Dove si trova? ≪場所≫
イタリアの踵と呼ばれるプーリア州の南部、BariとTarantoの街の丁度あいだに位置し、有名なアルベロベッロもほど近いところに、【ジョイア・デル・コッレ】という地域がある。今回、そこのワイナリーのひとつ、『カンティーネ・ポルヴァネーラ』を訪れる。
Primitivoが最初にイタリアに入ってきたのはここ
プリミティーボはマンドゥリアの方が『Il Primitivo di Manduria Dolce Naturale DOCG』『Primitivo di Manduria DOC』が存在することもあり、良く知られている。今回、マンドゥリアは『Gianfranco Fino』、ジョイア・デル・コッレはここ『Polvanera』, それら2つの間ターラントに近い場所にある『Amastuola』を尋ね、3つのプリミティーボを探求する。
プリミティーボの起源はクロアチアとモンテネグロの辺り、バルカン半島である。ギリシャ正教やキリスト教徒がオスマントルコの支配から逃れる為、1400-1500年スラブ人やアルバニア人がジョイアデルコッレにやってきた際に、苗木を持ち込んだという説があります。
案内して下さったのはDONATOさん、若くてチャーミングな方、Gioia del colle、Polvaneraへの情熱的な思いが伝わってきました。
BIBENDAお勧めのクオリティ 畑、醸造所ともに完全Bio!Cantine Polvanera
Filippo Cassanoはロコロトンドで醸造学を学び、この土地のポテンシャルを信じ、土着品種の特徴を表現するために、単一醸造に着目する。
畑は約200ha、300-450mの標高に位置するため、昼夜の温度差が激しい。このため、ワインは繊細と表現されます。写真のように仕立てはコルドーネ・スペロナート、また高樹齢の畑にはアルベレッロを行っています。
完全BIOの為、病気対策に硫黄と銅のみ使用できますが、昨年2023は Peronoporaべと病の大量発生により間に合わず、80%もの生産量を落としたそうです。
Polvaneraのカンティーナは8mもの石灰質の土壌を掘って作られたもので、ワイン貯蔵庫に最適な温度を常に保っています。壁面には根っこが見られ、ブドウの樹が何メートルも根を伸ばして水分などを吸収していることが明確です。
鉄分の豊富なことが分かります。
未来のプロジェクト
ばしてこのカンティーナの上部壁面には、ワイン・ライブラリーと呼ばれるように全てのビンテージが貯蔵されております。 テイスティング・テーブルも備わっています。
ここから地下8mを見下ろすことが出来、自然の力で気温も涼しく保たれているので、ワインを楽しみながら、コンサートなどを催すプロジェクトがあるそうです。
実はこの洞窟?を他に2つ掘っている最中だそうです。確か2-3年がかりという大規模プロジェクトですが、出来上がったらさぞ素敵なことと想像します。
Polvaneraの語源は?
併設されたマッセリアは1820年のもので当時炭造りを行っていた小さな家族が住んでおり、みんなから『Polvagnor』、つまり炭の粉(Polvere della carbone)が肌に摺りこまれ、黒っぽかったことからそう呼ばれていたそうです。 この名前をリスペクトと共に継承し、カンティーナの名前にしたそうです。
醸造は、ステンレスタンクだけを用いるのもPolvaneraの特徴のひとつ。品種の個性をより強く表現したいという思いからの選択だそうです。
このアンフォラは次回試してみることになっているそうです。楽しみですね。
さて、こちらモダンなエノテカに場所を移して、今回はLight・Lunchコースを選びました。
5種類のワインを選んでテイスティングできます。
まず、『Spumante Brut ’A’』 Rosato IGT Puglia- Bio Metodo Charmat
プリミティーボ100%
イチゴのようなチャーミングな香りが広がりますが、後味はほんのり苦みも感じられバランスが良い。フリゼッレのブルスケッタによく合います。
白はMINUTOLO IGT Valle d’Itria- BIO
ミヌートロのブドウ100%
青りんご、ネクタリン、バナナ、カモミールなどの香り。味わいにも同様の風味が感じられると共に酸とミネラル感がありバランスを取っている。フレッシュでこのまま、またはハーブのフリッタータにもよく合います。
VERDECA IGT PUGLIA -BIO (オレンジワイン)
ヴェルデカ100% のオレンジワインは初めて!南部の白ワインといえばVerdecaで、酸やフレッシュ感を楽しむイメージでしたが、少し厚みのあるヴェルデカもまた良かったです。
こちらの土壌は少し粘土質の泥土が主体である。アルコール発酵に続いて、マセラシオンを約6日間行います。 さらに6ヵ月寝かせてからボトリング。
古代の黄金色、アカシアやカモミール、カーネーション、エルダーフラワー、モモのシロップ漬け、紅茶、ほんのりスパイス香が広がります。
味わいは、まろやかさ、アルコール度の高さ、偽熱をしっかり感じつつ、酸とミネラル、ほんのりタンニンが感じられバランスが取れている。余韻にはモモ、アーモンド。
最後に赤ワインを2種類。
POLVANERA 16とPOLVANERA 17
なんと、プリミティーボ100%でアルコール度数が16℃と17℃。
写真右の通り、16の方は土壌が石灰質主体、17は粘土質主体。どちらも樹齢70年ほどの古木で造られたブドウです。
収量は1haあたり40qlと半分以下です。全て手摘みで、24か月ステンレスタンクで熟成、12か月瓶熟成したものです。
不思議なくらい、アルコール度数を感じさせないエレガントさに驚きです。
日本には入っていないそうです。
2024.5.31
LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より