリア(旧農家)、洞窟住居(マテーラ)、レッチェのバロック建築、真白な迷路の町オストゥーニ、ロコロトンド。

◎『PIZZICA』世界的に知られるプーリアの民族舞踊!

◎伝統工芸:Carta pesta イタリアのカーニバル伝統技術

◎オレキエッテの パスタ作りに本場で挑戦。 

◎温泉テルメ:幻想的な世界が広がるマテーラ:実はバジリカータ州に寄り道し、洞窟温泉でゆったりくつろぐ。

◎ブドウ畑とワイナリー訪問:プーリアワインの発展歴史を知る。

◎歌手Domenico Modugnoの故郷Polignano a Mare:『ヴォラーレNel blu dipinto di blu』1958年サンレモ音楽祭で歌った。崖の上の絶景レストランへ。 アドリア海クルージング。

◎陶器の町ーGraottaglieへ

Kyoko先生と一緒に行く唯一無二の旅。 

※料金にはチャーターバスでの移動、滞在、朝食、通訳は含まれます。お食事、入館料など一部含まれます。


 ≪旅程(予定)≫  *プログラムの変更はご了承ください。(写真はイメージです)

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【1日目】ブリンディジ空港集合(23:00)~レッチェ・チェントロへ。≪レッチェ2泊 アパートメント滞在≫

【2日目】電車で行ってみよう、ガラティーナへ⇒伝統菓子老舗パスティチェリア、ガラティーナの至宝『サンタ・カテリーナ・ディ・アレサンドリア聖堂』のフレスコ画 
⇒ガイド付き:レッチェ旧市街散策-
Duomo大聖堂、Santa croce教会、Carta Pestaの工房など ⇒自由行動

【3日目】古城のワイナリー(Castello Monaci) お城でワインテイスティング。
⇒Otranto(サレント半島港町)ガイド付き訪問、可愛い小物のお店が並ぶ(自由行動)

Supersano 2泊 大自然に囲まれたマッセリア(4つ星アグリツーリズモ)に滞在

★伝統舞踊Pizzicaを踊りましょう!(滞在先でゆっくり夕食まで)
★パスタ『オレキエッテ』を作りましょう! 

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【4日目】「イオニア海の真珠」Gallipoli旧市街散策、港の魚市場でワインと魚貝を頂きます!

⇒世界に知られるMaglio(チョコレート工房)

⇒夕食は元オリーブ搾油農場(ipogeo)の見学、全オーガニックレストラン(地元で人気!)

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【5日目】プーリアTOPと言われるワイン生産者『Gianfranco Fino』訪問!

⇒陶器の町Glottaglie(お買物)
⇒≪ロコロトンド4泊 1700年代マッセリアの12代目が運営するトゥルッリのアグリトゥーリズモ≫  

⇒Locorotondo チェントロ散策ー夕食(自由行動)

【6日目】Altamura (パン工房でランチ)
⇒お隣のバジリカータ州へ:幻想的マテーラ洞窟住居をガイド付き散策、洞窟テルメ、夜景を見ながら夕食。

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【7日目】オストゥーニへ 樹齢100年以上のオリーブ農場でオイルテイスティング!、真白な迷路の町散策(自由行動)

⇒Polignano a mareポリニャーノ・アマーレでクルージング、海を眺める絶景レストランで食事

 【8日目】チーズ工房(ブッラータ、モッツァレッラなど見学と試食) 
⇒哲学的なワイナリー Amastuola 訪問(畑も醸造所も自然を活かした哲学的設計、クオリティと共に必見)
⇒Ceglie Messapicaの人気レストランで晩餐

下の写真はゆっくり4泊するマッセリア、広大な敷地にあるトゥルッリに泊まります。

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【9日目】Bari市内ガイド付き散策(マンマが家の軒先でパスタを作る下町など)、自由行動

⇒13:00 バーリ空港へ

※お勧めフライトプラン (お帰りはローマで1泊トランジットして月曜に日本着。)

( 往路)05/24 (⾦) 12:40-20:25 AZ793 羽田空港⇒ローマ空港

          05/24 (⾦) 21:40-22:50   AZ1625   ローマ空港⇒ブリンディジ空港

(復路) 06/01 (⼟) 15:20⇒16:25  AZ1616 バーリ⇒ローマ 

   06/02 (日) 15:10 ー 06/03 (⽇) 10:40 AZ792 ローマ⇒羽田空港


★ご興味ある方は料金詳細をご案内致しますのでご連絡ください。

お申込締切 2024年2月15日 ※人数集まり次第〆切

LCI イタリアxカルチャースタジオ

Email: info@lci-italia.com 

 

