2023年3月

2023年3月11日 (土)

シチリア島部~伝統料理とワイン講座
3月 パスタ『ブジアーテ』を作りましょう


YouTube: 【シチリアの伝統的なパスタ:ブジアーテ】Kyokoのイタリア郷土料理の世界~BUSIATE TRAPANESI

シチリアの西部にある街、トラパニの伝統料理です。『ブジアーテ』の語源はシチリアの方言『BUSO』といって、イネ科の植物の茎部分をいうそうです。

【開催日】
 3月27日(月)11:30〜14:30
 3月26日(日)11:00〜14:00
 
 
Menu :
①Busiate alla trapanese 手打ちパスタ『ブジアーテ』

②Insalata di Arance   シチリアのオレンジサラダ

③Dolce: Riso nero alla messina メッシーナのお米のドルチ

イタリアパンを添えて

Abbinamento:
合わせるワインはASSULI2種類
 

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シチリア島部のワイン『ASSULI』ご紹介!
合わせるワインはこちら!

Cantina『ASSULI』ワイナリー アッスーリ '' シチリア土着品種にこだわる’’

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SOLE(太陽)に向かってという名前のワイナリーは、約130ヘクタールの広さと120~600メートルの標高を有します。
18世紀の古い農場の大きな建物(シチリアでバリオと呼ぶ)を改築し、原産ブドウを醸造する理想的なカンティーナを維持しています。
アッスーリはシチリアの土着品種のすばらしさを伝えたいという熱意でワイン造りを行っています。
オーガニックはもちろん、サステイナビリティも重視しながら、近代における伝統的なワインを届けたいとい姿勢を貫いております。

中でも今回ご紹介したいのは 通常パッシートに使用されるZIBIBBOのブドウをドライ白ワインにしたカリンダ!
シチリアの土壌から来るミネラルがブドウの高い糖度とのバランスを絶妙に取っています
 
 

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写真右側)ダルディネッロ / ズィビッボ 

 DARDINELLO ZIBIBBO SICILIA DOC - 12.5% VOL.

ステンレスタンクで4-5か月’’シュールリー’’で澱と一緒に寝かせた後、瓶内熟成を2-3か月以上行います。 通常と異なり、ドライワインとして醸造します。

色は黄色みの麦わら色で縁は緑がかっているのが特徴的です。香りは強く、余韻がとても長い。

桃やシチリアの柑橘類の香りがします。香りと同様に味わいもフレッシュな酸があり、柔らかい口あたりです。

ミネラルや塩味のバランスもよく、魚介類のお料理は燻製にしてもとても合います。魚類のフリットやリッチな内容のサラダなどによく合います。



地球の歩き方 『世界のお酒図鑑』が登場!

Photo



地球の歩き方から『世界のお酒図鑑』が出版されました!
イタリアの4ページは、当LCIのKyoko先生が協力。世界の知らないお酒がたくさん、楽しめる一冊です。
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LCI イタリアカルチャースタジオ
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ブジアーテ・トラパネージ

シチリアの西部にある街、トラパニの伝統料理です。

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『ブジアーテ』の語源はシチリアの方言『BUSO』といって、イネ科の植物の茎部分をいうそうです。

粗朶(細い木の枝を集めて束状にした資材)を作るのに使われるようです。それを使って、クルクル巻くことで、このブジアーテが作られます。 



ビデオをご覧ください。


YouTube: 【シチリアの伝統的なパスタ:ブジアーテ】Kyokoのイタリア郷土料理の世界~BUSIATE TRAPANESI

材料はシンプルにセモリナ粉と水と少しのオリーブオイルです。

セモリナ粉を使うので、コシがあり、モッチリした仕上がりになります。

このパスタのソースは、ニンニクがしっかり効いています!お好みで量を調節してみてください。

ミニトマトは湯剥きすると、ソースは洗練されますが、私は栄養価も考えると皮ごと使用してます。

生のにんにく、トーストしたアーモンド、バジル、オリーブオイル、ペコリーノチーズをブレンダーに掛けます。 

火に掛けないで、このまま茹でたパスタに和えていきます。

仕上げにはやはりペコリーノチーズを掛けて召し上がれ。

◆材料一覧 ※Ingredienti ※ 2-3人分

 【生地 Impasto】
・セモリナ粉 200g Farina di Semola
・ 水     100g Acqua 
・ EXVオリーブオイル 大さじ1 Olio extra vergine di oliva

