2026年7月4日

2026年7月 4日 (土)

シチリア西部に位置するCastelvetranoにある、古代小麦の製粉所を営むFilippo Drago氏を訪ねるため、朝トラパニを出発するとGoogleナビに従って約80kmのAutostradaは快適で約1時間で到着した。4

どんな方だろうと緊張していたが、10年前の写真と殆ど変わらず、また礼儀正しい人でした。次の記事でフィリッポさんについて、書きたいと思います。

今回は小麦粉について、

前の記事:シチリアの古代小麦の製粉所 Molini del Ponte 訪問記録①より、彼は製粉する前の段階で異物混入を防ぐために、最新の機器を投入したり、工場の完全清掃など徹底し、いかに品質を保持しているかが伺えた。

基本的に彼が栽培する古代小麦は主にこちら:

TUMMINIA トゥンミニア
RUSSELLO ルッセッロ
PERCIASACCHI  ペルチャサッキ
MAIORCA マイオルカ

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写真:クスクス用のセモリナ全粒粉です。レシピをサラっと裏に書いてくれました。
 
なんとSelinunteのギリシャ遺跡が点在する広大な国立公園の中でも栽培しています!
次の記事でご紹介します。

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彼の代に変わって新しい試みもどんどん増えている。

LA SICILIAを愛し、土地、人、産物を維持、改善、未来への継承を追求するフィリッポ・ドラゴ氏は語ります。

「スローフードの黒パンの為でも、パネットーネ用のマニトバ粉を作る為でもなく、シチリア州への忠実心において、シチリアの小麦粉を生産すること。

そんな中、この6カ月ほど前からAzienda agricola FILIPPONEとのコラボでシチリアの小麦だけで出来た『LIEVITATI』という商品が完成した。パネットーネやコロンバなどが作られるFORZA(タンパク質の多い、W値が高い)強いタイプの小麦粉です。

一般的な小麦粉との違いを分かって頂きたい、決して大手メーカーに対抗するつもりではない。生産量は石臼で1日8,000㎏ほどしかないので、国民の主食である小麦粉の量を賄うには、大手メーカーは必須である。

Grandi D'autore- Lievitati  新商品

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Il Mulino autorizzato per il Farro in Sicilia 

その他、Molino del Ponteでは、FARROファッロの製粉所としてシチリアで唯一認可されているそうです。

ファッロは古代小麦のひとつで、3種類あります。一粒コムギ(Farro Monococco)は最も古くから存在し、エンマーコムギ(Farro dicocco)、スペルト小麦(Farro spelta)はエンマーと他の交配種でイタリアより北東ヨーロッパで栽培が多い。

ここではFarro MonococcoとFarro Dicoccoの2種類を9月から製粉し始めます。

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古代小麦TUMMINIAで作られたパスタ、BUSIATEブジアーテとPACCHERIパッケリ!

収穫~脱穀 Trebbiatura~休ませるRiposo ~製粉 Mulinaturaの時期

1年に一度の収穫で、6月に始まり、6月、7月、8月の間、脱穀して休ませます。

脱穀して直ぐに製粉しない、休ませる必要があるそうです。

9月に製粉 Molinareが始まります。

ひとつのサイロにまとめる際に、昨年のものを10%混ぜるそうです。

「古いものにはEsperienza 経験値があり、若いものにはForza 力がある。」FILIPPO氏より

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2026.06  Kyoko LCI

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Il Presidio Slow Food del Pane Nero di Castelvetrano 2008

カステルヴェトラーノの黒パンは2008年にスローフードに認定される。

2つの石臼はFilippo Drago氏の祖父、父親から譲りうけたもので、1970年代終りにこの製粉所へ運ばれてきた。ところが、当時歴史的な製粉所が、産業構造の変化とともに姿を消していく。そんな中、唯一ここMolino del Ponteが扱う古代小麦Tumminiaは、郷土の黒パンを作るためにパン工房から求められたのだ。

写真右はBAKERの計量器、祖父の代から使っている、その後ろに見えるのが最新式ロール式製粉機たちです。

伝統的製法の石臼と近代的な石臼製法の違い2

Antico Mulino a Pietra (伝統的な石臼製法)はどんな仕組み?

