2025年7月15日

2025年7月15日 (火)

Isabellaさんに案内され、シックなテイスティングルームへ。まず白ワイン、2023ヴィンテージのこちらをテイスティング。

テスタマッタ・ビアンコ TESTAMATTA BIANCO 2023   ISOLA DEL GIGLIO TOSCANA

コローレ・ビアンコ COLORE BIANCO 2023  ISOLA DEL GIGLIO TOSCANA

ブドウは アンソニカ100%

熟成(Affinamento)は約6か月間、約70%フレンチオークバリック、約30%はステンレスを使用。

『テスタマッタ』と『コローレ』はまるで異なるワインの感覚ですが、ブドウ品種や醸造方法は同じです。つまり違いは畑にあります。

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ジリオ島の急斜面にある畑で海に向かうように育つブドウ樹は、常に海風にさらされています。風から守るためジリオ式アルベレッロの栽培仕立て。

『コローレ』は 単一畑『ピエトラボーナ Pietrabona』のブドウだけを使用します。良質な岩という意味の畑はまさに花崗岩質の岩が広がる土壌です。どちらも高樹齢の樹ですが、特にpietrabonaの樹は平均100年、島の中で最年長だそうです。

更に他のブドウより4日待ってから収穫するため、色やアロマ(フェノール)がより熟成し、濃厚です。収穫を遅らせるのは偶然の発見から始めたそうです。

『テスタマッタ』はレモンやハーブのような爽やかな香りに酸、ミネラルがしっかりありますが、アルコール(13%)とのバランスが取れており、超が付くほどエレガントです。

『コローレ』はそれに対してトロピカルフルーツ、マンゴーやパイナップルの香り、骨格がありますが、酸とのバランスが取れているため、アルコールを感じさせずに余韻を楽しめます。こちらは合わせるお食事のバリエーションが広がります。

Isabellaさんはラーメンのような複雑な出汁にも合うのではと仰ってましたが、まさにホタテのオーブン焼きなど出汁の効いた料理や昨夜頂いたアンチョビとバターのクロスティーニが合いそうな気がします。

若いヴィンテージだけでなく、忍耐強く待って熟成させるのもこのワインの醍醐味です。Foto_25

Isabellaさんはフランス(サンテミリオン)のカンティーナでも働いた経験があり、また重要なワイン産地はフランス、イタリア、カリフォルニアと周ったそうです。

フィレンツェに居るとトスカーナの素晴らしいワインは沢山頂けるけれど、他の地方のワインはなかなか頂く機会が少ないので、休みを利用して出かけるようにしているそうです。

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次に赤ワイン、2022ヴィンテージと2023ヴィンテージのこちらをテイスティング。

樹齢の高いサンジョヴェーゼ100%使用のスーパータスカン!

テスタマッタ TESTAMATTA  2023 /2022   TOSCANA IGT

幾つかの畑からセレクトしたブドウだけを使用。

コローレ COLORE BIANCO 2023 /2022   TOSCANA IGT

キアンティクラシコの地区Lamoleの樹齢80~90年のブドウを主に使用。標高650mと高地にあります。Olmoの畑も使用する場合があり、どの畑も区画ごとの成熟状態を確認しながら、収穫を行い、更にカンティーナで選果します。つまり、完全なブドウだけを使用します。

それから区画毎のブドウをソフト圧搾、オープン状態の容器でリモンタージュや櫂入れ(Follatura)を行って果汁、色、アロマを抽出します。自然酵母を使用。

全てマニュアルなので小まめに状態を確認することが出来るのだと思います。

どちらもサンジョヴェーゼ、約18カ月のバリック熟成ですが、異なる感覚の2つのワイン:

『テスタマッタ』はフルーティな香りと酸がより特徴的で、『コローレ』はタンニン、ボディはありますが、超越してエレガントな仕上がりに驚きます。

2022年は特に暑かったため、使用ブドウを標高の高い畑のものだけに限定し、生産量を約半減させたそうです。 

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更に BALOCCHI バロッキシリーズをテイスティング。

バロッキ Balocchi di Colore n°8 2022  品種:カナイオーロ 100%

バロッキ Balocchi di Colore n°0 2022  品種:カナイオーロ 70% コロリーノ 30%

バロッキシリーズはオマージュでカナイオーロ、コロリーノ、サンジョヴェーゼのブレンドを造った際に、これらの品種は単一で造る価値があると気付き、始まりました。

ブドウは主にオルモの畑で標高250mの風が常にある場所だそうです。

3種各単一ワインの3本セットで販売したところ、大人気となったそうです。

ラベルは息子さんのLudvicoくんが主にデザインしたそうで、これも成功の理由のひとつかもしれません。これから、2020年ヴィンテージのN゜0, N゜1,N゜4の3本セットを木箱に詰めて販売するそうです。その木箱にはひとつひとつビービーグラーツ氏がデザインし、唯一無二の商品となります。コレクターは大喜びでしょうね。

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偶然この日は白ワインのブレンドを始めたところでした。BiBiは独学のエノロゴでもありますが、