■ 【ソース Salsa】
・ミニトマト 250g Pomodorini
・ アーモンド 50g Mandorle
・にんにく  2-3片 Spicchi diAglio
・バジル  10枚ほど Basilico
・ EXVオリーブオイル 50ml Olio extravergine d'Oliva
・ペコリーノチーズ 30g  Pecorino grattugiato
・塩  適量 Sale

※合わせるお勧めワイン※  

Cantina『ASSULI』ワイナリー アッスーリ '' シチリア土着品種にこだわる’’

SOLE(太陽)に向かってという名前のワイナリーは、約130ヘクタールの広さと120~600メートルの標高を有します。

18世紀の古い農場の大きな建物(シチリアでバリオと呼ぶ)を改築し、原産ブドウを醸造する理想的なカンティーナを維持しています。

アッスーリはシチリアの土着品種のすばらしさを伝えたいという熱意でワイン造りを行っています。

オーガニックはもちろん、サステイナビリティも重視しながら、近代における伝統的なワインを届けたいとい姿勢を貫いております。

中でも今回ご紹介したいのは、まず通常パッシートに使用されるZIBIBBOのブドウをドライ白ワインにしております。 

シチリアの土地のミネラルがこのブドウの高い糖度とのバランスを引き出しています。

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(写真右側)ダルディネッロ / ズィビッボ 

 DARDINELLO ZIBIBBO SICILIA DOC - 12.5% VOL.

ステンレスタンクで4-5か月’’シュールリー’’で澱と一緒に寝かせた後、瓶内熟成を2-3か月以上行います。 通常と異なり、ドライワインとして醸造します。

色は黄色みの麦わら色で縁は緑がかっているのが特徴的です。香りは強く、余韻がとても長い。

桃やシチリアの柑橘類の香りがします。香りと同様に味わいもフレッシュな酸があり、柔らかい口あたりです。

ミネラルや塩味のバランスもよく、魚介類のお料理は燻製にしてもとても合います。魚類のフリットやリッチな内容のサラダなどによく合います。

(写真真ん中)カリンダ / インソリア

CARINDA INSOLIA SICILIA DOC - 12.5% VOL.

  ステンレスタンクで4-5か月’’シュールリー’’で澱と一緒に寝かせた後、瓶内熟成を2-3か月以上行います。色は黄色みの麦わら色で縁は緑がかっているのが特徴的です。香りは繊細な柑橘系フルーツや、レモンやオレンジの花の香りがします。酸があり、ミネラルや塩味をしっかりと感じます。甲殻類などの海の幸の前菜や魚類のフリットによく合います。

こちらは黒ブドウ『ペリコーネ』シチリア東部にはエトナで知られるネレッロマスカレーゼがありますが、西部には昔からこのペッリコーネが造られています。

フルーティさにスパイス感が加わり、ワインに複雑さを深めてくれます。

(写真左側)ARCODACE PERRICONE   SICILIA DOC - 13.5% VOL.

アルコダーチェ / ペッリコーネ 

ステンレスタンクで 3-4か月寝かせ、更に瓶内熟成 2-3か月行います。 

色は深いルビー色で、縁に紫色がかっているのが特徴的です。

タンニンはエレガントでフレッシュ、いきいきとした果実味とスパイスやカンゾウの香りが主体となっており、これは味覚においてもしっかりと感じられます。

中程度の熟成チーズやサラミ類、魚ベースのラグーソース、マグロの赤身、鶏肉などのスパイスを効かせたローストがよく合います。

 

◆レシピのブログへリンクはこちら http://lci-italia.com/blog_index.html

◆料理講座はこちら  http://lci-italia.com/cucina.html

◆イタリア食材エルシーアイのオンラインショップ オリーブオイルや塩、チーズなどサルデーニャ島を中心にお勧めの食材が揃っております。 https://italia.ocnk.net/

2023年3月 1日 (水)

紀元前の先住民エトルリア人を起源とする『Città del tufo/凝灰岩の町』
ピティリアーノ、ソラーノ、ソヴァーナという3つの村で三角形を成すように位置します。

エトルリア人の遺跡があることで有名です。 

今回はソヴァーナのエトルリア時代のネクロポリスとピティリアーノをガイド付きで歩きましょう。

「凝灰岩の町」考古学公園  "Parco Archeologico Città del Tufo" di Sovana

大きく分けて3つのエリア:ソヴァーナのネクロポリス(共同墓地)、ソラーノの要塞とサン・ロッコ展望台、ヴィトッツァの洞窟居住区

【ソヴァーナのネクロポリ】

 エトルリア時代のお墓や Vie Cava (凝灰岩を切り崩してできた通路)

