2026年7月19日 - 2026年7月25日

2026年7月20日 (月)

注文ごとにボトリング。少量生産で徹底したクオリティ管理

オリーブオイル生産者『BAGLIO INGARDIA バーリョ・インガルディア』は、トラパニから車で10分ほど内陸に入った小さな町PACECOにあり、海や塩田からも近い長閑な環境です。

正面の一画には元々18世紀に植えられた、樹齢300年を誇るオリーブの木々があり、10年以上にわたり

スローフード・プレシディオの認定を受けています。

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BAGLIO(バーリョ)とはシチリアの典型的な要塞化された領主の建物で、中央に大きな中庭、領主が住む家と従業員たちの住まい、厩舎、倉庫が敷地内にあります。

インガルディアのバーリョは1700年代スペイン統治時代にスペインの男爵が建てたもので、お城のような造りです。正面に2つの塔があり、裏庭にも1つ、外敵の侵入を防ぐために守衛がいました。

外周は石壁で囲われエリチェの山麓にあり、18世紀に盗賊が横行したため広大な領地を明確に区画して守っていたそうです。2

持続可能な有機農法

元の「母樹」から新たな苗を育てて増やす取り組みも行っています。

オリーブオイルの樹齢は何百年と長いのは、根元に「Pollone ひこばえ、若芽」が生まれ、それが大きな樹に育っていき生命を繋ぐからです。オリーブの実を健康に付ける為には樹と樹の間隔や剪定が大事です。間隔を取るために、親株から選定した株分けを挿し木にして移植します。

ここはノーチェッラーラ・デル・ベリチェの品種を単一栽培しています。非常に早熟な為、収穫は9月下旬から10月上旬にかけて行われます。

収穫はネットを張って手作業です、振動で実を落とす機械は使えません。樹齢が300年以上なので、親株の中は空洞になっていますから、振動で折れてしまいます。3

脇の畑には0.5haほどのGrilloのブドウ畑があります。昔の知恵で各列の先頭に薔薇の花が咲いています。最も繊細なバラがブドウより先に病気になるため、予防が出来る訳です。

土壌は栄養分を維持し骨格を作る粘土質とミネラルや安定を与える石灰質です。土を掘り起こして柔らかく保っているので、黒い部分は粘土質が掘り起こされていて、白い部分は石灰質の土が見えています。 特にミネラルが豊富な為、私たちのワインは「ソルティワイン」と呼ばれ、塩味がしっかりなんですよ。

灌漑は行っておりません、この2kmほど行くと池が2つあります。元は人工池でしたがその周囲に緩やかな斜面上にオリーブなど林があり、雨水が自然に溜まるようになりました。

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さて貴族の馬車が入る入口を通って玄関のある中庭コルティーレへ。スペインの貴族はとても信心深く、壁に2つのマドンナが描かれている。「マドンナ・ネーラ(黒い聖母)」は信仰心を、「トラパニのマドンナ」は町への崇拝の想いを込めている。

もう一つの門をくぐるとプライベート空間の中庭があり、スペイン貴族からシチリアの貴族が継承した。昔と変わらないよう手入れの行き届いた果物や植物が豊かに育っている。オレンジ、レモン、アーモンド、ケッパーに、パピルスなども見られた。これだけの緑に囲まれると気温もやや低く感じられ、貴族たちが涼を取っていたことが想像できます。

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奥に進むと、半円を描く壁があり小さなピアッツァになっていて、恋人たちの広場とよばれた場所。その昔男爵の娘とフィアンセが両端の柱に離れて腰掛け、柱に向かってお喋りしたという、小声でも不思議な事に半円の壁を伝ってよく聞こえるのです。300年前の設計士が考えたプライベート空間です。

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正式な玄関から貴族の館の中へ

基本的にすべてそのまま残して使用しているそうで、昔の生活が伺えるようでした。

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今ではオフィスとして使用していますが、元々はプライベート礼拝堂でした。入口の受け口には水が入っていて十字を切って出入りしていたこと、また木製の祭壇や床の石タイルは昔のままだそうです。

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今はオリーブオイルのテイスティングルームとして使用していますが、当時は牢獄だったそうです。窓からは貴族の庭が眺められます。

フォーシーズンズ、リッツ・カールトンのVIP

クルーズ船でトラパニに寄港しこのオリーブ農園見学、テイスティングルームで過ごされるそうです。2名で貸切られることもあるそうで、18世紀の貴族の館でオリーブオイルやワインをテイスティングなさるそうです。


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やはりワインやオリーブオイルを貯蔵していた樽やボトルがあり、木樽からはワインのいい香りが未だします。スラボニア産のオーク樽はマルサラ酒生産者のフローリオから購入したものです。ガラス製ボトルは200年前にここで手作りされたもので形がバラバラです。

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二コラさんの曾祖父はシチリア貴族が受け継いだあと、右腕としてこの農場の責任者を務めていたそうです。写真下にあるように、曾祖父 Serafino Ingardia氏がトラパニの商工会議所会長から、56年、4ヵ月15日間勤めあげたことに表彰状を授与されました。11

