~I Dialetti in Italia~
2019年6月16日に、イタリア文化セミナー&ワークショップ『イタリア語の方言について』を開催しました。
3月に開催したセミナー『現在のイタリア語が出来るまで』に続いて、イタリアの方言にフォーカスしてみました。
日本語の方言とは異なる定義が、歴史の深いイタリア語にはございます。イタリアの政治的な統一の歴史と共に言語はどのように変化を遂げたのか。また、各地で話されるイタリアの言葉に焦点を当て、方言だけでなく、ジェオシノニモなどの他のカテゴリーにおいても勉強して参りました。
前半は、イタリアの各方言はどのように始まったか、現在の標準語と言われるイタリア語が広まった背景を、文学や教育の影響を年代ごとに分かり易く説明しました。
イタリア統一と標準語の普及と共に、方言は一旦なおざりにされましたが、その後見直されるようになり、現代の音楽や小説、映画など広い分野で方言が取り入れられるようになりました。
1984年、歌手のFabrizio De Andrèによる『Creuza de mä(viottolo di mare)/海への小道』というアルバムは全曲ジェノヴァの方言で歌われています。またこのレコードは日本でも販売されたそうです。
YouTube: Fabrizio De André - Creuza de ma (Live)
LCIのSara先生が学生時代を過ごしたヴェネツィアでは、PITURA FRESKAというグループがヴェネツィアの方言で歌い、1997年、サンレモ音楽祭で披露しました。今でもヴェネツィアのBacaroバーカロ(ヴェネツィアならではの居酒屋)では、彼らの曲がよく流れています。
PAUSA(休憩)には、プラートの町で生まれた伝統ケーキ「TORTA MANTOVANA トルタ マンドヴァーナ」(手作りです)と シチリアのブラッドオレンジジュースで一休み。
セミナー後半では、方言以外のジェオシノニモは、RAGAZZO(男の子)を意味する言葉は各地で異なったりします。この地方性の豊かさを楽しめるのもイタリアならではです。
また少数派言語について。 サルデーニャ語の他にフリウリ語は消滅の危機にあり、世界遺産の他、イタリアでも言語として認められたようです。他にはラディン語もあります。
北から南までの地方ごとのイタリア語の違いについても触れ、現地で話されているイタリア語の知識を深めていただけたと思います。
方言は、文化や地域社会に結び付き、今なお活きた言葉なのです。
是非イタリアを訪れた際にはその地域の方言にも耳を傾けられると興味深い旅になるかもしれません。
☆ご参加された日伊文化交流会柴田様より感想ブログ(←クリック!) を頂戴しました☆ Grazie mille!!!
ご参加頂きました皆様、ありがとうございました。
LCIイタリアカルチャースタジオ
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