Tomba

①象徴的な「イルデブランダの墓」la Tomba Ildebranda(3世紀)。1924年に発見され、ソヴァーナ輩出の教皇・グレゴリオ世の本名が付けられた。

②「羽の生えた悪魔の墓」la Tomba dei Demoni Alatii、「獅子の墓」Tomba dei Leoniなどがあります。      

その他、「人魚の墓」 エトルリア時代にポピュラーだったスキュラ Scilla(海の怪物に姿を変えられたニンフ)が、当時は人魚のように描かれることが多かったようです。

【Vie Cave ヴィ―エ・カーヴェ】(tagliateとも呼ぶ)  天井のない、切り開かれた洞窟                                         雨水を運ぶ水路としてや、隣村との通路だけでなく、敵から守る戦略的なものと考えられる。                                        エトルリア時代に人の手で10mもの深い道を掘り進めたことを想像すると圧巻である。

Viecave_2

Il Cavone  イル・カヴォーネ:所々にエトルリア時代に書かれた文字・記号のようなものがあります!

Via Cava di Poggio Prisca   ヴィア・カーヴァ ディ ポッジョ プリスカ

【ソヴァーナの歴史】

旧石器時代後期(約2万年前)からソヴァーナには人類の存在が見られ、更に、銅時代、青銅時代にもある民族住んでいたと遺跡から立証されています。紀元前8世紀頃から凝灰岩のソヴァーナだけでなく、近隣のピティリアーノ、ポッジョ・ブーコなども占拠し, この頃に、墓のの様式に変化が起こり、火葬から土葬へと、場所も岩壁から部屋タイプへと変わったそうです。

ソヴァーナのネクロポリスでは紀元前7世紀初頭から、こういった墓の変化や、陶器にも絵や模様が描かれるようになった。 エトルリア時代、ソヴァーナは常に中心地であり、特に紀元前6世紀にヴルチに対抗する側に力を貸して、更に発展した。(墓のフレスコより)

紀元前3世紀終り、ヴルチの土地のローマに影響されることなく、紀元前1世紀頃までソヴァーナは中心地であり続けました。エトルリアーローマ時代については墓などの遺跡によって立証されています。

【エトルリア人 Etruschi の紹介】

前8~6世紀、イタリア中部を支配した系統不明の民族。鉄器を使用し、独自の文化を発達させ、一時ローマも支配した。前3世紀にはローマに敗れ、イタリアに吸収された。 イタリア半島の先住民族の一つとされている。

ギリシア人との交易
 戦後になって考古学調査が進められた結果、前9世紀ごろ、イタリア中部のエトルリア地方で鉄器文化が始まった(ヴィッラノーヴァ文化)ことが明らかになってきた。この鉄器の原料は、対岸の地中海上のエルバ島で産出したものであった。前8世紀ごろには鉄以外に銅、銀、錫などの金属器が使用され高度な加工技術が発達した。このころからギリシア人が交易のためにエトルリアを訪れるようになり、彼らはイタリア半島南部にネアポリス(現在のナポリ)などの植民市を築いていった。ギリシア人はエトルスキ人からギリシアでは産出しない青銅の原料の錫を手にいれるなど、盛んに交易をおこなったが、それとともにギリシアから麦やオリーブ・葡萄などの農作物栽培技術が伝えられた。

ローマ王政
 エトルリア人は前7世紀末ごろからイタリア中部の現在のトスカーナ地方に12の都市国家を建設し、前6世紀まで繁栄したが、統一国家をつくることはなかった。しかし、その勢力を次第に南北に広げてゆき、南はカンパニア地方、北はポー川流域まで。
 前616年にはエトルリア人のタルクィニウスがテベル川河畔の都市国家ローマに移住して王に選ばれ、王政を行った。その支配は一時ほぼイタリア半島中部全土に及んだ。しかし、ローマでは前6世紀の終わりにエトルリア人の王が追放されて前509年に貴族共和政が成立し、エトルリアはローマとの戦いに敗れて次第に衰退した。

エトルリア文明

彼らはギリシア文字を用い、遺跡からも史料が多数見つかったが、それはギリシア文字の音だけを借りて彼らの言葉を書き記したもので、その言語はインドヨーロッパ語系ではないらしく、意味は分からなかった。こうして考古学的な資料はたくさんあるのに、どこから来て、どんな社会を作っていたのかが判らないために、「謎の文明」と言われたのだった。