2023年7月11日 (火)

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La Maliosa(ラ・マリオーザ)はトスカーナ地方南部、マレンマ内陸の丘陵地帯にある有機農園です。

近くにはサトゥルニアの天然温泉や、エトルリア人の街ピティリアーノなど、歴史が止まったような場所がいくつもあります。

広さ160ヘクタールという広大な土地の中に、穀物やオリーブ、ブドウ、ハチミツなどの農園を造り、更にロバを放牧しています。 こうすることで、近隣で巻かれた農薬や、トラクターの排気ガスから影響を受けない環境を作っています。

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2010年にはビオとビオディナミの認証を取得したそうですが、基本的には本来あるべき姿の自然環境を実現し、持続可能な農法でオリーブオイルやワインを生産しているのです。

そこには熱意以外のなにものでもない、Antonella Manuli女史の信念を感じます。

そのプロジェクトの発端はLorenzo Corino博士であり、彼の説く『生物の多様性(Diversita')、長期的視点、持続可能(Sostenibilita')、環境、土壌、人々の健康(Salubrita')』といった考えを【Metodo Corino】として確立し、世界に広める活動を行っています。

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畑は6ヘクタールと小規模です。表土の硬化を抑え、有機物や微生物を利用することで土を守っています。

古くから栽培されてきた品種、チリエジョーロ、サンジョベーゼ、アリカンテ、白はプロカニコやアンソニカ、グレケットを栽培しています。

農園内にはツルを伸ばす野生ブドウも存在するそうで、いかに自然体な場所か分かります。

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ビオディナミ農法を取り入れているといっても、プレパラートの動物性の物、角などは使用しないという徹底ぶりで、カテリーナさん他若い人たちのチームで力を合わせて運営しており、私達など訪問者へのサービスも素晴らしく、彼らの想いが伝わってきました。

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ASINO(ろば)は、とても人懐っこく、愛らしかったですが、運搬など畑仕事を手伝っているそうです。

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StarBox:広大な土地にいくつかの丘があり、そこにスターボックスと呼ばれる小屋があります。

中にはベッドがあり、屋根がオープンしますので、静寂の中で夜空の星を眺めながら過ごせます。

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カンティーナはとても小さいもので、ラベルを1枚づつ手で貼っているところを披露頂きました。

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VINI NATURALI(自然ワイン)といっても美味しくなくてはダメです。

畑からカンティーナまで訪問すると、他の植物や生物との共存で豊かに育ったブドウから造られたワインであるかを実感し、

アルコールとはいえ、体に良い気分になってしまうエシカルなワインを体験しました。

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実はラ・マリオーザのオリーブオイルは、既に定評があり、品質の高さは有名ですが、

自家製パンとテイスティングで実感です。

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午後は気持ちのよい天気に恵まれ、外でピクニック。

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夜はLa Maliosaが運営するワインバーがサトゥルニアのチェントロ、ピアッツァにあります。

 Piazza Vittorio Veneto, 29, 58014 Saturnia GR

インテリアだけでなく、食材にもこだわっていて、郷土料理のパスタPICIやイノシシのラグーソースにも大満足。La Maliosaのワインと合わせます。

Antonellaさんを囲んで、故人Lorenzo博士を偲びながら、私個人的にも有意義な時間に感謝です。

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Cameriere君はとても爽やかイケメン。サービスも手際も素晴らしかったです。

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近くには、La Maliosaが所有する5人位泊まれる素敵なアパートもあります。

モスグリーンと白をベースにした優しい、お洒落なデザインは、旦那様がなさったそうです。

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サトゥルニアのテルメ Cascate del mulino di saturnia

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今年は雨が多く、到着する2-3日前まで大雨で、実は、ブドウやオリーブにも雹の被害があったそうで、今年の収穫は心配です。

人工的な介入はしないラ・マリオーザは本当に厳しい状況と思いますが、信念の強さに励まされる思いです。

2023年5月 LCIイタリアカルチャースタジオ Kyoko Matsuyama 旅の記録



2023年6月20日 (火)

マレンマ地方の美しい海を守るために働くイタリアのさかなクンこと、PaoloさんのPescaturismo!(ペスカツーリズモ)

