妻Simonaへのアモーレとワイン(ジャンフランコ・フィーノ)

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 Dove si trova? ≪場所≫ 

イタリアの踵と呼ばれるプーリア州の南部、イオニア湾を臨む、ターラント県、ワイン『プリミティーボ・ディ・マンドゥリア』で有名なマンドゥリアにGianfranco・Finoのカンティーナはある。

2004年ワイナリーを始めたのはSavaという村、1.3haの畑から始めて、約3年で14haまで拡張した。

2021年ワイン・リゾートとしてマンドゥリアに新しくカンティーナを創り、醸造所、テイスティングルーム、レストラン、ホテルも備えた。また、この建物の周りに9haの畑が広がっており、テラスに上がって眺めると風の影響を北から、また南からの海風も常に受けていることが実感できる。

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 Gianfranco Finoとは? 

 Gianfranco氏はオリーブオイルの世界で著名だった方でしたが、アグロノモ(農学者)として、エノロゴ(醸造家)として、Territorio(郷土性)にこだわり、最高品質のものを造るという信念に基づき、今日の成功を導いた。

ジャンフランコ・フィーノはプリミティーボとネグロアマーロの2品種だけ栽培。Savaのオリジナルの畑は樹齢60~90才の樹がアルベレッロ仕立てで育てられている。

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 マンドゥリアのミクロクリマ 

マンドゥリアの方(写真の畑)はグイヨ―仕立てで密植ですが、間引きをする為、収量は低く、おおよそ6,000本ほどに過ぎない。灌漑は行わないため、根が6mにも及び、自ら地下水を吸収している。

通常雨量は少なく、日照の多いエリアですが、昨年2023年は3月~6月に雨が多かったため、べと病やうどん粉病が発生した。海まで15kmと近いので、アフリカからはシロッコの風を常に受け、湿気とサハラ砂漠の砂(ミネラル分)が運ばれてきます。 カンティーナの周囲には約8h プリミティーボ、約2.5h ネグロアマーロが栽培されている。

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   マッセリア・カンティーナの建築 

カンティーナの建物はこの地域から掘り起こした凝灰岩で建てられ、地下7mほど深くに貯蔵庫があります。土壌は鉄分を多く含んだ粘土質の赤土でその下に砂地、昔海だった事から貝殻が見られます。更にその下が凝灰石の岩といった構造です。

マッセリア(プーリア州農園の建物)を再現するべく、天井はステッラという星形のヴォールト建築技法が用いられています。太陽のように光る照明カバーはグロッターリエの陶器で、隣町のグロッターリエは昔から陶器作りが盛んで工房が立ち並びます。Francesco Fasano氏の作品です。

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【プリミティーボへのこだわり】

14haの高樹齢の畑を土壌やミクロクリマにより14区画に分け、それぞれに適した時期(8月末頃)に収穫します。

プリミティーボの語源『precoce(早熟)』より収穫は早めのブドウです。

収穫は毎年決まった方々20-25名ほどが手伝ってくれます。

朝5時~12時の気温が14-15℃の時を狙って、20㎏のかごに手摘みします。傍に停めた約13℃の冷蔵トラックに積みます。カンティーナ横で選果されたブドウを除梗し、重力を活かして地下のステンレスタンクの中へ送ります。タンクの周りに冷水を流す仕組みみよって、温度管理しています。

20日間かけて、ゆっくりとした自然酵母のアルコール発酵を行います。マセラシオン中にデレスタージュを1日2回施します。デレスタージュは、タンク内の果汁をポンプで一旦引き出した後に、その果汁をタンク上のから、脇から優しく流し込みます。この工程を行うことで、 果皮からの色素、タンニンの抽出を促進させ、柔らかく果実味が豊かになります。その後ソフトプレス、バリックで9か月寝かせます。ESのワインはここでボトリングされます。

【ES RED】 渾身のリゼルヴァ 

リゼルヴァは、Gianfranco氏が全ての樽をテイスティングし、選ばれたものだけ更に1年バリックで熟成させます。瓶内3-4年寝かせます。このラベルはシルク製で、全てTommasoさんが、1枚づつ手で貼り付けます。更にカプスルはGommalacca(シェラック)の樹脂を使用した手製です。

【ES】特にドイツ人からのリクエストで、マグナムや15Lなどのサイズも用意なさるそうです。

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 プリミティーボはいつ、どこから?

今では土着品種となるプリミティーボですが、元はクロアチア(モンテネグロ)のブドウです。バルカン半島民族イリュリア人がプーリアにもたらしたとされ、それがGioia del Colleだそうです。

そこからマンドゥリアに辿り着いたのは1800年代のある結婚式で、アルタムーラのサビーニ伯爵夫人がマンドゥリアの伯爵に嫁いだ際、持参品にはプリミティーボの苗木もあったそうです。

ベネディクト会の修道士たちが布教活動と共にもたらしたという説もあります。

また、別ルートでカリフォルニアにももたらされ、ジンファンデルとして国際的に親しまれています。

 ワクワク、ドキドキのテイスティング 

 プリミティーボのワインでは高価であり、希少性もさることながら、今回、FIS/WSA(BIBENDA)のソムリエコース卒業生が7名いるグループで臨んだ訪問に対して、Gianfranco・Finoさんは何と招待してくださったのです。 カンティーナで働くGianlucaさんも同じ講師に習ったそうで、FIS/WSA同僚として、一緒にメンバー写真を撮りました!