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エトルリアの壺

ヴルチ出土のボクシングの場面を描くアンフォラ(ぶどう酒入れ) 現在判ってきたことは、「エトルリアの壺」と言われる多数の壺は、どうやらギリシアからの輸入品であったらく、ギリシア文字の使用とともにギリシア文化の強い影響を受けていることである。なお、ローマの北方にあるタルクィニアの町にはエトルリア時代の貴族の墳墓の地下墓室が多数残されており、楽しく歌舞音曲を楽しむ姿とともに、恐ろしい冥界と思われる絵などが残されている。彼らはまた、鳥占いや肝臓占いなどを行っていたが、これはアジアに源流があると考えられている。
使用した言語は、長く不明とされていたが、ギリシア文字と同系列であることが判り、現在ではほぼ解読がされている。本質的にはギリシアのアルファベットで書かれていることで、イタリア半島中部のギリシア植民市キュメから伝わったと考えられている。残されたエトルリア語碑文のアルファベットは、右から左へと読むように書かれ、Oを用いず、UがOを兼ね、また有声子音b、d、gもないなどの特徴がある。

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ピティリアーノは凝灰岩の切り立った崖の上に立つ村で、この一帯は火山の噴火によって灰が堆積してできた土地です。

オルヴィエートやマンチャーノ、ソラーノも凝灰岩の町と言われています。巨大なカルデラ湖として有名なボルセーナ湖からも近いです。

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人口わずか4000人のピティリアーノの町の歴史はエトルリア時代までさかのぼり、実際、町の周辺には凝灰岩を掘って作られた当時の墓地、洞窟がたくさん残っていて、現在ではワイン貯蔵庫や家畜小屋などに利用されています。町の中の家々の下には、2000年前の骨壺を納めるための小さなトンネルのある穴倉が残り、利用されています。

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acquedotto mediceo 水道橋
15世紀半ばに近くの渓流から町に水を運ぶためメディチ家によって作られた。

900年以降の中世の時代では、ピティリアーノ周辺はロンゴバルド人に支配され、その後1312年からは

ローマ有力貴族であるオルシーニ家、1604年からはメディチ家の支配下

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15世紀に建設されたたオルシーニ宮殿(Palazzo Orsini)

オルシーニ家はローマの有力貴族で、メディチ家には何人か娘が嫁いでいる、ローマ教皇も排出している。ちなみに「怪物庭園」として知られているボマルツォの庭園を作ったのもオルシーニ家の人です。
ちなみにオルシーニはイタリア語で小熊という意味で、町の中には、熊の姿をした像や紋章を見つけることができます。

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Img_6010 市場の跡地には、壁に計量するための測りが残っています。

いろんな民族や村人が、市場へやってくると、それぞれの計量(測量)方法が異なったそうで、

簡単に換算できるように、作られたものです。



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【ゲットー Ghetto 】ユダヤ人のコミュニティー
【シナゴーガ Sinagoga】ユダヤ教のシナゴーグ
16世紀に教皇領から追放されたユダヤ人たちが、ピティリアーノに逃れてきました。1799年、トスカーナはナポレオン軍によって2度占領されます。 多くのトスカーナの町で、ユダヤ人コミュニティが襲撃に合う中で、ピティリアーノだけが、ユダヤ人とイタリア人住民が助け合ってコミュニティーを守り抜きました。

19世紀に入るとイタリアにおけるユダヤ人の地位は確保されるのですが、1850年ピティリアーノのユダヤ人の割合は20%近くまで増えました。しかし、1963年にはユダヤ人排斥運動が起こります。  ナチスの息のかかった役人が来て仕事を与えるからと上手く呼び出したのです。

若者はそんな仕事はしたくないと、町住人の逃がす助けを得て、他国へ出たといいます。しかし、年寄りは年なので仕事などさせられないと高を括り、逃げなかったため収容されてしまったのです。やはり僻地のピティリアーノには、情報が入ってくるのは遅かったようです。

現在、その時に生き残ったユダヤ人1人残っており、その方の語りべで実態を知る事が出来たのです。シナゴーグ(ユダヤ教の教会)やイベントは彼女が大切に守っています。

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【ピティリアーノの郷土菓子 SFRATTO】

ユダヤ伝統のクルミとハチミツをベースにした棒状の郷土菓子。メディチ家コジモ2世大公が、17世紀頃、SovanaやSoranoなど一帯のユダヤ人をピティリアーノのゲットーへ追いやるべく、各家のドアを杖のような棒で叩いて、呼び出したのです。 この酷い行為を忘れない為に、後に杖を思い出すようなこの形のお菓子が生まれました。また、スフラットは立ち退きを意味します。

