2026年7月12日 - 2026年7月18日

2026年7月18日 (土)

みなさん、きっとご存知のはずのこちらのことわざ:

Tutte le strade portano a Roma

日本語では『全ての道はローマに通ず』ですね。 

どんな意味として解釈されていますか。

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一般的には一つの目標やある成果を達成するための方法は数多くあると、理解されています。

しかし、このようにも解釈できます;

『すべての道が、私たちにとって極めて大切なものーー例えば祖国や、学問、あるいは趣味などーーへのとても深い情熱に繋がっている』

と解釈することもできます。

元々はこのことわざは古代ローマ帝国時代の街道網を指していました。

イタリア語学習においては、さまざまな学習方法、授業、映画、読書、音楽などなどあらゆる手段がイタリア語を習得するのに役立ちます。

((イタリア語で読んでみよう))

Tutte le strade portano a Roma
Con questa frase si intende dire, di solito, che ci sono molti modi per arrivare allo stesso risultato. Però possiamo interpretarla anche come "Tutto ci rimanda a una nostra grande passione"... Come un Paese, uno studio o un qualsiasi passatempo molto importante per noi.

In origine, questo proverbio si riferiva all'antica rete di strade romane. Per lo studio dell'italiano, significa che si possono usare metodi diversi: lezioni, film, libri, musica... Tutti questi mezzi aiutano a imparare!

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LCIイタリアカルチャースタジオ吉祥寺

2026年7月17日 (金)

マルサラの伝統を未来に繋げたいNinoBarracoのワイン

イギリス人が作った酒精強化のマルサラ酒ではなく、元々地元で飲まれていた、名前のないワインがあります。Antonio&Angelaは『アルトグラード』と商標登録して2009年から研究を重ね造ってきました。

この土地の土着品種と言われる『グリッロ』と『カタラット』についてAngelaさんが語ってくれました。

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★☆★) CATARRATTO カタラット

カタラットは何十年にもわたり、トラパニ県はヨーロッパ(フランス含め)で最大のブドウ栽培面積を擁する県でした。その80%がカタラットであったにもかかわらず、カタラット100%で造られるワインは見られなかった。私たちが2004年に始めたのが最初の方です。ラベルにカタラットと表記することは重要なコミュニケーションの方法であり、我々にとってカタラットは常に栽培してきた身近な存在であり、家族を紹介するようなもの、経済を支えてきたブドウなんですから。

しかし過去には重要なワインとして認識されず、ブレンド品種の扱いでした。高いアルコール、色が濃いことで、イタリア北部、フランスなどへ販売されてきました。

一方、1980年代にシャルドネを初め国際品種が入ってきます、最良品種として高値で売る事ができたため、畑はあっという間に国際品種へ入れ替わっていきました。

Barracoは Territorio(地域)やブドウを打ち出したかったのでボトルのラベルには品種名をつけていました。しかしメジャーな国際品種と違って認識されるには時間を要しました。

醸造容器にはステンレスタンクとセメントタンクを用いています。しかし、この品種特性上、木樽の香りが感じられるとよく言われたものです。ミネラルなどの感覚が木樽を使用した時の香りと我々の頭では認識されてしまうようです。

火山起源の岩があるエリア(ミネラル豊富)で育つブドウの特徴を強調したかったので長めの熟成を取り入れた。カタラットはグリッロと異なり1年ほど寝かすことでより個性を表現できる。また、マロラクティック発酵により、まろやかさが増しSO2を多く使用しなくともワインを保護でき、より長く安定したワインとなります。

アッビナメント:カタラットはチーズ、煮込みなど構造ある肉料理、モツなども、脂肪分の多い料理など、それに対してグリッロは海鮮料理の牡蛎やボッタルガなどがぴったり。


★☆★)BIANCO G ビアンコ G  (Gはグリッロを指す)

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ラベル名は『G』としか表記できず非常に残念だ。2004-2020までグリッロと記載していたが、SICILIA DOCの規定によりグリッロの品種名は記載できなくなった。またSiciliaDOCと記載するためには協会の基準パラメータに従う必要があり、我々のグリッロには当てはまらなかったのです。