搾油したオリーブオイルはステンレスタンクに窒素添加で酸化防止設備を整え保管されています。また、ボトリングは簡易な機械だけでほとんどマニュアルで行っています。またクオリティを保つ為に受注後にボトリングをしています。

フラントイオ(搾油所)は歴史的にもここには無かったようで、現在は車で5分という近くにある搾油所を利用しています。

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過去20年にわたって連続でスローフードのコンテスト受賞実績があります。

ボトルの形状は機能的で倒れない、またテーブル上で邪魔にならないサイズで、置いてオシャレという外観要素も満たしています。

オリーブオイルテイスティングは スローフード認定ノーチェッラーラ単一品種で作る ピンク色のラベル''6FILE’’ はトマトの葉の香りが広がり、クスクスのトラパネーゼ(お魚とトマトソース)やイワシのベッカフィーコなどナッツ類を使用したお魚料理に合わせたい。

スローフード認定のチェラスオーラ単一品種は水色のラベル’’ALBERELLI’’ は青々しく、辛みがあり私の好みでした。オリーブの青みを感じたいので小麦の風味がある田舎パンは勿論、新鮮野菜にたっぷりかけて頂きたい。

この2種類は日本はOLIOTECAさんで購入できます。

実はワインも沢山ラベルがあり、シチリアの土地やブドウを哲学的に表現していて大変興味深いものが並んでいました。

Bagli_ingardia

2026.06 Kyoko LCI

2026年7月19日 (日)

パレルモ空港からレンタカーで1時間ほど行くと、どんどん人気が無くなり、やがて建物もなくなり、NAVIが無ければ通り過ぎてしまうほどのサインを見つけ、急な脇道に入るとPORTA DEL VENTOのサインがあった。カンティーナらしき建物は見当たらず、間違って戻るのも大変そうな坂道だったので電話した。『どんどん上がって来てください』 合っていてホッとした。

この絶景はカンティーナのテイスティングルームから撮ったもので、標高の高さが良く分かります。

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実はここに辿り着く20分ほど手前の道で遭遇したのは羊たちでした。100頭以上はいたと思うが、5分ほど車を端に停めて通りすぎるのを待った。パレルモから1時間も経たない場所でこんなに長閑な風景に出逢い、シチリアに着いた実感が沸いてきました。

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案内してくれたのはマルコ・スフェルラッツォ・ジュニア、父親と同じ名前なのでどちらがいらっしゃるのか分からなかった。

父マルコさんはFarmacista(薬剤師)だったが、2005年このワイン造りを始めた。ガレージから始まり、80㎡の部屋にステンレスタンクひとつに2つの樽だけだったそうで、協同組合にも間借りしていたそうです。

パレルモ県 カンポレアーレという場所にカンティーナ『 Porta del vento』はある。 名前の通り『風の入り口』常に風が吹いている標高600mという高さにあります。この日34℃ありましたが、夜は20℃近くになるそうで昼夜の気温差は10℃以上あります。

土壌は鉄分の多い赤土、この辺りも古代は海だったので、粘土質は少なく、雨水も土深い所でしっかり吸収している。 4-6月うどん粉病が見られ、硫酸銅は施してあるが、ここはビオディナミ農法である。

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ブドウ畑はようやく22ヘクタールまで増え、カンティーナは少しづつ新しくなり素敵なテイスティングルームも真新しい。2年前から太陽光パネルも導入している。

ステンレスタンク、セメントタンク、そして樽はスラボニア産の焼きのないワインへ影響を与えない使い方である。自然酵母を用い、SO2はボトリングの際に少量使用する程度。

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ブドウはカタラット、グリッロ、トレッビアーノ、ネロダーヴォラ、ペッリコーネ、ネレッロマスカレーゼ、ネレッロカップッチョを栽培している。

PORTA del VENTOのワイン造りの特徴は、各ラベルのワインは各専用の畑から造られます。

つまりカタラットの畑はいくつかあるが、例えば微発泡のVORIAに使うブドウは畑Cru 2番、スプマンテのMIRAに使うブドウは畑 Cru 4番と5番と分けられている。

畑に番号を振っているところがFarmacista'(薬剤師)っぽい。とにかく畑の準備から違ってくるというのがSferlazzo氏の考えなのです。よってPotatura(剪定)の方法も、収穫も変わります。

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先ず一本目のテイスティングは、【VORIA】カタラット100%のフリッツァンテ、澱(Fondo)が残るPetNat,アンセストラーレ方式、つまり瓶内で発酵させ澱引きしていない。

マルコさんも友人たちと海に行ったり、ホームパーティを開くときにはこのワインが欠かせないという。FRIZZANTE(2.5気圧のフリッツァンテ)を造った理由は、世の中にはプロセッコやフランチャコルタなどテクニカルに造られた泡が多いため、酵母よりブドウをそのまま感じられるナチュラルなワイン造りを目指したという。

