今年100年目を迎えるワイナリー『MARENCOマレンコ』はピエモンテ州の東側、ストレヴィにカンティーナがあります。
現在は女所帯(3姉妹)で賄っているそうで、今日の案内はDrettaさん。とっても温かみを感じました。
畑は徐々に広がって今では100ヘクタール、(写真右の通り)南東のストレヴィやアックイ辺りのモスカートとブラケットの品種、その北側に近年DOCGに昇格したNIZZA DOCG、ここはバルベーラが栽培されます。
写真左のように、Terra Rossa赤土のエリアと Terra Bianca白土のエリアに分かれます。
白土壌ではモスカートやブラケットなどのアロマティック品種、更にドルチェット、赤土壌ではバルベーラの他、コルテーゼが栽培されます。
グイヨ仕立て栽培を採用しており、今でも傍にバラの花を植えているそうです。
昔はバラの花がブドウに病気をもたらす虫に繊細なため、バラの花に虫が付いたことが分かるとブドウにも危険が及ぶと予想され、先に硫酸銅などで対応していた訳です。
ここでは収量を抑えてクオリティー重視の栽培を行っています、1本の樹あたり2~2.5kgだそうです。収量の多いところではその倍収穫するそうです。
1月Potatura 剪定をし、実が多く付いた場合特にカリカアジノなどは6月にDiradamento 間引きを行って収量をコントロールしています。
'' BIG BENCH'' がここにも! デザイナーCris Bangleが、ツーリズモを促進させるために発案されたものです。
今日は曇りでしたが、天気の良い日には山々が見渡せるそうです。
南東にはColli Tortonesi トルトーナの丘陵地帯、最近注目されているティモラッソのブドウ栽培の発祥地が広がります。その先にはアペニン山脈、そして海へと続きます。低い山々のため、海風はここまでやってきます。
左写真のように、ストレヴィの畑で、この辺りはパッシート・ヴァレーと呼ばれ、モスカートのパッシートがとても有名です。 またこの装置は大学との連携で、自然状態の記録が送られており、観察しているそうです。
ドレッタさん、旦那さんは医師で別業なんです。祖父母が購入した土地から始めたブドウ栽培、父親が充実させた後を3姉妹で引き継いだそうです。
✦✦✦テイスティングワイン
VITIGNO RARO// 珍しい品種!
左写真) この2種類はとても珍しいブドウで造られています。
①ブドウ品種:Caricasino カリカアジノ、別名 Barbera bianca 白バルベーラ
文字通りの意味はロバは沢山荷物を背負っている.という童話に出てきそうな名前です。
彼らのワイン名はCARIALOSO カリアローゾと方言にしたそうです。
バルベーラに形状が似ていたことで白のバルベーラとも呼ばれるそうです。
バリック、シュールリーを掛けていますが、ほんのりアロマティックな甘い香りと繊細な味わいが特徴的です。
②ブドウ品種: Albarossa アルバロッサ、実はネビオロ(Nebbiolo di Dronero)とバルベーラの交配だそうです。 熟成は樽を使用、フルーティ、スパイスの香り、そしてネビオロの余韻の長さを感じます。
(写真右)
③Scrapona Moscato d’Asti DOCG モスカート ダスティ
1996年に植樹したモスカートの畑の土壌はマール(泥灰土)が主体です。マールは海水が引いて出来た泥灰土、同様にTUFOは火山性土壌で出来たものです。
この土壌と気候により、酸がしっかりとあるため、甘いワインであるが心地よいバランスが良いのです。
④Cirea Barbera d'Asti DOCG Superiore バルベーラ ダスティ DOCG スーペリオーレ
良いブドウが出来た年にのみ造られるラベルで、Cireaはストレヴィの中でも古い畑だそうです。
先に書いた通りストレヴィはパッシート・ヴァレーと呼ばれるほどモスカートなどのパッシートが有名です。
マレンコのパッシートも素晴らしく幸せな気分にしてくれます。
◎Passri’ Scrapona ストレヴィ DOC パッシート Strevi DOC passito
◎Passri’ Pineto ブラケット ダックイ DOCG パッシート Brachetto d’Acqui DOCG passito
テイスティングの後、ランチのお勧めを伺ったら、畑を通り抜けてどんどん上がっていくと、
1軒ポツンと畑の真ん中にある宿もやっているレストランがありました。
家族経営で、若夫婦がキッチンで作っていて、お母様がサービスをするという、珍しい?パターンでした。
お勧めです。https://cascinamarcantonio.it/en/restaurant/
ピエモンテ郷土料理 IL TONNO DI CONIGLIO ウサギのツナ風料理と狩猟肉ジビエ料理を頂きました!
2025.05 Kyoko