ナポリから水中翼船(Aliscafi)で1時間行くと、小さな小さなプロチダ島に着きます。
映画イルポスティーノの舞台で私もこの島の存在を知ってから、訪れたかった場所です。5月初旬ですが、陽は8時くらいまで高く、トロイジが恋した彼女のレストランに着いたころにようやく、暗くなり始めました。
観光客は未だ少なく、映画のシーンがそのまま甦ってくる場所で食事を取りました。オーナーは喜んで店内を案内してくれましたが、どうやら2階の部屋は一般住居となったようです。
郵便配達で使った自転車や鞄など展示してありました。
お料理は海を眼前に眺めながら、ムール貝とアサリのスープに、カンパーニャは揚げものが多く、やはりアーティチョークとペコリーノのフリットに白ワインはファランギーナ、食後にリモンチェッロ......
丁度陽が落ち始めたころは街灯が点灯し始めるので、明るい色彩の建物に反射し、幻想的な雰囲気たっぷりです。 のんびりした場所にはやはり猫が風景に合うようです。
壁やドアの色が鮮やかで、気分まで高揚させてくれます。漁師町だった島はきっと遠洋漁から帰ってくるときに、自分の家がわかるように色分けしたり、目印を付けたりしたのでしょう。
滞在したのはVilla Mazzella 、港からゆっくり10分ほど歩いた高台にあります。お庭での朝食はレモンの木の下で取り、お部屋も快適で、サービスは南イタリア風に、時間は気にしないようでした。
島は細い小道が入り組んでいて、インフォメーションで頂いた簡単な地図では、なかなか思うように辿りつけないといったおおらかな島民たち。
小道の脇から覗く窓からはこぼれるように碧い海が広がります。
空と雲と海と白壁のコントラストが、清々しい心地にしてくれます。