2025年2月

2025年2月27日 (木)

イタリアのアールヌーヴォー建築『Liberty リベルティ』様式はトリノが最も多いそうです。
アパートから近いところを散策してきました。トリノのポルタ・スーザ駅から直ぐのCorso Franciaの通りに3つあります。
トリノで最も有名でトリノのリベルティ(リバティ)建築を豊かにした館はカーザ・フェノリオ‐ラ・フルールです。
① Casa Fenoglio - La Fleur  『カーザ・フェノリオ‐ラ・フルール』

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場所:Via Principi d'Acaja, 11 Torino 
建築家:Pietro Fenoglio ピエトロ・フェノリオ
1902年にエンジニアであったフェノリオ氏は自宅として設計し、
後にラフルールというフランス人実業家に売り渡します。
1990年代に個人資産家が購入し修復され、現在は事務所は住宅として使用されています。


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1902年は近代装飾アートの国際博があった年で、アールヌーヴォーが最も注目された時でした。
フェノリオは当時フランスで流行の『casa-studio』(家とスタジオ)をコンセプトに伝統的に構造を残しつつ、装飾は華やかな設計。
BOVINDO= Bow-Window(弓窓、湾曲した出窓)は大きな色付きの窓に曲線のカットがエレガントなラインを強調しています。
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②Palazzo della Vittoria – Casa dei Draghi

 『パラッツォ・デッラ・ヴィットリア (ドラゴンの家)』Image_67530753_2

場所:Corso Francia, 23 – 10138 Torino
エンジニア:Gottardo Gussoni


1800年代から1900年代に流行ったフランスのネオゴシックとリベルティ様式が見られます。

1922年、騎士ラヴォーロ・ジョヴァンバッティスタ・カレラが第一次世界大戦の勝利を祝うために建てたそうです。
よって、勝利の家(Casa di Vittoria)と名付けたのですね。

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玄関のドア、ギザギザカットの塔、バルコニーの欄干は、フランスのネオゴシック様式が強いですが、
窓や建物の曲がりくねったラインなどの細部は、当時のアールヌーボーを思わせます。

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大きな玄関ドアの側面に2頭のドラゴンは、世界大戦後のイタリアの権力と重要性を寓意していると
言われています。ドラゴンはあちらこちらに見られます。
ドアの上にはカレラ家の紋章があり、建物全体と同様に他の動物の形や寓意的なディテールが満載です。

 


③Villino Raby ヴィッリーノ・ラヴィ(小さな館ラヴィ)

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場所:Corso Francia, 6, 10143 Torino

Architetto Gottardo Gussoni
Ingegnere Pietro Fenoglio

1901年、 Michele Raby の自宅としてフェノリオが設計する。
1980 年代には私立学校となり、2004 年に外科医・歯科医騎士団 (OMCeO) によって
購入され、改修が行われました。


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門の鉄製の装飾、Bovindo(弓窓、湾曲した出窓)など、ベルギーとフランスのリベルティ様式の見本となるよう造られたそうです。しかし建築家グッソーニの影響を受け、ネオバロックが見られます、これはカーザ・ラフルールと大きく異なります。




2025.2.26  TORINO 

KYOKO M 

 


 

トリノでドルチェットの会に参加してみました。

Dolcetto di Diano d’Alba の生産者67社が集まる協会『I Sörì di Diano d’Alba』が主催。

ホームページ:https://www.soridiano.it/

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ドルチェットは1970年代ピエモンテで主要なブドウでした。その証拠に当時はドルチェットを1箱買ってくれた人にバローロ、バルバレスコをプレゼントしていたというのです。

確かにネビオロのタンニンは当時、飲み難いものという認識でした。そしてネビオロの人気が出ると、ブドウは植え替えられていきました。

海外からニーズが無かったのは、『ドルチェット』の名前から『甘いワイン』と想像される人が多いことも要因のひとつだそうです。

ドルチェットのDOCGはDIANO d'ALBA(ディアーノ ディ アルバ)の他にDOGLIANI DOCG(ドリアーニ)とOVADA DOCG(オヴァーダ)があります。

ドリアーニはランゲの南方、オヴァーダはアレッサンドロに位置します。Img_5729

協会名『I Sörì di Diano d’Alba』の「ソリ」はピエモンテの方言で「陽の当たる場所」

よって北向きの畑は認められないそうです。

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5種類のIL DOLCTTO DI DINANO d'ALBAをテイスティング;

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DIANO D'ALBA DOCG はドルチェット100%

1)VEGLIO  Luigi e Massimo MONTA GRILLO 2022 

ヴェリオ ルイジ・マッシモ https://www.vinoveglio.it/

位置は西側(バローロ側)、ステンレスタンク使用、外観は紫がかった赤、Rosso Porpora, Trasparente,Limpido, Poco consistente

赤ベリー系のフルーティで軽やかな飲みやすい一般的に知られているドルチェット。
ABBINAMENTI:タレッジョなどチーズ

2)GIANO DIANA I Sori di DIANO 2023

位置は南側、古い畑の樹を使用。ステンレスタンク使用。

外観の色は濃く、Rosso granato,Poco trasparente, Suff.limpido, Consistente

タンニンがしっかり、若さを感じます。
Abbinamento: ブレザオラのサラミ(馬肉) 

3)FRATELLI AIMASSO Diano d'Alba Docg  SUPERIORE Pietro 2021

フラテッリ アイマッソ https://www.aimasso.com/

今日の2番目のお気に入り!
スーペリオーレは良い年にしか造られない。アルコール度数15%

外観は濃いルビー色、Rosso rubino, Poco trasparente limpido, consistente

アルコールとタンニンがしっかりでバランスとポテンシャルあり。Bricco Ciabottoの標高の高い畑で日照をしっかり受ける。

セメントタンク使用。

4)STEFANO FARINA-TENTA SAN QUIRICO 2020

ステファノ ファリーナ https://stefanofarinawines.com/it/san-quirico/

ドルチェットで珍しいバリック熟成12か月

畑は標高400m、南側(アルバ側)砂質を含む土壌、柔らかい仕上がりで特に口に含んだ後、木の香りを感じる、余韻が長い。

5)LUIGI DROCCO- Sori' dei PIANI  2018

ルイジ ドロッコ https://vinidrocco.it/

今日の一押し! ワイナリー価格11€なので日本だと40€くらいですね・・・

土壌はマール、白い凝灰岩をベースに砂質の石灰土壌と粘土質土壌。畑は南東向き。生産量約700本。

ステンレスタンク使用、30日かけてアルコール発酵、ワインを移してほぼ自然酵母でマロラクティック発酵へ。8月にボトリングし18ヶ月の瓶熟成。

外観はルビー色、Rosso rubino 香りがブラックベリーやラズベリーなどのジャム、優しい花の香りがあり、6年の熟成でタンニンもまろやか、飲み頃ですが、あと2年は楽しめそう。

アルコール14.5%

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2025.2.25 DOLCETTO di DIANO D’ALBA マスタークラスは SALONE DEL VINO TORINOの一つのイベント

Kyoko M

2025年2月21日 (金)