石はフランスのLa Ferté-sous-Jouarre(ラ・フェルテ・スー・ジュアール)地域で採掘された、非常に硬く耐久性に優れた珪石で、上下石が摩耗しない仕組みのため長期に使用できます。

下側の研石はMacina dormiente(眠る臼)と呼ばれ固定している。

上側の石はMacina danza (踊る臼)と呼ばれるように、リズミカルに上下運動もしながら回転します、つまり上下の石の間には遊びがあり、触れない仕組みです。

この仕組みにより胚芽やふすまも含まれたまま、パンやパスタ製造に直ぐに使用できる品質の高い製品に仕上がります。

近代的な石臼の場合、軸で2つの石を固定する為、完全水平に回転します。高熱が発生し、栄養価を損なうだけでなく、挽かれた後にムラができ易いため、ロール式電動製粉機に再度かけて商品化する必要があります。

3 最も重要な品質保証:『異物混入のない製品』 la pulitura del grano

5階建ての製粉所は階によって機能をすみ分けし、とてもキレイに衛生管理されています。

(Trebbiatura)脱穀した後の状態では、まだ鳥の羽や昆虫などあらゆるものが含まれているため、フィルターや吸引機など対象ごとに適した機械を利用し取り除きます。

昆虫の卵を破壊する最新鋭の機械まであり、上質な小麦粉を作るにはあらゆる点に注意を払って、そこに投資も必要であり、それは商品価格にも反映するのは当然なことです。

Filippoさん:「現実は『ハイジの世界』のようにはいかないんだよ。 伝統的な石臼製法を行うためには脱穀後の清掃、異物除去が品質保持に大事なのですが、なかなか完璧に行っているところは少ない。だから、もし見知らぬ業者の石臼製法であれば、ロール式機械で製粉した方を選びます。」

更に、フィルス・テスト(Filth Test)分析し混入物0にした上でMacinazione 粉挽を行います。

テロワールを感じる 

厳格なクリーニング工程を経た結果、Filippo氏の小麦粉はシチリアのテロワールが生む、ディルやカモミール、フィノキエットのような野生ハーブの香りがする訳です。

特有の香りの一つに『meliloto(メリロート)』があります。マメ科の植物スイートクローバーが小麦畑の雑草として混ざることがあり、その種子特有の芳香成分が香ります。

製粉前の袋からメリロートの種子を探し出し渡され、「前歯で噛んでみて」と。中々噛めなかったが、少し砕けると口いっぱいにフィリッポさんのパスタを食べた時の香りが広がりました。

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品質保証のもう一つの理由

フィリッポ氏のこだわりはきめ細かい。最後のConfezione袋詰めにおいて、窒素を投入して酸素が入らずより品質を長く保つように工夫されています。賞味期限としては6カ月より長くなります。

袋詰めの際に、ロットごとに袋を開けて香りの検査も行うという徹底管理。

衛生的な環境、従業員に快適な環境作り  Ambiente igienico

機械も、石臼もすべて分解して掃除し、また組み直すという手間を掛け、衛生環境を厳しく管理している。

太陽光パネルを屋上に設置し、自社消費エネルギーを再生している。また施設内は気温30℃を保ち、最新ロール式製粉機は静音で稼働するなど、製品にも人にも優しい環境作りに徹底しています。

最新のロール式製粉機(mulino a cilindri) 

精製した白い小麦粉にするには、最新式のロール式製粉機を使用します。

こうしてニーズに合わせてシチリアの古代小麦を未来にも継続することが目的です。

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次の記事では、フィリッポさんの小麦粉についてお話しいたします。

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