TORINOから電車で30分行くだけで景色がガラリと変わります。アヴィリアーナは中世に出来た町。現在13000人ほどが住む。この町にはピエモンテ州で保護する、『サクラ・ディ・サンミケーレ Sacra di SAN MICHELE』が標高1000mの山の頂上に聳え立っています。
秋が深まった頃の景色は寒さを忘れるほど美しいです。どうやらウンベルト・エコの作品『薔薇の名前』の舞台はこのスピリチュアルな場所からインスピレーションをを受けたそうです。
ワイン会で知り合ったご夫妻にご自宅へ招待され伺ったら、偶然にもいつか行ってみたいと思っていた『サクラ・ディ・サンミケーレ』のすぐそばにお住まいだったんです。
人との出会いは素晴らしいですね。『一期一会』rendi conto che un ogni incontro potrebbe essere l'ultima occasione.
(左)向かいには3500m級の山もあり、アルプス山脈の一部を臨みます。
(右)susa(スーザ)溪谷を見渡せます。 空気が澄んでいたのでトリノの街がはっきりと見え、ちょうどスモッグがかかっている辺りだそうです。
待ってました!ピエモンテ州郷土料理、まさに家庭料理を用意してくださいました。
(左)野菜のアンティパスト(Giardiniela) お酢が利いてさっぱり頂けます。オリーブやアーティチョーク、玉ねぎ、にんじんなど家にある野菜を和えます。
(右)バニェット(Bagnetto) こちらはニンニク、プレッツェ-モロ(イタリアパセリ)にお酢やアンチョビがはいった万能ソース。今回はインボッリート(お肉料理)と一緒に。止まらなくなる味です。
どれも保存食なんですね。
Lorenzaさんはお孫さんが来ると手打ちパスタを作るそうです。特にナターレでは20人の家族が集合するのでたくさんの『アニョロッティ』を準備するそうです。ただ、今時はヴェジタリアンやヴィーガンのお子さんもいて準備がより複雑なんですよ、と話してました。
今日は近くで買ってきたという『LANGAROLI』(ランゲのパスタ、といった意味合いですね)
小さいサイズなので、ブロードにピッタリ。上から削ったパルミジャーノチーズは36カ月熟成でコクがありました。
Aldoさん、Lorenzaさんは素材にこだわる方がたでチーズもパンも近所の小さな農家が行うお店で買うそうです。うらやましい環境です。
(左)アンチョビ(acciughe)と一言ではいえない、つまり缶で売られている塩漬けのイワシを買ってきて、それを処理してオリーブオイルに詰めているそうで、味わいが別格に違いました。
ここにはストーリーがあります。
チェルヴィアの塩田からローマに続くVIA SALARIA(塩の道)がありますが、北にもリグーリアの海からピエモンテを通ってフランスへ運ばれた塩の道があったそうです。塩は当時お金と同格であったほど高級品でしたから、税金がかけられるようになり、ある商人がイワシを運ぶのにイワシの下に塩を隠して運んだそうです。結果、イワシの保存ができるようになり、入手しやすくなったそうです。
ピエモンテでアンチョビがバーニャ・カウダなどよく登場するのはこういった歴史があったからなんですね。
やはり知人のワイナリーのワインで ピエモンテ南部に位置するドリアー二『DOGLIANI DOCG』でドルチェットを頂きました。 Mondoviにあるそうで、ピノネーロも造っているそうです。
14.5%のアルコール度数で、こんなにボディあるドルチェットは初めて頂いたかもしれません。
しかしヴィオラ色で若々しいフレッシュさがあり、口当たりがよいです。
(右)コントルノ(付け合わせ) これはシンプルでおいしいので家で出来ますね。
カリフラワーとブロッコリーを軽く茹でて、チーズとパン粉をまぶしてオーブン焼き。香ばしい!
(右)97歳のお母さま?お姉さま(土忘れしました)ワインも飲まれてお元気でした。食生活のおかげでしょうか。
(左)お礼に旅用の携帯お茶点てセットを使って、お茶を点ててみました。とても簡単なものでしたが、みなさん、たいそう気に入って下さったので良かったです。
(中)11月に彼らが参加したアスティでのイベント『BAGNA CAUDA DAY』バーニャカウダデイ&ダイで配られた前掛け。DAYはピエモンテの方言でAGLIO(にんにく)本場バーニャカウダはにんにくがたっぷり!最近はミルクで煮込む店も増えてマイルドなものが多いそう。
実は日本ともオンラインで繋いで開催したそうです。 1月もあるそうで参加してみようと思います!
※サクラ・ディ・サンミケーレのホームページはこちらをクリックください。
Vorrei ringraziare a Lorenza e Aldo!
2024.12.1 (AVIGLIANA)LCIイタリアカルチャースタジオ Kyoko