Foto_41BIBENDAが運営するFIS/WSAソムリエメンバー!!!Gianfranco Finoにて

 プリミティーボとネグロアマーロの違い? 

プリミティーボは一昔前まではボトリングされず、色素が濃く、糖度が高いブドウの為、北部のワインを強化する為に販売されていました。

果皮は薄く、タンニンが非常に少ない、一方、ネグロアマーロの果皮は厚く、タンニンがしっかりあり、糖度がやや低め。そのタンニンの分子は単一形で、収斂性がより感じられるため、木樽を使って酸素との結合を促すことにより、分子が分離し細かくなり、滑らかなタンニンへと変わっていきます。

プリミティーボにはタンニンが少ない為、バリックを使用する事で木に含まれるタンニンをワインへ吸収させ補ってやる効果をもたらします。

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【Sn】Simona Natale Gianfranco氏が奥様Simona Nataleさんに捧げた愛のメトドクラシコのスプマンテ。

ブドウはネグロアマーロ。

12時間マセラシオンで色素などを引き出し、使用済みバリックで7カ月、バトナージュを施して瓶内二次発酵。ジロパレットを使用。澱との浸漬48か月後、澱引き。ノン・ドサージュ。

色はRosato pugliese【赤玉ねぎの皮の色】と表現する。

Vino rosatoはプーリア発祥。それもLeone di castrisというLecceの南にある街で初めて造られ、その時は殆ど赤ワインの濃い色だったそうです。

第1の香り(Aroma Primale) ブドウ由来:の赤い果実だがフレッシュな酸があるタイプ、タンニンは殆どない

第2の香り(Aroma Secondale) 発酵由来: トースト香、酵母の香、柑橘系、オレンジなど、トロピカルフルーツ

第3の香り(Aroma Terziale) 熟成由来: 木樽は古いものなので、木の香りはない。

【スペシャルグラス】

細工によって、7つの泡が立ち上がります。最近はフルートグラスを使わず、口の広いグラスで香りを楽しむ傾向が強いため、この細工によって気泡の状態、余韻の長さが見てとれます。

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【Jo】 da mar Jonio イオニア海のイオ

ネグロアマーロ・イオニコと昔は呼んでいたように、イオニア海沿岸で栽培されてきたブドウ。

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【Sé】SALENTO PRIMITIVO IGT  2022 セ 自我 (フロイト哲学より、自我とは創造性が活性化され、未来の可能性が生まれます。つまり自己実現は困難な道を乗り越える為の目標を構成します)

プリミティーボ100%   Alc.15%

赤い花(バラ、スミレ)、赤果実(チェリー、プルーン)いずれもフレッシュな香り。

樽は3分の1づつ、新樽、1年目、2年目の3種類に分けて熟成させます。よって、タンニンが程よく感じられ、土壌から来るミネラル感によってアルコール度をそこまで感じないでバランスがよく、キレイな後味です。

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【Es】Salento Primitivo IGT 2022 

フロイトの哲学より本能、Gianfranco氏による真の情熱、喜び(PASSIONE PURA)を表現した2004年がファーストヴィンテージとなる彼の代表的なワイン

プリミティーボ100% オリジナルの畑SAVAの樹齢60-90年のブドウ樹から選ばれたブドウだけで造られます。アルコール度 16%

イノシシのパッパルデッレやジビエ、牛肉(和牛)の煮込みなど、構造のしっかりとしたお料理が望ましい。

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【Es piu' Sole】Vino Dolce Salento Primitivo IGT

プリミティーボ100%  食後に、デザートに、青かびチーズなどに合わせたい、品のよい甘さが忘れられない。アルコール度 13.5%

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SIMONA NATALEさん登場! 彼女のワインSnのボトル用に着物をプレゼント!

プーリアの太陽のような笑顔が印象的な、Gianfrancoのワインのように情熱的な方でした!

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【RISTORANTE】遠方だが1度は召し上がって頂きたい!

テイスティングに大満足の我々一行は、予定を変更しても2階にあるレストランでランチを楽しむことに。それはそれはサプライズの連続のPRANZOでした!

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ピスタチオのリゾットとSimona Nataleのスプマンテを注文しましたが、お料理が出て来る前に

サプライズなアミューズが次から次へと運ばれてきて、目でも楽しませてくれる素晴らしいアイデアの数々。

因みに、テーブルの脚に使用されているのは使用済みのバリックだそうで、この加工を施したのは、

ロマーニャ州にあるSAN PATRIGNANOの若者たちに依るものです。ここは、 薬物依存に立ち向かう若者たちの自立を目指して、1978年にヴィンチェンツォ・ムッチョーリ氏によって設立。リミニの狭小な土地で始まり、ワインも造っています。

2024.5.28

LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より