2014年4月12日 (土)

ビアンケラ品種一筋のオリーブオイル生産者Fior Rosso~Trieste

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 トリエステ(県)、スロベニアのとの国境に位置するSan Dorligo della Valleは北方の地中海の玄関に位置し、オリーブの品種『BIANCHERA 』(ビアンケラ)を栽培するのに適した気候と土壌である。このことは、実はローマ帝国時代に遡る。

GIOACCHINO FIOR ROSSO氏は、この地でオリーブのビアンケラ品種を一筋に栽培している。 この家族の生い立ちは面白く、実はジョアッキーノ氏はオリーブ栽培を行うシチリアの家庭で育つ。 その後奥様のADRIANAさんに出会う。彼女はトリエステ出身で、彼女の家族もまたオリーブ栽培を行っていたことから、曾祖父以来のオリーブ畑9ヘクタールを引き継ぐ。2001年にMontedoroの地に13ヘクタールを入手し、2000本のビアンケラとレッチーノとマウリーノを100本づつ植樹する。

全て手作業で行う為、収穫時は家族総出で、傷のあるオリーブは取り除きながら、非常に厳密にクオリティを追い続ける。 

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  彼の畑からはアドリア海が望める。『FACCIUMARI』シチリアの方言で(海を望む)と書かれた看板には彼の故郷AGRIGENTOの景色を重ねて観ていることがわかる。

海からの温かい空気と山からの冷たい空気がちょうどぶつかる場所ですから、雷雨や雹にさらされる事も少なくない。ちょうど私が訪問した時も突然の霰に降られ、危険を感じて車に逃げこみましたが、オリーブへの大惨事になりかねない厳しい現実がある。

BORA風が強いのはMOSCA(オリーブ寄生虫)が付きにくい利点もある。トリエステは行政が生産者と二人三脚で動いており、オリーブ畑に異変や変わった虫などを見付けると、必ず生産者は県に報告し、その後専門家から指示が出されるのである。

ビアンケラの葉は写真のようにEORICAといって、風に舞うような形をしているのが特徴です。

BIANCHERAはスロベニア語でBELICAトリエステの街ではスロベニア語と併記されている看板をよく見かける。土地の人たちは両方話している。

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彼のオリーブオイルのラベル付けの面白いことには、収穫時期を3つに分けて、ラベルも値段も変えている。

 10月20日~11月10-15日に収穫したものは INTENSO  濃厚 ・・・ここから DOPが作られる。

11月15日~30日 MEDIO ミディアム

12月 LEGGERO ライト

つまり、10-11月が香り、味わいが頂点である為、その前後の期間においては弱い方へ傾斜する。(クオリティが下がる) ならば値段も変わるべきと彼は考える。 

彼の作る DOP(原産地呼称保障制度)は『TERGESTE DOP』はあらゆるコンクールでも高い評価を得ているが、例えば、この春のGAMBERO ROSSOでは3フォッリ(最高点)を。

FRUTTATO MEDIO:フルーティ ミディアム 

刈ったばかりの草の香り、ほのかに青いトマトやアーモンドが香る。

最初口に運んだ時、優しいが、次第に辛み、苦みが現れ、持続性もあります。

 
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ローマ時代の遺跡が発掘された中に、オリーブ搾油の石臼と搾り機が出てきたことが証拠となり、この辺りにオリーブの栽培がなされていたことがわかった。

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土壌はカルソ地方の石灰岩で出来ており、雨に含まれる炭酸によって溶解する性質がある。更に水分を吸収する性質の為、山に降った雨は中を通って、各所に溜まり、そこから出来る沢山の洞窟GROTTEや、小川が見られる。

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地形、歴史から、トリエステのオリーブ栽培、そしてオリーブオイルの製造へのこだわりまで、熱心にGIOACCHINO氏は語って下さいました。

お昼はご自宅に招いて下さり、Adrianaさんが作ったパスタを頂戴し、本当に温かいハートフルな人達で、オリーブもこうやって大事に愛情を持って育てられてるのだと実感しました。

 

 この日の訪問はトリエステの虹に見送られて終了しました。

Kyoko M.  Marzo/2014 

 

 

 

 

 

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