2020年6月 2日 (火)

アルト・ピエモンテのマッジョリーナ栽培仕立て

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ピエモンテの希少ワインの銘醸地『BOCA』


ピエモンテで有名なワイン生産地といえば、バローロで知られるランゲ地方ですが、実は古代ローマ人たちがワイン生産地として注目していた地域が北東部にあります。オルタ・サンジュリア島の麓あたりに位置する山と湖、川に囲まれた『BOCA』(ボーカ)。 

1800年代には4万ヘクタールもあったブドウ畑が今では700ヘクタール

20世紀初頭、北イタリアも経済成長期を迎え、繊維工業など盛んになり、農家達はみな報酬が良い工業地域へ転職して行きました。

更に1950年頃に雹の被害が続き、殆どの畑が放棄され、荒廃しました。1990年代にはブドウ畑は10ヘクタールにも満たなくなり、BOCAのワインは忘却の彼方に消え去っっていきました。

今でも放置されたままの土地は少し残っています。

 

ネッビオーロはスパンナ(Spanna)と呼ばれる

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この辺りの品種はネッビオーロ(スパンナ)、ヴェスポリーナ、クロアティーナ、ウーヴァ・ラーラ、

それから、マイナーな品種では、ドゥラーザ、スラリーナ、マルヴァジーア・ディ・ボーカ、ドルチェット・ディ・ボーカ、ネレットなど。

BOCA DOCのミクロクリマ

気候は穏やか。アルプス山脈の手前にある湖の影響で秋は温かく霧も見られない。傾斜は南向きですが、昼夜の気温差がしっかりあるため、ワインにストラクチャーを与えます。

北側の山が冷たい風を遮り、ブドウはしっかり熟すことができます。

森に囲まれた自然国立公園があり、環境で自然の草花や動物たちと共存しています。 

火山岩と砂質の酸性土壌であるため、硬質な素朴なネッビオーロが育ちます。 

マッジョリーナ(MAGGIORINA)

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昔ながらの混植、混醸スタイルの希少な一本

急斜面に段々畑式に栽培されていて、機械は入れない、人の手で全て世話されています。

ここのマッジョリーナではクロアティーナのブドウが主に栽培されており、ネッビオーロやヴェスポリーナ他10種類ほど植樹されています。

昔は混植であった為、伝統的にエルバルーチェやマルヴァジーア・ディ・ボーカといった白ブドウも栽培して混醸する為、この土壌の昔ながらのワインとして味わえる希少な1本です。



 

古代ローマ以前から存在した?マッジョリーナ仕立て

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このノヴァラ周辺のワイン造りについて、大プリニウスの書『自然史』に記述されています 。

3本の樹の先を絡めて輪にして4本の支柱で止めて棚式に仕立てます。

ブドウの房が葉に覆われるため、雹などの被害を受けない特徴があります。

時代と共に形が変化していきましたが、最終形はトリノのあの素敵な建造物『モーレ・アントネリアーナ』の建築家が考案したそうです。

今の樹は1910~1920年のフィロキセラの後に植樹されたものですが、今も現役で健康なブドウの実を付けてくれます。

ワイナリー『Le Piane』

Christoph Kuenzli(クリストフ・クンズリ)氏は1990年代に醸造家や友人のアレクサンダー氏と一緒にこの地の素朴な美しさに魅了され度々訪れていました。そこで、アントニオ・チェッリ氏に出会う。
彼は1980年代にBOCAでワイン造りをしていた数少ない一人です。彼のブドウ畑、そして何年も寝かしたワインに出会い、これは継続すべきものだと確信したのです。
彼から引き継ぎ、少しづつBOCA DOCの区画を買い足し、今日の9ヘクタールのレ・ピアーネの基礎を創り上げました。

1998年、悲劇にも仲間のアレクサンダーが事故死した為、実現したレピアーネを見せることが出来なかったが、彼の理想や夢は新しい畑『メリディアーナ』に生き続けています。

畑の合間に建てられたLa Casa gialla(黄色い家)、これは新しい出発点を意味し、レピアーネのロゴとして用いられています。

愛らしいChiara Tinivella キアラさん

私は彼女と出会って、このBOCAの地、ワイナリーLe Piane,そこで造られたワインに魅了されました。

実はキアラさんはサムライが大好きなんです。勿論見た目ではなく、その精神に惚れ込んでいるそうです。彼女は会うたびに、「サムライに会いたい!」と話すので、2017年、生徒さん他をお連れするピエモンテの旅を企画した際に実現させたのです。その時涙を流して喜んで下さったこと、私も感動致しました。

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セジア川を越えれば、ガッティナーラの町があります。そこのホテル学校で、浴衣などの日本的装いで、『茶の湯』を提供し、またおにぎりやお好み焼きなども作って、文化交流を開催しました。そんなひと時にご招待した時のこと。

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