今夜の日本料理に合わせるイタリアのワインは、プーリア州南部サレントで造られるカンティーナ『リッツァーノ』。
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イタリア踵部分にあたるプーリア州の南部サレント地方。
ターラントからほど近い場所で、石灰質の岩層に赤土が広がる土壌、イオニア湾に近い位置にあり、地中海ハーブやオリーブといった、マッキア・メディテラネアの香りを乗せた風が、乾いた石壁を通り抜けて舞い、太陽をしっかり浴びています。そこに、ブドウの樹は根を深く伸ばしています。
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ブドウの品質を最大限に表現し、世界に広める役割としてのCOOPERATIVA(農業組合)
創業は1959年、医者であり、農家であったLuigi Ruggieri氏が、この地のブドウ農家たちと団結し、農業協同組合を興したのです。 ブドウのクオリティを表現するために、近代的な醸造技術を導入して始めたのです。
1961年にファーストヴィンテージとしてスタートしましたが、当時111の組合員が参加し、このエリアでは先駆けでありました。やはり農業政策や販売条件などにおいて、農家側が苦しい立場に置かれていたわけですから、大きな前進でした。
今では400以上の組合農家さんがいて、500ヘクタールもの広いブドウ畑があります。
☆彡4種類のブランディングを行っており、今日のシリーズは『Macchia(マッキア)』
染み、色付けるといった意味合いがあり、名付けた一つの理由には、プリミティーボやネグロアマーロといった黒ブドウのワインはグラスに注ぎスワリングすると、グラスに色が付くほど、色素が濃いことから。
ーーーーーーーーー☆彡アッビナメント☆彡ーーーーーーーーー
微発泡)Baylon 175 Puglia IGP Bianco Frizzante
バイロン175 プーリアIGP ビアンコ フリッツァンテ
ブドウはピノビアンコ、マルヴァジア・ビアンカ、シャルドネのブレンド。
アルコール度11.5%も感じさせないほど、果実味が芳醇で、優しい泡が喉の渇きを癒しつつ、徐々にマルヴァジアのアロマが口の中にフワッと広がります。
程よい糖度によって、和食の前菜、特に茶豆のムースとのマリアージュは絶妙でした。
お料理は 北海道産紫雲丹、新潟県産弥彦茶豆のムース、いくら、キャビア、鼈甲餡ジュレ、天本山葵の取り合わせ
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白)Macchia Bianco DOP 2022
マッキア ビアンコ DOP Alc. 12.5%
トレッビアーノ50%、シャルドネ50%
バランスの良いミネラルと酸、また後味にやさしい苦味が感じられます。こちらも口当たりの優しいタイプです。
どうしても、プーリアというと、赤ワインが主流となり、白の地ブドウは少なく、ヴェルデカなど軽いものとなり、お食事に合わせるには物足りなさがあります。このリッツァーノでは、ピノビアンコ、シャルドネ、マルヴァジア、トレッビアーノ、ソーヴィニヨンなど国際品種も含め、幅広く造っている事で、アッビナメントの幅が広がりますし、いろんなシーンで楽しめます。
秋田の甘鯛 松笠焼き、蕪、生海苔餡
鯛や蕪の香ばしい塩味を生海苔のスープで包み込んだ胃に優しい味わいに、バランスの取れたミネラル感のワインとアッビナメントはしっくり来ました。
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八寸)三陸のあかもく(ぎばさとも呼ばれる)吸い酢、長芋、岩手の合鴨葱串、タスマニア産粒マスタード、
鳥取産けんさきいか明太子纏い、ビゴールドノワール豚生ハム無花果、海月(くらげ)梅肉和え
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今回来日されたGiuseppa Maisiniさんは、日本料理もお好きなようで、モズクよりも粘りが強いあかもくや、明太子、
海月の梅肉といった独特な食感や風味のお料理も、平らげていらっしゃいました。
明太子纏のような少しピリッと辛みがあるものは、フリッツァンテの方が合わせとしては好ましいことも体感できました。
赤)Macchia Negroamaro Lizzano DOP 2020
マッキア ネグロアマーロ リッツァーノ DOP Alc. 13.5%
ネグロアマーロ 100%
色も濃く、ベリー系の小さな果実、森の下生え、スパイス香が特徴的ですが、タンニンは少ない為、若いヴィンテージの場合お魚との相性もよいでしょう。2020年ですが、フレッシュなフローラルがあり若さを感じます。バルサミックな芳香とミントなど複雑な香りが出てきます。
基本的にステンレスで醸造していますが、一部大樽で熟成しており、柔らかく余韻が長めです。タンニンは少なくアロマが感じられるので、特に夏場はサービス温度は低めが望ましいです。
花咲蟹の天ぷら、群馬のとろ茄子陶板焼き、芽葱、卸生姜
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赤)Macchia Primitivo di Manduria DOP 2020
マッキア プリミティーボ ディ マンドゥーリアDOP Alc. 14.5%
プリミティーボ 100%
温度管理下で7-10日間のマセラシオン、発酵。フレンチオークの大樽で5-6ヶ月熟成。
少し低い温度でサービスすると、アルコール度数も感じず、非常にエレガントな滑らかに口の中を
包み込むように芳醇な風味が広がります。
茨城県産黒毛和牛`常陸牛’ 頬肉甲州煮、もろこしピュレ、インカの瞳、サーベル隠元
常陸牛の甲州煮やジャガイモの厚みあるお料理に対して、ワインのボディとのバランスがよかったです。
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浜名湖の鰻 鰻重、愛知の浅蜊 清まし汁、香の物
石焼ビビンバのように熱した石器に盛り付けられ、鰻をくずして、ご飯とかき混ぜて頂くと絶品でした。
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赤)Macchia Primitivo di Manduria Dolce Naturare DOCG 2021
マッキア プリミティーボ ディ マンドゥーリア ドルチェ・ナトゥラーレDOCG
プリミティーボ 100%
サレント地方で唯一のDOCGがこのドルチェ・ナトゥラーレ。 自然な甘さ、つまり過度な糖分を感じない、上品なドルチェワイン。
水羊羹との相性が良いことに驚きでした。
9月末頃まで、畑で熟させ、干しブドウのように糖度が上がってくる頃に遅摘みしたうえで醸造します。その後、フレンチオークの大樽で6-8カ月ほど熟成させてから、ステンレスタンクへ移し替えます。
水羊羹 自家製
滑らかな食感と塩と甘さの加減が素晴らしい一品でした。
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日本食とイタリアワインのアッビナメント・イベントはSoloitlaiaの運営で開催されております。
今回のプーリアのワインは、アッビナメントのポテンシャルを非常に強く実感致しました。非常に勉強になる機会を有難うございました。
こちらのアッビナメントの日本料理は 神田明神下 みやび本店 黒澤料理長の素晴らしい、数々の施行を凝らしたお料理でございました。地元のお祭りにもかかわらず、途中ご説明にいらして下さって、堪能させて頂きました。
Cantine Lizzano主催
#プロモーション、
LCIイタリアカルチャースタジオ Kyoko Matsuyama