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快晴に恵まれ、我々一向はPaoloさんの船で彼が愛するマレンマの海をクルージング。

彼は代々続く漁師だが、近年違法漁によって、魚が激減してきた為、自主的に海を守る活動を行っている。

観光客を呼び、クルージングをしながら海の大切さを伝え、またその日釣ったお魚料理とワインを振舞ってくれます。

こうして得られる収入をその活動に充てているそうです。

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以前に日本のテレビ番組【アンビリバボー】でも取り上げていたことを後に知りました。

この近海の海底では「ポシドニア」という海藻が「海底草原」を形成していて、海の生態系を保っていたのですが、

底引き網漁によって海藻などを痛めてしまうため、被害は深刻でした。

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そこで、アーティストたちに協力を呼びかけ、彫像を制作して、海に沈めるというプロジェクトを行っているのです。

こうすることで、底引き網漁はできなくなり、ダイビングする人たちにとっても海中博物館となって、楽しんで頂けます。

日本の有名な彫刻家に是非造ってもらいたいと、パオロさんの希望です!

どなたかご紹介ください!!!Cercasi uno scultore giapponese!

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海の上で、釣った魚を調理してくれました。

カツオのカルパッチョやクロスティーニ、それに白ワインはやはりヴェルメンティーノ・トスカーノ!

軽やかながら塩味の効いた爽やかなタイプがぴったり合いましたね。

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ユーモアたっぷりの明るいパオロさんですが、海を守りたいという情熱がとても伝わってきました!

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今日も大漁! Kyo mo Tairyo!  Viva! Paolo!!!

25 Maggio 2023  

2023年5月 LCIイタリアカルチャースタジオ Kyokoと行くエノガストロノミアの旅より

2023年6月 6日 (火)

中世の貴族気分を味わう~

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『ライフ・イズ・ビューティフル( La vita e bella) 』の映画の舞台でも有名なArezzo(アレッツォ)の街と『トスカーナの休日』の映画の舞台となったCortona(コルトーナ)の町の丁度間に位置する【カスティリオン・フィオレンティーノ(Castiglion-fiorentino)】という村があります。新市街も含むと13,000人規模であるが、旧市街(Centro-Storico)は標高の高い山の頂のように立っているとても小さな村である。

その昔エトルリア人によって造られ、てっぺんにはエトルリア遺跡博物館があるほどです。

また広場にあるヴァザーリの回廊が素晴らしく、そこから見下ろすように望む景色は夕陽の色に染まって、とても美しかった。

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さて、今回お邪魔したのは、バンケット・メディエヴァーレ(中世の饗宴を再現する)お祭りです。

カスティリオン・フィオレンティーノには3つのRIONE(区画)があり、各地区の旗を持っている。

6月の第3日曜日にはシエナで有名なパリオ(競馬)を、やはりここでも、3つの地区で争うそうだ。
●Terziere di Porta Fiorentina
●Rione Porta Romana
●Rione Cassero

このうちのテルツィエーレ・ディ・ポルタ・フィオレンティーナが主催するお祭りで、200名ほどの予約限定のとても思考を凝らした内容であった。

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この 門が開くと入場します。女性にはバラの花を渡して、席まで案内されます。

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サルティンバンコ(道化師)が、席に着くと、前で演奏してくれます。

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当時の僧侶の恰好をした人がキャンドルを灯して、出迎えてくれます。

若い女性たちはMadama(貴婦人)を装っています。実際には15歳と20歳の町の女の子たちでした。

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このテルツィエーレ・ディ・ポルタ・フィオレンティーナの旗のデザインは、緑とオレンジ色をベースに白いユリの花が描かれています。

主催者Rossano氏に伺ったところ、メディチ家によって支配されたフィレンツェは赤いユリの花です。つまり、赤いユリの花は教皇側、白いユリの花はローマ皇帝側を意味するのです。

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お料理は中世のシニョリーエSignorieや貴族たちがパーティで頂いていたものを、史実に基づいて再現しています。

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Banchetto Medievale Menu~
PRIMA MISSIO

ヤギのチーズと羊のチーズのはちみつ添え
Formaggio caprino e pecorino con miele


中世初期、メディチ家がチーズは微量しか食べてはいけないと指示していました。というのも、ミルクが凝固し発酵するメカニズムが解明されてなかったためだそうです。
中世後期になってこのバンケット(饗宴)が出来た時代、チーズが貴族たちの間で重宝されるようになり、宗教的断食の時期や四旬節にはお肉代わりに食されていました。