2004から同じ畑、トラパニ南部にあり、ここから65kmほど、海から1キロの海岸沿いビーチのような砂質土壌で エコシステムは独特、暑くても砂土壌のすぐ下は涼しく湿度があり温度は下がります。ここは50年前からブドウ畑で、周囲は低木林に囲まれています。

当時、マルサラ地区はやや高価だったため、本来なら食用オリーブの栽培に適したエリアにまでブドウ畑が広がっていました。Barrocoの畑はマッツァレッティ地区にあり、今日まで守り続けてきました。

現在のガソリンの高騰により畑への移動は、経済的にもはや合理的とは言えませんが、あまりにも美しいため、放棄出来ずにいます。Angelaさんの父親がこの畑で栽培し、20年以上にわたって地元の協同組合にブドウを供給してきました。 収穫量が減少し、抜根するのを機に、私たちが管理を引き継ぎました。2004年から手入れを続けていますので、もう20年以上になります。

生産量は減少傾向にあり、量は別の畑のブドウで補っていますが、この古樹が実をつける限り、私たちのブドウの大部分はここで収穫していくつもりです。Grilloが持つ真の力、複雑味を表現したいと考えています。

アルコール度数は13%、味わいには確かな凝縮感が感じられます。この畑がもたらす成熟度とバランスの賜物であり、粘性の高いまろやかな仕上がりです。

ラベル、HP、カタログどこにもグリッロと記載できないため、嬉しくない状況です。グリッロ品種はカタラットとジビッボの交配種、長期熟成可能でマルサレーゼ(酸化可)という特徴があり、この土地に欠かせないブドウなのです。


★☆★) ALTO MARE アルトマーレ Semi-ossidativo セミオッシダティーボ 

 グリッロのリゼルヴァ、これまでの知識経験を1本のボトルに収めたNino Barracoの傑作4種の畑、異なる収穫時期、4種の醸造技術とさまざま、品種はグリッロひとつです!Img_1758

これら4種類のグリッロをブレンド

①Biancamare用のブドウ - 海側の畑, 早期収穫 

②Bianco G用のブドウ、50年の歴史ある畑

③グリッロブドウを枝や種一緒に丸ごと使用 - 3カ月浸漬、12月までタンニンの抽出(樽ではなくブドウのタンニン) 

④Altograo用のブドウ- 古樹、遅い収穫時期(完熟)

これら4種類を個別に醸造した後、栗の大樽(目が粗く空気を通す)25/30HLで1年充填なしで軽く酸化させる(マルサリスティカーマルサラの土地の慣習を投入)

瓶内熟成18か月、基本は25%づつの配分ですが年の状況によって変更します。

アルコール度13.5%  2019年スタート

テイスティングは2022年、昔は白ブドウは標高の高いところに栽培され、低いところは黒ブドウだったが、近年、海側に白ブドウを栽培するようになった。つまりミネラルや酸をより重視するようになってきた証であり、このアルトマーレの名の通り、高地と海の見事な配合により、まさにグリッロの特性と土壌の個性が詰まったワインです。

よく考えられたNino Barracoの代表作品と言えます。 

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3種類の容器: ステンレス、セメント、木樽 

それぞれの特徴を活かして醸造、ステンレスタンクは酸やフレッシュさを残し、セメントタンクはまろやかさを表現します。


NINO BARRACO がワイナリーを始めた背景

1970-80年代、シチリアでは国際品種が普及し、有名醸造家は北部から来ていた為、いわゆるシチリア遺産はどんどん消えていったのです。

Antonio(Nino)さんは政治学、Angelaさんは法律とワインとは別の道に進んでいましたが、マルサラに実家があり、その家族はブドウ栽培し共同組合に販売していましたから、ワイン造りは間近に見ていた訳で、失われそうになっていたシチリアの遺産を未来に繋げたい想いから立ち上げたのです。

醸造所も畑も化学肥料0、あくまでビオで認められる硫酸銅のみ使用しています。発酵も自然酵母による自然発酵とし、畑の仕立てはアルベレッロ・マルサレーゼ、つまり、パンテレリアより高さがあり、エトナ地域よりも低めの中程度の高さをもつタイプです。

