2015年7月

2015年7月25日 (土)

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Baroloの産地ランゲからタナロ川を渡ってCanaleのチェントロを過ぎるとMalvira'のカンティーナ、その上方にVilla Tibordiというホテルとリストランテがあります。そこは丘のてっぺんにあり見渡す限りのブドウ畑に圧巻です。今日はカンティーナを訪問させて頂いた後に、このリストランテで夕食を頂きます。

オーナーのRoberto氏のほかに、ランゲでBaroloを造るEraldo氏、更にミネソタより日本酒も輸入されるChrisご夫妻、通訳のChiaraさんはノルウェーに私が日本人ということでとても国際色豊かなメンバーでした。

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このVilla Tiboldiは元々は古いお屋敷を改装したそうで、落ち着いた様相にエレガントなデザインで優雅な時が過ごせます。プールはまるでブドウ畑に浮かぶかのような配置。そして何よりもCamerieriのサービスはさすが一流。

さて、ウェルカムドリンクにアルネイス100%Rive Gaucheを頂き、追加糖度0のすっきりとした味わいに喉の渇きも癒されます。 それから、初の試みで造られたというSolfiti(亜硫酸塩=酸化防止剤)無添加でノンフィルターという確かシャルドネとアルネイスのハーフの白は深みがありながら、鼻につくような特有な香りもなく、しかし味わい深い白ワインはお肉にも合いそうでした。

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実はChrisさん、この日広島の中尾酒造という小さな酒蔵のお酒をお持ちになられました。そこで、プリモピアットのアニョロッティ ダル プリンにお酒とアルネイスのどちらが合うか比べることに。 お酒はとても複雑性のある香りだとRoberto氏は評価しておりましたが、どうしてもお米の発酵による甘さが強く、このパスタにはやはりアルネイスがぴったりでした。

さて、お食事です。前菜はトスカーナ州郷土料理panzanella。 とても上品に仕上がっておりました。

 

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更にTartare(生の牛肉を刻んでオリーブオイルとハーブを和えたもの)ピエモンテでは生肉が頂けるんです。お肉そのものの旨味を感じます。掛けたテーブルオリーブオイルはさすが美味しいもので、アブルッツォのレッチーノでしたが、辛みも感知でき、風味がありお肉が美味しく頂けました。 パスタも郷土料理のひとつAgnolotti dal plin(パスタにひき肉などを詰めた後、摘まんでカットする特徴があります。)

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Secondoはある精肉屋でオーガニックで育てた豚や牛を丸ごと販売してくれるところから仕入れるそうで、レアに焼いたお肉は本当に柔らかく、旨味がたっぷり。

さて、そこで、ワインが登場。さすがRobertoさん。nebbioloのブラインドテイスティングを始めようというのです。1)と2)が近く 若いネッビオーロを感じたが、3)は寿命としては終わりの方のような樽香りが強かった。 結局、2)は分かったのですが、1)と3)を迷ってしまいました。

結果は1)Langhe Nebbiolo 2007 Eraldo Viberti  2)Roero Nebbiolo 2007 Malvira' 3)Barbaresco 2007 Gaja

やはり生産者の二人は大正解でしたが、悩んでいたのは3)がとても樽が強かったこと。 こうやって比較すると違いが明確に浮かび上がってくるものです。 

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デザートにはPESCHE! イタリアの桃ってなんでこんなに美味しいんでしょう。日本の桃よりも酸味もあって口の中がすっきりします。ここに最初に頂いたスプマンテを掛けて頂きます~。 とても有意義で美味しい晩餐でございました。 次回は1週間ほどゆっくりとこちらに滞在させて頂きたいです。 Grazie mille Roberto-san!wine



Kyoko M      Luglio 2015

2015年7月12日 (日)