お肉とアロマティックホワイトソースのラザーニャ
Lasagna rustica con sugo bianco aromatico di carni
ラテン語で『ラガヌム』は、小麦粉で作った薄い生地をオーブンか直火で焼いたものです。その生地にお肉を挟んだ、今日のラザーニャの代の有名なグルメな料理人、アピシウスのレシピに既にあったようです。13世紀には普及し、大変好まれた料理であったため、いろんな記述が残っているそうです。その中にはチェッコ・アンジョリエーリという詩人がいて、美食、女性、ワインが大好きで『他人の小麦粉でラザニアを作る者の城には壁も堀も存在しない』と説いています。

SECONDA MISSIO
ウサギの詰め物、クローブとレンズマメのほんのり酸っぱいクリームのオーブン焼き
Coniglio ripieno al forno insaporito con chiodi di garofano su crema acidula di lenticchie
クローブは古代から豊かさの象徴です。中世ではこの貴重なスパイスは牛の半頭分または雄羊1頭分に値したそうです。ダンテ『神曲』地獄篇29章(浪費家に向けた)にその価値を説いています。世界の終わりに近づいている知らせを聞いた、登場人物ニッコロ・デイ・サリンベーニは裕福を誇示するために持てる金すべてを浪費すると決めた。そこでお肉のクローブの炭焼きを用意させたのです。
レンズ豆は一般的には貧しい食材であるが、貴族の宴の料理のように仕上げのソースとして活用し、シンプルなオリーブオイルとアロマだけではないアレンジを施したのです。


煮詰めた玉ねぎのホワイトソースにからめたイノシシ肉にフィノキエットとオレンジを添えて
Cinghiale della vallata in bianco accompagnato da cipolle caramellate e arancia con finocchietto fresco 


中世の料理ではお肉の2度焼きして、たくさんのスパイスと和えるのが重宝されていた。マエストロ・マルティーノはイタリアのガストロノミアに関する書物の原点となった料理作家であり、『料理芸術の本』では「野生の豚肉は調理され、ブイヨンで煮込む。」とある。狩猟肉を水と酢(またはワイン)で茹でて、オリーブオイルとスパイス(とりわけローリエ)で火にかけていた。
ローリエは貴重な植物で、園芸家クレシェンツィが「どんな食材も胃や脳のために、ローリエと火にかけるべき」と説いた。

TERZA MISSIO

リコッタチーズ、シナモン、アーモンドのタルトとヴィン・コンチョ
Torta rustica con ricotta, cannella e mandorle accompagnata da vin concio

ドルチェとヴィン・コンチョのスパイスの主役はシナモンです。中世の貴重で高価なスパイスのひとつで王宮で使用されていました。一族のご夫妻がお客様にこの貴重なのスパイスを捧げたいと選びました。更にはアーモンドは酔い止めに効果があります。著述家プルタルコスの話ではローマ皇帝ティベリウスの息子の客人である医者はいろんな人から果敢にワインを飲ませられても酔うことはありませんでした。翌日分かったことは彼は食事の前にアーモンドを食べていたのでした。

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日々練習をして披露するSbandieratori(ズバンディエラトーリたち)はこの村の若者たち。旗を投げて演技するのだが、かなりレベルの高い技術を持っていた。こうして若い衆が村を盛り上げる慣習は素晴らしく、微笑ましい。

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こちらはこの館の領主であり王様、王女様に扮しています。

 宴の終わりの方に、ある儀式が行われます。それは、6月に行われるパリオに向け、つまり戦いが始まることを意味するので、その間は指揮権を軍の隊長に引き継ぎます。 

よって、この領主から隊長へ剣を献上する儀式があります。

 饗宴の終わりを告げるのも、王様。彼のひと言で皆さん順に退席します。

 といっても12時半は過ぎておりました。



門をくぐると、ブラスバンドのみなさんと旗手たちに旗を振ってもらって、見送られます。

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(写真左下)今回お世話になったテルツィエーレ・ディ・ポルタ・フィオレンティーナのリーダーROSSANO氏

記念撮影。 

(写真右下)その夜泊まらせて頂いたResidence SantucceのオーナーLuisellaさんはモニカ・ベルッチのような美しく気さくな方でした。またチェントロ・ストリコを案内してくださり、本当に親切にして頂きました。『この村ではみんな顔見知りなので、鍵もほとんど掛けてないのよ。』