灌漑も行っておらず、その為ブドウ樹の根は深く、海水成分を吸収しミネラル(Sapidita)が感じられる理由のひとつです。

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Varieta’ Reliquia(遺存品種)の復活支援活動

遺伝子研究機関と共に栽培されなくなってしまった土着品種を見つけ出し、新しい畑毎に2列だけ植樹して実験を行っています。

①Vitrarolo(ヴィトラローロ):黒ブドウ

②ORISI(オリーシ): 黒ブドウ こちらは中でも上手く育ったため増殖したそうです。サンジョヴェーゼとマントニコの自然交配種

フィロキセラ対策で、新しい畑で接ぎ木でない樹は取り除いて、挿し木(TALEA) を植えてから接ぎ木。殆ど全て接ぎ木をしており、8月にInnesto a campo 品種を選んで接ぎ木を施します。病気や気候変化による病気、汚染を避け、長寿できる樹を育てるための一つの方法なのです。


訪問した日、私が予定時間よりも早く着き過ぎたため、畑を案内頂いているところへAngelaさんが登場!まさに青空から現れた太陽のような方でした。

360℃見渡す限り畑で、さえぎる建物は一切なく海風がずーっと吹いていた。

『今年は、数年無かったほど、雨が沢山降ったので土の中に水分はしっかり溜まっているはず。今日のような日照で乾燥していても十分耐えられるでしょう、このまま行けば素晴らしい収穫に繋がるかと思うが、6月なので未だ断言するには早すぎるわね。』


土中に湿度を維持する為に、土の堀り起こし続けている、冬場はinerbimento草生栽培を行い、4月に動き始め収穫までずっと行うそうです。

例えばこの葉には少しペロノスポラ(べと病)の跡が見えますね。そこに硫酸銅液が施された跡があるでしょう。

インテリそうだがとても気さくで元気なAngelaさん。

土壌の成分は少し離れると異なります。この辺りは火山性土壌で黒っぽいが、海の方へ近づくと白く砂質があり、石灰質、粘土質なども交じり複雑です。とりわけこの土地の代表的な石 カルカレナイト(石灰質砂岩 / Calcarenite)は、スポンジのように多孔質で吸収しやすい性質です。

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こちらの書籍『IL FUTURO DI MARSALA』 Giorgio Fogliani著はマルサラ酒ではないマルサラの郷土ワインについて語っており、書き物が残ることは未来に繋ぐためには重要と考え、Angelaさん達も支援している。こちらを頂戴したので読み終えたらレポートしたいと思います。

シチシチリアのワインNino Barraco①- Marsalaにあるマルサラ酒ではない伝統的なワイン

シチリアのワインNino Barraco② ニーノ・バッラコ

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カタラット、グリッロ、ジビッボ、ネロダーヴォラ、ピニャテッロ(ペリコーネ)を栽培し、マルサラ地域のTerritorio(土壌、郷土)とそこで生まれた土着品種を表現したいと2004年に創業。

Angelaさんはオペラ歌手のような通る声で熱く語ってくれました。

ここで紹介するBarracoのワインは新しいラベルです。現在のニーズに合ったアルコール控えめ、酸があってシチリアの海を感じられる幅広い層に親しんでもらいたい。

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1)BIANCAMARE  ビアンカマーレ

元は『Vigna a Mare』の名で親しまれたが、 他社が既に登録済みと分かり変更を要した。2人目の子供の名前 Biancaに因んで付けた。

畑は、ホームページのトップ写真にもあり(写真下)海から30mという近さ、海岸は岩場で道路を渡れば畑、飛び散る海水salsè di acquaを浴びる距離。元々Angelaの家族所有のマルサラの畑で植え直し、99%グリッロの南向きの若い畑です。

2011年、長女誕生を祝って泡を作ることにしたそうで、ブドウはPrematura、酸が高いうちに早期収穫。

ところが、この辺り特有の海藻の香りが太陽光で発酵し始め、炭化水素idrocarburi (ペトロ―ル香)、還元臭のような香りを生み、2年目からはスティルワインへと切り替えた。

