ピエモンテ州北部湖水地方の南に位置するBoca, Gattinaraに隣接する。生産者は10件ほどしかないという限られた土地。今では森の合間に畑が点在するが、100年ほど前までは見渡す限りブドウ畑であったという。フィロキセラ、戦争の影響を受け、ほとんど荒れていたが、期待を寄せ少し土地を購入したAntonio Cerri氏に賛同したChristoph Kuenzli氏がLe Pianeを1988年に創業する。
標高約450mからのパノラマは素晴らしいが、畑は急斜面に段々畑状に植樹されている。勿論、仕事は全て人の手で行う他ないのである。
ここで注目すべきはもう一つ、栽培方法である。『Maggiorina』
4本のブドウの木を1箇所に植え、枝をそれぞれ四方に拡げて育てる。上方で支柱を囲むように蔓が伸びることで、安定感を生む。形が造れるまで7、8年掛かる。
実はこの方法はローマ時代以前のこの辺りの土地で果物作りに使用されていたとPlinio il Vecchio (プリニウス)の自然史文書に記述があるという。
このマッジョリーナ方式を現代の列式栽培に変更を掛けた畑もある。2本の木が並んでいるので痕跡がある。また木間が広いまま残している畑と、間を埋めるように新しい木を植えている場所も。
ブドウの木の周りは草花が自然の成り行きに任せて育っている。栄養、更に水分調整をしてくれ、土砂崩れを防ぐ効果がある。
森に囲まれている場所は暑さから守られ、風や湿度にも加減が良い。
世界的に異常気象の影響があり、ここも2日前は16度程しかなかったが昨日今日と28度を超えて日中はとても暑かった。5月の平均はこの位だそう。 いよいよブドウの実がお目見えです。
こちらはVespolina。湿気に弱く、皮も薄いデリケート品種。
こちらはNebbiolo。Bio申請は未だだが、明らかにBio生産の畑では、ブドウの実の育ち方も様々。それぞれバランスよく量を調節したり、また夏を超えた頃に葉の量を調節、更にブドウの量も。結果的に50,000本しか造られないのです。
さて今日私を案内して下さったのはChiara Tinivellaさん。趣のある芸術家肌の人生をいかにも楽しんでいる方。サムライと結婚したいそうです。
彼女も軽快に傾斜を登ります。 そして、ワインのテイスティングの時も熱心で、余りに感銘を受けた私に、2011年の市場に出たばかりのBOCAと2007年のボトルをその場で開けて比較をさせてくれました。 ネビオーロ85%に15%VespolinaというTaglio(セパージュ)でフレッシュ感と優しい質の良いタンニンが若さを感じさせるが、2007年は既にエレガントなネビオロに、大変身し、フランスワインでいうブルゴーニュ系の味わいに驚きです。しかし、未だ変化が楽しみな感じで、人生終わる前に開けたいね、と仰ってました。
彼女自作デザインのテイスティングテーブル。
Maggiorinaのワインは10種類もの品種がブレンドされ、フレッシュ感、ミネラル、フルーティさが面白く、初めてのテイストでした。時に楽しみたいワインです。
次はGattinaraのアグリツーリズモとワイン生産者アンツィヴィーノへ
Gentilissima Chiara,
La ringrazio per avermi fatto l'esperienza meravigliosa!
Mi e' piaciuta l'idea sua sulla vita.
Tanti auguri.
Kyoko Matsuyama
17/Maggio/2016