ご友人のエノロゴEmiliano Falsini氏も協力してらっしゃるようです。Viniitalyでお会いし、ここで再会でき、嬉しくなって思わず写真をお願いしましたら、恥ずかしそうにOKしてくれました。

エミリアーノ氏も素晴らしいワインを造ってらっしゃるエノロゴであり生産者で、ボルゲリ、エトナ、マンモイアーダを選んでらっしゃるところがまた凄く、ストイックな方なのだと思います。

奥の部屋には数十本のボトルが並んでおり、試験管で微量を変えながらブレンドを試してらっしゃる様子が伺えました。朝から晩まで、また何日も何週間も続くこともあるそうです。

これだけ研ぎ澄まされた感性をつぎ込んで造られるワインなのだと実感した次第です。

次はジリオ島の畑も観てみたいです...

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イタリアワインの好運の星、BiBi Graetzを尋ねる

カンティーナについての記事:高得点のワインを造るBiBi Graetzを尋ねる

『COLORE 2022』はジェームス・サックリング100点、他のワインも同様に常に高得点を出しています。そのようなワインが出来上がるBiBiのカンティーナをIsabellaさんに案内して頂きました。

ビービー・グラーツ氏はフィレンツェの美大 Accademia delle belle artiを卒業し画家を目指していましたが、約25年前からワイン造りを始めて、あっという間に世界に注目されるようになったという稀有な存在です。

アーティスト魂はボトルのラベルのデザインやカンティーナの壁色などにも見られます。

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カンティーナへ案内されるとそこは手作り感一杯で、親しみを感じます。やはり元ホテルとして建てられた構造なので、ほぼマニュアル作業で、樽の移動や導線にかなり工夫をされています。

真ん中の写真の天井にミラーボールが見えます。この部屋は当時ディスコ(Discoteca)の部屋だったそうで、あえて残すところが面白いですね。天井にはエレガントなストッゥキ(Stucco)も残されていました。

樽はバリックだけでなく大樽も幾種類かあり、すべてフレンチオークの使用済みの樽です。彼はエレガントでブドウ本来のアロマを感じられるワインを目指すため、新樽は使用しません。

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彼が育った場所ヴィンチリアータとオルモの畑は、フィエーゾレの更に標高の高い場所に広がっています。 日照は勿論、常に風が吹いているミクロクリマに注目し、80haの土地を所有、そのうち10haをブドウ栽培に使用しているとのことで、彼の未知なるワイン造りが続きます。

オルモは昔からブドウ栽培されていて、列ごとに品種が異なるそうです。昔は品種へのこだわりや単一品種でワインを造る感覚はなかったので、混栽が通常でした。樹齢の高いブドウの樹を選ぶこともBiBiのこだわりのひとつです。

そんな多様性(Biodiversita’)を温存するオルモの畑から出来るワイン、BALOCCHI DI CUORE(バロッキ ディ コローレ)は最近のシリーズで、1種類を除いて、各品種ごとに収穫、醸造して造られるそうです。

例えば、Balocchi di Colore N゜8は Canaiolo(カナイオーロ)100%

なんだか香水の銘柄のようなネーミングです...

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上の写真に見られるようにバリックに手書きで品種名や畑名が書いてあり、それぞれ個別に醸造していることが分かります。バロッキシリーズの各品種ごとに1000本といった希少な生産量です。

もうひとつの畑はキアンティクラシコで知られるLamoreにあり、中でも標高650mと高く、ブドウ樹は80-90年とより高樹齢です。斜面は急で、一部テラス式栽培方法を使用しているそうです。

この畑からCOLOREのワインが造られます。

カンティーナ(醸造の部屋)の上階が地上階と繋がり、収穫されたブドウが運ばれてきます。

場所がフィエーゾレのメイン広場に面しているため、その時はみんな観に来て大賑わいだそうです。

畑から運ばれてきたブドウはテーブル上に並べて、選果を人の眼、手で行い、完全なブドウだけが醸造に送られます。特にBiBiは緻密にチェックするそうです。

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Isabellaさんが惚れ込んだ彼の白ワインについては、トスカーナ州南部、地中海に浮かぶ島、ジリオ島で造られます。 初期はフィエーゾレで醸造していたそうですが、島なのでフェリー(トラゲット)を使って片道約4時間かけて運搬する苦労とブドウの品質を危惧して、ジリオ島で白ワイン造りは行っています。

ジリオ島は人口1000人ほどの自然豊かな小さな島です。マグマを起源とし、その後花崗岩となった岩質が多い土壌です。

急な斜面にテラス式といっても、細い通路に人がやっと通れる程度の畑の栽培は全て手作業です。TatianaさんにこのYoutubeのビデオを見せて頂き、改めて実感したのは、ボトルの中のワインにはこんな絶景の場所で育てられてきた歴史背景と、人の手の温かみです。


YouTube: BIBI GRAETZ - ISOLA DEL GIGLIO - HARVEST TESTAMATTA BIANCO & COLORE BIANCO

2025.07.11 次はテイスティングへ

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