この暑い時期にプロセッコは欠かせませんが、今やプロセッコのレッテルも払拭しなくてはなりません。
和食の前菜からデザートまでのフルコースに最初から最後まで合わせることが出来ます。
また、残糖度(ブリュットとエキストラ・ドライ)を変えてみたり、製法(シャルマ、メトド・クラシコ)、色(ロゼ)の違いを楽しむなど、ヴァリエーションが広がっています。
そして何よりも、繊細さ、味わいの深みなどクオリティもとても高くなっていますから、アペリティ―ボだけに終わらず、あらゆるお食事に合わせてみたいと実感しました。
今日のプロセッコ生産者は イル・コッレ IL COLLE(複数の丘を意味する)はコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネの中の、San Pietro di Feletto サンピエトロ・ディ・フェレットに位置します。
DOCGのエリアにあり、プロセッコDOCGとDOCを作っています。
この地域は 2019年に【Patrimonio UNESCO 世界遺産】に登録されました。
特徴としては写真のように、ブドウ畑が美しく並んでいるだけではなく、個々に森林で囲まれている事だと思います。こうして、自然との共生、多様性が守られ、ブドウにもよりいい環境になっています。
SOLOITALIA-林茂先生の主催で、ワインインポーターは大倉フーズ。
今回は和食とのアッビナメント。
お店は神田明神下にある『みやび』にて、季節の食材を目でも楽しめるコダワリ満載のお料理が並びました。
合わせたワインはこちらの4種類です。順番に見てみましょう。
【プロセッコDOC トレヴィーゾ スプマンテ・エクストラ・ドライ】PROSECCO DOC TREVISO SPUMANTE EXTRA DRY
最初の喉の渇きを癒しつつ、前菜に合わせたいこの一本。
ブリュット【残糖度12g未満】もありますが、エクストラ・ドライ【残糖度15-16g】のこちらのプロセッコの方が暑さによる疲労感を回復してくれそうです。また和食の前菜にはほんのり糖度がある方が合わせやすいです。 洋ナシや黄色いリンゴの香り、風味。
ブドウ:グレーラ 85%,シャルドネ 15%
収穫は手摘みで、仕立てもシルヴォという伝統的な高さのあるコルドン式を用いるなどコダワリを感じます。
更に、発酵に15日、シャルマ法で二次発酵し30-40日熟成、チルドで8日間と時間をかけて造っています。
厳選酵母を使用しシャルマ―法で二次発酵を行っています。
【前菜】ジュンサイの酢のもの仕立て、スイカに見立てた小メロンは明太子、豚肉を巻いた谷中ショウガ、佐島のタコ、ちりめんじゃこ入りおこわを万願寺唐辛子で巻いたものなど 目で楽しい、味わって美味しい、プロセッコ・エキストラドライとぴったりでした。
【コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スーペリオーレDOCG スプマンテ・ブリュット・ミッレジマート】CONEGLIANO VALDOBBIADENE PROSECCO SUPERIORE DOCG SPUMANTE BRUT MILLESIMATO 2021
≪Metodo Il Colle≫ イル・コッレ独自のスプマンテ製法
畑指定のブドウを手摘みした後、モストを直接スプマンテにする方法で、40日間ほどかけて行います。よって発生する亜硫酸塩は微量になり、香りも収穫したてのブドウ果実そのままを感じられ、青りんご、洋ナシなど。
ブドウ:グレーラ 100% 単一畑(区画のことをRIVEという):San Pietro di Faletto
お食事は巻海老や玉蜀黍トウモロコシの天ぷら、太刀魚と新蓮根の天ぷら。すべて岩塩で頂くことで、プロセッコの塩味、ミネラルと天ぷら食材の旨味と塩味に完璧な合わせでした。
【コッレ・バイオ コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スーペリオーレDOCG スプマンテ・ブリュット・ビオ&ヴィーガン】COLLE BAIO CONEGLIANO VALDOBBIADENE PROSECCO SUPERIORE DOCG SPUMANTE BRUT Biologico e VeganMILLESIMATO 2021
≪COLLE BAIO≫ 5hのBIO認定の畑を持っており、そこにフォッリーナという畑で造る限定ワイン。
バイオというのは、栗色ベースに鬣と足元が黒色をしている馬の種類のことで、1500年頃ヴェネツィアから伯爵がバカンスにこの馬を連れて、この辺りで過ごされていました。その間、バイオ馬が駆け回っていた場所として、COLLE BAIOと名付け、特別区として引き継がれています。
BIO指定ということで、周りは森林で囲まれ、ビオ環境を保っています。
ブドウ:グレーラ85%、その他は土着品種(ヴェルディーゾ、ビアンケッタ、ペレーラ)
2次発酵はソフト圧搾した後、低温14℃でシャルマ―法によって個別に25日間行います。更に40日間澱と共に40日間熟成。
香りはトロピカルなフルーツを感じるが、口に含むとフレッシュなリンゴやレモングラスなど、余韻にほんのり苦みを感じさせます。やや濃いめのお食事に合わせたくなります。
お食事は鮎の春巻き揚げ、豆腐干をパスタに見立てた桜エビのペペロンチーノ、木の芽のソースが一層ワインに合います。
【プロセッコDOC ロゼ ミッレジマート・スプマンテ・エクストラドライ】PROSECCO DOC ROSE' MILLESIMATO SPUMANTE EXTRA DRY 2021
ロゼのプロセッコは、見た目にも華やかで、ドライ感とコクを共に楽しめる、お食事にも合わせられる注目のワインです。
3haのピノネロの畑を持っており、やはり手摘みで収穫し、グレーラとは別に1次発酵させます。
2次発酵の際に合わせて、60日間かけていきます。
ブドウ:グレーラ90% ,ピノネロ10%
プロセッコ・ロゼは殆どの生産者がBRUTで造るそうですが、ここILCOLLEは酸度を高くして、糖度バランスを取っているそうです。その為、合わせるお食事の幅が広がります。
香りは初め、ラズベリーの甘ずっぱさが広がります。それからリンゴや洋梨といったグレーラの香りがします。
ポン酢で頂く、豚肉のしゃぶしゃぶは、生産者きってのリクエストだったそうで、店長みずからしゃぶしゃぶして下さったという贅沢な一品でした。
ホワイトコーン、香川の味来もろこし御飯にはグアンチャーレや日本一こだわり卵が入っており、絶品の〆でした。
生産者のSARAさんはとても元気で愛らしい方で、IL COLLEへの情熱が伝わってきました。
お母様もご一緒に来日されておりましたが、今は兄弟3人がワイナリーを引っ張っているそうです。
IVS Japan 日本イタリアワインソムリエ
http://www.ivsjapan.com/
Kyoko Matsuyama