季節に合わせてイタリア伝統料理のレシピ il piatto buonoをご紹介します。

今回は、サルデーニャ州の伝統的なパスタ・フレグラを使ったお勧めのお料理レシピですrestaurant

『Fregula con Arselle  ~あさりソースのフレーグラ~

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サルデーニャの南部カリアリを中心とした地域を代表する伝統的なパスタ『フレグラ』。

クスクスにも似ている、粒つぶのパスタです。新しい食感を楽しんでいただけます。今回紹介したのはあさりや貝を使って、旨味をしっかりと味わえる、さっぱりとした美味しいレシピです。

簡単なので、フレグラを入手し是非お試しくださいませ。

まだ日本ではなかなか取扱いがないパスタですが、当LCIショップにて販売しております。

restaurantイタリア食材エルシーアイ フレグラrestaurant

吉祥寺の店頭にもございますsun


wine8月のイタリア料理とワイン講座wine

今回はサルデーニャ州の伝統料理がテーマです。

フレーグラを使った別のレシピを予定しております。いろいろな応用が利くパスタです。次回もお楽しみに。ご参加お待ちしております。イタリア料理とワイン講座のご予約はこちら

LCIイタリアカルチャースタジオ

2015年7月 6日 (月)

6月のイタリア料理とワイン講座へご参加下さった皆様、有難うございました!

『知られざるイタリア』 バジリカータ州の郷土料理で開催しました。ワインは、この季節に合った爽やかな口当たりの一本を選んでみました。

6月22日の会では、バジリカータ州出身のLetiziaさんも参加。

ボリュームたっぷりのお食事とワインを頂き、まるで南イタリアの温かい食卓のように賑やかな時を過ごしました。



Tavola

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イタリアの長靴のちょうど土踏まずの部分にあたる、バジリカータの地域では、とても古くから人が暮らしており長い歴史を持ちます。彼らは、自分たちや地域の文化を「Lucano(ルカーノ)」といいます。伝統あるルカーノ料理は、素材を活かして、野菜やお肉をシンプルに美味しくいただけます。

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Primo: strascinati alla menta 手打ちパスタ: ミントのストラシナーティ

『引きずる』語源をもつストラシナーティは指を駆使して作りました。南イタリアのマンマの味!ソースが良く絡みます。

ミントの葉を使ったソースは、さっぱりと頂けますのでこの季節にはぴったりです。何度も作りたくなるレシピです。

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Contorno


Secondo: Uadducce Chine 鶏肉のリピエーノ

バジリカータの中でも隣町へ行くと少しづつレシピが変わります。ポテンツァのレシピでは鶏のもも肉を使ってサルシッチャなどを詰め込み香ばしい仕上がりです。家庭で休日に人が集まったときよく振舞われるメイン料理。 

Contorno: Ciaudedda ソラ豆のサラダ

付け合わせにはそら豆とアーティチョークが効いた野菜の煮込みサラダを。

  

Arneis

VINI:Roero Arneis DOCG ロエロ・アルネイス 2013 品種:アルネイス100%

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グレープフルーツの風味の爽やかさがお肉の脂分を流してくれます。

先日こちらLCIでも、生産者のRoberto氏が来日しましてワインセミナーを開催しましたのでご紹介。

当LCIのショップでもキャンペーン販売中です。

特別価格:2250円(税別)



7月はイタリア出張中の為、お休み。次回は8月上旬にお届けします。

テーマは久しぶりのサルデーニャ料理の会です。豊かな自然と先史時代から独自の文化・歴史を持つサルデーニャ州の中でも、とても古くから伝わるレシピです。お楽しみに!

