チロ最古のガリオッポの造り手という、セルジョ・アルクーリに会えることを心待ちして、カンティーナへ向かった。
実は春頃から連絡を取り付け、10月訪問の予約をしてから、夏場に再度連絡すると、なかなか繋がらなかったが、いざ繋がると「ずーっと畑にいるんだよ(笑)』と。
アパートメント建物の地上階、ここが彼のカンティーナ、合っているのか不安ながら入ってみる。


セルジョ・アルクーリは息次ぐ間もないほどのスピード感で、熱く語ってくれました。
ナチュラルワインではなく➡『VINO ARTIGIANALE』ヴィーノ・アルティジャナーレである!
祖父Giuseppe氏がブドウを栽培し始めた1974年、チロ・ソープラの少し標高のある海から内陸に入った場所であった。現在はチロ・マリーナの平野部に他の生産者の畑も多いが、昔は海からのリスクもありオリーブが主流であった。
その土地を受け継いだ息子たち、つまりセルジョの父や叔父だが、叔父は全て売ってしまい、一方で父親Giuseppeは若くして、カンティーナを始め、VINO SFUSO(ヴィーノ・スフーゾ)という測り売りで販売していた。
2009年に、セルジョはボトリングを始めた。
丁度その頃、A VITAのフランチェスコを筆頭に始まった『Ciro’ Revolution (チロ・レボリューション)』が創立されるのである。


チロはカラブリア州のイオニア海に面している地域にある。ここのクリマがガリオッポに最適だというのだ。 風が常に吹き、日照が強く、雨が降らない。この気候・土壌条件によって熟すのもゆっくりなのだそう。 良質で収量が低い。しかし、バローロよりも優しい価格帯で販売されている。
ブドウの液果は小粒、果皮が薄いが、非常にクオリティのよいタンニンを含んでいる。
よって長期熟成に適している。彼は4年以上と6年以上の2種類のRISERVAを造っている。
①Ciro Rosso Classico Superiore Riserva “Aris”
チロ・ロッソ・クラシコ・スペリオーレ・リゼルヴァ・アリス
②Ciro Rosso Classico Superiore Riserva “Piu Vite”
チロ・ロッソ・クラシコ・リゼルヴァ・ピュ・ヴィーテ
Piu Viteの名前は沢山の生命・ライフといった意味があるが、このワインは長く熟成させているため、長い時間を経て、より複雑な味わいを持つことを意味している。


2025年 カラブリア州のDOCGが出来ました!
Cirò Classico DOCGへ昇格!
品種:ガリオッポ 90%以上、 マリオッコ、グレコ・ネロ 10%まで使用可
アルコール度数:13%以上
熟成:市場にリリースまでに36か月以上(収穫翌年1月1日からカウントして)。
そのうち、木樽熟成は6か月以上必要。

セルジョさんはネットで見つけて購入したという、これらのCIROワインを見せてくれました。
ヴィンテージは1961, 1964, 1984 ・・・
トリノのボトリング業者、Lorenzo Bertoloは当時素晴らしいワインを買ってきて、ボトリングしていたという。その中に、CIRO Classico DOC があったのです。

カンティーナには大きめのステンレスタンクが2つ、お父様が造ったという蓋無しのセメントタンク、今も現役です。
奥には白いセメントタンク2台があります。
階段を降りると、こちら写真の赤く塗られたセメントタンクが2台あります。内壁は樹脂コーティングを施していないそうです。
少し前までは樹脂コーティングが当然だったようですが、剥がれてワインに混入するリスクなどから、ステンレスタンクへ移っていきました。今またセメントタンクの人気が高まっていて、それもコーティング無しというから、時代はセルジョさんなのかもしれません。
タンク内の掃除は10歳からずっと自分で!
『僕は痩せていて、太れないんだ。この入り口から入ってタンク内を掃除する必要があるからね。』


こちらのベージュの樹脂製タンクは特注で、一番性能が良いそうです。
そして、その横に隠れていたいくつかのダミジャーノ(昔はこの容器にワインを保管していました)にはプライベート・リザーブワインが入っているそう。

1948年に2ヘクタールの土地から始まり、栽培仕立てはアルベレッロ(株仕立て)
今では約4ヘクタール。畑は4つに分かれており、Pochissimo Trattamento 畑での使用剤は 最低限の銅と硫酸のみ
2024年からラベル規定に、原材料を記す義務が生まれた。 よって、今ではラベルにあるQRコードを読めば明確である。


一見雑然としたカンティーナ内であるが、熟成したワインは本当にキレイ、エレガントである。
価格的にも、合わせるお料理もピッツァがいいよ、といった気取らないところがまた素晴らしい。
正直ピノネーロを思わせるほどの完成度に、感動しました。
セルジョ・アルクーリ
https://www.vinicirosergioarcuri.it/
Kyoko M 2026.10
LCIイタリアカルチャースタジオ