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2023.5.27  Castiglion-fiorentino        LCI-kyokoといくエノガストロノミアツアーより

     LCIイタリアカルチャースタジオ

2023年4月18日 (火)

LCIイタリアカルチャースタジオが日本窓口を担う、イタリアの語学学校Scuola Leonardo da Vinci ミラノ校の校長が来日しました。
スクオーラ・レオナルドダヴィンチは老舗の学校で、フィレンツェ・ミラノ・ローマ・トリノ に校舎があります。

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毎年来日しLCIやその他の場所で文化&留学セミナーや交流を開催しておりましたが、今回はコロナ流行から実に3年半ぶりの来日となりました。

文化セミナーとしてバルサミコ酢のテイスティングやレクチャーを行った他、イタリアの学校と直接会って話せるとても貴重な機会に、来場された皆様喜ばれておりました。

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(写真は日伊学院, a domani で開催した際の様子)



イタリアへ渡航できるようになり、留学のお問い合わせもぐんと増えてまいりました。
信頼できる入学先をお探しの方は是非、ご相談ください。


LCI イタリアカルチャースタジオ

スクオーラ・レオナルドダヴィンチ東京窓口 
学校HPはこちら

2023年3月 1日 (水)

ピエンツァ市街の歴史地区とヴァル・ドルチャは世界文化遺産に指定されています。

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ヴァル・ドルチャはトスカーナ州シエナ県にある広い谷で、北東にはモンテ・アミアータ山とウンブリア州との州境があります。

シエナの南東部に広がるこの一帯は14〜15世紀にはシエナの領土となり、絵のような美しい景観づくりが大切にされてきました。のどかな美しい牧歌的自然が農家や集落、街道や沿道の修道院があります。

ピエンツァ、モンタルチーノ、カスティリオーネ・ドルチャ、サン・クイリコ・ドルチャ、ラディコファーニの5つの街とその全域は「ヴァル・ドルチャ美術・自然・文化公園」になっており、モンタルチーノにはブルネッロワインが、サン・クイリコ・ドルチャにはバーニョ・ヴィニョーニという有名な温泉があります。

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東西に長い旧市街の真ん中に位置するのが、Piazza PIOⅡ(ピオ2世広場)。この町出身のピオ2世 は、シエナのドゥオモの図書室や、ピエンツァ大聖堂右横にあるお館のピッコローミニ家の出身。

1458年に教皇に選出され、この町を建築家に 「理想都市」 に作り変えるよう命じて、ピエンツァが出来ました。

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Palazzo Piccolomini(ピッコローミニ宮)

食事の間、音楽の間、個室など当時の貴族の生活の様子が伺うことができます。南側に面したお庭や、入口から美しい柱廊で囲まれた中庭も素敵です。

Centro Storico Pienza - Centro Storico - Marco Rubino / Shutterstock.com

Palazzo Comunale(市庁舎)

大聖堂の向かいに見えるロッジアの美しい建物。ユネスコ世界遺産登録(1996年)のプレートがあり、ルネサンス人文主義を初めて適応させた町、などの登録の由来が書かれています。

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絶景ポイント

大聖堂の東側に進むとオルチャ渓谷のパノラマ広がっています。奥に見えるのはトスカーナ第二の山、アミアータ山。

この道に入ってくる路地の名前が素敵です!

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1968年ロミオとジュリエットの映画撮影時、オリビア・ハッセイが散歩した様子の白黒写真です。

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東西にまっすぐ伸びているのが、町を南北に分けるメインストリート・ロッセッリーノ通り。

レストラン、エノテカ、チーズ専門店などが軒を連ねます。

ピエンツァの名産はペコリーノチーズ。フレッシュタイプ(fresco)から熟成タイプ(stagionato)までいろいろあります。

ピエンツァの人気のレストランのひとつ【Da Fiorella】

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その他、メインのロッセッリーノ通りを右折した路地を行くと城壁沿い道には陶器、靴の工房などが並んでいます。

またメイン通りの北側は住宅の多い地域ですが、マクラメ職人の工房やアート系の小さいお店がたくさんあります。 (マクラメとはアラビア語で縁飾りの房や紐(ひも)のことである。編んだり結んだりして、バッグやのれんなどにした製品をいう。ノッテッドレースとも呼ばれる。)

見ているだけでも楽しい場所です!