Tallone活版印刷所では、文字を彫刻刀(bulino)で手彫りする。スタンプの材料は主に錫、鉛だとか。
文字の大きさは毎回、本のサイズに合わせる。真ん中の写真はある本の一ページだが、改行時に文字が切れないよう、言葉の間隔を調整している。
フォトポリマー樹脂など使用せず、パソコンのクリックで文字を打つこともなく、果てしなく時間のかかる手作業です。しかし、本の出来上がりを見ると風合いのある、代え難いものだと実感します。
真ん中の写真は昔から使用される紙のカッターです。上のハンドルを手で回すと刃が斜めに降りてきて、カットがきれいに仕上がります。
右の写真は1400年代、つまりグーテンベルクが印刷業を始めた頃にイタリアに伝わった場所と年代が記されている。やはりローマ近郊に一番先に入ってきたようです。
活版技術そのものは中国や韓国が先だそうで、それをヨーロッパで印刷業として確立させたのがグーテンベルクだそうです。
【文字スタイルのアーカイブ l’archivio letterario del Novecento】
1930年代にアーティストたちによって文字スタイル(フォント)が開花した。特に広告の対象、目的に合わせてあらゆるデザイン文字が生まれた。現代ではその復刻版ともいえる文字が多様に使用されている。もちろんコンピューター仕様ですが。 私から見るととてもスタイリッシュな文字たちだ。
森の中に佇むこの工房は、緑と優しい日差しに囲まれ、癒しの空間です。
この環境で貴重な手工芸の本が生まれるんですね。
お嬢さんも家業を引き継いでらっしゃいます。この部屋にはここで出版された本のサンプルが保管されています。
真ん中の写真は『ピノキオ』の原作で、挿絵もここで作ったそうです。紙の色は淡いブルーでシチリアの紙製作所のものだそうです。
フォントは『ガラモンド』、とても読みやすいので、定番の人気だそうです。なんとこの本600ユーロするそうです。
右側はレオナルド・ダヴィンチの『アトランティック写本』Codice AtlanticoにあるLudovico il Moroへの手紙で、ダヴィンチの初めての履歴書だそうです。
【 parco con il mulino da carta, gli alberi secolari e le locomotive a vapore】
お庭にはオリーブオイルの搾油と同様な石臼があり、その昔紙づくりに使用されたものです。
森は樹齢100年以上の樹が生い茂っています。
そして蒸気機関車がこんなところに。 その昔、本と交換して入手したコレクションだそうです。それほど印刷した本が高価だったんですね。
Editore italiano (Bergamo 1898 - Alpignano 1968)