2026年7月20日 (月)

シチリアのオリーブオイル生産者『BAGLIO INGARDIA バーリョ・インガルディア』

注文ごとにボトリング。少量生産で徹底したクオリティ管理

オリーブオイル生産者『BAGLIO INGARDIA バーリョ・インガルディア』は、トラパニから車で10分ほど内陸に入った小さな町PACECOにあり、海や塩田からも近い長閑な環境です。

正面の一画には元々18世紀に植えられた、樹齢300年を誇るオリーブの木々があり、10年以上にわたり

スローフード・プレシディオの認定を受けています。

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BAGLIO(バーリョ)とはシチリアの典型的な要塞化された領主の建物で、中央に大きな中庭、領主が住む家と従業員たちの住まい、厩舎、倉庫が敷地内にあります。

インガルディアのバーリョは1700年代スペイン統治時代にスペインの男爵が建てたもので、お城のような造りです。正面に2つの塔があり、裏庭にも1つ、外敵の侵入を防ぐために守衛がいました。

外周は石壁で囲われエリチェの山麓にあり、18世紀に盗賊が横行したため広大な領地を明確に区画して守っていたそうです。2

持続可能な有機農法

元の「母樹」から新たな苗を育てて増やす取り組みも行っています。

オリーブオイルの樹齢は何百年と長いのは、根元に「Pollone ひこばえ、若芽」が生まれ、それが大きな樹に育っていき生命を繋ぐからです。オリーブの実を健康に付ける為には樹と樹の間隔や剪定が大事です。間隔を取るために、親株から選定した株分けを挿し木にして移植します。

ここはノーチェッラーラ・デル・ベリチェの品種を単一栽培しています。非常に早熟な為、収穫は9月下旬から10月上旬にかけて行われます。

収穫はネットを張って手作業です、振動で実を落とす機械は使えません。樹齢が300年以上なので、親株の中は空洞になっていますから、振動で折れてしまいます。3

脇の畑には0.5haほどのGrilloのブドウ畑があります。昔の知恵で各列の先頭に薔薇の花が咲いています。最も繊細なバラがブドウより先に病気になるため、予防が出来る訳です。

土壌は栄養分を維持し骨格を作る粘土質とミネラルや安定を与える石灰質です。土を掘り起こして柔らかく保っているので、黒い部分は粘土質が掘り起こされていて、白い部分は石灰質の土が見えています。 特にミネラルが豊富な為、私たちのワインは「ソルティワイン」と呼ばれ、塩味がしっかりなんですよ。

灌漑は行っておりません、この2kmほど行くと池が2つあります。元は人工池でしたがその周囲に緩やかな斜面上にオリーブなど林があり、雨水が自然に溜まるようになりました。

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さて貴族の馬車が入る入口を通って玄関のある中庭コルティーレへ。スペインの貴族はとても信心深く、壁に2つのマドンナが描かれている。「マドンナ・ネーラ(黒い聖母)」は信仰心を、「トラパニのマドンナ」は町への崇拝の想いを込めている。

もう一つの門をくぐるとプライベート空間の中庭があり、スペイン貴族からシチリアの貴族が継承した。昔と変わらないよう手入れの行き届いた果物や植物が豊かに育っている。オレンジ、レモン、アーモンド、ケッパーに、パピルスなども見られた。これだけの緑に囲まれると気温もやや低く感じられ、貴族たちが涼を取っていたことが想像できます。

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奥に進むと、半円を描く壁があり小さなピアッツァになっていて、恋人たちの広場とよばれた場所。その昔男爵の娘とフィアンセが両端の柱に離れて腰掛け、柱に向かってお喋りしたという、小声でも不思議な事に半円の壁を伝ってよく聞こえるのです。300年前の設計士が考えたプライベート空間です。

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正式な玄関から貴族の館の中へ

基本的にすべてそのまま残して使用しているそうで、昔の生活が伺えるようでした。

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今ではオフィスとして使用していますが、元々はプライベート礼拝堂でした。入口の受け口には水が入っていて十字を切って出入りしていたこと、また木製の祭壇や床の石タイルは昔のままだそうです。

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今はオリーブオイルのテイスティングルームとして使用していますが、当時は牢獄だったそうです。窓からは貴族の庭が眺められます。

フォーシーズンズ、リッツ・カールトンのVIP

クルーズ船でトラパニに寄港しこのオリーブ農園見学、テイスティングルームで過ごされるそうです。2名で貸切られることもあるそうで、18世紀の貴族の館でオリーブオイルやワインをテイスティングなさるそうです。


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やはりワインやオリーブオイルを貯蔵していた樽やボトルがあり、木樽からはワインのいい香りが未だします。スラボニア産のオーク樽はマルサラ酒生産者のフローリオから購入したものです。ガラス製ボトルは200年前にここで手作りされたもので形がバラバラです。

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二コラさんの曾祖父はシチリア貴族が受け継いだあと、右腕としてこの農場の責任者を務めていたそうです。写真下にあるように、曾祖父 Serafino Ingardia氏がトラパニの商工会議所会長から、56年、4ヵ月15日間勤めあげたことに表彰状を授与されました。11

搾油したオリーブオイルはステンレスタンクに窒素添加で酸化防止設備を整え保管されています。また、ボトリングは簡易な機械だけでほとんどマニュアルで行っています。またクオリティを保つ為に受注後にボトリングをしています。

フラントイオ(搾油所)は歴史的にもここには無かったようで、現在は車で5分という近くにある搾油所を利用しています。

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過去20年にわたって連続でスローフードのコンテスト受賞実績があります。

ボトルの形状は機能的で倒れない、またテーブル上で邪魔にならないサイズで、置いてオシャレという外観要素も満たしています。

オリーブオイルテイスティングは スローフード認定ノーチェッラーラ単一品種で作る ピンク色のラベル''6FILE’’ はトマトの葉の香りが広がり、クスクスのトラパネーゼ(お魚とトマトソース)やイワシのベッカフィーコなどナッツ類を使用したお魚料理に合わせたい。

スローフード認定のチェラスオーラ単一品種は水色のラベル’’ALBERELLI’’ は青々しく、辛みがあり私の好みでした。オリーブの青みを感じたいので小麦の風味がある田舎パンは勿論、新鮮野菜にたっぷりかけて頂きたい。

この2種類は日本はOLIOTECAさんで購入できます。

実はワインも沢山ラベルがあり、シチリアの土地やブドウを哲学的に表現していて大変興味深いものが並んでいました。

Bagli_ingardia

2026.06 Kyoko LCI