見渡す限り緑が続く、外からの汚染の影響を受けない、完全BIOの畑で造られるプリミティーボ。
マンドゥリアとジョイア・デル・コッレの2つの銘醸地の丁度真ん中に位置します。
【AMASTUOLAの歴史】
マッセリアが登場する最初の文書は、1400 年代前半のターラント王子ジョヴァンニ・ アントニオ・ オルシーニの資産目録だそうです。この農場はイタリア系ギリシャ人の修道院の資産の一つに挙げられています。
その後、所有者は移り変わり、1652年ターラントの聖職者アンドレア・ダフリットが購入した。18世紀には土地を拡大し、最盛期を迎えた。ところが、ディエゴ・ダフリットの代にギャンブルで多額を浪費し、事実上マッセリアの衰退期を迎えた。 後継者Andrea D’Afflitto Juniorによって持ち直し、1773年ターラントのSaverio D’Ajala に譲ることとするが、利権を取り戻すべく訴訟をおこします。幸い、判決はSaverio D’Ajalaの所有のままとされ、1900年代半ばまで続く。
2003年からマッサフラのモンタナーロ家のKIKAUグループが所有しています。
【AMASTUOLAの場所】
プーリア州南部イオニア湾が遠くに見渡せるターラント県にあたります。
海抜 210mの高台に位置するマッセリア アマストゥオーラは、周囲に樹齢数百年のオリーブの木と中世から続く石壁に囲まれたブドウ畑が約 170 ヘクタール広がっています。
マッセリアの中には遺跡が各所に見られます。オリーブの粉砕・搾油機(フラントイオ)はロバの力を借りて廻していた石臼や、遺跡物にはガラスの床で覆ってあったりします。
「テッラ デッレ グラヴィーネ」地域公園内にも位置しており、「ターラントの黄金」が発見された場所の南に位置し、旧石器時代のネクロポリ(巨大な地下にある墓地)からも近い。
【 美しく、機能的なブドウ畑 】
アマストゥオーラのブドウ畑には、機能性と美しさという 2 つのコンセプトがあります。
ブドウの列は、偉大な景観建築家フェルナンド・カルンチョが考案した設計に基づいて植えられています。ブドウの木の垣根式仕立ては調和のとれた平行な波を描き、約 3 km にわたって各々続きます。
景観デザイナーフェルナンド・カルンチョは「太古の昔から現在に続く時間の波」と定義しています。
【Olivo secolare 何世紀も生き続けるオリーブの樹 】
さらに、何世紀もの高樹齢のオリーブの木が1500本、ブドウ畑の全面とマッセリアの重要な通りに、24個 の島に分けて配置されています。ペルージャの CNR はすべてのオリーブの樹齢を特定し、登録しています。樹齢 800 年のものや、直径 2.5 メートルを超えるものもあります。
この畑の庭園は、オリーブの木の銀緑色とブドウの木の濃い緑を組み合わせた、調和のとれた視覚的なコントラストが生まれています。
マッセリアの中はモダンに改修され、地元の食材を使ったクオリティの高いレストランや、バリックを使ったワインだけ貯蔵されています。
自然公園の中なので、醸造所は別の場所に建てられたそうです。
本日は5種類のテイスティング。
①白:BIALENTO - FIANO,MALVASIA
無用な発酵が起こらないように夜間に収穫。
緑がかった明るい黄色。キンモクセイの花のようなさわやかな甘い香り。
フレッシュな酸味はなめらかであざやか。シトラスとフローラルとミネラルの心地よい余韻が楽しめる。
②ロザート:ONDAROSA (ピンクの波)- AGLIANICO
5時間の果皮との浸漬で軽やかな色合いに留めている。濃いチェリーピンク、ラズベリーとチェリー、オレアンダーとバラのようなフローラルな香り、スリムでバランスのとれた、酸味と丸みが感じられる味わい。
③PRIMITIVO
オーク樽とステンレスタンクで18ヶ月熟成。
深く明るいルビー色。チェリージャムとほのかなシナモンの香り。渋味はおだやかにスパイシー。
小梅のような酸と塩味の美しい余韻。2011年のデビュー以後、ミレジムビオ2015年の銀賞など数々の賞を獲得している、バランス良い逸品。
④LAMAROSSA ラマロッサ プリミティーヴォ
⑤CENTOSASSI チェントサッシ プリミティーヴォ
アルコール度 15.5%
ぶどうは夜間に丁寧に手摘み。アリエ産フレンチオークで醗酵し12ヶ月熟成。良い年にしか作らないワイン。
深くて明るいルビー色。アマストオーラのテロワール特有の、スミレやサワーチェリーと海塩の混ざった香り。やわらかく細やかなタンニンとミネラル感。余韻が長く続く。
研修生のFILOMENAちゃん。レッチェ大学で日本語を学んだそうで、日本が大好きという事で参加してくれました。大学の日本語の先生の他に初めて日本人に会ったそうで、とても緊張されてました。
私たちにとっては娘? 孫?といった世代間ですが、折り鶴やらアニメのグッズなどちょっとしたものを差し上げただけで、涙ぐんでしまいました。なんとピュアな!
FILOMENAちゃん、日本にぜひいらして下さいね!
2024.5.28
LCI-Kykoと行くエノガストロノミアの旅 プーリア編 より