(A)8月2日(日) 11:00~14:00  

(B)8月3日(月) 10:00~13:00 

(C)8月6日(木) 19:00~22:00

(D)8月7日(金)10:00~14:00 

(E)8月9日(日) 11:00~14:00

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8月もKyokoがお送りしますお料理講座で一緒に楽しいひと時を過ごしましょう!

info@lci-italia.com

LCI イタリアカルチャースタジオ

2015年7月 5日 (日)

6月28日のイタリア映画セミナーにご参加有難うございました。

「食文化と映画」というテーマにおいてイタリアの映画を食に関するいろんな切り口から観て参りました。

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映画における味覚を表現する方法とは。食事は、伝達(コミュニケーション)機能を持ち、人間関係も表すことができます。また、食事を頂くシーンでは思い出・喜び・愛情・誘惑などいろんな感情が表現されます。

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前半は、社会批判をテーマに

Pier Paolo Pasolini 監督の La ricotta『意志薄弱な男』やMarco Ferreri監督の La grande abbuffata『最後の晩餐』をご紹介し、貧困、贅、死と食の関係を考えてみました。

前者は貧困生活を送る男が犬を売って手に入れたリコッタチーズを暴食する。後者は裕福な4人の男が、豪邸で贅沢な食事を死ぬまで食べ続けるという、モラルの衰退を表すものです。

公開当時は多くの批判を受けた2作品ですが、イタリア映画史に残る作品となりました。

そのほか、『ミラノ、愛に生きる』Io sono l'amoreや『イタリア式離婚狂想曲』Divorzio all'italianaをご紹介。 

次に打って変わって、楽しく! 北部と南部イタリアの食文化の違いを、「南イタリアへようこそ」「北イタリアへようこそ」のシリーズ作品を観ました!

担当講師は、シチリアとミラノの出身の先生でしたので、具体的に文化の違いを説得力を持って解説頂きました。

ストーリーはミラノ出身の男性が、ナポリに転勤になるところから始まるのですが(2作目ではナポリの男性がミラノへ転勤となる)、お互いに南北の数々のカルチャーショックを体験します。

ナポリのマンマ特製の「Sanguinaccio」豚の血入りのチョコレートや、ミラノのバールのコーヒーメニュー(さらには水まで沢山種類がある)の多さに驚きました。

後半では、イタリアの喜劇と食事をテーマにご紹介。

教室は笑いに包まれて、さすが年月が経っても色褪せないイタリア喜劇の名優たちの演技ですね。

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イタリア喜劇の代名詞TOTO'のアドリブが楽しい『貧困と貴族階級』Miseria e Nobilta'、アルベルト・ソルディの『ローマのアメリカ人』Un americano a Romaと『困難な人生』Una vita difficile, ダイエットブームをコミカルに描いた『ファントッツィの人生』Fantozzi contro tutti, 巨大ヌテッラが登場するナンニ・モレッティ『ビアンカ』Biancaをご紹介。

次に、海外におけるイタリアの食文化。

ご存知伊丹十三監督の『たんぽぽ』、ご婦人がスパゲッティの「正しい食べ方」としてスプーンを使いなさいと教えるシーン。でも結局はフォークだけで、そばのように音を立てすすって食べてしまいます。このシーンの解説で、 「イタリアではスプーンは小さい子しか使わないですし音も立てません・・」と熱弁。

ジュリアロバーツ主演『食べて、祈って、恋をして』のパスタを幸せそうに食べるシーンや、『7つの大罪』の旅路で泊まらせてもらった家の人妻の誘惑よりも、その家にある美味しいリコッタチーズを食べることを選んでしまう男のシーンなど、沢山の映画からイタリアの食文化を少しでもご理解頂けたならば、幸いでございます。

ご紹介した映画の中には、日本未公開の映画もございましたので、詳しい方にも楽しんで頂けたようです。興味深かった・・というご感想を皆様より頂き、感謝です。

次回のLCIのイタリアイベントは『Aperitivo Musicale』!

夏の夕べにイタリア音楽のギター生演奏を聴きながらワインを楽しみましょう。

詳しくは下記をご覧ください。Vi aspettiamo!

7月31日(金) Aperitivo Musicale  イタリア音楽とアペリティーボ 

☆ご参加された日伊文化交流会柴田様より感想ブログを頂戴しました☆ Grazie mille!!!