香りはレモンなど柑橘系、フレッシュな酸が際立ち、澱の苦みがほんのり余韻に感じられ、ピッツァ、パスタといったシンプルな料理との相乗的効果があり、楽しいワインです。

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【MIRA 2023 】カタラット100%のスプマンテ    標高650メートル、風力発電のブレードが近い一番高いエリアの畑12番のブドウから造られます。

2006年Marco Seniorがカタラットを始めた頃は、シチリアではシャルドネなど国際品種造りが盛んで、カタラットは殆ど売れなかった。このMIRAをパルマのFIERAへ持っていくと美味しいと高評価、中でもある日本人が気に入って、翌日カンティーナに来て殆どすべて買っていったのがキッカケで、シチリアでも売れ始めたそうです。

テイスティングは2023VT, べと病(Peronospora)の影響で収量は激減した年、しかしクオリティは素晴らしい。ブドウが熟す前にべと病の房をかなりカットし、残った少ないブドウに最善の注意を払う事ができた。また瓶内30か月酵母とのコンタクトの後、澱引きを行ったので、酵母の香ばしい香りも感じられる。

先日あるお客様と2016年を空けたが状態は素晴らしかったそうです。

白ワインを熟成させるという考えが地域では根付いていないのですが、これだけの酸があれば十分に寝かせられる訳です。

≪自然酵母と自然発酵≫

亜硫酸塩は栓をする前に、とりわけ輸出用に添加するだけと、とにかく徹底した管理下で健全な自然ワインを造っていることが分かった。薬剤師の知識を活かして匂いや状況を見極めて対処し、安定感のある自然派という印象を受けました。

"pied de cuve''(ピエ・ド・キューブ、事前に土着酵母を利用した自然発酵のモスト)を使用して2次発酵を行っている。

【CATARRATTO 2025】カタラット100% ラベル名にカタラットと記したようにカタラットを感じてもらいたいワイン。全房、枝部分も一緒にソフト圧搾し、セメントタンクで発酵、6ー8カ月ほど澱とコンタクト。

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【ALTROVERSO 2025 】 NOVITA! 新ラベル! ネレッロマスカレーゼ50%, ネレッロカップッチョ50%

これまではネレッロマスカレーゼ100%で造られていたが、今回ネレッロマスカレーゼの果皮を入れずに圧搾、ネレッロカップッチョは色素を与えてくれるがタンニンが柔らかいという特性を活かして、セメントタンクで醸造。

名前のアルトロヴェルソ(逆方向)の通り、エトナのイメージとは異なって、マグロ料理などと合わせたい。

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【OLIO EXV d'OLIVA】

オリーブオイルも近年造るようになったが、少量である。ノッチェッラーラ・ベリチェ、ビアンコリッラなど土着品種のブレンドです。シチリアの食事にオリーブオイルは欠かせないので、基本は我が家の食卓用なんです。

自らの畑で取れた野菜トマト、インゲンなどのサラダやこの辺りのサラミやペコリーノチーズ、ピーマンのリピエーニ(肉詰め)など手料理が並ぶ。 どれもシンプルな味わいだが、旨味が

時間がある時はパンも作るそう。シチリアのものでないラザーニャなどは出さないんです。

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【NERO d'AVOLA ネロダーヴォラ】 ネロダーヴォラ100%  木樽使用

デイリーに頂ける軽やかな味わいは、いろんなお料理に合わせたい。

【PERRICONE ペリコーネ 2023】  ペリコーネ100%  

  ペリコーネの泡【LYR】を頂いて感動したことをキッカケにインポーターに訪問の機会を頂戴した経緯があります。 本当に黒ブドウとはブラインドでは分からないほどのフレッシュ感とほんのりベリー系の優しさが、1本丸ごと飲んでしまいたいほど進みます。

今日はスティルのペリコーネ2023をテイスティング。現在2025年にボトリングしているが、素晴らしい出来だそうです。 

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【GRAPPA ROSA グラッパ・ローザ】 ピンクのグラッパは他にないでしょ、と出てきたグラッパは日本にも入ってるそうですが、ペリコーネのヴィナッチャを蒸留したもの。

食後の〆めにぴったり。シチリアでもパッシートなどドルチェワインのニーズは減少しているため、アマーロなどとドルチェを合わせるような研究も増えているとか。

息子のマルコさんはAstiで醸造学を学んで参入、現在26歳ですが貫禄があり、分かり易く楽しい解説にあっという間に過ぎて行った。

こちらのカンティーナへの訪問は午前中、午後はランチ付き、そして夕方18時頃から夕陽を眺めながらできるそうです。

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冬場にこの近くのDattiloという小さな町のカンノーリが、その場で詰めてくれるフレッシュで超美味しいそうです!こんな情報も頂き、西シチリアの魅力は尽きないのです。

インポーター:「OGAWA MASAMI & Co.」

2026.06  Kyoko LCI