早期収穫であるため、11.5%の低アルコールになり非常に豊かなミネラル、酸、フレッシュ感を表現しています。2025年からBIOのSolfitiを添加、気候変化の煽りで、自然酵母の発酵に時間が掛かるなど、ワインを保護する目的で50ml(Bio規定の半量)だけ施すことにしたそうです。

テイスティングは2025年、 2026.3月にボトリングしたばかり。

レモンやヨウドの香り、口に含むとしっかりと酸、ミネラルが海を感じさせ、グリッロ品種の豊かなグリセリンによってまろやかさも交互にリピートされ、最後はミネラル感の余韻が強い。

【NINO BARRACOのホームページ】

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2)ROSAMMARE ロザンマーレ

2024年から黒ブドウNERO D’AVOLAでも始めた。完熟する前に収穫して アルコール度11.5%に抑えています。

ブドウとしてはグリッロより酸が高いため、若いうちはベリー系の赤果実の香りと酸のバランスが面白い。野イチゴのような酸っぱさと熟した甘さが相まって、若いのか熟しているのか分かり難い感覚を覚えます。

ネロダーヴォラのステレオタイプなジャミ―な感覚と異なり、フレッシュ感を際立たせることでアルコール度も低く軽やかなワインに仕上がっている。硬さに偏りを持たせたワインなので好き嫌いはハッキリするでしょう。

アッビナメントはピッツァ、サルミ、ムール貝のトマト入りスープ。脂分を酸が流してくれます。

Nero D'Avoraのステレオタイプなイメージとはかけ離れているため、初めは苦労したそうです。この辺りはビアンキスタ(白ワインが主流)の為、受け入れ難かったのも分かります。 樽を使わずステンレスやセメントタンクを使用するため熟成にはより時間がかかります。

なぜ、ブドウはネロダーヴォラを起用したのか。ピニャテッロはタンニンがあり、早期収穫ではタンニンが熟す前でBarracoの醸造では扱いづらい。

テイスティングは2024年、 後味にも酸の印象が続く、一般的なネロダーヴォラの印象は薄く、海を感じる赤ワインとして面白い。

Barracoでは2022年初めてネロダーヴォラとピニャテッロのブレンドを作ります。

ピニャテッロは歴史的には、酸が強く果実味が強いネロダーヴォラの補助品種でした。ピニャテッロのタンニンがネロダーヴォラの甘味を緩和していったのです。

その昔はピニャテッロは白ワインを琥珀色にしてマルサリスティカ(マルサラ地元好み)の白ワインにする手段としても使用されていた。ピニャテッロ100%のワインは歴史的には存在しなかったのは、おそらく樽や長期マセレーションが必要なことが分かっていたからだろうと。最新のヴィンテージは木樽も使用しています。

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3)Fior Bianco  フィオール・ビアンコ 2025 ✦最新ラベル

このワインは5種類のブドウたちが元気に燥いでいるようなシチリアを感じられる若さ溢れる一本です。

この地域を表現することを目的としたワインで、白品種のブレンド:50%はGrillo,その他は inzolia, cattarratto, Grecanico, 5%未満はZibibbo

『ようやくブドウ畑24haになり海外市場への二―ズに応えられる規模となった。初めはCantina sociale(組合)の醸造所を間借りしていた時代もあり、やっと各品種ごとの研究成果をボトリングして商品化できるようになった訳です。』

このラベル『フィオール・ビアンコ』はシチリアの海を感じるだけでなく、アルコール度12% と控えめ。価格帯も低めに設定しており、若い人たちや、ワインに詳しくない人にもアプローチできる、Barracoにとっても単一品種ではない新しいスタイル。

Zibibbo は5%未満なのにアロマがしっかりと感じられる。『不思議な事にZibibbo100%で造るよりブレンドされた方が強調されるんですよ。』

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とにかく、哲学が原動力の彼らのワイン造りは研究の積み重ねなのです。ですから、ワインの種類(ラベル)が多い。 そしてオリーブオイルも素晴らしかった。この辺りで栽培されるノーチェッラーラ・ベリチェ主体でビアンコリッラのブレンド。ここも高品質で作る為の人手やコストが掛かり、なかなか大変そうでした。

