2021年4月23日 (金)

イタリア映画セミナー『COMMEDIA』

『I -Factor: イタリア映画』 (スクオーラ・レオナルド・ダヴィンチのミラノ校)

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 イタリア映画セミナー2日目は、テーマが軽くなって、CINEMA POPOLARE、COMMEDIA, FILM COMICI といった庶民的な、コメディタッチのものでした。 しかし、これもイタリア人の生活、時代背景を映しています。

やっぱり家楽オンライン授業!

日本時間19時半からスタートで、イタリアはお昼12時半という、共に無理のない時間帯です。

 ※3日間だけのプログラム

4月20日(火)19:30~21:00 (日本時間)
4月22日(木)19:30~21:00 
4月27日(火)19:30~21:00※良かったらぜひ受講してみてください。

レッスン参加費:1レッスン 30ユーロとリーズナブルです。


【授業はリラックス】受講生は今夜は4名だけで、また映画のシーンを沢山見せてくれるので、リラックスしながら、盛沢山な充実した内容でした。 しかしビデオレッスンとは違い、一方通行でなく、先生とのコミュニケーションが取れるという、当たり前のようで不思議な感じでした。


今日のレッスン内容は~
◎イタリアの偉大なるコメディ俳優って? UN CELEBRE COMICO DEL CINEMA 

    1) TOTO'   トトはやはり言葉の魔術師(Giochi di parola)と言われた名俳優です。
      そしてアドリブ(Improvvisazione)を確立したとも言われております。

その有名なシーンが映画『Toto’ , Peppino e la... malafemmina 』(1955年)
ある女性を求め、ミラノへ行ってしまった甥っ子を返してほしいとその女性宛てに手紙を書くのですが・・・
Toto’が話す言葉を弟が書き取っていきますが、カンパーニア州ナポリの方の田舎の出身で、
間違ったイタリア語を最もらしく、話すアドリブは名シーンなのです。

    2) ALBERTO SORDI  アルベルト・ソルディ  

 彼は フェッリーニ監督のI Vitelloni(青春群像)でもおどけた役で出演してましたが、沢山の映画で活躍しています。

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『UN AMERICANO A ROMA』ローマのアメリカ人 (1954年)

やはり50年代の映画で、アメリカ映画に憧れるイタリア人が多かった時代を映した映画

アルベルト・ソルディがスパゲッティ(マカロニと呼んでます)を頬張るシーンが有名です。

アメリカ人になりきる彼は、「マカロニなんて食べないよ、赤ワインなんて飲まないよ」といって、アメリカ人はパンにマスタードとミルクだとかいって口に入れた途端、やっぱりマカロニと赤ワインを貪り始めるという・・・ 

1970年代に入ると、映画のテーマは『POLITICA (政治)』が主流になります。

  3) PAOLO VILLAGGIO  パオロ・ヴィッラッジョ

 彼は俳優だけでなく、脚本家、監督まで手掛け、代表作『ファントッツィ』を生むのです。
UGO FANTOZZIというコミックなキャラクターを作り上げ、シリーズ化されイタリアで大成功します。彼は大会社に務めるサラリーマンで、ヒエラルキーGerarchiaに虐げられる生活をコミックにシニカルに描いています。例えば、

『IL SECONDO TRAGICO FANTOZZI』 2つ目の悲劇 ファントッツィ (1975年)

では、会社が開いた宴(Cena di gala)で、上下関係の厳しさを笑いながら見せています。ここでは犬までもがCLASSISTA(階級主義)でひどい仕打ちを受ける悲劇のファントッツィなのです。

余りにも有名になったので、悲惨な、不運な状況の時に使われる『Fantozziana』ファントッツィアーナという言葉ができたそうです。

その他の例ではKafkaの『Kafkiana』やフェッリーニの『Felliniana 』という風に。

1980年代に入ると田舎と都会の暮らしが大きく変わってきました。

家について見てみると、田舎では『CASCINA カッシーナ』という大きな家で、動物なども飼っていて、大家族が住めるように沢山部屋があります。しかし、古くて、冬はとても寒いといった状況を次の映画ではコミカルに表現しています。

 ◎IL RAGAZZO DI CAMPAGNA (田舎の男の子)(1984年)

 ARTEMIOという主人公が独身Scapoloでマンマと大きな家Cascinaに住んでいますが、冬は部屋の中のタオルや水が氷るくらい寒く、ペンギンも住んでいてユーモアUmorismoたっぷり。

嫌気がさしたアルテミオはミラノへ行きます。すると、住まいはマンション、一部屋の中に折り畳み式でキッチンや洗面、テーブルからベッドまで収納されています。最初はその都会暮らしを楽しんでいきます。ところが、なかなか仕事が決まらず、結局は田舎へ帰るという話。

4) CARLO VERDONE  カルロ・ヴェルドーネ

 ◎ACQUA E SAPONE (水と石鹸) 

 カルロ・ヴェルドーネも現代のコメディ俳優として大活躍しました。

 この映画ではローマの訛りが強いSora Lella( Elena Fabrizi)が、生のローマ弁で話すマンマとして適役です。彼女はALDO FABRIZIの妹で、彼は無防備都市(Roma Citta' Aperta)で、牧師役で名演技を見せた役者さんです。

1990年代に入ると 

5) NANNI MORETTI   ナンニ・モレッティ

   彼は俳優としても監督としても活躍中ですが、コメディの面とドラマの面を両方兼ね合わせた作品を作っています。

◎CARO DIARIO  カーロ・ディアリオ (親愛なる日記)

3つのエピソードに分かれていて、①Vespa イタリアのスクーター、②Isole 島(シチリアのリパリ島が舞台だったような)③Medici 医療(自身の健康問題)

①ヴェスパで、夏の人気のないローマをあてもなく走り回るのですが、最後あのPASOLINIへのオマージュを込めて彼が殺された現場へ行くという感動的なシーンがあります。

2000年に入ると、少子化、長寿化問題が深刻になります。

そこでこの映画

◎PRANZO DI FERRAGOSTO フェッラゴーストのランチ (2008年)

 フェッラゴーストとは今では8月15日の祝日を指し、海などで過ごします。

Gianni di Gregorio扮するGianniは居住するアパートの管理人はフェッラゴーストに外出したいため、老いた母親を預かってもらおうとGianniにお金を払って依頼します。すると、次々にお年寄りが集まってきて、一緒にランチをして過ごす・・・ この作品は観てないので、観てみたいと思います。

というわけで、いよいよ3回目は2000年代の映画を見ていきます。

4月27日(火)19:30~21:00 ご参加されたい方は info@lci-italia.comまでメールください。

または 直接お申込はこちらからどうぞ。

https://www.scuolaleonardo.com/it/i-factor-seminari-online-di-arte-e-cultura-italiana.html

 23 Aprile 2021 Kyoko Matsuyama