町のカフェでティザーナ(温かいハーブティ)と一緒にスフラットを頂きました。中身の詰まったお菓子はエネルギー回復にぴったり、ほっこり温まりました、

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【Bianco di Pitigliano】DOC 白ワイン

優しい香りにドライな風味を特徴とするピティリアーノDOCのワインは原産地呼称DOC Bianco di Pitiglianoに指定されてから50年以上が経ちます。 1966年に指定されました。

生産地域は Pitigliano, Sorano, Manciano, Capalbio 、Scansanoと広がります。

2016年には50周年記念をオルシーニ城で催されました。

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ピエンツァ市街の歴史地区とヴァル・ドルチャは世界文化遺産に指定されています。

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ヴァル・ドルチャはトスカーナ州シエナ県にある広い谷で、北東にはモンテ・アミアータ山とウンブリア州との州境があります。

シエナの南東部に広がるこの一帯は14〜15世紀にはシエナの領土となり、絵のような美しい景観づくりが大切にされてきました。のどかな美しい牧歌的自然が農家や集落、街道や沿道の修道院があります。

ピエンツァ、モンタルチーノ、カスティリオーネ・ドルチャ、サン・クイリコ・ドルチャ、ラディコファーニの5つの街とその全域は「ヴァル・ドルチャ美術・自然・文化公園」になっており、モンタルチーノにはブルネッロワインが、サン・クイリコ・ドルチャにはバーニョ・ヴィニョーニという有名な温泉があります。

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東西に長い旧市街の真ん中に位置するのが、Piazza PIOⅡ(ピオ2世広場)。この町出身のピオ2世 は、シエナのドゥオモの図書室や、ピエンツァ大聖堂右横にあるお館のピッコローミニ家の出身。

1458年に教皇に選出され、この町を建築家に 「理想都市」 に作り変えるよう命じて、ピエンツァが出来ました。

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Palazzo Piccolomini(ピッコローミニ宮)

食事の間、音楽の間、個室など当時の貴族の生活の様子が伺うことができます。南側に面したお庭や、入口から美しい柱廊で囲まれた中庭も素敵です。

Centro Storico Pienza - Centro Storico - Marco Rubino / Shutterstock.com

Palazzo Comunale(市庁舎)

大聖堂の向かいに見えるロッジアの美しい建物。ユネスコ世界遺産登録(1996年)のプレートがあり、ルネサンス人文主義を初めて適応させた町、などの登録の由来が書かれています。

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絶景ポイント

大聖堂の東側に進むとオルチャ渓谷のパノラマ広がっています。奥に見えるのはトスカーナ第二の山、アミアータ山。

この道に入ってくる路地の名前が素敵です!

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1968年ロミオとジュリエットの映画撮影時、オリビア・ハッセイが散歩した様子の白黒写真です。

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東西にまっすぐ伸びているのが、町を南北に分けるメインストリート・ロッセッリーノ通り。

レストラン、エノテカ、チーズ専門店などが軒を連ねます。

ピエンツァの名産はペコリーノチーズ。フレッシュタイプ(fresco)から熟成タイプ(stagionato)までいろいろあります。

ピエンツァの人気のレストランのひとつ【Da Fiorella】

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その他、メインのロッセッリーノ通りを右折した路地を行くと城壁沿い道には陶器、靴の工房などが並んでいます。

またメイン通りの北側は住宅の多い地域ですが、マクラメ職人の工房やアート系の小さいお店がたくさんあります。 (マクラメとはアラビア語で縁飾りの房や紐(ひも)のことである。編んだり結んだりして、バッグやのれんなどにした製品をいう。ノッテッドレースとも呼ばれる。)

見ているだけでも楽しい場所です!

映画「トスカーナの休日」の舞台 Sotto il sole della Toscana

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地図

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Museo Diocesano del Capitolo(教区博物館) HP:https://www.cortonatuseibellezza.it/museo-diocesano/

ルカ・シニョレッリの生誕地

フラ・アンジェリコの傑作のひとつ『受胎告知』

参考資料:長野氏のブログ美術館訪問記より  https://redrb.heteml.net/naganoart/nagano_art_333.html

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Vicolo Iannelli(建築)

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Accademia Etrusca

HP:https://cortonamaec.org/it/

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LUCA SIGNORELLI

参考:https://www.meisterdrucke.jp/artist/Luca-Signorelli.html

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Piazza Repubblica

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Via Nazionale

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Piazza garibaldi

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Piazza Santa MargheritakViaggio_in_toscana_11

LCI- Kyoko