 次の記事では、この地の品種、カタラットとグリッロについて語って頂きました。

グリッロ4種から作られる『ALTOMARE(アルトマーレ)』セミオッシダティーボ(一部酸化)のワインもご紹介いたします。

シチシチリアのワインNino Barraco①- Marsalaにあるマルサラ酒ではない伝統的なワイン

シチリアのワインNino Barraco③ グリッロとカタラット

2026.06 Kyoko LCI

ALTOGRADO アルトグラード Vini Ossidativi

名前の通り、高アルコール度のワイン。 Alc.16.5%, 18% と聞くと今時、抵抗を感じるかもしれませんが、テイスティングすると、酸とミネラルによってバランスを取り、また特有の軽い酸化により風味に深みが感じられます。

さて、この謎めいたAltogrado (アルトグラード)をご紹介します。

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西シチリア、海から内陸に拡がるMARSALA(マルサラ)の町で昔から親しんできたワインがある。

酒精強化ワインのMARSALA DOCではない、確かに1773年イギリス人がアルコール添加して出来たマルサラ酒は当時Madeila Sicily Wineと呼び、英語という事も手伝って世界へあっという間に発信されたました。高値で売られた事もあり商業的な成功を収めました。

一方、マルサラの地元の人たちが作って飲んでいたのはシチリア方言もあり、また各家で呼び方も違って広まらなかったこともあり、今も専用のカテゴリーはなく、ブリティッシュ、オッシダティーボ(酸化酒)、など混乱している。

そこでNinoことAntonio Barracoは 『Altogrado(アルトグラード)』と登録、商品化しこの伝統維持に努めている。

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海を遠くに臨み、ファビニャーナ島も見える。周囲に遮る建物もなく常に風が吹いている。南東からシロッコ、北西からマエストラーレの風が通る場所です。マルサラの旧市街から離れた場所にカンティーナはあり、この絶景を望みながらのテイスティングはとても心地よかった。

今回は奥さんのAngelaさんに案内して頂きましたが、二人とも醸造を勉強した経験はなくNinoさんは政治、Angelaさんは法律と異なる分野の経験を経て、生まれ育った郷土マルサラの伝統を未来に繋ぎたいという想いで【哲学的】にワイン造りを行って20年以上が過ぎた。

参考までにこちらのYoutubeでNinoさんが語っています。『ワインもPolitica政治です、どの政党(方針)を選ぶかなど』


YouTube: Ep.36 - NINO BARRACO e i suoi VINI raccontati da NINO BARRACO

2004年創業、ようやく点在する畑は24ヘクタールまでになった。醸造所は組合(Cantina Sociale)に間借りしていた期間も長かった。

Altogrado アルトグラード4種類について

ピニャテッロ、ジビッボ、カタラット、グリッロの単一品種で作っている。

すべて9月末頃の遅積みで時には畑上で乾燥が始まっていることもあるほど、完熟状態のブドウを使用します。 ですから良い年にしか作れません。乾燥も一部する事からモストの量は減少しますので、一定量は収穫できる年となります。

栗の木の大樽で発酵から醸造、熟成まで行います。初め2年間はワインの充填を施しながら熟成、後の5年は充填無しで、ミクロオッシジェナツィオーネ(ミクロ酸化)を行います。栗の木はより目が粗く酸素通過が良く、この辺りでは伝統的に使用されています。

蒸発する分、濃度が高まりアルコール度数も高くなり16.5%以上になります。カタラット、グリッロは大樽ですがジビッボ、ピニャテッロはバリック使用した為アルコール度数は17.5%,18%とより高めです。これも小さなカンティーナ事情でその時使用できる樽を選んでやり繰りしているためです。

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2009年からグリッロで造り始め、研究を重ねて2015年から多品種も始め、ようやく今のレベルのワインに到達した。黒ブドウ Pignatello(ピニャテッロ)はペッリコーネのことで、元々この辺りではマルサラ酒用のブドウであり、またネロダーヴォラのブレンド用品種として西シチリアにだけ栽培されてきた。 

モデルとしてはMarco De Bartoliの Vecchio Samperi(ヴェッキオ・サンペーリ)で、グリッロ100%で造るPerpetuo(アルコール添加せずに異なるVTのワインの継ぎ足しを繰り返す製法)のワインであったが、

