ADAMI -コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネのプロセッコ

(続)カルティッツェの畑が見える場所まで行こうと、フランコ氏(ADAMI生産者でプロセッコ協会会長を兼務する)と丘を登っていくと、突然見晴らしの良い五角形の形をしたすり鉢状の土地が現れます。

CARTIZZE:最初に出来たRIVE(区画、クリュの概念に近いもの)です。全体で107ヘクタールの広い区画です。132のブドウ栽培の生産者で所有しています。カンティーナは150社にも上るそうです。各生産者は小さな畑をを持っているのですね。

COMUNE(村)はValdobbiadeneに位置し、Frazione(comuneの中の地区)は S. Pietro di Barbozza, Santo Stefano , Saccolに広がっています。 

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1933年のシエナで開催された初めての郷土ワインの展示会に、フランコさんのお祖父様がGiardinoとこのCartizzeの2本のワインを提示しましたが、Cartizzeは中でも素晴らしかったそうです。

当時から評価され、ポテンシャルがあったことが伺えます。

プロセッコのブームは80年代です。70年代フランコさんは既にプロセッコを造ってましたが、価格は以前と変わらずでした。80年代に入り、価格は倍になり、今では5倍です。

カルティッツェのブドウは約6€、ヴァルドッッビアーデネのブドウは2€。

Prosecco「ここの環境はスペシャルなんです、1937年から景色はほとんど変わっていません。少し家など建物が増え、木々が減ったけれど、畑は沢山あって昔と変わらないです。」

『カルティッツェ・アルト(上部)』おそらく1800年代からブドウ樹はあったでしょう。傾斜が急なので他の作物は不可能なんです。独特のクオリティーがあります。

『カルティッツェ・バッソ(下部)』土壌はより深く、粘土質が多い。収穫時期は一番遅いエリアです。

収穫時期も畑毎に行います。①Scandonela  10日早く、②Colbertaldo,そして ③Valdobbiadene- ④Combai(冷涼で閉じたエリアの溪谷で、熟すのが遅い)は10③遅く、順に収穫していきいます。

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世界中に知られたプロセッコは、造るのも簡単で飲みやすいワインとして有名ですが、この景色を一見すれば分かるように、場所によって違うのです。このミクロクリマ(メゾクリマ)から高品質なワインが生まれるのです。

Colbertaldoではシャルドネを栽培しているそうです。「PROSECCO Valdobbiadeneは15%までシャルドネを使用可。ヴィンテージによって2,3%はブレンドするのは良いと思う、好まない生産者もいるが、殆どみんな入れている。(^^)」

『ADAMI家のストーリー』を少しここで語ってくれました。

1920年 祖父がGiardinoの畑を買った。13人の息子がいて、上の5人がブドウの樹を手で(機械はなくマニュアルで)植えました。この辺りは伯爵がいた頃からブドウ栽培していたからです。

このチリオーネ(ciglione)、一種のテラス式畑が将来、世界遺産に指定されるとは知らず。

父は学校に行きたがらなかったので、祖父がCarpeneに送ったところ、父は気に入ってワインの世界に入っていった。その後この地域のワインを買ってカルペネに売っていた(ブローカー)。叔父さんも従妹も続いて行った。そんな訳で『カルペネ』とは深い繋がりがあります。 

親の代まではスティルワインや量り売りワインなどいろいろ作っていましたが、私たち兄弟は国際化に力を入れて、スプマンテープロセッコだけを造っています。

6種類のプロセッコ・ヴァルドッビアーデネと1種類のトレヴィーゾDOC(平地の一番生産量が多い場所)

『CASEL(CASEI)』 畑(Rive)にある山小屋を指すが、昔はみんな親戚兄弟、点在するCASEIに住んでワイン造りをしてきたんだ。僕のワインが一番だけどね(笑)

CASEI(カゼイ)はADAMI家を代表する愛称だそうです。

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本当に見晴らしがよく、空気が澄み渡る日は50㎞先のヴェネツィアのサンマルコ広場の鐘楼が見えるそうです。

溪谷の地形は3層になっており30kmほど平行にVittorio Venetoまで続く。この溪谷沿いにSan Martinoから車で走ると 片側に丘陵斜面が広がり、片側に平地が広がる、なかなか素晴らしい景色です。 



【ADAMI  プロセッコ- ヴァルドッッビアーデネのテイスティング】

①BOSCO DI GIGA Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore  Brut

DEI CASEL  Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore 

  Extra Dry , FINE PRESA DI SPUMA(澱とのコンタクト終了)2024年3月 

 最初のアタックは軽やかな甘さ、次に柔らかい酸ー後味はすっきりドライ 

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③ VIGNETO GIARDINO Valdobbiadene DOCG  Prosecco 

   RIVE DI COLBELRTALDO   ASCIUTTO (NON  DOSATO) Alc.11%

COL CREDAS Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore  

    RIVE DI FARA  DI SOLIGO  Extra Brut Alc.11.5%

③糖添加無し(パドセ)と④エキストラドライとの飲み比べを行った。 ④は口当たりがよくまろやかさが感じられ、③はすっきりドライだが、柔らかいタンニンで骨格があり③が好みでした。

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⑤CARTIZZE Valdobbiadene DOCG  Superiore di CARTIZZE  DRY

  チョコレート、フルーツタルト、パンドーロ、パネットーネなどに合わせたい。残糖度25g/l。

COL FONDO Valdobbiadene DOCG  Prosecco Superiore Sui Lieviti 

 Brut Nature、FINE PRESA DI SPUMA 28 APR 2024 (澱とのコンタクト終了日)

 澱を残したまま。お好みで、澱が沈静した状態で頂く、またはボトルをひっくり返して澱を混ぜて頂いてもよい。

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LCIイタリアカルチャースタジオ、Kyoko Matsuyama 2024.10