2021年12月にIVS Japan(一社)日本イタリアワインソムリエでは、アルトピエモンテを代表するDOCGガッティナーラの生産者のセミナーと試飲会を開催します。
ピエモンテ州のワインにおいて、南部に位置するランゲ地方はバローロ、バルバレスコで世界中に知られておりますが、北部のピエモンテワインにもポテンシャルの高いワインがあります。
ピエモンテ州のDOC,DOCG
(参照:イタリア式ワインのABC 日本語版発売中 Amazon)
北部地方(ALTOPIEMONTE)には3つのDOCGと15のDOCがあります。
①エルバルーチェ・ディ・カルーソ/カルーソ
②ガッティナーラ
③ゲンメ
さて、アルトピエモンテのワインがおもしろい理由として、
☆彡 代表する土着品種:ネッビオーロ!
(バローロで知られるネッビオーロがこの辺りではスパンナと呼ばれます。)
☆彡ワインの特性はこの辺りの土壌の歴史!
(2億8000年前の大規模な火山と6000年前ごろのヨーロッパ大陸とアフリカ大陸がぶつかったことで、地面が折りたたまれたこと!)
☆彡だから、火山物質が豊富!
⇒⇒SRIインポーター資料より抜粋
約6千万年前頃から3千万年前頃の間にアフリカ大陸が漂流し、ヨーロッパ大陸と衝突したためにその衝撃で地面がせり上がりアルプスが形成されました。
その際にガッティナーラ地域も含まれるセジア渓谷地域が約90度折りたたまれる【地殻反転現象】が起きたおかげで、元々は25キロ(~30キロ)の深さにあった「マントルペリドタイト」が地表近くに現れたため、現在でも肉眼でそれを観察することができます。
今や化石化してはいるものの、地殻の最深部にある火山の下のマグマ系の部分が地表に現れているのはセジア渓谷地域が世界でも唯一の例で、非常に珍しく、最深部のマグマに含まれる多様なミネラル(斑岩、花崗岩、鉄、石英、長石など)をガッティナーラのワインは含んでいます。
⇒⇒⇒ 2009.10.01『National Geographic News』に掲載された記事より抜粋:
イタリアアルプスのセージア川沿いで見つかった化石化した火山灰(明るい灰色部分)に閉じ込められた巨礫(暗い灰色の部分)。2009年9月に科学者が語ったところによると、この巨礫は古代に超巨大火山が噴火した証拠だという。
ヴェスビオ山が爆発してポンペイの街が火山灰に埋もれるはるか以前に、超巨大火山の噴火がイタリアを揺るがせたことがある。新しい研究によるとこの噴火はあまりに猛烈だったため、日光が遮られ、長期に渡って地球が寒冷化したという。現在は死火山となるこの超巨大火山が最後に噴火したのは約2億8000万年前だが、その時の名残がイタリアアルプスのセージア渓谷で最近発見された幅13kmのカルデラである。
しかも、地震の力でこの火山の内部がねじれていた為、噴火時のマグマの通り道をこれまでより奥深くまで調べることができ、次の噴火時期を予測する手がかりを得られる可能性も出てきた。
研究チームのメンバーでテキサス州にあるサザンメソジスト大学の地質学者ジェームズ・クイック氏は、ナショナルジオグラフィックニュースに対して、セージアでの噴火は数週間続いた可能性が高いと話す。噴火の際にこの超巨大火山は、約1000立方キロもの火山物質を大気中宇に巻き上げたと推定される。これは、アメリカで大きな被害を出したことで知られる1980年のセントヘレンズ山の大噴火のおよそ1000倍にもなる。
古代のセージア渓谷の噴火では、同時に火山灰や火山弾が絶えず降り注ぎ、さらには、地震が起き、溶岩流や高温の泥流が急流を作り、溶結凝灰岩が堆積したと考えられる。
しかも、火山灰や二酸化硫黄が大気中に放出されたことで日光が遮られて地表に届かなくなり、そのために地球が急速に冷え、その状態が数十年から数百年続いた可能性があるという。
セージア渓谷のカルデラはすでに死火山となっているが、同じような惨劇が今後も繰り返されるかもしれないと科学者は考えている。セージア渓谷のほかにもアメリカのイエローストーン国立公園など、世界各地で少なくとも7つの超巨大火山が知られている。
しかし、すでに知られているこれらのカルデラで大規模火山の内部構造を観察しようとしても、見ることができるのはわずか5キロほどに過ぎなかった。
一方、セージア渓谷の超巨大火山では、3000万年前に始まったアフリカ大陸とヨーロッパ大陸の衝突によって地殻がねじれ、それまで垂直だったマグマの通り道がカルデラの縁近まで寄っていた。これによって、超巨大火山の内部の仕組みを25キロに渡って観察できるようになった。
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2021.12.18 神楽坂スパッカナポリにて 生産者セミナー&ディナー開催
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