Nino Barracoは同じヴィンテージで継ぎ足しは行わない、マルサラ地域の農家で彼らの祖先が行ってきた伝統を継承しつつ、海水を吸収して育つブドウ栽培や醸造技術を駆使して、ミネラル、塩味とのバランスが取れたワインに仕上げている。

初年度はVolatile (揮発酸ー酢酸の鼻にツンと来るような香り)がピニャテッロにはあったり、Zibibbは予想外にこの造りに合っていて、今後の発展が興味深い、というように努力を惜しまない姿勢が素晴らしい。

Grilloから始めたが、グリッロは近年のカタラットとジビッボの交配品種なのでおそらく昔はカタラットを使用していただろうと思うとやはりカタラットで作ってみたくなったのです。そうして、更に地場品種のジビッボ、ピニャネッロと研究していったそうです。

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Altgradoアルトグラードはアッビナメントを楽しみたい。

①Pignatello ピニャテッロ

  羊乳のリコッタのブルスケッタ、イチゴとモディカのチョコレート 

②Zibibbo  ジビッボ 

  羊乳のブルーチーズにジンジャーのジャムを添えて

③Catarratto カタラット

  ペコリーノチーズにタマネギの甘酸っぱいジャムを添えて

④Grillo グリッロ

プリモサーレ(塩味があるフレッシュチーズ)にアンチョビを合わせて。 実際、Tutto pasto 前菜からドルチェまで合わせるのもお勧めで、アンチョビのブルスケッタ、(プリモ)ボッタルガのパスタ、(セコンド)マグロに甘酸っぱいタマネギソース(Tonno in agrodolce) , ムール貝のフリット(ほんのり苦み) ,ドルチェは甘すぎない羊乳リコッタクリームのカンノーロ

酸やミネラルが強いため、アルコール度数を感じさせず口の中はスッキリさせてくれます。


ー☆ーマルサラーAngelaさんの家ではー☆ー


『私の祖母はパンに付けていた、私は砂糖を入れておやつ代わりに小さい頃から親しんでいた。』
『マルサラ酒は家で飲む事はない、ボトルに入っていてお祝事やお遣い物に使うものであった。日常的に飲んでいたのはこちらのアルトグラードのような少し酸化させたワイン。

このワインは栄養食品としてオリーブやペコリーノチーズ、塩味の効いたサルミと一緒に飲んでいました。
伝統料理マタロッコ Matarocco (シチリア風トマトペースト) やZuppa fredda(フレッシュな羊乳リコッタとホエイのスープ仕立て)に硬くなったパンを浸して頂く料理との相性も良い。羊乳は風味が濃厚なのでこのワインにマッチします。
そうそう、祖父はリモナータで薄めて飲んでいましたね。』

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テイスティングは2017年、抜栓してから10日ほど経っていたが、酸とミネラル感がしっかりと感じられ、各品種それぞれの風味を味わう事が出来ました。 

カタラットやグリッロは明るいアンブラ色で、アーモンドなどナッツ類や燻製のような香り、黒ブドウのピニャテッロは色も焦がしたようなレンガ色、除光液のアセトン系の香りとナッツやスパイス香が楽しい。

特に気に入ったZibibboはアロマティックな香りと相まって複雑でバルサミックな香りがそそられます。



『Ossidativo(酸化)の香りは苦手な人もいらっしゃるでしょうけれど、この風味に慣れ親しんだこの土地の人たちには付加価値なのです。このタイプのワイン造りは廃れてしまったので私達は伝統を守りつつ改善しより美味しいワイン造りを目指し日々経験を積んでいます。』

この風景と一緒にゆっくりと味わいたい、Angelaさんが熱く語った情熱を想いながら頂きたい、そんなワインです。

この情熱はAltogradoだけに終わりません・・・マルサラへの想い、新しいチャレンジについても語ってくれました。こちらもご覧ください。

シチリアのワインNino Barraco② ニーノ・バッラコ

シチリアのワインNino Barraco③ グリッロとカタラット

2026.06 Kyoko LCI